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2026-02-28『カンガルー日和』 New!
2026-02-25『Somebody Tried To Sell Me A Bridge』
2026-02-23J1百年構想リーグ・鹿島-柏
2026-02-21『トレイン・ドリームズ』
2026-02-18『ブラウン神父の知恵』
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カンガルー日和

村上春樹/講談社文庫/Kindle

カンガルー日和 (講談社文庫)

 月刊村上春樹その二。

 最初に『村上朝日堂 はいほー!』を読んだのは、春樹氏のエッセイが苦手なので、先に片付けてしまおうと思ったからだったのだけれど、それが思ったよりも悪くなかったので、いきなり方針変更。ここからは時系列で古い順に読んでゆくことにした。

 というわけで二冊目は『カンガルー日和』。

 この本を読んでなかったのは、ショートショート的な長さの短編集というのにいまいち興味が持てなかったから。

 ショートショートというと星新一のイメージが強くて、失礼ながら文学よりもエンタメ寄りなイメージが強い。読めば楽しめるのかもしれないけれど、ページ数的にどうしたって通常の短編のような感動は味わえないのだから、わざわざ時間を割いて読むこともないと思ってしまっていた。マンガでいえば、四コマ漫画は読まなくてもいいやって思ってしまうのに近い感じ。

 でもこの本はけっこうよかった。短いからこそ一篇一遍に村上春樹ならではのエッセンスがさりげ気なく形を取っている感じがする。

 まぁ、羊男が出てくる『図書館奇譚』(この本唯一のふつうの長さの短編)とか、『あしか祭り』とかは、まさに僕の苦手な村上春樹の典型って短編だったりする。

 でもそのほかの多くの短編は短さゆえに下手に奇をてらっていない感じがあって、そのさらりとさりげないところが好印象だった。

 収録作品のいくつかは、逆輸入版のアンソロジーにも収録されているので、すべてが初めてというわけではなかった。

 なかでも『1963/1982年のイパネマ娘』はつい最近どこかで読んだ気がする――内容は覚えていなかったけれど、タイトルにすごく既視感がある――んだけれど、はてどこでだっけ?……としばらく悩んでから、ようやく『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29』だと思いあたった。あぁ、すっきり。

(Feb. 28, 2026)

Somebody Tried To Sell Me A Bridge

Van Morrison / 2025

Somebody Tried To Sell Me A Bridge

 前回ヴァン・モリソンの『Accentuate The Positive 』を取り上げてからまだ二年しかたっていないのに、それから現在までの間に、なんと四枚もの新譜がドロップされている。

 まずは廃校が決まった母校(の体育館だか講堂?)で行った十年前の凱旋公演の模様を収録したライブ盤『Live at Orangefield』。

 つづいて過去曲にジャズ・アレンジを施し、ウィリー・ネルソンやジョス・ストーンらをゲストに迎えてデュエットを聞かせたセルフカバーアルバム『New Arrangements and Duets』(なんのひねりもないそのまんまなタイトル)。

 あけた2025年の夏前には三年ぶりの完全新作オリジナル・アルバム『Remembering Now』がリリースされたので、感想を書かないとなぁと思っていたら、間髪入れずにそのわずか半年後にはこの『Somebody Tried to Sell Me A Bridge』がリリースされるという。しかもこれが全二十曲入りでCD収録時間上限に達するボリューム。

 すでによわい八十ですよ? なんでこんなに精力的なの?

 にわかには信じがたい創作意欲だ。

 まぁ、内容はこのところの御大の定番といった感のある、自前の新曲を数曲加えたブルースのカバー・アルバムだから、制作コストは低めなのかもしれないけれど、それにしたってねぇ……。

 いやはや、すごすぎる。お元気でなにより。

 今回はエルヴィン・ビショプやタジ・マハール、バディ・ガイらをゲストに迎えているのもポイントだ。最多はビショップさんの六曲で、あとのふたりが二曲ずつ。

 僕にはあまり馴染みのない人ばかりだけれども、どなたもヴァン・モリソンにとっては同世代のレジェンドたち。でもって、ともにブルースを愛する者どうし。その演奏が悪かろうはずがない。女性コーラスとかホーンとかもたっぷりと入っていて、わいわいと楽しげで素敵です。

 あいかわらずカバー曲の選択は激渋で、僕が知っていたのは『Ain't That A Shame』一曲だけなんだけれど、その曲にしてもアレンジがあまりにファッツ・ドミノのオリジナルやジョン・レノンが『Rock 'N' Roll』で聴かせたカバーと違いすぎていて、それと気がつきませんでした。おそまつ。

(Feb. 25, 2026)

鹿島アントラーズ2-0柏レイソル

J1百年構想リーグEAST・第3節/2026年2月21日(土)16:00/メルカリスタジアム/DAZN

 去年はリカルド・ロドリゲスのもとで大躍進を遂げ、最後まで激しい優勝争いを繰り広げたレイソルだったけれど、今大会は初戦で川崎に5-3という大乱打戦のすえに負け、前節もヴェルディに逆転負けをくらって、ここまで2連敗。序盤から苦しい戦いを強いられている。

 前節は後半ロスタイムに原田がレッドカードで退場してしまい、この試合は出場停止だったので、3バックは古賀を中心に、右が24歳の馬場、左が元鹿島の杉岡という組み合せで、三丸を左サイドウィングに起用していた。

 なぜにいつもはCBの三丸とSBの杉岡のポジションを入れ替えたのかわからない。調べたら三丸よりも杉岡のほうが背が高いので、高さを買ったということなのかもしれない。初戦から守備が綻びているので、なんとかしたいという苦肉の策なのかも。

 対する鹿島は前節は出場停止だった三竿が戻ってきて、樋口とコンビを組んだ。

 前節は決勝点の起点となった柴崎と、精力的に最後まで足を止めなかった樋口、どちらも好印象だったので、今節のボランチの組み合わせはどうなるか注目していたのだけれど、鬼木の選択は三竿と樋口だった。今季のボランチの軸は三竿ってことらしい。

 スタメンではあと両SBが濃野と溝口だったのが前節との違い。

 まさか決勝点をアシストした小川をはずして溝口を使ってくるとは思わなかった。鬼木の起用法って地味な意外性がある。その試合で足を痛めて途中交替した小池はベンチ外だった。

 この試合のひとつめのポイントとなったのは、前半なかばに早川がPKを取られたシーン。右SWの山之内(22歳のこの選手はかなり目立っていた)がゴール前でボールを受けようとしたところへスライディングしてクリアにいってファールを取られた。まぁ、ボールにはいっていたし、あのファールは致し方なし。運がなかった。

 でも細谷がキッカーを務めたこのPKを早川は見事に止めてみせた。しかもゴールど真ん中へのキックを微動だにせずにがっしりと胸で受け止めて。あんな動きの少ないPK、初めて見たよ。なにごとかと思った。

 ちなみにああいう真正面へのキックって、それを得意にした選手の名前にちなんでパネンカと呼ぶらしいっすね。初めて知った(でもきっと覚えられない)。

 このPK阻止で窮地を脱した鹿島は、その10分後にセットプレーから先制に成功する。

 ゴールに向かって左手から蹴った樋口のFKがファーに流れたのでミスキックかと思ったら、そこへ駆け込んだ優磨が右足でダイレクトに折り返し、ゴール真正面でフリーになっていたレオ・セアラへ絶妙なアシストをかます。レオもダイレクトで右足を振り抜いて、豪快にゴールネットを揺らしてみせた。なんちゅう気持ちのいいゴール!

 後半の追加点も樋口のセットプレーから。右コーナーから蹴り込んだ高速クロスに植田が頭であわせた。これもお見事のひとことだった。クロスのスピードにも、それにあわせた植田の技術にもびっくり。

 守ってはかつての川崎のような細やかなパス回しで相手を翻弄するシーンも見られたし、この日もシュートこそ8本と少なかったけれど、内容的には鬼木に監督になって以来、最高の出来といえる試合だったんじゃなかろうか。3連敗で最下位に沈んだままの柏はお気の毒さま――としかいえない。

 途中出場は小川、林、知念、チャヴリッチ、徳田の5人。全員スコアが2-0になってからの交替だった。この日の林はなるほど期待されるだけのことはあるのかもという小気味よいプレーを見せてくれていた。

 柏でも最後のほうに垣田と仲間が出てきた。ふたりとも今期はこれが初出場。杉岡はフル出場で、ベンチには犬飼もいた。鹿島を離れた選手たちの活躍を見るのもサッカーの楽しみのひとつだ。

(Feb. 23, 2026)

トレイン・ドリームズ

クリント・ベントリー監督/ジョエル・エドガートン、フェリシティ・ジョーンズ/2025年/アメリカ/Netflix

 毎年恒例ネトフリで配信されているアカデミー賞候補作を観ようシリーズ。今年の一本目は二十世紀の初頭のアメリカに生きたブルーカラーの孤独な男性の生涯を描く文芸作品。

 原作はデニス・ジョンソンの中編小説とのことで、あとから知って、まさか読んだことのある作家の作品だったとは……と驚いた。

 予告編――というか本編映像を使ったニック・ケイヴの主題歌のミュージック・ビデオ――の映像の美しさに惹かれて観ようと思った作品で、こと映像に関しては期待を裏切らない素晴らしさ。最近の映画には珍しく、画角がワイドスクリーンではなく、ブラウン管サイズだったのにはいささか戸惑ったけれど、もしかしたらスナップ写真的な映像美を意識した結果なのかなと思ったりした。

 物語は親に見捨てられ、誕生日も知らずに育った天涯孤独な男性が、ゆきずりの町で出逢った女性と恋に落ち、その土地で家庭を持ち、子供を授かり、つかの間の幸せを味わうも……というような話。

 主演はジョエル・エドガートンという人で、ヒロインが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のフェリシティ・ジョーンズ。あの映画から十年たっているけれど、イメージはあまり変わらない。素朴で飾らない役どころが素敵だった。

 主人公のロバート・グレイニアは無学なので、肉体労働者として働かざるを得ず、愛する妻子をおいて、鉄道施設にともなう材木伐採の仕事に出かけてゆく。彼の家も町から離れた川沿いにぽつんと建つ手作りの一軒家だし、主人公がつねに自然のなかで暮らしているため、スクリーンに映し出されるのは前世紀のアメリカの豊かな自然の風景。ときおり電車や町の風景も映るけれど、とにかく印象的なのは自然の美しさや清々しさ。主人公が無口なこともあって、美しくも静かでもの悲しい作品だった。

 孤独な主人公が自然の中で生きる姿を淡々と描写している点では、五年前にオスカーを制した『ノマドランド』に近いものがあるけれど、こちらはその映像美ゆえだろうか、あの映画には感じなかった、おだやかな悲劇がもつ優しいカタルシス? みたいなものがある気がする。とてもよい映画でした。

(Feb. 21, 2026)

ブラウン神父の知恵

G・K・チェスタトン/中村保男・訳/創元推理文庫/Kindle

ブラウン神父の知恵 (創元推理文庫)

 前作を読んでからだいぶ間があいてしまった。およそ三年ぶりに読むブラウン神父シリーズの第二弾。

 『ブラウン神父の童心』では相棒フラウボウとの出逢いから彼が改心するまでの展開が、連作短編的な形で含まれていたけれど、今回はそういう仕掛けはなくて、ふつうに短編集って感じになっている。

 特徴があるとすれば、犯人探しやミステリとしての体裁よりも謎解きのサプライズを主眼にした作品が多いところ――だろうか。

 たとえば最初に収録されている『グラス氏の失踪』では、ブラウン神父が高名な犯罪学者だという人を訪ねていって事件の解決を依頼するのだけれど、結局その人の推理は的はずれで、ブラウン神父がその間違いを正して終わる。なぜ自分で説明できる事件のためにブラウン神父がその人を呼びにいったのか、まるでわからない。

 そのほかの短編もほぼすべてが「こういう事件がありまして、こう思われていますが、じつは真相はこうです」とブラウン神父が解き明かしてみせる形。でもって、真相はピンポイントで明かされるものの、事件の顛末自体はなんとなくあいまいなままで終わってしまう話が多い――ような気がした。

 まぁ、今回も途中で寝落ちしてばかりで、ちゃんとディテールを読みとれてない感が強かったので、きちんと読めばわかることを、僕がわかっていないだけってことなのかもしれない。前のときもそんな感じだったし、なんとなくチェスタトンとは相性が悪い気がする。

 あと、とにかくこのシリーズは翻訳が古い。ブラウン神父がフラウボウに「おまえさん」と呼びかけたり、登場人物が自分のことを「吾輩」と呼んでいたりする。時代劇でもあるまいし。いまどき「吾輩は」といってもおかしくないのは猫くらいだろう。

 本当にこのシリーズを後世に残すべき傑作だと思っているならば、そろそろ新訳に入れ替えることを考えてしかるべき時期なのでは。

(Feb. 18, 2026)



【相棒】
しろくろや

【Shortcuts】
音楽 作品 / ライブ / 会場 / 購入 / エレカシ
作品 / 作家 / 翻訳家 / 出版社 / 読了 / 積読
映画 作品 / 監督 / 俳優 / / シリーズ / ドラマ
蹴球 鹿島 / Jリーグ / 日本代表 / W杯

【新譜】
03/04二人称 / ヨルシカ
03/11禁じ手 / 椎名林檎
03/13Play Me / Kim Gordon
03/25形藻土 / ずっと真夜中でいいのに。
03/27Creature of Habit / Courtney Barnett
03/27Honora / Flea
04/24Julia / Julia Cumming
06/10I AM HERO 「俺と、友だち」盤 / 宮本浩次
06/10I AM HERO 「最高の日、最高の時」盤 / 宮本浩次

【コンサート】
10/28BUMP OF CHICKEN@有明アリーナ

【サッカー】
03/07[J1百年構想L 第5節] 鹿島-東京V
03/14[J1百年構想L 第6節] 鹿島-川崎
03/18[J1百年構想L 第7節] 町田-鹿島
03/22[J1百年構想L 第8節] 鹿島-千葉

【新刊書籍】
07/14『サリンジャー初期短篇全集』 柴田元幸・訳

【準備中】
02/21薔薇の名前
02/24フランケンシュタイン
02/28[J1百年構想L 第4節] 浦和-鹿島
02/28ずっと真夜中でいいのに。@日本武道館

【過去のコンテンツ】
Coishikawa Scraps Bootleg 2.0