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2025-10-30『巨神計画』 New!
2025-10-28J1 第35節・京都-鹿島
2025-10-26『海の上のピアニスト』
2025-10-22『ジェイムズ』
2025-10-20J1 第34節・神戸-鹿島
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巨神計画

シルヴァン・ヌーヴェル/佐田千織・訳/創元SF文庫(全二巻)/Kindle

巨神計画 上 〈巨神計画〉シリーズ (創元SF文庫) 巨神計画 下 〈巨神計画〉シリーズ (創元SF文庫)

 若いころ『機動戦士ガンダム』や『超時空要塞マクロス』の薫陶を受けた世代なもので、巨大ロボがテーマといわれて興味を持ったところへ、Kindleのディスカウントで安く買えたこともあって読むことにしたSF小説。

 この小説はプロローグのビジュアル・イメージが素晴らしい。

 十歳の女の子が誕生日のプレゼントに自転車をもらい、喜び勇んで走り出した先で、謎の穴に落ちてしまう。彼女を救出しにきた大人たちが見つけたのは、巨大なロボットの掌の上に横たわる少女の姿だった。映像化したら映えること間違いなしな最高のオープニング!

 ロボットといっても、そのときに見つかったのは片手だけ。地球外生命体が何千年も前に地中に埋めたものと推測された。

 少女は長じて科学者となり、世界中に散らばったパーツを集めてロボットを復元するプロジェクトの責任者に任命される。彼女がパーツのありかを見つけるのに有効な調査方法を発見したことにより、ロボットの復元は順調に進んでゆくのだけれど、その過程には思わぬ障害が……。

 未知の地球外生命体によって過去にもたらされた巨大ロボットの復元というテーマにはとてもわくわくさせられるものがあるのだけど、途中から現代社会的な様々な問題が持ち上がり、だんだん話がきな臭くなってゆく。巨大ロボットアニメの小説版的なものを期待していたら、途中から愛憎劇まじりのポリティカル・フィクションになってしまったというか……。まぁ、それでも十分おもしろいんだけれども。ちょっとばかり期待していたのとは違った。

 小説としては、前述のプロローグだけを例外に、本編はすべて政府の機密文書を閲覧しているという想定で、ほぼ大半がインタビュー形式で語られてゆくのも重要なポイント。そのスタイルが物語にドキュメンタリー的なリアリティを与え、かつ叙述トリックとしてミステリ的なおもしろさを醸したりする一方、小説ならではの語りの個性が味わえない点は、やや残念だった。

 ということで、おもしろかったけれど、絶賛するまでには至らなかったから、続編を読むかどうかは微妙だなぁと思っていたら、最後の最後に思わぬ伏線の回収があって、つづきが気になることに……。

 ということでこの三部作についてはいずれ続編も読みます。

(Oct. 30, 2025)

京都サンガF.C.1-1鹿島アントラーズ

J1・第35節/2025年10月25日(土)14:00/サンガスタジアム by KYOCERA/DAZN

 またまた勝てなかった。でも負けもしなかった。ラストのワンプレーで鈴木優磨の劇的な同点ゴールが生まれて追いついた。おかげで内容の割にはあと味がよかった3位・京都サンガとの上位対決・第二ラウンド。

 鹿島のスタメンはボランチに三竿・船橋を起用して、あとはいつもの形。三竿をボランチの軸にして、コンビの相手を知念にするか、船橋にするかってところが変わるだけで、あとは固定ってのがすっかり定番となった感がある。

 対する京都サンガは一時はレオ・セアラを抜いて得点王になったラファエル・エリアスが故障のためベンチ外。

 これは鹿島に追い風か?――と思ったのに、もうひとりのブラジル人、マルコ・トゥーリオに前半のうちにゴールを奪われ、先制を許してしまう。DFにあたってコースが変わったのかと思ったのに、実際には誰にもあたっていないという、意外性のある技ありのシュートだった。ちくしょう、この人も上手かったか……。

 最近の鹿島は前半がいまいちなことが多いけれど、この試合もしかり。先制を許したのみならず、反撃の糸口が見えてこない不甲斐ない戦いっぷりだった。

 まぁ、サンガも強かった。伊達に3位につけちゃいない。平戸にフリーでシュートを打たれるシーンが二度もあったし。元鹿島の彼に決められて負けたら、本当にやってらんないから、外してくれて助かった。須貝も見違えるような存在感だったし、鹿島で活躍しきれなかった彼らを活かして優勝争いをしてみせる曺貴裁チョウキジェは、やっぱいい監督なんだなと思った。

 とにかく前半に関してはどっちが首位だかわからない展開だった。

 でもそんな劣勢も、船橋をさげて知念を入れた後半からは一転する。なかなかゴールこそ生まれなかったけれど、後半はほぼ一方的に試合を支配していた。なぜ前半のうちにこういう戦い方ができないかな?

 その後、レオ・セアラ、エウベルの両ブラジル人をさげて、松村・田川を投入。さらには三竿・チャヴリッチをさげて、荒木・徳田を入れ、交替カードを使い切った。

 この試合で意外性があったのは、敵サイドでのスローインで植田にロングスローをさせていたこと。津久井ならばともかく、ターゲットとして得点力がある植田にスローインさせるのはどうなんだ?――と思った。

 後半ロスタイムの最後の最後に生まれた同点ゴールをアシストしたのは松村。荒木も随所で存在感を発揮していたし、印象的にはエウベルよりもこのふたりのほうがよかった。次節はどちらかをスタメンで起用してくれないだろうか。

 まあ、いずれにせよ優磨の同点ゴールには痺れました。さすがエース。今年優勝できたらMVPは彼以外にはいない。

 裏では柏が勝って、ついに鹿島との勝ち点の差が1に……。

 でもまぁ、まだ単独首位だ。神戸も引き分けたので、勝ち点5の範囲にいるのは柏、京都、神戸の3チーム。5位の広島にもまだ優勝の可能性はあるけれど、残り3試合で勝ち点8の差を跳ね返すのは無理があるので、優勝争いは4位の神戸までに絞り込まれたと考えていいだろう。鹿島の優勝まであと3勝!

 裏では今節で湘南、新潟の降格が正式に決定。17位のF・マリノスがここへきてようやく調子を上げてきて、横浜FCに5ポイント差をつけたので、降格レースはほぼ趨勢を決した感じだ。春秋制最後のシーズンもようやく終わりが見えてきた。

(Oct. 28, 2025)

海の上のピアニスト

ジュゼッペ・トルナトーレ監督/ティム・ロス、プルイット・テイラー・ヴィンス/1999年/イタリア/Apple TV

海の上のピアニスト 通常版 (字幕版)

 うちの奥さんが大好きだというこの作品、なぜだか僕はこれまで観たことがなかった。『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレが監督を務めるイタリア映画だということで、英語以外の映画を敬遠しがちな僕はスルーしてしまっていたらしい。

 でもいざ観てみれば、イタリア映画とはいっても言語は英語だし、舞台となるのはほぼ全編アメリカへと向かう巨大客船の中だけで、普通にハリウッド映画を観るのと変わらなかった。うん、なかなかいい映画だった。

 英語のタイトルが『The Legend of 1900』なので、『1900年の伝説』と訳すような内容かと思ったら違う。「1900」(ナインティーン・ハンドレッド)が主人公の名前だなんて、誰が思うんだよって話だ。

 ティム・ロスが演じる主人公のフルネームは、ダニー・ブードマン・T・D・レモン・1900。客船で(移民の?)親に捨てられ、ボイラー係の船員、ダニー・ブートマンに拾われて、その名をいただく。「T・D・レモン」はゆりかごにあった名前(もしかしたら商品名?)。1900は拾われた年(つまり生まれた年)。

 戸籍を持たない1900はダニーを親として船の中で育ち、事故で養父を失ったのちも船から出ることなく成長してゆく。でもって独学でピアノを弾くようになり、天才的なスキルを発揮して、船の名物ピアニストとして人気を博するようになる。

 物語は彼と仲がよかったトランペット吹きのマックス(プルイット・テイラー・ヴィンス)が、老朽化して廃棄されたその船が爆破処分されることを知って、いまだに船にいるかもしれない1900のことを心配しつつ、在りし日の思い出を回顧する形で紐解かれてゆく。そこから生じるノスタルジックな感触には、なるほど『ニュー・シネマ・パラダイス』の監督の作品だなって思った。

 クライマックスで彼と1900が再会を果たすシーンには、村上春樹の『羊をめぐる冒険』を思い出させる、現実か幻想か定かではないファンタジー的な味わいがあるのも意外があってよかった。

 あとから配役を確認して知ったのだけれど、主人公に絡む黒人ふたりのうち、育ての親ダニーを演じるビル・ナンは『ドゥ・ザ・ライト・シング』のラジオ・ラヒーム、ジャズの生みの親だというジェリー・ロール・モートン役を演じているクラレンス・ウィリアムズ三世が『パープル・レイン』でプリンスの父親役だったそうだ。おー。

(Oct. 26, 2025)

ジェイムズ

パーシヴァル・エヴェレット/木原善彦・訳/河出書房新社

ジェイムズ

 『ハックルベリー・フィンの冒険』でハックとともに旅に出る黒人奴隷ジムを主人公にした、いまどきの言葉でいうなら二次創作の作品にして、ピューリツァー賞ほか数々の文学賞を受賞したという話題作。

 先日読んだ柴田訳が顕著だったように、『ハックルベリー・フィンの冒険』はその語りのスタイルが最重要ポイントな作品だった。

 対してそこから派生したこの作品の文体はきわめて端正。無学な黒人奴隷による語りがなぜこんな?――という疑問への答えこそがこの小説の肝だった。

 その着想には、同世代の黒人作家の作品であり、実在しなかった鉄道の存在をあったことにして物語の世界観を築いてみせた『地下鉄道』ときわめて近いものがある。アメリカで黒人の過去を描くには、ある種のファンタジー要素が必要なのかもしれない。

 物語は途中までは『ハックルベリー』のそれをなぞる形で進んでゆく。

 話が枝道に逸れて独自の展開を見せるのは、ハックたちが殿下と公爵と出逢って以降。オリジナルでは善良なハックたちが、そのろくでもない詐欺師二人に振り回される展開にはけっこううんざりさせられたので、またあれを読むのかぁ……とげんなりしていたら、こちらではそのパートが比較的短めで終わったので、正直嬉しかった。

 ただ、この小説を手放しで称賛できるかというと、そうでもない。終盤で明かされるハックの出自にオリジナルにはない重大なアレンジを加えた点は個人的にはどうかと思った。放っておいたってハックの未来がヘビーモードだろうことは予想に難くないのに、さらなる重荷を背負わせてどうする?

 また、物語が本筋を逸れて以降はバイオレンス色が強くなり、クライム・ノベルっぽくなる。その点はトニ・モリスンの『ソロモンの歌』にも通じるものがあって、僕にはその展開が疑問だった。やっぱ殺人が絡むとどうしたって話が俗っぽくなる。

 ということで、おもしろい小説ではあったけれど、後半のオリジナル部分が原作の世界観とかけ離れていることが、いささか作品の価値を落としているような気がした。事態の解決を暴力に頼っているようでは、世の中は変えられない。黒人にそんなことをいうのは酷かもしれないけれども。

 作者のパーシヴァル・エヴェレットは、どこかで聞いたような名前だと思ったら、映画『アメリカン・フィクション』の原作者だとのこと。

 おぉ、そうなんだ。どちらかというと、そっちの方が興味がある。この作品にヒットにあやかって、どこかで翻訳してくれませんかね。ぜひ読みたい。

(Oct. 22, 2025)

ヴィッセル神戸0-0鹿島アントラーズ

J1・第34節/2025年10月17日(金)19:00/ノエビアスタジアム神戸/DAZN

 今年最後の平日夜の試合にして、優勝の行方を占う大一番。前年度王者として3連覇を狙うヴィッセル神戸との上位決戦。

 この試合で鬼木がスタメンに選んだのは、早川、濃野、植田、キム・テヒョン、小池、知念、三竿、チャヴリッチ、エウベル、レオ・セアラ、優磨の11人だった。

 要するに、前節から船橋を知念と入れ替えただけの形。

 でもって、この知念の起用がこの試合のポイントだった。

 途中出場は松村、津久井、小川、荒木、田川の5人だから、つまり知念・三竿のダブル・ボランチはフル出場を果たしている。おそらく鬼木体制に入ってから、リーグ戦で両ボランチが最後まで交替なしだったのは初だろう。

 絶対に負けられない試合だから、守備強度を重視して、知念・三竿のダブル・ボランチを採用したのだろうし、最後まで替えなかったのも、その辺が理由だろう。もしかしたら船橋のコンディションが万全ではなくて、試合展開的に替えられなかったのかもしれない。柴崎もベンチ外だったし(来期に向けての動向が心配になってきた)。

 後半途中にレオ・セアラを津久井に替えて、濃野をひとつ上のポジションにあげたのも守備重視の表れだったと思うし、いずれにせよ、この日はとにかく1点もやらないぜって試合だったと思う。

 結果無失点で終わっているのだから、その意味ではミッションは見事コンプリートしたものの、そのぶん攻撃もいまいちだったので、結局1点も取れずにスコアレス・ドローに終わってしまったという。そういう試合。僕としては、後半から船橋を投入して、攻撃を一段アップした戦いが見たかった。

 まぁでも、神戸は強かった。さすが前年度王者。ロングボールを大迫、武藤、エリキからなる前線にあてて、そこに宮代ら二列目以降にいる選手がフィニッシュに絡んでくるという形が整備されていて、何度も危ないシーンを作られた。やっていることはシンプルなんだけれど、プレーの強度と精度が高い感じがした。

 守備ではマテウス・トゥーレルがやたらと厄介だった。ボランチが扇原一枚というのも、それだけ後ろに控える山川とトゥーレルのCBコンビが堅いってことなんだろう。山川はゲームキャプテンを務めていた。

 あと、神戸は今季途中でF・マリノスから移籍してきた永戸が左SBに入っていて、CKはたぶん全部彼が蹴っていた。酒井高徳は欠場で、右SBには終盤になって広瀬が出てきた。その後すぐに永戸が下がってしまったけれど、つかの間ながら神戸の両SBを元鹿島の選手がつとめる時間帯があったわけだ。大迫もいるから元鹿島が三人。なんか嬉しいような悔しいような。

 ということで、神戸との6ポイントマッチは痛み分けに終わり、勝ち点5の差は変わらないまま。翌日土曜の試合でガンバ大阪を5-0で粉砕したレイソルが2位に浮上した。2試合連続ドローで足踏み状態の鹿島と2位との差は3ポイントに縮まってしまった。この分だと最終節まで優勝は決まりそうにない。

 それにしても、前節鹿島が1点も取れなかったガンバ相手に5得点って……。ルヴァン杯でも信じられないような大逆転で川崎を下して決勝に進出しているし、今年の柏はマジやばいかもしれない。

 降格レースでは、監督を変更してから1勝もできずに最下位に沈んだままだった新潟が、今節で17位のF・マリノスに12ポイント差をつけられて、ついに降格が内定してしまった。ほんと残念だよ……。

(Oct. 20, 2025)



【相棒】
しろくろや

【Shortcuts】
音楽 作品 / ライブ / 会場 / 購入 / エレカシ
作品 / 作家 / 翻訳家 / 出版社 / 読了 / 積読
映画 作品 / 監督 / 俳優 / / シリーズ / ドラマ
蹴球 鹿島 / Jリーグ / 日本代表 / W杯

【新譜】
10/31Bootleg Series Vol. 18: Through The Open Window / Bob Dylan
10/31We Are Love / The Charlatans
10/31Everybody Scream / Florence + The Machine
11/07Sad and Beautiful World / Mavis Staples
11/14Eusexua Afterglow / FKA twigs
11/14Black And Blue [Deluxe Edition] / The Rolling Stones
11/21Around The World in A Day [Deluxe Edition] / Prince
11/21Anthology 4 / The Beatles
12/10HAYABUSA JET II / 佐野元春 & THE COYOTE BAND

【コンサート】
12/22ずっと真夜中でいいのに。@東京ガーデンシアター
12/27RADWIMPS@有明アリーナ

【サッカー】
11/01[ルヴァン杯・決勝] 柏-広島
11/08[J1 第36節] 鹿島-横浜FC
11/22[天皇杯・決勝]
10/30[J1 第37節] 東京V-鹿島
12/06[J1 第38節] 鹿島-横浜FM

【新刊書籍】
10/30『プレイグラウンド』 リチャード・パワーズ
12/01『高校のカフカ、一九五九』 スティーヴン・ミルハウザー

【準備中】
10/26ビートルジュース
10/26ビートルジュース ビートルジュース
10/27キングの身代金
10/27宮本浩次@日本武道館

【過去のコンテンツ】
Coishikawa Scraps Bootleg 2.0