2006 FIFAワールドカップ Germany (1)

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Index of Group Leagues (1)

  1. ドイツ4-2コスタリカ
  2. イングランド1-0パラグアイ
  3. セルビア・モンテネグロ0-1オランダ
  4. オーストラリア3-1日本
  5. 韓国2-1トーゴ
  6. スペイン4-0ウクライナ

ドイツ4-2コスタリカ

グループA/2006年6月9日(金)/ミュンヘン

 オープニングマッチはホストカントリーのドイツの試合。前回までは前大会の優勝チームが出場することになっていたのだけれど──そうそう、2002年はフランスがセネガルに苦杯を飲まされたんだった──、今回から開催国が代わりを務めることになった。レギュレーションが変わって、前大会優勝チームも予選を戦うことになり、本戦への出場が確約されなくなったためだそうだ。もしもこのルールが日韓大会の時に採用されていたら、日本と韓国、どちらがオープニング・マッチを戦うかで、そうとう揉めたんじゃないかという気がする。
 なにはともあれ、まずはホスト国ドイツの登場。直前の日本との親善試合ではやたらとディフェンス・ラインに問題を抱えていることを露呈していたドイツだけれども、やはり本大会が始まっても、その辺は十分に改善し切れていないみたいだ。この試合でもあっさりとオフサイド・ラインの裏をとられて、コスタリカの9番、ワンチョペに2ゴールを献上していた。
 ただ、このワンチョペという選手が{あなど}れない。これまで国際試合の出場試合数70に対して、ゴール数が実に45という、素晴らしい成績を残している。ディフェンス・ラインの裏をとるあのプレーと、その後の落ち着いたシュートを見ると、その成績にもなるほどと思う。あの落ち着きのかけらを薬にして日本のFWに飲ませたいくらいだ。こういう選手が相手では、日本に対してさえあれだけ穴のあったドイツの守備陣では2失点も仕方ないところがあった。
 ただ、いくらそんないいストライカーがいるとは言っても、チーム全体の力量的にはやはり確実にドイツの方が上。しかも体格がまるで違う。中田英寿が自身のHPでドイツ戦をふりかえって、「自分も世界中の選手を見てきたけれども、あんなに大きな選手ばかりのチームは今までに見たことがない」みたいなことを書いていたけれど、本当にこの人たちはでかい。あまりにそろいもそろって大きいので、先制ゴールを決めた左サイドバックのラームという選手の170センチという日本人並みの身長が逆に目立つくらいだ。
 そんなドイツに対して、北中米地区代表のコスタリカは、僕ら日本人と似たような体形のチーム。しかもショートパスをつないでくるサッカーを展開するので──あまり強くない点も含めて──意外と親しみがもてた。そのせいで、大会的にはホスト国が勝ち残った方が盛りあがると思いつつも、ついついコスタリカの肩を持ってしまう自分がいた。ドイツには加地が削られた恨みもちょっとあるし……。
 それでも結局、試合はホームのドイツが終始優勢な展開のまま進み、そのままドイツが勝ち点3を獲得して終わった。小柄な16番の左サイドバック、ラームのミドルで先制すると、同点においつかれても、すぐに9番クローゼが右サイドからのペナルティエリア内でのパスに足であわせて突き放す。後半にはまたクローゼが今度はヘディングでゴールを襲い、それをGKが弾いたボールをしぶとく押し込んだ。その後ワンチョペに1点を返されて追いすがられるも、セットプレーから8番のフリンクスが豪快なミドルシュートを決めて勝負あり。6ゴールが乱れ飛ぶ派手な試合は、順当にドイツの勝利に終わった。終始ドイツが優勢な展開で、あまりおもしろみはなかったけれども、ゴールはどれも素晴らしいものばかりだったし、その点では、なかなかいい開幕戦だったのかもしれない。
 次の対戦相手ポーランドは緒戦のエクアドル戦を落としたので、ドイツにとっては次の試合は結構シビアな戦いになるだろう。でもとりあえずこの試合を見る限り、守備に不安を抱えつつも、それを補うだけの攻撃力があるみたいだから、順当に予選リーグは突破できそうだ。
(Jun 10, 2006)

イングランド1-0パラグアイ

グループB/2006年6月10日(土)/フランクフルト

 今大会のイングランドはいい。僕はこのチームがとても好きだ。オウンゴールの1点のみに終わってしまったけれども、チーム力の高さは十分に見せたと思う。特に6番ジェラードと8番ランパードのダブル・ボランチが強力。攻守ともにとても力強いプレーを展開していて、非常に感銘を受けた。稲本はこんなやつらと同じ土俵で戦ってきたのかと、あらぬことにも感心した。
 イングランドのフォーメーションは4-4-2。GKはポール・ロビンソンで、この人はスタジアム中央の天上にぶらさがった巨大モニターにボールをぶつけるほどのキック力が印象的だった(GKの技量を見抜くほどの眼力はない)。
 4バックは両サイドが右ギャリー・ネビルと左アシュリー・コール。コールは前大会で名前を聞いた覚えがある。センターバックのリオ・ファーディナンドも同じく。もう一人のセンターバックはジョン・テリー。
 中盤はボックス型。スティーヴン・ジェラード、フランク・ランパードのダブル・ボランチの前には、右にキャプテンマークを任されたデイヴィッド・ベッカムがひかえる。左は11番ジョー・コール。小柄なこの選手はスピーディーなドリブルが持ち味で、日本代表にもいそうなタイプだ。とにかくこの中盤の4人は素晴らしかった。
 で、2トップがマイケル・オーウェンと噂の巨人(198センチ!)、ピーター・クラウチという布陣。若きエース、ウェイン・ルーニーはまだ故障から十分に回復できていないらしく、スタメンをはずれた。
 とにかく中盤で力強いミドル・パスがワンタッチでバシバシつながってゆくのを見るのは、非常に小気味よかった。左からはベッカムの正確無比なクロスが飛び、右からはJ・コールが小さな身体で果敢に突っかけてゆく。真ん中からは積極的な攻め上がりが持ち味の、ジェラード&ランパードの強烈なミドルが炸裂する。ディフェンスもとても安定しているし、これでFWが調子が良ければ、そうとうな成績を残せるだろう。
 残念なのはそのFW陣。オーウェンは故障明けだそうで、どうも動きに精彩がない。クラウチくんは大きいわりには、その高さを十分に生かしているようには見えない。不思議と競り合いで勝っている印象がない。ただしその巨体にしては足元が結構いけるみたいで、オーウェンよりもボールタッチは多かった。
 なにはともあれ、現時点ではまだ本調子ではないにしろ、僕はこのイングランドというチームがとても気に入った。今後の活躍に注目してゆきたいと思っている。
 試合は開始わずか4分に、キャプテン・ベッカムの素晴らしいFKがパラグアイDFのオウンゴールを誘ってイングランドが先制。けれども、これで気が弛んだのか(日本代表にはよくあるパターンだ)、その後の攻めが淡白になってしまった感がある。ベッカムのキックも時間とともに、先制点の時の正確さを欠いていった印象をうけた。
 一方のパラグアイはといえば、前大会で見せた堅牢なディフェンスとしたたかな試合運びはこの大会でも健在。早々と失点した上に、チラベルトのあとを継いだGKビジャールが、キックオフから10分もしないで、足を痛めてて交替してしまうというハプニングがあったにもかかわらず、その後きちんと修正して、最後までしぶとく戦い抜いた。特に13番パレデスの汚さすれすれのアグレッシブさと、18番バルデスのゴールへのひたむきさが印象的だった。
(Jun 11, 2006)

セルビア・モンテネグロ0-1オランダ

グループC/2006年6月11日(日)/ライプツィヒ

 前回大会の出場をのがしたオランダ、8年ぶりの登場。
 オランダといえば、98年のチームには中盤にダーヴィッツ、セードフルという運動量豊富な黒人プレーヤーがいて、やたらと存在感を示していたという印象が強い。こういう選手がチームの中心として活躍しているなんて、意外と多人種国家なんだなあと、感心させられたものだった。
 ところが今年のチームには黒人がいない(ベンチはともかくスタメンには)。この試合を見た限りでは、それほど強烈な個性を放っている選手もいない(ように見える)。圧倒的にボールを支配していた割には(ボール・ポゼッション率は61%だとか)シュートは12本、得点はカウンターからの1点だけという内容もあって、僕の目にはやたらと地味なチームにうつった。
 対するセルビア・モンテネグロも、いまいちぱっとしない。われらがJリーグの大の恩人ともいうべき、ピクシーことドラガン・ストイコビッチの母国にして、現在はかの人がサッカー協会の会長をつとめる国であるにもかかわらず、華麗なテクニックとは縁のないプレーをするチームだった。かつては欧州のブラジルと呼ばれていたような覚えがあるのだけれど、なんでもいまや欧州予選を失点わずか1で乗り切った守備力が武器だという。モンテネグロが独立したため、セルビア・モンテネグロとしての出場はこれが最初で最後なのだそうだ。
 とにかくどちらも僕の知っている頃の姿とは随分と様相が変わっていて、しかも試合自体、オランダが圧倒的にボールを支配しつつ、0-1なんて最少得点差で終わってしまうという地味な内容だったこともあり、まったくといっていいほど楽しめなかった。
 いや、もしかして試合前にワインを一本、空にしたのがいけなかったのかも……。
(Jun 13, 2006)

オーストラリア3-1日本

グループF/2006年6月12日(月)/カイザースラウテルン

 不安的中。最低最悪。今までに何度も見せられたような不甲斐ない試合を、さらに最悪の形にグレードアップしてワールドカップ本大会のグループ・リーグ初戦という大事な舞台で見せられようとは……。
 僕はとにかく大会前の合宿で、ジーコが3バックで練習していると聞いた時から、かなりの不安をもっていたのだった。これまでに3バックで内容がいい試合を見た記憶がないのだから、期待しろってのが無理だ。今の日本代表の強みは中盤のタレントの豊富さにあるのに、その部分を削ってディフェンスの枚数を増やして強くなるはずがない。なのにジーコは海外組も揃ってフルメンバーになった上でなお、本来ならば好きなはずの4バックではなく、3バックを採用してきた。なぜか?
 思うにそれは、彼の重用している中心メンバー3人の存在がゆえなのだろう。
 一人は宮本。彼は所属クラブのガンバ大阪が4バックを採用するにあたって、スタメンを外されてしまうような選手だ。リーダーシップやサッカーセンスにケチをつけるつもりはないけれども、4バックの真ん中を任すにはやはり身体能力的にものたりない。
 二人目はアレックス。以前に比べれば随分とディフェンス力は向上したけれども、それでも4バックの左を任せ切るには心許ない。
 そして最後が攻撃の中心選手、中村俊輔。彼もどちらかというとディフェンスはうしろに任せて、攻撃に専念させておきたいタイプだ。これまでの試合を見てもあきらかなように、あまりディフェンスに気をつかわせてしまうと、その本来の攻撃的センスが生かせないで終わってしまう。
 この三人はジーコの構想上、はずすことのできないメンバーだ。そんな彼らの存在に加え、もう一人の中心選手、中田英寿がボランチをこなせるユーティリティを備えていたこと。それがこのチームのフォーメーションとして、本来ならば理想であるはずの攻撃的な4バックではなく、守備的な3バックを選択させることになってしまったのだと思う。ある意味、それは最初に人ありきというジーコの基本方針により導き出された、理想的とはいえないながらも現実的で最善の形だったのだろう。
 そんな風にいまさら3バックと4バックとどちらがいいという議論を蒸し返しても始まらないのだけれど、それにしても僕はこんな不甲斐ない戦い方をして、みすみす勝ち点3を逃したことが、もう悔しくてならない。どうせ守りきれないのならば、下手にディフェンダーを増やさずに、攻撃的な選手を一人でも多く起用して欲しかった。
 なにはともあれ川口、坪井、宮本、中沢、駒野、ヒデ、福西、アレックス、俊輔、高原、柳沢というスタメンでのぞんで、惨敗を喫したオーストラリア戦だ。
 試合は戦前の予想どおり、最大のアドバンテージである高さを生かしたオーストラリアの攻撃に苦しみつつ、日本がなんとかその攻撃をしのぎ続けるという形に終始した。さすがに試合前からさかんに名前があがっていただけあって、9番のビドゥカが上手い。パワーのあるポストプレイにはやたらと手を焼かされた。彼を中心とした前線の選手をめがけて徹底してロングボールを放り込んでくる戦術は、わかっていたとは言え厄介きわまりなかった。
 それに対して日本の攻撃はと言えば、ああ、いつもどおりだ。たまにチャンスがあっても、ゴール前での消極性がわざわいして、シュートさえ打てないで終わってしまう。「なんでそこで打たない!」と叫ばされたシーンが一体何度あったことか……。なんでゴール前まで詰めておきながらシュートを打たずにパスを出すかな。柳沢はともかく高原まで? あんなプレーばかりしていて、勝てるわけがない。
 そもそもキーパーチャージと判定されなかったのが不思議なくらいのラッキーなゴールで先制したのをいいことに、その1点を守りきって勝とうなんて調子のいいことを思うから負けるんだ。あれで勝ったんじゃ恥かしいから、ぜひ2点目は文句なしの形で決めようぜ、というくらいの強い気持ちは出ないものか。
 結局30度を優に超える暑さのなか──ピッチ上は38度だったという話もある──、暑い方が有利だと言っていたはずの日本の選手たちもすっかりばててしまった。終盤は高原などはまるで動けなくなっていたように見える。それでもジーコは彼を代えずに、最後まで起用し続けた。僕にはその采配がまるで理解できなかった。ヒディンクが交替カードを的確に使い、結局オーストラリアは途中出場の選手が3得点全部を記録するという活躍を見せたのとは対照的だ。もう本当に嫌になってしまった。
 確かにアジアカップの時は選手交替をせずに、耐えに耐えてしのぎ切れた。でもあれはやっぱり相手がアジアのレベルだったからこそだ。ワールドカップでそんなことをしていたらば、みすみすチャンスを逃すだけだ。しかもジーコ氏、ようやく動いたと思ったらば、柳沢をさげて小野を投入する。中盤のタレントを増やしてボールをキープしたかったのだろうけれど、これが失敗。前線の駒が減った分、チームはさらに下がり目になってしまった。選手たちは疲労困憊してしまい、なすすべもないように見えた。それでもジーコはまだ動かない。
 そうこうするうちに残り時間5分でついに日本は力尽きる。それまで驚異的ながんばりを見せていた川口のミスから同点ゴールを許し、さらには逆転ゴールも許し、おまけに駄目押しゴールまでプレゼントしてしまうことになる。やっていられない。
 結局、最後のカードを切って大黒を送り出したのは、負け越してロスタイムに入ってからだ。絶~っ対に遅すぎる。とにかくジーコの選手交替のタイミングの悪さは目に余る。せめてもっと早い時間に、三人のサブのFWのうち、二人を一気に投入して前線をかき回しておけば、またちがった結果になっていたんじゃないか。結果論だとは知りつつも、そういう風に打てる手を打たなかったことで、最善を尽くさずに負けたというわだかまりが残ってしまって仕方ない。残り10分たらずで逆転負けを喫したこともあり、悔いばかりが残る敗戦だった。
 この試合では、後半途中で坪井が足がつったかなんかで途中退場するハプニングがあった。ある意味、あれがゲームプランを狂わせた部分もあったのだろう。彼が交代していなかったらば、その後の選手交替のカードも代わっていたのかなという気がしないでもないけれど……。それにしても代わりに出場した茂庭はなんて強運な星の下にいるんだろう。まあせっかく出場できたとはいっても、試合がこの内容では嬉しくもなんともなさそうだけれど。
 なんにしろ公式記録を見るとボールの支配率はオーストラリアが52%だ。ポゼッション・サッカーを指向していたはずの日本が、ボールの支配率で負けていて勝てるわけがない。ましてやシュート数は日本の6に対して、オーストラリアが実に20、そのうち枠内シュートなんて2-12だ。この数字を見る限り、負けるべくして負けた試合だろう。80分間は勝っていたとか言っている場合ではない。この大会はもう終わったも同然だ。ああ、もう本当に最悪……。
(Jun 13, 2006)

韓国2-1トーゴ

グループG/2006年6月13日(月)/フランクフルト

 おとなりの国は立派なサッカーを見せてくれた。相手があまり強くなかったとはいえ、落ち着いた戦いぶりにはとても感心させられた。2002年のベスト4は伊達じゃなかったか。
 韓国の試合を見るのもひさしぶりだけれど、いまやマンチェスター・ユナイテッドに所属するパク・チソンや、GKイ・ウンジェ、イ・チョンスあたりは馴染みの顔だ。記録を見たところ2002年の大会に出ていた選手は他にももっといるのだけれど、不覚にも全然顔を覚えていない。若手には清水のチョ・ジェジンと磐田のキム・ジンギュというJリーグの選手がいるし、思っていたよりも親しみの持てるチームだった。
 しかしなんといってもこの日の主役は、後半からの出場でめざましい活躍を見せてチームを勝利に導いたアン・ジョンファンだ。なんでも彼は今ドイツのクラブでプレーしているらしい。それもこの大会のためともなれば、この活躍も当然なのか(それに引きかえ高原は……)。1点ビハインドで後半最初から投入されると、強気のプレーでチームにリズムをもたらし、あいかわらずの勝負強さで決勝ゴールを叩き込んでみせた。やっぱりこの人はすごいや。かなわない。
 しかしこうしてかつてJリーグでプレーしていたり、いまなおしている選手がワールドカップで活躍するのを見せられると、日本代表にだってもっといいサッカーができないはずがないと思わされる。一体、どうしてこんなていたらくになってしまったんだろう。僕は試合が終わって2日たった今もなお、あの敗戦を引きずってしまっている。なってねえなあ。
 そういえば同点ゴールとなったイ・チョンスのFKも見事だった。やっぱりフリーキックの名手たるもの、チームが苦しい時には、ああいう風にきちんとセットプレーを決めてくれないとねぇ……。俊輔~。
 韓国の対戦相手だったトーゴも意外と悪くなかった。アフリカ人ならではの身体能力の高さを生かした鋭いカウンターでたびたび韓国をあわてさせた。先制ゴールを決めた17番クバジャを中心に、わずか2、3人でゴール前までボールを運んでフィニッシュまで持っていけてしまう瞬発力にはかなり感心させられた。
 けれどもやはりプレーがチーム全体として荒削りな感は否めない。ある種の野蛮さが抜けきっていないというか……。こりゃあ退場者が出そうだなと思っていたら案の定だった。キャプテンマークをつけた4番のDFが2枚目のイエローをもらって途中退場してしまった。これが致命的。結局そのあと、韓国に立て続けに2ゴールを許して、初出場での初戦白星を逃すこととなった。
 ちなみにこの大会のトーゴには、ピッチで戦う前から逆風が吹いているようだ。ドイツ入りしようとした応援団がビザの問題で入国を拒否されたとか、監督が金銭問題のトラブルで試合前日に辞任を表明したりとか(結局折り合いがついたらしく指揮を取っていた)、ろくでもない話ばかりが伝わってくる。さらにひどいのはキックオフ前の国家斉唱。先に韓国の分が終わって、さあトーゴの番だと思ったらば、手違いで再び韓国の国家が流れ出すなんていう、失礼千万な不手際があった。そのうえ、試合でも先制しながら退場者を出して逆転負け。同情したくもなろうってものだ。
 とは言いつつ、本当のところはヒトサマの国に同情している場合じゃないのだった。
 くぅ、ちっくしょう。二日過ぎてもいまだに悔しい。本当に悔しい。僕はこの先サッカーを見つづけてゆく限り、オーストラリア戦で負けたこの悔しさを一生忘れることがないんじゃないだろうか。ああ……。
(Jun 14, 2006)

スペイン4-0ウクライナ

グループH/2006年6月14日(水)/ライプツィヒ

 今回のワールドカップはまったく事前情報なしで見ているので、もとより海外のサッカーをまったく見ていない僕には、有名国であっても知らない選手ばっかりだ。スペインなんか、ラウル以外知らないぜと思っていたらば、そのラウルがスタメンにいない。なんだ、スペインも僕の知らないうちに世代交代が進んで、ついにラウルも過去の人なのかと思ったらば、そんなことはなかった。彼は故障明けだとかでベンチスタードだった。あ、ちなみにGKのカシージャスも前回大会に出場していたのを覚えている。
 なにはともあれ、彼らベテランが連続出場を飾る一方で、若手への世代交代はきちんと進んでいるらしく、この日のスペインは先発に名をつらねた80年代生まれのビジャ、フェルナンド・トーレス、シャビといった選手たちが元気のいいことこの上ない。キックオフとともに果敢にウクライナゴールに襲いかかり、次々とシュートを打ちまくる。やや精度は低かったけれど、その勢いあるプレーは見ていて非常に気持ちよかった。やっぱりサッカーはこうじゃなくちゃいけない。彼らのプレーはオーストラリア戦の敗戦以来、ずっとダウナーだった僕の気分をぐいっと引き上げてくれた。
 そうしたゴールを目指すひたむきな姿勢がサッカーの神様の目にとまったのだろう。結局、スペインは幸運にも味方され、前半途中までにセットプレーから2得点を奪う好スタートを切った。後半早々に相手DFがトレスの突破を許したDFがペナルティエリア内で彼を倒したという判定を受けてPKをゲット(あれでPKはちょっとウクライナが可哀想だと思うけれど)。これで3点目を奪うと、圧巻は残り10分となって見せた、泥臭くもしぶといパス交換からの4点目。華麗というのではない。プレーに絡んだ選手がことごとく敵のチャージにあって体勢を崩しつつも、それでもきちんとボールをつないでゴール前まで運び、それを最後はフェルナンド・トレスがドカーンと一発、豪快に決めたものだ。すげー、スペイン。下馬評は高くない印象だったけれど、やっぱり強いじゃないか。非常に感心した。スペインも今後は要チェックだ。
 対するウクライナは、エースのシェフチェンコが故障明けだそうで、全然存在感なし。なんでこんなに弱いんだろうと不思議になるくらいの崩壊ぶりだった。唯一10番ボロニンががんばっていたかなという程度。欧州のチームが軒並み好調なこの大会にあって、唯一、波に乗りそこなってしまったみたいだ。気の毒に……。
 惨敗するチームの苦悩が他人事ではない今日この頃だった。
(Jun 15, 2006)