J2のレノファ山口FCと延長戦まで戦った末に、PK戦で負けてルヴァン杯は二回戦で敗退。はやくも三冠のうちの一冠を失った鹿島は、そこから中2日のこの試合でもいいところなく敗戦。公式戦四連敗のていたらくとなった。
この日は濃野が欠場。かわりに右SBには小池が入ると発表されていたのに、なにかトラブルがあったらしく、キックオフ直前に選手交替があって、かわりに津久井が先発した。あとは荒木にかわって師岡が起用されたのが前節との変更点。
対するセレッソは今期からアーサー・パパスというオーストラリア人が監督に就任している。オーストラリアってべつにサッカーの強豪国というわけでもないのに、なぜだかオーストラリア人の監督が多いのがJリーグの七不思議だ。
メンバーには開幕戦(ガンバとの大阪ダービー)ではスタメンを外れていた西尾、登里が戻ってきていて、前線はルーカス・フェルナンデスに、新外国人のラファエル・ハットン、チアゴ・アンドラーデというブラジル人FWを三枚を並べた布陣だった。
監督が代わってもブラジル人FWを多用する方針は変わらないらしい。レオ・セアラとカピシャーバがいた去年のほうが重量感はあったけれど、今回のスリートップもけっこうやっかいだった。
さらには売り出し中の20歳・北野颯太と、ボランチとして成長著しい田中駿太がいる。このチームがなぜ下位に低迷しているのかわからない。
そんなセレッソを相手に前半こそなんとか0-0でしのいでみせたけれど、後半はもう一方的な展開になる。VARで取り消されたゴール二つを含めて、ゴールネットを許されること5回(すべてオフサイド)にPKひとつ(早川が止めた!)。それでも0-0だったほうが奇跡的だ。
でもそんな無様な戦い方をした鹿島にサッカーの神様は微笑まない。
植田がPKストップのこぼれ球をイージーにクリアして、コーナーキックを与えてしまったのが運の尽き。CKからファーに流れたボールをセレッソのDF進藤亮佑に決められて勝負あり。12連勝中だったセレッソ相手に何年ぶりかの黒星を喫した。
いやまぁ。前節の京都がカシマスタジアムで勝ったことがなかったという話にしろ、今回のセレッソがホームで鹿島に15年勝ててないという話にしろ、なんかフラグが立ってる感はあったんだよなぁ……。こういうときは得てして負ける。
フラグといえば、前節ラファエル・エリアスにハットトリックを食らったし、今節もラファエル・ハットンという選手がいたので、こりゃラファエルつながりでまたもやゴールを許したりしそうな……とか思っていたら、やはり最初にゴールネットを揺らしたのはそのラファエル・ハットンだった(VARさんが取り消してくれた)。
ハットンさん、この日は二度もシュートを決めたのに、どちらもオフサイドの判定で取り消され、PKも止められて踏んだり蹴ったりだった。
まぁ、いずれにせよこの試合は完敗。あれだけゴールネットを揺らされておいて、最終スコアが0-1というのは、ある意味ラッキーじゃんってくらいの出来だった。
鬼木の采配も当たらなかった。途中出場はチャヴリッチ(無事でなにより)、ターレス・ブレーネル(今季初出場!)、荒木(水曜のルヴァン杯はスタメン)、知念(祝復帰!)、佐藤海宏(今季二試合目)の5人だったけれど、攻撃でこれといった違いを生み出せた人はいなかったし、守備ではターレス・ブレーネルがPKを献上してしまい、佐藤は決勝点の場面でボール・ウォッチャーになっていた。三竿がいるのに若い佐藤を使ったのが間違いだろう。18歳のルーキーを使うには展開がシビアすぎた。
いずれにせよ二試合連続で試合終了間際に決勝点を許した守備のほころびが問題だ。しかも前節は起死回生の同点弾の直後で、今回は早川の神セーブによるPKストップ後のセットプレーだ。喜んだ直後だけに、がっかり感はんぱなかった。
ということで、リーグ戦3連敗で順位は一気に8位まで後退。とはいっても首位との勝ち点の差は3だし、まだまだ勝負はこれからだ。
それにしても今節暫定首位に立ったのが、開幕3連敗で最下位に沈んでいた福岡だってのにびっくりだよ。首位から最下位まで勝ち点差が11しかないし、どうしたわけか降格圏内に沈んでいるF・マリノスやグランパスだって、2連勝すればあっという間に順位は上がってくるはず。今年のJ1は例年に増して先が読めない。
(Apr. 13, 2025)