小石川近況

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2024-05-18エルヴィス・コステロ@浅草公会堂 New!
2024-05-16エルヴィス・コステロ@すみだトリフォニーホール
2024-05-14J1 第13節・鹿島-東京V
2024-05-12『三体』
2024-05-10ストリート・スライダーズ@日比谷野外大音楽堂
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エルヴィス・コステロ with スティーヴ・ナイーヴ

2024年4月12日(金)/浅草公会堂

 エルヴィス・コステロ&スティーヴ・ナイーヴの追加公演。
 スライダーズのときにも書いたように、そろそろ老後のたくわえが心配なので、さすがのコステロ先生の来日公演とはいえ、同じツアーを二度観る贅沢はいい加減ひかえるべきだろうと思って、すみだトリフォニーホールも一日しか申し込まなかったのだけれど、あとから発表されたこの追加公演は会場が浅草公会堂だという。
 どこそれ?――って、いや浅草なんだろうけれど。そんなところでコンサート観たことない。あとで確認したら、四月のスケジュールは三味線コンクールとか、クラシックとか、アマチュア度の高い公演だらけ。その中にあってエルヴィス・コステロの名前だけが異彩を放っている。
 まぁ、そういうことをいったら、トリフォニーホールだってレアだったわけだけれども。今回はアコースティック・セットということで、あえてクラシック系のホールを会場に選んだってことなんだろう。さらにこの日は追加公演ゆえに、手配できるホールに限りがあって、普段は来日公演では使われないこのホールに白羽の矢が立ったということなのかなと思った。
 僕は東京で生まれ育ったくせして、浅草には一度しか行ったことがなかったし、そんなレアなホールでコステロが観られるとなると、観ておいたほうがいい気になる。
 トリフォニーホールではSS席のチケットが取れず、二階席のS席で観ることになったので、こちらはSS席(チケット一万五千円!)だけ申し込むことにした。それで取れなかったら諦めがつくし、取れたらいい席で観られるんだから、願ったり叶ったり。アコースティック・セットのライヴはできるだけステージの近くで観たほうが楽しめるって過去の経験からも知っているので。
 さて、そんわけで運試しを兼ねて申し込んだチケットはあっさりと取れてしまい、今回はひさびさにうちの奥さんも一緒だったので、夫婦で合計三万円以上をつぎ込んで、浅草観光気分で出かけたコステロ&ナイーヴの2024年ジャパン・ツアーの最終公演。

【SET LIST】
  1. Watching The Detectives / Shot With His Own Gun
  2. Radio, Radio
  3. Clubland
  4. That Blue Look [新曲]
  5. So Like Candy
  6. Magnificent Hurt
  7. Battered Old Bird
  8. Unwanted Number
  9. New Amsterdam / You've Got To Hide Your Love Away
  10. Tokyo Storm Warning
  11. Everybody's Crying Mercy
  12. Look Up Again
  13. I Still Have That Other Girl
  14. She
  15. The Man You Love To Hate
  16. More Than Rain [Tom Waits Cover]
  17. I Want You
  18. (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding?
  19. The Whirlwind
  20. Farewell, OK
  21. Alison

 コステロ公演の醍醐味である日替わりセットリストは今回も全開。全二十二曲中、十四曲が初日には演奏されなかった曲。でもこの日の選曲はマニアック度と長尺度が何割増しという印象だった。
 この日のコステロ&ナイーヴはオープニングのSEに『Magnificent Hurt』のchelmicoリミックス・バージョンが流れる中で登場。あぁ、日本に来たんだから、当然この曲をかけるよねって思った。
 で、そこから始まった一曲目の『Watching the Detective』からしてすでに長い。途中から『Shot with His Own Gun』へとなだれ込んで、そこからまた『Watching...』に戻ってくるというメドレーになっていて、いきなり最初から十分くらいあった感じ(体感)。
 その後も『So Like Candy』とか『Old Battered Bird』(サビにくるまでわからなかった)とか、『Tokyo Storm Warning』とか、『I Want You』とか、重厚で長い曲が多め。
 さらにはこの日も四曲目に未発表の新曲があったり、バカラック・コラボ盤のボーナス・ディスクに収録された『Look Up Again』や、トム・ウェイツのカバーだという『More Than Rain』が披露されたりと、前回より知名度が低い曲が多くて、「この曲なに?」と何度も思うことになった(お粗末)。
 新しい曲も『Magnificent Hurt』『Unwanted Number』『The Man You Love To Hate』『The Whirlwind』『Farewall, OK』と前回より多めに演奏された。
 八年ぶりのツアーなのだから、本来ならば初めて聴けたそれらの選曲を喜んでしかるべきなんだけれど、最近のアルバムは聴き込みが甘いので、そのうち半数はタイトルも収録アルバムもわからず。あぁ、駄目じゃん俺……って思わされることになった。
 でもそんなマニア向けのセットリストだったからこそ、この日の席のよさはありがたかった。僕らの席は前から七列目、ステージ右手に配置されたナイーヴのグランドピアノの真正面。ふたりの演奏する姿がちゃんと見える距離だったので、なじみのない曲でも比較的楽しく観られた。今回が二階席だったらちょっときつかったかも。
 初日との違いで印象的だったのは、ナイーヴが手のひらサイズの極小アコーディオンを弾いていたこと(なんの曲かは忘れました)。あと、この日はラストの『Alison』までを一気に演奏して、アンコールなしでさくっと終わった。
 今回のツアーでのお気に入りは、二日ともに演奏されたモース・アリソンのカバー『Everybody's Crying Mercy』(『Kojak Variety』収録)とバカラック・コラボの珠玉のバラード『I Still Have That Other Girl』。
 またの来日、お待ちしています。次は新しいアルバムももっとちゃんと聴き込んで、万全の態勢で臨みます。
(May. 05, 2024)

エルヴィス・コステロ with スティーヴ・ナイーヴ

2024年4月8日(月)/すみだトリフォニーホール

 エルヴィス・コステロ、八年ぶりの来日公演!――の東京の初日を観た。
 今回のツアーはスティーヴ・ナイーヴとのふたりでのステージ。
 海外ではインポスターズにチャーリー・セクストンを加えたスペシャルなメンツでツアーを回っているのに、なぜに日本だけバンドではないの?――と思ったら、今秋からのナイーヴとの欧州ツアーが決まっていた。
 つまり、日本公演はそのツアーのこけら落とし――または予行練習――だったということ? そう考えると、ちょっぴり特別感が増して、得した気分になる。
 スティーヴ・ナイーヴとふたりでのステージは、かつてバート・バカラックとの競作アルバム『Painted From Memory』のリリース時にも観ていて、去年あのアルバムの豪華盤が出たあとだから、今回もまた同じようなアコースティック・セットのステージになんだろうと思っていたら、ぜんぜん違った。
 最近のコステロのソロ・ステージは単なる弾き語りではなく、アコギにフルアコ、エレキ等、さまざまなギターを使い分けたり、同期ものを駆使したりと、演奏形態の多様性がすごかったけれど、今回はそこにナイーヴのキーボードを加えた形。ふたりになったことで、より自由度が増したというか、表現力の幅が広がっていた。
 そもそも一曲目の『When I Was Cruel No.2』からして打ち込み音源に乗せての演奏だった。スティーヴ・ナイーヴはこの曲で鍵盤ハーモニカを吹きながら、いきなり客席に降りていったりするし。ほんといろんな意味で自由。
 ナイーヴ先生はステージに横向きで置かれたグランドピアノのほか、シンセサイザーやピアニカなど、いくつかの鍵盤楽器を使い分けていた。
 まぁ、いずれにせよリズムセクションなしのふたりきりでの演奏がベースだから、大半はアコースティック向けのリアレンジが施されていて、「あれ、この曲ってなに?」と思うこともしばしばだった。二曲目の『Watch Your Step』はサビにくるまでその曲ってわからなかったし。四曲目ではタイトルのわからない曲まで飛び出す始末。
 でもまぁ、あとでコステロのファンサイトで確認したら、その曲は未発表の新曲だったらしく、さいわいこの日に関しては知らない曲はそれだけだった(同じ週の金曜に観た追加公演はまた別)。
 いやしかし、気がつけばライヴからひと月近くが過ぎてしまっているので、不覚にもすでにあれこれ記憶が曖昧になってしまっている。
 とくにいいなと思ったのは『Clubland』(アウトロにスペシャルズの『Ghost Town』がつくバージョン)や『Beyond Belief』。どちらもアコースティック・セットらしからぬビート感があって、カッコよかった――気がする。
 『Clubland』のあと間髪入れずに始まった『Don't Let Me Be Misunderstood』は始まったときの一部のオーディエンスが歓声をあげていた。全体的に年齢層がとても高かったので、やっぱ古くてなじみのあるカバー曲は盛り上がるっぽい。
 新しめの曲は『Hey Clockface』と『Hetty O'Hara Confidential』くらいで、あとは往年の名曲ぞろいだったから、そういう意味では昔ながらのファンにとってはとてもよいセットリストだったと思う。
 本編のラストがピアノだけをバックにした『I Still Have That Other Girl』と『She』の珠玉の名バラード二連発というのもナイーヴとのコラボならではだなぁと思った。そのちょっと前に『Still』もやっていたので、似た感じの『She』はやらないかと思っていたから、この曲がラストというのにも意外性があった。
 まぁ、ラストといっても、そのあと裾に引っ込みかけたふたりは、姿を消すことなくすぐに戻ってきてアンコールが始まったので、そのあとの三曲をアンコールと呼ぶべきなのかもあやしいんだけれども。

【SET LIST】
  1. When I Was Cruel No.2
  2. Watch Your Step
  3. Jack Of All Parades
  4. Like Licorice On Your Tongue [新曲]
  5. Accidents Will Happen
  6. Clubland (including Ghost Town [Specials Cover])
  7. Don't Let Me Be Misunderstood
  8. Ascension Day
  9. Beyond Belief
  10. Hey Clockface
  11. Shot With His Own Gun
  12. Still Too Soon To Know
  13. (The Angels Wanna Wear My) Red Shoes
  14. Hetty O'Hara Confidential
  15. Almost Blue
  16. Still
  17. Watching The Detectives
  18. I Still Have That Other Girl
  19. She
    [Encore]
  20. Everybody's Crying Mercy
  21. (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding?
  22. Alison

 アンコールでのサプライズは『Peace, Love And Understanding』でスティーヴ・ナイーヴがワンコーラス分、メイン・ボーカルをつとめたこと。途中でコーラスをつけた曲とかもあって、「あれ、この人って歌うんだっけ?」と思ったら、まさかそのあとでメインボーカルとしてその歌声を聴くことになろうとは。今回のツアーのいちばんのサプライズでした。
 驚いたといえば、アンコールがわずか一回、三曲で終わってしまったのも意外だった。かつてのコステロ先生はダブル・アンコールとかあたりまえだったので、今回もそういうもんだと思っていたら、あっさりと客電がついたのには、え、もう終わり? と意表をつかれた。
 でもまぁ、コステロ先生も気がつけば今年でもうそろそろ七十だもんねぇ。そう長い時間をステージで過ごせる年齢でもなくなったってことなのかもしれない。
 今回は客席とのコミュニケーションが以前よりも疎な感じで、『Alison』などで合唱が起こらなかったりしたし、僕らは二階席ということもあり、最後まで座ったきりでスタンディング・オベーションもしなかったので、コステロ先生が気分的にどうだったのかわからないけれど、とりあえずファンとしてはとても楽しい二時間でした。
 ちなみに会場のすみだトリフォニーホールは、村上春樹氏の『小澤征爾さんと、音楽について話をする』のなかで、世界の小沢さんが「日本にもいいホールが増えた」といって、名前を挙げていたホールで、一度は来てみたいと思っていたから、今回東京公演の会場にこのホールが選ばれたのは願ったり叶ったりだった。
 なるほど、世界の小沢のお眼鏡にかなうだけあって音がよかった――気がした。
 パイプオルガンもあったので、せっかくだからスティーヴ・ナイーヴが弾いてくれたらいいのにと思っていたら、翌日の公演では『Shipbuilding』で本当に弾いたそうだ。
 いや残念。それはぜひ観たかった。
(May. 04, 2024)

鹿島アントラーズ3-3東京ヴェルディ

J1・第13節/2024年5月12日(日)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 16年ぶりにJ1に戻ってきたかつての宿敵・東京ヴェルディとの一戦は3-0からドローにされるという、まさかの展開になった。あぁ、痛恨の連勝ストップ……。
 前節と同じスタメンでのぞんだこの試合。ホームゲームという点を差し引いても、どう考えたってこちらが有利だった。
 なんたってヴェルディは鹿島からレンタル移籍中の染野と林(ふたりともこれまで全試合スタメン出場していたらしい)が契約の都合で出られない。そのほかにはキャプテンの森田晃樹と、U-23アジアカップ優勝の立役者になった山田楓喜くらいしか知っている名前がない。でもって外国人選手はGKのマテウスと途中出場のチアゴ・アウベス(聞いたような名前だけれど知らない選手)だけ。
 そんなクラブ相手に開始わずか5分でVARの介入によりハンドでPKをゲット。これを優磨が決めて先制すると、その3分後にはカウンターから名古が追加点。後半5分にはセットプレーから植田のヘディングが決まり3-0。誰だって当然これで4連勝間違いなしと思う。
 ところがそれから、まさかの展開が待っていた。
 まずは濃野&師岡を須貝&藤井、名古を樋口に替えたあとに、途中出場の齋藤功佑という選手に技ありのゴールを決められる。シュートコースに鹿島の選手が3人もいたのに、誰も止められず。
 まぁ、このゴールはまだ仕方ない。思い切りよくシュートを打った相手の勝ち。
 でもそのあと、残り15分ちょいを残して知念を土居に替えたところから、さらに雲行きが怪しくなる。
 そのまま聖真がボランチに入ったことで守備が不安定になり、チームは相手に押し込まれたままになってしまう。でもって80分に左サイドからクロスを入れられ、それをニアの選手が空振りしてファーに流れたボールを木村勇大という23歳の選手に決められて1点差。
 楽勝のはずがいきなり薄氷を踏むような試合になったと思っていたら、ついには後半ロスタイムにセットプレーから10番の見木友哉という選手に押し込まれて同点とされてしまう。あぁ、なんであと数分持ちこたえられないかな……。
 ヴェルディの2点目、3点目はどちらも一人目の選手がシュートミスしたボールを二人目が決めた形だった(3点目は見木が触らなくて入った気がするけど)。そうやって複数選手がちゃんとゴール前に詰めていたからこその得点だ。3点差に折れずに戦いつづけた相手があっぱれだった。
 まぁ、終わってみれば、シュート数はヴェルディの17本に対して、鹿島はわずか8本。途中まで3-0だったのが嘘だったみたいな、ひどい試合になってしまった。これで勝てたらそのほうが不思議ってスタッツだった。あーあ……。
 ヴェルディの監督は城福さん。かつてFC東京を指揮した人が、同じ東京のもうひとつのクラブの監督としてJ1に戻ってきたのはなかなか熱いよなとか思っている場合じゃなかった。まぁ、とりあえず負けなかったのだけが救いだ。
(May. 13, 2024)

三体

劉慈欣/大森望、光吉さくら、ワン・チャイ訳/早川書房

三体

 ネトフリでドラマ化された中国発のSF三部作の第一弾。
 あまりに評判がいいので気になって、もうこれは読むしかあるまいと、文庫化されたタイミングであえて単行本で全巻一気に買いそろえたのだけれど(一冊あたりの差額が千円もしないので、単行本のほうが得だと思った)、でもこれは勇み足だったかも。
 僕はこの作品、これ一冊でやめても多分後悔しない。
 物語の始まりは文化大革命(文革)。物語の中心人物である葉文潔(イエ・ウェンジェ)の父で物理学者の葉哲泰(イエ・ジョータイ)は、その思想が反体制的であるという理由で理不尽な処刑を受け、天文物理学者である彼女自身もその知識を見込まれ、世間から隔離された秘密基地での奉仕を余儀なくされる。
 それから四十年後。ナノマテリアル技術のスペシャリスト・汪淼(ワン・ミャオ)は『三体』という謎のVRゲームを通じて、三つの太陽に翻弄されて絶滅と復興をくりかえす未知の世界に触れることになる。
 読み始めてまず戸惑うのが『沈黙の春』と題された五十ページ足らずの第一部が六十年代を舞台にした政治的な内容で、まったくSF色がないこと。さらには第二部と本書自体のタイトルにもなっている『三体』が、まずはゲームの名前として立ち現れること。
 え、なにこの小説? 予想外にもほどがある。
 その後の紆余曲折をへて、最終的にはそれらの謎が未知の宇宙人とのコンタクトへと収斂してゆく。唐突に登場した美少女キャラがあっという間に退場したりと、細部にも意外性がたっぷり。ここまで先が読めない小説も珍しいかもしれない。
 そういう意味では、SFとしての醍醐味は十分に味わえた。人気があるのも納得。
 困ったのは中国の作品ということで、やたらと人名が読みにくいこと。
 「葉文潔」を「イエ・ウェンジェ」と読むか、それとも音読みで「ようぶんけつ」と読むか、どっちにすべきか悩ましかった。
 女性だから「イエ・ウェンジェ」のほうが柔らかい感じでふさわしいとは思うのだけれど、字面はその読みとはすんなり結びつかない。「汪淼」(おうびょう)にいたっては、漢字が読めないから音読みさえできない(ちなみに作者「劉慈欣」の読みは「りゅうじきん」または「リウ・ツーシン」)。
 そんな風に人名につまづきまくりで、いまいち物語に集中しきれないでいるうちに終わってしまった。続編ではもうちょっと慣れるといいんだけれど。
(May. 05, 2024)

ストリート・スライダーズ

40th Anniversary Final Special GIG「enjoy the moment」/2024年4月6日(土)/日比谷野外大音楽堂

 一年前に始まったストリート・スライダーズの四十周年記念ツアーもこの四月でもってついに終了。最終公演のNHKホールはチケットが取れなかったけれど、あとから追加で発表されたこの野音を観ることができた。
 まぁ、立川でのファイナル・ツアー初日を観ているし、それからちょうど一ヵ月後の野音はちょっと贅沢じゃん?――と思いはしたんだけれど(年齢的にそろそろ老後の生活が視野に入ってきて、預金残高が心配になってきた)、でも野音は今年の秋から改築工事に入るそうなので、いまの会場でライヴが観られるのもあとわずか。
 今秋エレカシがやったとしてもチケットが取れる気がしないので、もしかしたら今回が最後の機会になるかもしれないし……という口実で、思い切って申し込んだら、さくっとチケットが取れてしまいました。あらためて自分のチケット運のよさを確認。
 まぁ、ファン層的に、僕と同じように一万円を超えるライヴにそんなに何度もいけないって中高年のファンが多そうだから、意外と競争率は低かったのかもしれない。
 ということで、ゲート横に満開の桜が咲きほこる春の野音で、スライダーズを観てきた。なにげに四月に野音のライヴを観るのはこれが初めてだ。

【SET LIST】
  1. SLIDER
  2. おかかえ運転手にはなりたくない
  3. Angel Duster
  4. Let's go down the street
  5. のら犬にさえなれない
  6. Dancin' Doll
  7. すれちがい
  8. ありったけのコイン
  9. 曇った空に光放ち
  10. ミッドナイト・アワー
  11. カメレオン
  12. Rock On
  13. ROCKN'ROLL SISTER
  14. Oh! 神様
  15. BADな女
  16. Back To Back
    [Encore]
  17. いつか見たかげろう
  18. 風の街に生まれ

 「Special GIG」と銘打ったこの日のライヴ、スペシャルというわりには、一曲目の『SLIDER』から中盤までの流れは、一ヵ月前の立川とまったく一緒だった。
 「スペシャル」なのはこの野音という会場でやること自体?――と思いつつ、でもまぁ、確かにこのロケーションはつくづくスペシャルだなぁと思った。
 ほどよく傾斜のついた野音の観客席は視野が広くてとてもステージが観やすく、先月の立川とは雲泥の差だったし、なにより遮るものの何もない野外だから音の抜けがよい。快晴とまではいえないながら天気はよかったし、四月の陽気は暑くもなく寒くもなく、絶好の野外ライヴ日和。
 こんなに気持ちがいい空の下でスライダーズの音を全身に浴びられる――これがスペシャルでなければ、なにがスペシャルだって話だ。
 唯一惜しむらくは、ハリーの喉の調子がいまいちそうだったこと。風邪でも引いていたのか、序盤からところどころ声がかすれていた。これで最後まで大丈夫なの?――って心配になってしまった。
 でもそんなハリーの喉の調子も(ライヴが進むにつれてアドレナリンが出たのか)徐々に気にならなくなってゆき、やがて中盤の新曲コーナー二曲を鳴らしたあと、この日のライヴの「スペシャル」の所以{ゆえん}もあきらかになる。
 まずはこれまでならば蘭丸かジェームズのボーカル・コーナーが始まるべきところで『カメレオン』を披露。
 え、もしかしてきょうのメニューはふたりのボーカル・コーナーなし? それがスペシャルのゆえん?
 ――とか思っていると、その次の曲が、なんとジェームズ・ボーカルの『Rock On』、つづけて蘭丸の『ROCK'N ROLL SISTER』とくる。
 いやいや、この局面であのふたりの曲目を変えてくるなんて、誰が思うかって話だ。
 さらにつづけてサプライズがある。次の曲はなんと『Oh! 神様』!
 しかも三人組のホーン・セクションつき!!
 つづけて次が『BADな女』!――って、なにそのレア・ナンバー。
 この期に及んで、まさかそんな曲を聴かせてもらおうとは……。
 スライダーズでホーンといえば、なんといっても『天使たち』という印象なので、あのアルバムからの選曲が来るのを期待していたら、よりによって「なんでそれ?」と首をかしげたくなるような、とんでもなく意表をついた楽曲をもってきた。
 なるほど、あらためてレコーディング音源を聴いたら、この曲にはちゃんとホーンがついていたけどさ。それにしても『Special Women』でも『Boys Jump the Midnight』でもなく、この曲を選ぶスライダーズって……。
 ホーンの内訳はサックス二本(バリトンとテナー)とトロンボーン――だったと思う。たぶん(記憶力&知識不足)。
 ホーンがあったからだろう、この日の本編の最後は『Back To Back』だった。
 でもって、アンコールのメニューは『いつか見たかげろう』と『風の街に生まれ』という、ファイナル・ツアーと同じ構成に戻って幕。
 いやまさか、この期に及んで『TOKYO JUNK』と『So Heavy』をセットリストから外してくるとは。僕にとってはこれが最後のスライダーズかもしれないのに、あの二曲が聴けないという……。
 えぇ、そんなのあり?――
 とまぁ、そんなところもスライダーズらしいっちゃあ、らしいなぁと思った。
 という、なるほどスペシャルな野音の一夜でした。
 それにしても野音でロックを聴くのって本当に気持ちいい。
 もうこの会場とこれっきりでお別れだと思うと残念でならないよ。
 新しくなる野音がいままでと同じくらい気持ちのいい場所であってくれることと、いずれはまたそこでスライダーズを観られる日がくることを願って――。
(May. 04, 2024)



【相棒】
しろくろや

【Shortcuts】
音楽 作品 / ライブ / 会場 / 購入 / エレカシ
作品 / 作家 / 翻訳家 / 読了 / 積読
映画 作品 / 監督 / 俳優 / 公開年 / シリーズ
蹴球 鹿島 / Jリーグ / 日本代表 / W杯

【新譜】
05/17Hit Me Hard And Soft /Billie Eilish
05/24Blue Electric Light / Lenny Kravitz
05/29Sparkle X / THE YELLOW MONKEY
05/31Good Grief / Bernrad Butler
09/04Iris / BUMP OF CHICKEN

【サッカー】
05/19[J1 第15節] 鹿島-神戸
05/25[J1 第16節] 札幌-鹿島
06/01[J1 第17節] 鹿島-横浜FM
06/16[J1 第18節] 鹿島-新潟
06/22[J1 第19節] 浦和-鹿島
06/26[J1 第20節] 鹿島-G大阪
06/30[J1 第21節] 神戸-鹿島

【新刊書籍】
06/19『了巷説百物語』 京極夏彦

【新刊コミックス】
05/20『春の嵐とモンスター (5)』 ミユキ蜜蜂
05/24『その着せ替え人形は恋をする (13)』 福田晋一
06/05『末永くよろしくお願いします (11)』 池ジュン子
06/06『MFゴースト (20)』 しげの秀一
06/19『ダイヤモンドの功罪 (6)』 平井大橋
06/25『1日2回 (5)』 いくえみ綾
06/25『冷たくて 柔らか (3)』 ウオズミアミ
07/08『もういっぽん! (29)』 村岡ユウ

【準備中】
04/25BUMP OF CHICKEN@有明アリーナ
04/27巷説百物語
04/29ハバナの男たち
05/01アメリカン・フィクション
05/05ずっと真夜中でいいのに。@Kアリーナ横浜
05/10哀れなるものたち
05/11スウィート17モンスター
05/12カーテン
05/15[J1 第14節] 広島-鹿島

【過去のコンテンツ】
Coishikawa Scraps Bootleg 2.0