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2025-09-06『コレクションズ』
2025-09-03J1 第28節・清水-鹿島
2025-08-31「残像の愛し方、或いはそれによって産み落ちた自身の歪さを…」
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ハックルベリー・フィンの冒けん ミスコン女王が殺された 〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ (創元推理文庫)

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ウェンズデー シーズン2

ティム・バートン他・監督/ジェナ・オルテガ、エマ・マイヤーズ/2025年/アメリカ/Netflix(全8回)

 『ウェンズデー』のファースト・シーズンは主人公の魅力に全振りしたような作品だった。少なくても僕の印象ではそうだった。

 対するこのシーズン2は違う。ウェンズデーがなぜだか未来予知の能力を失ってしまって、一般人に近い存在になってしまうのが影響しているのか、肝心のウェンズデーが前のシーズンに比べると目立っていない。

 その分、彼女を取り囲む脇役たちが存在感を増している。エマ・マイヤーズ演じるルームメイトのイーニッド、ウェンズデーのストーカーとして新登場した透明人間の女の子アグネス(イーヴィー・テンプルトン)のふたりは主役を食わんばかりの勢いだし、ウェンズデーの弟パグズリー(アイザック・オルドネス)がネバ―モア学園に入学したのにあわせて、寄付がどうしたという話で父母(ルイス・ガスマンとキャサリン・ゼタ=ジョーンズ!)まで学園で居住するようになって、アダムス・ファミリーの全員がレギュラーに昇格。ハンドがじつは……というサプライズまである。

 さらにはウェンズデーの元カレや前校長など、ファースト・シーズンで出番が終わったかと思っていたキャラが何人も引きつづき登場してくるし(すっかり忘れていて困った)、そこに今シーズンの重要キャラである時計仕掛けの心臓をもったゾンビや、新校長役のスティーヴ・ブシェミまでが加わるという。レディー・ガガも出演しているけれど、出番は一度だけだった(でもイメージ的にはぴったり)。

 そんな多彩なキャラに囲まれて、様々な事件が巻き起こり、物語は前作に増してにぎやかだ。ただおかげで主人公の印象が控えめ。そこだけがやや残念かなと。

 そんな今シーズンでもっとも出色のエピソードは、呪いのせいでウェンズデーとイーニッドが『君の名は。』なことになる六話目。いつもとは違う役どころを演じるジェナ・オルテガとエマ・マイヤーズの演技が素晴らしい。

(Sep. 13, 2025)

教皇選挙

エドワード・ベルガー監督/レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ/2024年/イギリス、アメリカ/Amazon Prime

教皇選挙(字幕/吹替)

 新しいローマ教皇を選ぶ選挙、コンクラーベをテーマにしたスリラー映画。

 主演のレイフ・ファインズは主席枢機卿として、コンクラーベを取り仕切る立場の人。それなりに人望もあるので、彼を教皇に推す人たちもいるようだけれど、彼自身にはそんな野心はなく、コンクラーベ後に身を引く覚悟を決めている。

 参加者全員の任意投票を何度も行い、最終的に全体の三分の二の票を得た人が新教皇になるとのことで、黒人司祭、革新派、保守派など、四人が有力候補として票を集めるのだけれど、それぞれにスキャンダル等が持ち上がり、ひとりひとりと脱落してゆく。さて、最後に選ばれるのは?――という話。

 結末にはいささか説得力がないように思うし、主要な登場人物がみんな同じ服を着た中高年男性なので、いささか華やかさには欠けるけれど、話としてはそれなりにおもしろかった。厳粛なクラシック音楽のサントラも印象的だ。

 見ていて気になったのは、司祭様たちが被っている赤い小さな帽子。どれだけ偉くなれようとも、少なくても僕はあんな帽子はかぶりたくない。あの帽子が嫌で司祭になりたくない人だって一定数いそうな気がする。

 そんな罰あたりなことを思うのは、僕がカソリック教徒ではないから?

(Sep. 9, 2025)

コレクションズ

ジョナサン・フランゼン/黒原敏行・訳/ハヤカワepi文庫

コレクションズ (上) (ハヤカワepi文庫) コレクションズ (下) (ハヤカワepi文庫)

 「ハヤカワepi文庫を読もう」第二シーズンの二~三冊目ってことで読んだのだけれど、これは英米文学好きならば、ハヤカワepi文庫に収録されているいないに関係なく、読んでいてしかるべき作品だった。

 ジョナサン・フランゼンは1959年生まれ、つまり僕よりも七歳年上のアメリカ人作家。イリノイ州出身で、理系の大学助手を務めていた二十代の終わりに処女作を出すも、しばらくは鳴かず飛ばずで、それから十三年後、四十二歳のときに発表したこの長編第三作が全米図書賞を受賞して、ようやく日の目を見た、というような経歴の持ち主らしい。

 この小説はアルフレッドとイーニッドという老夫婦と、三人の子供たち、ゲイリー、チップ、デニースからなるランバート一家の物語。

 一家はそれぞれに問題を抱えている。

 父親のアルフレッドはパーキンソン病に認知症を併発して家族を悩ませている。

 母親のイーニッドは普通の人だけれど、その平凡さで家族を苦しめている。

 長男のゲイリーはそんな両親を嫌う妻との関係に悩んでいる。

 次男のチップは女学生の誘惑に負けて、大学教授の職を失ってしまう。

 長女のデニースは一流シェフとして活躍しつつも、バイセクシャルな不倫関係に悩んでいる。

 物語はそんな一家が、最後のクリスマスを家族全員で過ごしたいというイーニッドの希望を叶えるため、一斉に集まるか否かという話を軸に、家族それぞれの過去から現在を、章を分けて個別に、オムニバス形式で描いてゆく。

 一家全員の人生が難ありだし、人間関係はどこもギスギスしていて救われない。それでいて読んでいて気分が滅入ったりしないのが、この小説のいいところだ。人生なんて結局は誰でもこんなもんさという達観が物語全体から伝わってくる。文庫本上下巻一千ページ近いボリュームをかけて、こんな楽しくもない物語を書いて、しっかりと読者を楽しませるのがすごい。

 『コレクションズ』というタイトルは「収集」ではなく「修正」の意味のほう。家族のそれぞれがなんらかの意味で人生の「修正」を余儀なくされる、という意味でつけられているのだと思うのだけれど、なまじ「コレクション」という言葉が日本語として定着してしまっている分、その意味が伝わらないのが残念なところだ。

(Sep. 6, 2025)

清水エスパルス1-1鹿島アントラーズ

J1・第28節/2025年8月31日(日)/IAIスタジアム日本平/DAZN

 天皇杯では町田に完敗を喫して、もはや今年のタイトルは残すところJ1のみという状況になって迎えたアウェイの清水戦。

 でも勝てない。前半に失点を許し、後半なんとか同点には追いついたもののそこまで。結局ドローに終わって、順位を4位まで下げてしまった。

 スタメンは早川、小池、植田、キム、小川、知念、三竿、チャヴリッチ、エウベル、レオ・セアラ、優磨の11人で、途中出場は松村、船橋、溝口、田川、濃野の5人。

 天皇杯ではレオ・セアラがベンチスタートだったから、やはりコンディションがよくないのかと思ったら、この日はスタメンで出てきた。

 おかげでスタメンのメンツだけ見れば、何点でも取れそうな顔ぶれなのに、得点はセットプレーからの植田のヘディングの1点のみではなぁ……。

 清水の先制点は松崎快という選手が左サイドから入れたグラウンダーのクロスに、高橋利樹という選手が飛び込んできて決めたもの。どちらも思い切りのいいプレーだったとはいえ、鹿島の守備が緩すぎた。

 清水といえば、GKは元鹿島の沖――のはずが、梅田というひとつ年下のユース出身の選手にスタメンを奪われていた。でもって、その梅田くんがこの日はあたりまくり。なるほど、沖がベンチを温めているのも納得の出来だった。

 いずれにせよ、ボール保持率61%、パスの本数は相手の二倍近くという今年の鹿島には珍しい展開の試合だったけれど、ボールはまわせれどゴールは遠かった。

 13位のクラブ相手に引き分けているようでは、今年もタイトルは遠そうだ。がっくりきちゃって、文章を書く気力がわかない。あぁ……。

(Sep. 03, 2025)

「残像の愛し方、或いはそれによって産み落ちた自身の歪さを、受け入れる為に僕たちが過ごす寄る辺の無い幾つかの日々について。」

Tele / 2025

「残像の愛し方、或いはそれによって産み落ちた自身の歪さを、受け入れる為に僕たちが過ごす寄る辺の無い幾つかの日々について。」

 去年の君島大空につづいて、今年も蔦谷好位置が『EIGHT-JAM』で年間ベスト10に取り上げた曲にハマった。今年の一曲は Tele の『カルト』。

 Tele(テレ)は谷口喜多朗という2000年生まれの青年のソロプロジェクト(うちの子より若い!)。

 谷口クンはどことなく野田洋次郎を小ぶりにしたような見た目と声をしている。でもって、『カルト』はまさにラッド系列の饒舌でシニカルなロックナンバー。MVでは黒スーツに白シャツ姿で、あたかも宮本浩次みたいな暴れ方をしているし、これはもう完璧に俺の守備範囲でしょう?――と思って、そのほかの曲も聴いてみたんでしたが。

 ん、ちょっとちがうかも?

 そう思ってしまったのは、『カルト』みたいにアッパーなギターサウンド一本で勝負している曲がほとんどなかったから。

 よくいえば、バラエティに富んでいる。悪くいえば、これって芯が見えてこない。その辺はバンドではなくソロアーティストだからだろう。バンドという縛りがない分、あれもこれもと様々なスタイルをお試し中な感じ。全体的にはマイルドな曲が多くて、ちょっと期待していたのとは違った。

 僕が若き日の宮本や洋次郎やn-bunaに惹かれたのは、どの楽曲を聴いても彼らが感じている日々への苛立ちが歌詞にも音にもビートにも溢れださんばかりだったからだ。

 とにかく黙っていられないから歌う。叫ぶ。じっとしていられないから踊る。日々の憤りや憂鬱を振り払うには、激しいノイズとハードなビートとシニカルな言葉をぶつけるしかない。それが僕にとっての音楽だった。

 Teleの場合、『カルト』はまさにそういう曲なのだけれど、それ以外はそうでもない。歌詞は怒りと愛を並行で語っている印象で、ある程度の毒はあるけれど、前述の人たちほどの濃度じゃない。音もギターが目立つ曲が少ない。ストリングスが多用されていたり、ジャジーな曲があったりもする。

 そう、要するにロックよりもポップ寄りなんだった。最初にド直球の『カルト』で過度のロックを期待してしまったのが間違い。

 少年ジャンプに掲載されていたインタビューでは「教科書に載るような曲を書きたい」みたいなことを言っていたし、もとよりポップ寄りのメンタルな人なんだろう。いったんそういうアーティストなんだという事実を受け入れてからは、けっこう楽しく聴かせてもらっている。

 このアルバムはそんな Tele が満を持してリリースした二枚目のアルバム。レーベルはトイズファクトリーだから、これがのメジャー・デビュー・アルバム――なんでしょう、おそらく。でもなぜだかタワーレコードでしか売っていない。ほんとなぜ? いろいろ謎が多い。

 このアルバムをリリースしてから半年もたたないのに、すでにこのアルバムには未収録の新曲が二曲リリースされていたりするし、ずとまよやヨルシカと同様、CDシングルなんて出す気配もない。いまどきの若者って、CDの売上なんてどうでもいいと思っている感じが新鮮だ。

 アルバムの内容は2022年からコンスタントにリリースしてきた三年分の配信シングル15曲に新曲6曲を加えた怒涛の21曲入り。

 なにもCDの収録時間上限に達するほど曲が溜まるまで待たないで、もっとこまめにアルバムにまとめてもいいじゃんって思うけれど、でもこのアルバムはこの過剰なボリュームに意外と説得力がある。なんたって一時間二十分という再生時間の長さがまったく気にならない。楽曲のよさとバラエティ豊かなアレンジゆえだろう。新人でこれはちょっとすごいと思う。覚えられないほど長いアルバムタイトルからも伝わる言葉に対するこだわりも魅力のひとつだ。

 ネットでは楽曲ごとのクレジットが見つからず、CDも買っていないから詳細はわからないけれども、Apple Musicのプロパティにあるクレジットだと、ほとんどの曲に「アレンジャー、作曲、作詞」として谷口喜多朗の名前がある。

 え、まじか? このアルバムってもしかしてセルフプロデュースなの? それでこの完成度はすごいな。あまりにバラエティ豊かだから、外部の力を借りまくっているのかと思っていた。もしかして、ものすごい才能の持ち主なのかも。

 『箱庭の灯』や『花筏』といったスローナンバーも素敵だけれど、お薦めはやっぱなんといっても『カルト』。この一曲だけで一年中踊っていられる。

(Aug. 31, 2025)



【相棒】
しろくろや

【Shortcuts】
音楽 作品 / ライブ / 会場 / 購入 / エレカシ
作品 / 作家 / 翻訳家 / 出版社 / 読了 / 積読
映画 作品 / 監督 / 俳優 / / シリーズ / ドラマ
蹴球 鹿島 / Jリーグ / 日本代表 / W杯

【新譜】
09/17永遠深夜万博「名巧は愚なるが如し」 / ずっと真夜中でいいのに。
09/19Altar / NewDad
09/19Tron: Ares Soundtrack / Nine Inch Nails
09/26Twilight Override / Jeff Tweedy
10/01THE FILM 3 [BD] / YOASOBI
10/03Lovin' You / Richard Ashcroft
10/08あにゅー / RADWIMPS
10/08Don't Laugh It Off / 羊文学
10/10Blight / The Antlers
10/17Nebraska 82: Expanded Edition / Bruce Springsteen
10/17All is Love and Pain in the Mouse Parade / Of Monsters And Men
10/17Deadbeat / Tame Impala
10/31We Are Love / The Charlatans
10/31Everybody Scream / Florence + The Machine
11/21Anthology 4 / The Beatles

【コンサート】
12/22ずっと真夜中でいいのに。@東京ガーデンシアター
12/27RADWIMPS@有明アリーナ

【サッカー】
09/13[J1 第29節] 鹿島-湘南
09/20[J1 第30節] 浦和-鹿島
09/23[J1 第31節] C大阪-湘南
09/27[J1 第32節] 名古屋-湘南

【準備中】
09/11エンダーのゲーム

【過去のコンテンツ】
Coishikawa Scraps Bootleg 2.0