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2025-09-18『エンダーのゲーム』 New!
2025-09-15J1 第29節・鹿島-湘南
2025-09-13『ウェンズデー シーズン2』
2025-09-09『教皇選挙』
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『ハックルベリー・フィンの冒けん』をめぐる冒けん ミスコン女王が殺された 〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ (創元推理文庫)

最近の五本

エンダーのゲーム

オースン・スコット・カード/田中一江・訳/ハヤカワ文庫SF

エンダーのゲーム〔新訳版〕(上) エンダーのゲーム〔新訳版〕(下)

 SFにうとい僕でもたまに名前を目にするし、シリーズ化もされているというから、きっとおもしろいんだろうと思って読んでみたSF小説の古典。

 ――いや。古典というほど古くない。刊行は1985年だそうだから、ファースト・ガンダムよりもあとだった。準古典くらいな感じ?

 物語の主人公のエンダーことアンドルー・ウィッギンは六歳の少年。人口抑制のため、一家に子供はふたりまでと制限されている時代に、三人目として生まれてくることを認められた特別な存在だ。

 過去にバガーという異星人の侵略を受けたこの世界では、再度の侵略から地球を守るべく、優秀な子供たちを選んで戦争の英才教育を施していた。

 エンダーの兄ピーターと姉のヴァレンタインも弟に負けぬ特別な才能の持ち主なのだけれども、軍が未来の地球の救世主として白羽の矢をたてたのはエンダーだった。

 かくして幼くして家族から引き離された彼は、日々演習に明け暮れる士官学校に放り込まれ、孤独のうちにその才能を開花させてゆく。

 各章の冒頭にはエンダーを過酷な人生へと導く大人たちによる会話劇(ト書きなしの脚本風)が挿入されていて、それにつづいてエンダーを中心とした子供たちの物語が描かれる。

 大人の都合とそれに振り回される子供たちというこの構図が最初から最後までずっと繰り返される。大人たちが裏であれこれ画策しているとはつゆ知らず、子供たちはコンピュータ・ゲームのような戦略シミュレーションで自らを鍛え上げてゆく。

 はたして六歳(小学一年生じゃん!)でスタートしたエンダーの地球軍の司令官としての道は、いったいいつどのような形で決着をみるのか?――というのは読んでのお楽しみ。

 少年少女を主人公に戦争やバトルを描くのは日本のマンガやアニメの専売特許のように思っていたから、こんなSF小説がアメリカにもあったことが意外だった。子供への無茶ぶりでは少年ジャンプ以上だろう。小学生になにをやらせているのやら。

(Sep. 18, 2025)

鹿島アントラーズ3-0湘南ベルマーレ

J1・第29節/2025年9月13日(土)19:00/メルカリスタジアム/DAZN

 代表ウィークを挟んで2週間ぶりのJリーグ。

 鹿島より上の順位にいる3チームは前日に試合があり、首位・京都は難敵・広島相手と引き分け、2位の柏と3位の神戸の直接対決もスコアレスドローに終わった。

 そんな風に上位がそろって勝ち点を取りこぼした今節。鹿島にとってはホームゲームだし、相手は降格圏内にいる湘南だ。優勝を目指すならば、ここで勝ち点3を上乗せしないでどうするという試合だった。

 で、結果はひさびさの快勝。しっかりと優勝争いに絡んでいけてよかった。

 スタメンは早川、濃野、植田、キム・テヒョン、小池、樋口、三竿、チャヴリッチ、エウベル、優磨、レオ・シルバという11人。

 左SBに小池を移籍後初めて起用してきたのは、横浜でチームメイトだったエウベルとの連携を考えてのことだそう。あとはダブル・ボランチが樋口と三竿のコンビだったのがちょっとレアなイメージだった(柴崎はなぜだか2試合連続ベンチ外)。

 気持ちよく勝ったとはいえ、スコアレスのまま終わった前半は、このところの試合と同じような煮え切らない内容だった。

 でもまぁ、今季の鹿島がスコアレスで終わったのは数えるほどだし、相手の湘南は失点数でリーグ1位2位を争うクラブだ。そのまま無得点なんてことはないだろうと思っていたら、後半に予想外の爆発を見せた。

 まずはチャヴリッチ。樋口がハイブレスで相手ボールを奪い取ったところから、レオ・シルバ→優磨でつないで作ったチャンスを、きっちりと仕留めた。これぞ鬼木サッカーというワンタッチのプレーがつづいて生まれた美しいゴールだった。これが後半わずか3分。

 2点目はようやく生まれた濃野の今季初ゴール。樋口の右CKが逆サイドにに流れたところでフリーでボールを受けた濃野が、落ち着き払ったコントロールショットを決めてみせた。うまいっ! そういう素晴らしいゴールをもっと見たいっ。

 駄目押しの3点目はレオ・セアラ。これも濃野がハイプレスで相手ボールを奪ってからのショートカウンター。ボールを拾ったレオ・セアラがペナルティエリアに入り込んで、思い切りよく打ったシュートが、相手DFにあたって浮き球になり、相手GKの手の上をすり抜けて、ゴールマウスの中に落ちた。

 前日の試合で京都のラファエル・エリアスが今季16ゴール目を決めて、ついに得点王の称号を奪われていたので、一晩でふたたび追いついたという意味でも貴重なゴールだった。ああいう風に強引に打ったシュートが得点に結びつくシーンが多いので、今季のレオ・セアラには流れが来ている気がする。ぜひともこのまま得点王として今季を終えてもらいたい。

 いつもは積極的に選手を代えてくる印象の鬼木だけれど、この日の交替は比較的ゆっくりだった。最初は3得点を決めたあと、後半34分のチャヴリッチ→松村。その後に樋口、レオ・セアラ、エウベルを、津久井、田川、知念に替えて、ここからは、津久井が右SBに入って、濃野が一枚前、松村が左という形。最後は優磨をさげてターレス・ブレーネルを入れた。

 ターレス・ブレーネル、エウベルの加入で出番がなくなるかと思っていたけれど、ちゃんと使ってもらえていてよかった。それだけ真面目に取り組んでいるということなんだろう。

 守っては日本代表のアメリカ遠征から帰ったばかりの早川(出場機会なし)がしっかりとゴールを守り、無失点のまま試合終了。勝ち点3を積み上げた鹿島が勝ち点で京都と並んで2位となった。

 湘南は開幕戦でゴールを守っていた上福元が怪我で長期離脱して、代役に獲得したはずのホープ・ウイリアムスもなぜだかいなくて、吉田舜という28歳の選手がGKを務めていた。でも1点目はこの人の中途半端なフィードを奪われてのものだったし、濃野のシュートも彼がもっと上手かったら止められていたかもってコースだったから、いっちゃなんだけれど、鹿島としては彼がGKで助かった感があった(失礼)。

 開幕戦で決勝点を許した福田はデンマークへ移籍していなくなっていたし、キャプテン鈴木章斗や元鹿島の藤井など、あいかわらず勢いのある選手もいるものの、湘南はいろいろ苦しいシーズンを送っているみたいだ。山口智監督、お気の毒さま。

(Sep. 15, 2025)

ウェンズデー シーズン2

ティム・バートン他・監督/ジェナ・オルテガ、エマ・マイヤーズ/2025年/アメリカ/Netflix(全8回)

 『ウェンズデー』のファースト・シーズンは主人公の魅力に全振りしたような作品だった。少なくても僕の印象ではそうだった。

 対するこのシーズン2は違う。ウェンズデーがなぜだか未来予知の能力を失ってしまって、一般人に近い存在になってしまうのが影響しているのか、肝心のウェンズデーが前のシーズンに比べると目立っていない。

 その分、彼女を取り囲む脇役たちが存在感を増している。エマ・マイヤーズ演じるルームメイトのイーニッド、ウェンズデーのストーカーとして新登場した透明人間の女の子アグネス(イーヴィー・テンプルトン)のふたりは主役を食わんばかりの勢いだし、ウェンズデーの弟パグズリー(アイザック・オルドネス)がネバ―モア学園に入学したのにあわせて、寄付がどうしたという話で父母(ルイス・ガスマンとキャサリン・ゼタ=ジョーンズ!)まで学園で居住するようになって、アダムス・ファミリーの全員がレギュラーに昇格。ハンドがじつは……というサプライズまである。

 さらにはウェンズデーの元カレや前校長など、ファースト・シーズンで出番が終わったかと思っていたキャラが何人も引きつづき登場してくるし(すっかり忘れていて困った)、そこに今シーズンの重要キャラである時計仕掛けの心臓をもったゾンビや、新校長役のスティーヴ・ブシェミまでが加わるという。レディー・ガガも出演しているけれど、出番は一度だけだった(でもイメージ的にはぴったり)。

 そんな多彩なキャラに囲まれて、様々な事件が巻き起こり、物語は前作に増してにぎやかだ。ただおかげで主人公の印象が控えめ。そこだけがやや残念かなと。

 そんな今シーズンでもっとも出色のエピソードは、呪いのせいでウェンズデーとイーニッドが『君の名は。』なことになる六話目。いつもとは違う役どころを演じるジェナ・オルテガとエマ・マイヤーズの演技が素晴らしい。

(Sep. 13, 2025)

教皇選挙

エドワード・ベルガー監督/レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ/2024年/イギリス、アメリカ/Amazon Prime

教皇選挙(字幕/吹替)

 新しいローマ教皇を選ぶ選挙、コンクラーベをテーマにしたスリラー映画。

 主演のレイフ・ファインズは主席枢機卿として、コンクラーベを取り仕切る立場の人。それなりに人望もあるので、彼を教皇に推す人たちもいるようだけれど、彼自身にはそんな野心はなく、コンクラーベ後に身を引く覚悟を決めている。

 参加者全員の任意投票を何度も行い、最終的に全体の三分の二の票を得た人が新教皇になるとのことで、黒人司祭、革新派、保守派など、四人が有力候補として票を集めるのだけれど、それぞれにスキャンダル等が持ち上がり、ひとりひとりと脱落してゆく。さて、最後に選ばれるのは?――という話。

 結末にはいささか説得力がないように思うし、主要な登場人物がみんな同じ服を着た中高年男性なので、いささか華やかさには欠けるけれど、話としてはそれなりにおもしろかった。厳粛なクラシック音楽のサントラも印象的だ。

 見ていて気になったのは、司祭様たちが被っている赤い小さな帽子。どれだけ偉くなれようとも、少なくても僕はあんな帽子はかぶりたくない。あの帽子が嫌で司祭になりたくない人だって一定数いそうな気がする。

 そんな罰あたりなことを思うのは、僕がカソリック教徒ではないから?

(Sep. 9, 2025)

コレクションズ

ジョナサン・フランゼン/黒原敏行・訳/ハヤカワepi文庫

コレクションズ (上) (ハヤカワepi文庫) コレクションズ (下) (ハヤカワepi文庫)

 「ハヤカワepi文庫を読もう」第二シーズンの二~三冊目ってことで読んだのだけれど、これは英米文学好きならば、ハヤカワepi文庫に収録されているいないに関係なく、読んでいてしかるべき作品だった。

 ジョナサン・フランゼンは1959年生まれ、つまり僕よりも七歳年上のアメリカ人作家。イリノイ州出身で、理系の大学助手を務めていた二十代の終わりに処女作を出すも、しばらくは鳴かず飛ばずで、それから十三年後、四十二歳のときに発表したこの長編第三作が全米図書賞を受賞して、ようやく日の目を見た、というような経歴の持ち主らしい。

 この小説はアルフレッドとイーニッドという老夫婦と、三人の子供たち、ゲイリー、チップ、デニースからなるランバート一家の物語。

 一家はそれぞれに問題を抱えている。

 父親のアルフレッドはパーキンソン病に認知症を併発して家族を悩ませている。

 母親のイーニッドは普通の人だけれど、その平凡さで家族を苦しめている。

 長男のゲイリーはそんな両親を嫌う妻との関係に悩んでいる。

 次男のチップは女学生の誘惑に負けて、大学教授の職を失ってしまう。

 長女のデニースは一流シェフとして活躍しつつも、バイセクシャルな不倫関係に悩んでいる。

 物語はそんな一家が、最後のクリスマスを家族全員で過ごしたいというイーニッドの希望を叶えるため、一斉に集まるか否かという話を軸に、家族それぞれの過去から現在を、章を分けて個別に、オムニバス形式で描いてゆく。

 一家全員の人生が難ありだし、人間関係はどこもギスギスしていて救われない。それでいて読んでいて気分が滅入ったりしないのが、この小説のいいところだ。人生なんて結局は誰でもこんなもんさという達観が物語全体から伝わってくる。文庫本上下巻一千ページ近いボリュームをかけて、こんな楽しくもない物語を書いて、しっかりと読者を楽しませるのがすごい。

 『コレクションズ』というタイトルは「収集」ではなく「修正」の意味のほう。家族のそれぞれがなんらかの意味で人生の「修正」を余儀なくされる、という意味でつけられているのだと思うのだけれど、なまじ「コレクション」という言葉が日本語として定着してしまっている分、その意味が伝わらないのが残念なところだ。

(Sep. 6, 2025)



【相棒】
しろくろや

【Shortcuts】
音楽 作品 / ライブ / 会場 / 購入 / エレカシ
作品 / 作家 / 翻訳家 / 出版社 / 読了 / 積読
映画 作品 / 監督 / 俳優 / / シリーズ / ドラマ
蹴球 鹿島 / Jリーグ / 日本代表 / W杯

【新譜】
09/19Altar / NewDad
09/19Tron: Ares Soundtrack / Nine Inch Nails
09/26Twilight Override / Jeff Tweedy
10/01THE FILM 3 [BD] / YOASOBI
10/03Lovin' You / Richard Ashcroft
10/08あにゅー / RADWIMPS
10/08Don't Laugh It Off / 羊文学
10/10Blight / The Antlers
10/17Nebraska 82: Expanded Edition / Bruce Springsteen
10/17All is Love and Pain in the Mouse Parade / Of Monsters And Men
10/17Deadbeat / Tame Impala
10/31We Are Love / The Charlatans
10/31Everybody Scream / Florence + The Machine
11/21Anthology 4 / The Beatles

【コンサート】
12/22ずっと真夜中でいいのに。@東京ガーデンシアター
12/27RADWIMPS@有明アリーナ

【サッカー】
09/20[J1 第30節] 浦和-鹿島
09/23[J1 第31節] C大阪-湘南
09/27[J1 第32節] 名古屋-湘南

【準備中】
09/11エンダーのゲーム
09/13劇場版 孤独のグルメ
09/15ハックルベリー・フィンの冒けん

【過去のコンテンツ】
Coishikawa Scraps Bootleg 2.0