宮本浩次
tour 2026 新しい旅/2026年1月10日(土)/日本武道館
新年のライブ初めは今年もエレカシ!――ではなく、宮本浩次@日本武道館。
『新しい旅』と題された今回のツアー、なにが驚きだったかってその内容。
去年『俺と、友だち』をやった直後だし、このタイトルだし、当然その流れをくんで、新しい仲間たちとツアーをまわるんだと思い込んでいたら、そうじゃなかった。
開演前に、以前にも聴いたことがあるような、ふわっとした環境音楽みたいなのが流れてるのを耳にした時点で、あれ、もしかしたら? とは思ったんだよなぁ……。
キーボード、小林さんじゃん……。
ギター名越由貴夫、ドラム玉田豊夢、ベース須藤優に、キーボードが小林武史って。
『ロマンスの夜』のときのバンドと一緒じゃん!
まぁ、メンバーは一緒でも、やっている内容が激変しているというのならばともかく、あまりに代わり映えしなくて逆にびっくりだった。
いや、『さらば青春』とか『ハローNew York』とか、エレカシのレアなシングル・カップリング曲が聴けたり、エレカシだと嬉しくない『彼女は買い物の帰り道』がソロだと妙にしっくりきちゃったりするのは一興だったけれども。
それでもあとは基本、これまでに観たソロ・コンサートと同じ。映像なしだった前回とは違い、今回はスクリーンも三面ちゃんとある。『木綿のハンカチーフ』が電車のガタンゴトンという効果音のあとで始まるのとか、『ハレルヤ』で手書きの歌詞が出たりする演出とか、前とまったく一緒じゃん!
宮本にとっては、レコーディングに小林さんが絡んでいない『風と私の物語』と『I AM HERO』をこのバンドで初めてやることに意味があるのかもしれないけどさぁ。
でも、それをもってして『新しい旅』とか言われてもなぁ……。
あぁ、なるほど。『新しい旅」ってのは、つまり「新年ツアー」を言い換えただけってことだったのか……ってがっかりした。
でもまぁ、前述したエレカシの三曲を含む第一部はそれでもけっこうよかった。『光の世界』から始まってすぐに『Do you remember?』でがっと盛り上げる感じとか、緩急のつけかたが巧みで、選曲の意外性もあって、いい出来だと思った。『化粧』、『風に吹かれて』、『sha・la・la・la』、『風と私の物語』、『I AM HERO』など、個人的に愛着のある曲や、新曲が並んでいたこともあって、お、きょうのコンサートはけっこういいかもと思った。
【SET LIST】
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くじけたのは、この日も第二部――とくに『rain -愛だけを信じて-』以降。
前回同様、この曲のサビの口パクパートでどっちらけてしまう。
本当にあそこでテープを使うのはやめて欲しい。もしくは使うならば、低いパートを録音にして、高いパートを生で歌って欲しい。なまじ耳に残るパートが口パクなので、気分が萎えることはなはだしい。
基本的にソロの場合はセットリストではエレカシに遠く及ばないのだから、せめて宮本の歌声の気持ちよさを心から楽しみたいわけですよ? なのに、なぜに楽しめなくなるようなパフォーマンスをしてみせるかな? まったく理解できない。
この日は第二部の四曲目という比較的早い時間帯にこの曲が持ってきてあったので、そこから先がずっとダウナーな気分のままになってしまった。
あと、首を傾げたくなったのが、『Today -胸いっぱいの愛を-』の演出。『ハレルヤ』と同じように、宮本の手書きの文字で「Today、イエイエーエェー」みたいなのが表示されていたけれども、なにあれ?
『ハレルヤ』は「幸あれ~」というポジティブなメッセージの曲だから、まだわかるんだけれど、「イェイ、イェイ」みたいな歌詞を見せられて、いったいどうしろと?
ユーモアのつもりだったとしたら、ズレすぎている。そもそも字も汚いしなぁ……。宮本の手書き文字を見られて嬉しいって喜ぶオーディエンスばかりだと思ってんだろうか。なに考えてんだかさっぱりわからない。
とにかくさ、もう余計な演出なんていらないんですよ。宮本はただ歌ってるだけで十分にカッコいいんだからさ。全力で歌っている姿が見られれば、それだけで僕らは満足なんだから。下手な演出は逆効果だってことに気がついて欲しい。
去年のバースデーコンサート以来ずっと歌われている『哀愁につつまれて』とか、思ったよりいい曲かもって気がしてきたし、最初の二番くらいまでは小林さんのキーボードだけで、そのあと玉田豊夢のドラムがドコドコと入ってくる『木綿のハンカチーフ』のミニマムなアレンジとかはけっこう好きなので、なにもかもが悪かったとまでは思わないんだけれども。
でもやっぱ、なにより『rain』が駄目。なまじ曲自体はいいので、それが中途半端なパフォーマンスのせいで楽しめなくなってしまっているのがもどかしくて仕方ない。
あと、やっぱ本編の締めが『P.S. I love you』ってのがなぁ……。
僕はいまだに「愛してる」を連呼する宮本浩次に慣れることができないでいる。
アンコールのラストが『夜明けのうた』だったので、前回と比べればいくらかあと味はよかったけれども、そんなこんなで今回も満足したとはいい切れない、残念無念な宮本の新春公演――ではなく最新ツアーの初日だった。
あぁ、せっかくの武道館なんだから、もっとがっつりと楽しみたかったよ……。
(Jan. 21, 2026)


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