鹿島アントラーズ1-0湘南ベルマーレ
J1・第11節/2010年7月14日(水)/カシマサッカースタジアム/スカパー!e2
ワールドカップの決勝戦からわずか2日だというのに、はやくもJリーグが再開。しかもちょうど今週末にエレカシの野音がスカパーで生放送されるってんで、それにあわせて16日間無料体験というキャンペーンに申し込んだので、いきなりスカパー限定のアントラーズ戦が観られてしまった。
正直言っちゃうと、相手は最下位の湘南だし、べつにどうしても観たいという試合ではなかった。というか、いましばらくはW杯の余韻に浸っていたいところなんだけれど、でも観られる試合を見逃すわけにゃいかない。ということで、仕事を早めに切り上げて観ました、Jリーグ。現在暫定3位のアントラーズと11年ぶりのJ1昇格を果たした湘南ベルマーレとの一戦。
しかしなんだ、なんだかんだいっても、やっぱ好きなチームのサッカーが観られるのってのは楽しいですね。そりゃレベルはW杯で観た試合のほうが高かったけれど、なにもサッカーの魅力は、技術的なものばかりじゃないよなと、あらためて思った。好きなチームでなじみの選手たちがプレーしているのを観る楽しさってのは、少なくても僕にとっては、見知らぬ強豪国のサッカーよりも上だわ。ひさしぶりに見るマルキーニョスと興梠のツートップがとても気持ちいい。
そういやこの試合は、内田篤人のブンデス・リーガへの移籍が決まってから、初めての公式戦なんだった。ウッチーが抜けた右サイドには新井場がまわり、左サイドにはジウトンが入った(当分はこの形が標準になるらしい。もしかしたらジウトンの獲得は、篤人の海外移籍を計算してのことだったのかもしれない)。
新井場はもともと右利きだから、右サイドでも十分に存在感を発揮しているし、ジウトンもさすがにブラジル人だけあって技術はしっかりしている(まだ連係に難がある気がするけれど)。これなら当面は問題なくしのげそうだ。ただ、サブにプロパーなサイドバックがいないのは気にかかる。新井場かジウトンが出られなくなったら、サイド攻撃が機能不全を起こしそう。
そうそう、この試合では本山も欠場だった。中断前の最後の試合でようやく故障から戻ってきたので、W杯後は主力としてガンガン活躍してくれるだろうと思っていたのに、またふくらはぎだかを痛めてしまったらしい。本山もこのところは、どうにも故障がちでいけない。
ということで、この日のスタメンはGK曽ヶ端、4バックが右から新井場、岩政、イ・ジョンス、ジウトン、MFが中田浩二、小笠原、野沢、遠藤、そして興梠とマルキーニョスのツートップという形。まあ、篤人が抜け、本山が故障していても、このメンツなんだから、なに贅沢いってんだって気もする。
対する湘南は、長いことJ2にいただけあって、半分以上の選手を知らない。それでもGKが都築だったり、キャプテンマークをつけているのがジャーンだったり、FWに田原豊と阿部吉朗がいたりと、「ああ、いまはこんなところでプレーしていたのか」という印象の選手たちがいて、ちょっとおもしろかった。なおかつ監督は反町さんだし。悪いけれど、いまだに北京五輪の惨敗を根に持っている僕としては、この人が率いるチームには負けたくない。というか、現時点でJ1最下位の湘南に負けているようでは、4連覇なんてとても果たせない。
というわけで、しっかりと勝たないといけない試合だったわけだけれど、結果は野沢が技ありのミドル・シュートで稼いだ1点を守りきっての1-0での勝利。湘南が引きっぱなしだったので、ボールは圧倒的に支配してたんだけれど、どうにも追加点が奪えなかった。ボール支配率で相手を圧倒しつつ、でも得点は入らないという、まるでW杯のスペインの真似をしているみたいな試合だった。まあでも勝ったからよし。これで首位のエスパルスに勝ち点1の差につけての2位だ。4連覇はちゃんと射程距離にある。
それにしても、冬の南アフリカとちがって蒸し暑いなか、汗ぐっしょりになりながらボールを追いかけている選手たちの姿には、それはそれである種の感動があった。やっぱり僕はJリーグが好きだという事実を再確認した一戦だった。
こうやってアントラーズ戦を全試合観られるってのはとても楽しそうだけれど、でもこれ以上忙しくなっても困るので、スカパーのJリーグコースの契約は、今年はとりあえず見送りの方向。
(Jul 14, 2010)