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2025-08-28『薬屋のひとりごと15』 New!
2025-08-26J1 第27節・新潟-鹿島
2025-08-23『初恋』
2025-08-19J1 第26節・鹿島-福岡
2025-08-16『車輪の下で』
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薬屋のひとりごと15

日向夏/ヒーロー文庫/主婦の友社/Kindle

薬屋のひとりごと 15 (ヒーロー文庫)

 『薬屋のひとりごと』も既刊は残すところあと二冊。

 今回は猫猫が医局の選抜試験を受けるところから始まる。

 受けるというか、無理やり受けさせられるというか。なぜだかもわからず受けたその試験をパスした彼女は、仲間の医官たちとともに、目的を伏せたままの投薬実験の担当を任される。

 さて、その投薬実験の目的は?――というのと、その結果として巻き起こるお国の一大事が今回のメインテーマ。

 それに絡んで、前回見つかった「華佗の書」がそれなりに重要な役割を果たすことになる。断片的に復元されてゆく「華佗の書」にうきうきする猫猫がおもろい。

 いずれにせよ、今回のエピソードは一巻まるまる医局絡みの話だけ。こんな風に一冊がワンテーマで起承転結した巻はこれまでになかった気がする。それも全編、薬とか手術とかの話ばかり。

 国を揺るがす医療事件を、それに振り回される猫猫の視点で描いてゆく。そういう意味ではまさに『薬屋のひとりごと』というタイトルにふさわしい一冊という気がしなくもない。

 とはいえ、そのせいで登場人物が医官方面に限定気味なので、シリーズでもっとも色気の少ない一冊な気もする。

(Aug. 28, 2025)

アルビレックス新潟1-2鹿島アントラーズ

J1・第27節/2025年8月23日(土)/デンカビッグスワンスタジアム/DAZN

 9月に始まるACLの関係で、神戸、広島、町田の3チームは、水曜日に前倒しで第30節を戦った。その結果、破竹の勢いでリーグ戦8連勝を飾った町田が暫定首位という、なにそれな状況に……。

 まぁ、その後にフライデーナイトJリーグを戦った柏が勝って暫定首位に返り咲いたので、町田が首位だったのはわずか2日間だけだったけれど、それにしてもここへきて町田がここまで調子をあげてこようとは……。なんって天皇杯も含めれば、公式戦11連勝。その間の失点がわずか5という、鉄壁の守備力を誇っている。

 鹿島はそんな町田と、次の水曜に、天皇杯・準々決勝で対戦する。

 たぶんその試合を見据えてだろう。鬼木はこの試合のスタメンからレオ・セアラとチャヴリッチを外してきた。

 ということで、この日のスタメンは早川、濃野、植田、キム・テヒョン、小川、知念、船橋、樋口、エウベル、優磨、田川という組み合わせ。チーム得点王のレオ・セアラを温存した作戦が吉と出るか、凶と出るか、注目の一戦だった。

 まぁ、対戦する新潟は現在最下位で、失点数もリーグ一多いので、レオ・セアラ抜きでも勝ち切れるという目論見だったんだろう。

 実際に開始早々に、相手GK田代から舞行龍ジェームズへのパスがずれた隙を見逃さず、エウベルがボールを奪って、優磨へのアシストを決めて先制点をゲット。移籍後初スタメンのエウベルがいきなり結果を出して、幸先のいい滑り出しをみせる。エウベルには自らシュートを打つ選択肢もあったと思うのだけれど、あえて優磨へのパスを選択したフォア・ザ・チームな姿勢が素晴らしかった。

 ただ、早々と先制を決めて楽な展開になったと思ったのに、そのまますっきりと勝ちきれないのが今年の鹿島。それから15分もしないうちに相手と同じようなミスから同点ゴールを許してしまう。

 濃野からの植田へのバックパスが逸れたところをスウェーデン人FWのブーダに奪われ、シュートを打たれる。これは早川が止めるも、そのこぼれ球をブラジル人のマテウス・モラレスに決められた。

 あの場面、植田はあと一歩足を伸ばせば、濃野からのパスを止められたように見えた。ミスなのか、あえてそのまま流して早川に処理させようとしたのか知らないけれど、その隙があだになった形。キャプテンらしからぬ軽率なプレーだった。

 新潟はブーダもモラレスも、この夏に緊急補強した選手。移籍してきたばかりの選手たちがきっちりと結果を残しているのは、今後の残留に向けて好材料だろう。まぁ、6月に樹森監督を解任して、入江徹という人を後任にすえてからは、それまでよりも成績が悪くなっているので、監督交替は悪手だったんじゃないかって気がしてしまうけれど。今年みたいな難しいシーズンに、あせって動いたのは失敗じゃなかろうか。下位に低迷しているのに松橋監督を更迭しないFC東京は正しい気がしてくる。

 なんにしろ、その同点ゴール後は試合は動かず、イーブンのまま前半は終了。

 後半の頭から鬼木は船橋をチャヴリッチに替えて、樋口をボランチに移した。たぶん船橋も天皇杯での起用を踏まえて、早めに下げたんだろう。

 後半24分には田川、エウベルをレオ・セアラ、松村に替えて、勝ちに出る。さらに残り時間が10分を切ってから知念→三竿と替え、待望の勝ち越しゴールが生まれたのは、後半42分。小川が右サイドから思い切りよく蹴り込んだクロスにレオ・セアラがダイレクトで合わせた。

 シュートは相手選手にあたってコースが変わった、ややラッキーなものではあったけれど、途中出場でもきっちりと結果を出すところは、さすがエース。試合後にヒーローインタビューを終えてスタンドに挨拶に向かう際に足を引きずっていたように見えたので、もしかしたらスタメンを外れたのはコンディションの問題だったのかもしれない。水曜の天皇杯は万全であってくださいと祈るしかない。

 試合はその後、濃野を津久井に替えて守備固めをした鹿島がそのまま逃げ切り。ということで、勝ち点を51に伸ばした鹿島が、ふたたび暫定首位にたった。

 ――と喜んでいられたのはわずか一日。試合がその翌日だった京都が勝ったので、一日天下に終わってしまった。さらには前述の町田(引き分けで連勝記録が止まった)をはじめ、柏、神戸の3チームが勝ち点50で並んで、その差1で3位以降につけているというね。なにそれ? 今年の優勝争いは本当に過酷すぎる。

 残留争いに目を向けると、最下位の新潟と今節ようやく降格圏内を抜け出したF・マリノスとの勝ち点の差もいまだ5だから、新潟にもまだまだ残留の目がある。現在J1最北のクラブである新潟には、来年以降の秋春制の是非を占う意味でも、ぜひ残留してもらいたい。

 いずれにせよ、今年は優勝争いも残留争いも、最後まで予断を許しそうにない。

(Aug. 26, 2025)

初恋

トゥルゲーネフ/沼野恭子・訳/光文社古典新訳文庫/Kindle

初恋 (光文社古典新訳文庫)

 Kindleで半額になっていた海外文学の古典を読んでみようシリーズその三。ロシアの文豪、ツルゲーネフの中編小説。

 翻訳小説好きな身としては、光文社古典新訳文庫はとても貴重な存在として、その価値を高く評価しているのだけれど、さすがに作家の名前を新訳するのはいかがかと思う。

 やっぱツルゲーネフは、「トゥルゲーネフ」ではなく、ツルゲーネフのままにしておいて欲しくないですか?

 そりゃ「トゥルゲーネフ」のほうが本来の発音には近いのかもしれない。ロシア文学を学んできた人にとっては、そのほうが自然なのかもしれない。それでも二葉亭四迷の時代から百年以上にわたり人口に膾炙してきた「ツルゲーネフ」という作家名は、やはりそう簡単には置き換えられない。本屋で探すときに「つ」と「と」の棚、どっちを探すかは大事な問題でしょう? 簡単に変えちゃ駄目じゃなかろうか。

 これがドストエフスキーの『罪と罰』のように、作家の名前なんてどうでもいいと思えるほどの大傑作ならばともかく、そうではないのも残念なところ。

 小説の出来が悪いとはいわない。それでも正直なところ、この作品はその価値観が古びてしまっているように僕には思える。よほどの文学好きな読者でない限り、いまさらこの小説に大きな感動を覚えるのは難しいんじゃなかろうか。

 だって、十六歳の青年が近所に越してきた五歳年上の侯爵令嬢に一目惚れするも、複数の男性から求婚を受ける彼女の心を射止めるには至らず、意外なライバルの存在により、失恋の憂き目をみるという、身も蓋もない書き方をしてしまえば、ただそれだけの話だ。正直これよりも漱石の諸作や森鴎外の『青年』のほうが、僕には断然文学作品としての格が上に思える。

 そもそも世界中に星の数ほどの恋愛小説やドラマやマンガが溢れかえっているいまの時代に、ロシア文学を学ぶという以外の理由で、わざわざこれを読む意味がどれだけあるのか、僕にはよくわからない。

 まぁ『初恋』というタイトルから連想する初々しさや甘酸っぱさとは程遠いその内容には意外性があった。それだけは間違いなし。でもそんな意外性はいらない。

 初恋の少女マンガ的な初々しさを味わいたい人には不向きな一冊。

(Aug. 23, 2025)

鹿島アントラーズ1-1アビスパ福岡

J1・第26節/2025年8月16日(土)18:00/DAZN

 かつてのチームメイトだった名古、奈良がスタメン出場した福岡に後半先制を許しつつも、なんとかドローに持ち込んだホームでの一戦。

 スタメンは早川、濃野、植田、キム・テヒョン、小川、三竿、柴崎、樋口、チャヴリッチ、レオ・セアラ、優磨という11人。途中出場は知念、船橋、松村、エウベル、田川の5人。

 F・マリノスから緊急補強したばかりのエウベルが途中出場したのがいちばんのポイントだ。エウベル、出場時間は長くなかったけれど、すごくよかった。今週移籍が決まったばかりなのが嘘のよう。予想以上にチームにマッチしそうだ。期待大。

 あとは柴崎がひさびさにスタメン出場して、出場停止明けの濃野が戻ってきたのが注目点。小池はやはりコンディションがよくないらしく、ベンチを外れた。

 対する福岡とは、つい先日天皇杯でも延長戦を戦ったばかり(つまり90分で勝てていない)ので、難しい試合になるのかもと思ったら案の定だった。

 試合は前半をスコアレスで終わったあと、後半の5分に碓氷聖生うすいしょうせいという選手にゴールを許す苦しい展開。

 二列目に紺野と名古が名を連ねているのは嫌な感じだけれど、その前にいるワントップの碓井って誰よ? と思っていたら、その誰それな選手に決められてしまった。

 碓井は6月にカターレ富山から移籍してきた24歳の選手で、これが6試合目の出場で3ゴール目。スタメン出場した5試合ではすべてシュートを記録しているし、伊達にウェリントン、ベン・カリファ、岩崎悠人らにベンチを温めさせているわけではないらしい。アシストを決めた藤本一輝というサイドの選手(うちの子と同い年)も序盤に際どいシュートを打っていて、なにげに危険な印象だったし、松岡大起はボランチとして守備面での新境地著しく、そのうしろに控える上島、奈良、安藤の3バックは安定感抜群。こういうチームに先制を許すと苦しい。

 鹿島の選手交替は先制されたあと、まずは柴崎、三竿、樋口を、知念、船橋、松村に一気に入れ替えた。その後の交替はチャヴリッチ→エウベル、レオ・セアラ→田川。

 この日の交替は珍しくポジションチェンジなしで、その後もずっと変わった選手がそのまま前の選手と同じポジションに入る形だった。鬼木になってからは――特にユーティリティ性の高い小池や溝口がスタメンの時には――途中交替のたびに選手のポジションが入れ替わっていたので、こんな風に替わった選手が全員そのまま前の選手のポジションに入るだけってパターンは初めてなんじゃないかって気さえする。

 同点ゴールが生まれたのは、そんな全部のカードを切り終わったあと、後半の39分。鹿島が分厚い攻めを見せてゴール前に攻め込みつつ、決めきれずに終わった直後、相手のクリアボールがペナルティエリア内に落ちてきたところへ船橋が駆け込んできて、ワンバウンドしたボールにボレーで合わせた。これが見事に相手ゴールの左隅に突き刺さる。ためらうことなくシュートを打ちにいった姿勢が素晴らしかった。

 この日はスタメンを外れた船橋だったけれど、今季2点目となるこのゴールで、さすがにボランチのレギュラー争いを一歩リードしたなかって気がする。柴崎は今季いまだゴールもアシストもないしなぁ……。このまま船橋に負けっぱなしで終わらないよう祈ってます。まだ衰えるには早すぎる。

 というわけで、終盤に船橋の貴重なゴールで追いついた鹿島がそのままドローで試合を終了。なんとか勝ち点1だけは積み上げたものの、総ゴール数で上回る京都(なんと!)に勝ち点で並ばれ、2位に後退した。さらには町田が7連勝で勝ち点2の差で4位まで迫ってきているという状況もすごく嫌だ。さらに広島、神戸がその町田と勝ち点で並んでいるというね。状況が鬼すぎる。

 この日の主審はイヴァン・バルトンというエルサルバドルの人で、ちょっとした接触はさらっと流すので、試合のテンポがよくて観やすい印象だった。とはいえ、試合の終盤以降に鬼木と優磨がイエローをもらっていたので、やっている側はいささかストレスを感じる笛だったのかもしれない。

(Aug. 19, 2025)

車輪の下で

ヘッセ/松永美穂・訳/光文社古典新訳文庫/Kindle

車輪の下で (光文社古典新訳文庫)

 ドイツ人のノーベル賞作家、ヘルマン・ヘッセの代表作。旧訳では『車輪の下』というタイトルが主流だけれど、この作品は訳者のこだわりで、『車輪の下で』と「で」がついている。

 ヘッセを読むのは学生時代の『デミアン』以来。なぜ代表作といわれるこの作品ではなく『デミアン』を読んだかというと、大学の同級生からおもしろいよと薦められたからだったと思うのだけれど、残念ながらそれほど感銘は受けず。内容についてはすでに忘却の彼方だ。

 この作品に関しては、代表作として長いこと読み継がれているのもなるほどな出来栄え。将来を嘱望されていた優等生が、途中で道をはずれて退学になり、つかのまの恋にも破れて、労働者階級の一員として生きてゆくことになる。

 終始受け身な主人公は、そんな転落つづきの人生に苦しむことなく、淡々と自らの運命を受け入れている――ように僕の目には映った。

 親友との関係に同性愛的なほのめかしがあったり、初恋相手が奔放だったりするのも意外と現代的だし、これといった目的意識も持たず、まわりに流されるままに生きる、主体性のない淡泊な主人公の人物造形には、草食系といわれる現代日本の若者に通じるものがある気がする。

 個人的にはそんな主人公に共感できなくて、いまいち没入感が足りなかったけれど、描写力に秀でたその文体には、さすが世界の文学者だと思わせる風格があった。

 ちなみにこれは「Kindleで半額になっていた海外文学の古典を読んでみよう」シリーズのその二。その一は三年前に読んだ『地下室の手記』。長らく放置していたらずいぶんと間があいてしまったので、ここいらでやっつけておくことにした。

(Aug. 16, 2025)



【相棒】
しろくろや

【Shortcuts】
音楽 作品 / ライブ / 会場 / 購入 / エレカシ
作品 / 作家 / 翻訳家 / 種別 / 読了 / 積読
映画 作品 / 監督 / 俳優 / 公開年 / シリーズ
蹴球 鹿島 / Jリーグ / 日本代表 / W杯

【新譜】
09/05Antidepressants / Suede
09/05Who Is The Sky? / David Byrne
09/05Double Infinity / Big Thief
09/17永遠深夜万博「名巧は愚なるが如し」 / ずっと真夜中でいいのに。
09/19Altar / NewDad
09/26Twilight Override / Jeff Tweedy
10/01THE FILM 3 [BD] / YOASOBI
10/03Lovin' You / Richard Ashcroft
10/08タイトル未定 / RADWIMPS
10/08Don't Laugh It Off / 羊文学
10/31We Are Love / The Charlatans

【コンサート】
12/22ずっと真夜中でいいのに。@東京ガーデンシアター
12/27RADWIMPS@有明アリーナ

【サッカー】
08/31[J1 第28節] 清水-鹿島
09/13[J1 第29節] 鹿島-湘南
09/20[J1 第30節] 浦和-鹿島
09/23[J1 第31節] C大阪-湘南
09/27[J1 第32節] 名古屋-湘南

【準備中】
08/24コレクションズ

【過去のコンテンツ】
Coishikawa Scraps Bootleg 2.0