小石川近況
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2024-04-26 | 蹴 | J1 第9節・鳥栖-鹿島 New! |
2024-04-23 | 映 | 『ザリガニの鳴くところ』 |
2024-04-21 | 本 | 『ザリガニの鳴くところ』 |
2024-04-19 | 映 | 『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』 |
2024-04-17 | 蹴 | J1 第8節・鹿島-京都 |
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サガン鳥栖4-2鹿島アントラーズ
J1・第9節/2024年4月20日(土)/駅前不動産スタジアム/DAZN
あまりの惨敗に文章を書く気力が……。
対戦相手の鳥栖はキックオフの時点では最下位に沈んでいたし、濃野の2試合連続ゴールで幸先よく先制したので、きょうはもらったと思ったのもつかの間。
序盤のピンチを早川がファインセーヴで防ぎ、あまつさえPKまで阻止する大活躍をしてみせていたから油断していたけれど、考えてみれば、早川が目立つってことは、それだけ押し込まれていた証拠なわけで。
はたして前半30分には鳥栖の7番・手塚の打ったミドルがゴール前に詰めていたボランチ河原(26歳ってマジか)にあたってコースが変わるアンラッキーなゴールで同点とされ、アディショナル・タイムにはCKからファーにいたブラジル人マルセロ・ヒアンにヘディングを決められて逆転を許す展開。
実況では「今期の鹿島はここまでセットプレーからの失点がありません」とかいっていたから、なんか厭なフラグたってんなぁとは思っていたんだよなぁ……。
それにしてもロスタイムの逆転弾は駄目でしょう? そんなの鹿島じゃない。
後半は後半で、35分に途中出場の横山歩夢21歳に右サイドの突破を許し、そこからのクロスを再びマルセロ・ヒアンにダイレクト・ボレーで決められて1-3。
ヒアンは前半にPKを失敗しているから、それほどいいFWじゃないかと思っていたら、その後のまさかの2ゴール。PK決められてたらハットトリックじゃん……。
しかもこのブラジル人もまだ21歳。そんな若い子にこてんぱんにされるとは……。
このゴールのあと、鹿島もPKをもらい――両チームともPKはVARが介入してオンフィールドレビューの結果ハンドとなったものだったけれど、どちらもVARが介入するほうが不思議なくらい明確なハンドだった――これを優磨が決めて1点差とした。
残念過ぎたのは、そのわずか2分後の4失点目。左サイドへ開いていた(たぶん)佐野海舟がスローインへの対応をミスって相手の突破を許し、マークに入った植田も反応が遅れて、途中出場の福田という選手にいともたやすくシュートを決めらてしまった。あんなにぶざまに崩されるのを見たのはいつ以来だよってくらいの駄目さ加減だった。
同情の余地があるとすれば、そのゴールの直前に関川を下げて海舟をCBにコンバートしていたこと。つまり捨て身で同点を狙いにいったポポヴィッチ采配が裏目に出た結果だ。それにしたって、せっかくの追撃ムードに水を差すあの失点はマジでひどかった。本当に強いチームは絶対にあんな失点しないって……。
まぁ、3日前のルヴァン杯ではJ3の八戸相手に延長戦を戦うていたらくだったから、そのつけを払ったってことなのかもしれない。
この試合のスタメンは前節と一緒で、途中出場は師岡、名古&ミロサヴリェヴィッチ、パレジ&須貝の5人だった。あぁ、本当にもう……。
(Apr. 26, 2024)
ザリガニの鳴くところ
オリヴィア・ニューマン監督/デイジー・エドガー=ジョーンズ/2023年/アメリカ/Amazon Prime
原作を読み終えた翌日に映画を観た。
アメリカ南部の湿地帯を舞台に、殺人の容疑で逮捕された女性の孤独な半生と、彼女の罪の有無を問う公判のゆくえを追うミステリ映画。
原作では殺人事件の捜査の進捗と主人公カイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)の成長を描くシーケンスが交互に描かれていて、彼女が逮捕されるのは物語が後半になってからだったけれど、この映画版ではそれを思い切りよく書き換えて、冒頭で殺人事件が起こってから彼女が逮捕されるまでを一気に描いて、その後に彼女の幼少期からの物語を語るという構成になっている。
おかげで基本的な物語は同じなのに、小説と映画ではずいぶんと感触が異なる。
どちらがいいという話ではなく、どちらにもそれぞれに違ったよさがあるのが新鮮だった。
アカデミー賞には脚本家に与えられる賞が脚本賞と脚色賞の二種類あって、映画オリジナルの物語が脚本賞、原作つきの脚本が脚色賞と区別されているけれど、なるほど、これはまさに脚色賞にふさわしい仕事だなぁと思った。まぁ、この作品がノミネートされたわけではないけれども。
小説で描かれたアメリカ南部の湿地帯の風景や動植物をハイビジョン時代ならではのビビッドな映像で楽しめるのもこの映画の大きな魅力だ。
食うものも食えず、着のみ着のままで赤貧生活を送っていた小説の主人公のイメージからすると、映画の彼女はちょっと小ぎれいすぎる気がするけれど、でもまぁ、そこはあくまで映画ということで。あまりリアリスティックに描かないのが正解なんだろう。
おかげでこの映画はヒロインも風景に負けず劣らず美しかった。
(Apr. 14, 2024)
ザリガニの鳴くところ
ディーリア・オーエンズ/友廣純・訳/ハヤカワ文庫
うちの奥さんがこれの映画が観たいというので、その前に原作を読んだ。
物語の主軸となるのは1969年のノース・カロライナ州の田舎町。湿地帯に囲まれたその土地でひとりの男性が死体が発見される。
地元では有名人だったその人の死亡が殺人事件として捜査されるなか、事件に深くかかわっているのではという疑いをかけられた女性カイアの生涯が、彼女の幼少期にさかのぼって紐解かれてゆく。
不幸な家庭に生まれて、幼少期からひとりで生きてゆくことを強いられた彼女は、いかなる人生を歩んできたのか。そして事件とのかかわりは――。
いま現在と昔、二つの時間軸で物語がスパイラルに語られてゆくという構成の小説は、このところやたらとあるけれど、この小説の場合は、そのふたつの関係が半分以上読むまではっきりしないのが肝だ。
主人公のカイアことキャサリン・クラークが被害者とのあいだになんらかの関係があったことはほのめかされるものの、その真相はなかなかあきらかにされない。少なくても幼少期のふたりには、成長して関係が芽生える要素がほとんどない。
ようやく物語がふたりの関係を描くようになっても、それが殺人事件とどう絡んでくるのかはわからない。
そういう謎の積み重ねで、読者のページをめくる手を止まらなくさせる――そのうえでなお人にとっての罪の是非やなにかについて考えることを余儀なくされる――これはそういう意味で、とてもよくできた小説だった。
万人が望むような結末ではないと思うけれど、でもそれはもう致し方なし。感動的な物語であるにもかかわらず、どことなく肌を寒からしめるような感触が読後に残ったところが、僕にとってのこの小説の醍醐味だった。
それにしても、女性生物学者が
(Apr. 14, 2024)
モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ
アンナ・サワイ、渡部蓮/2023~2024年/アメリカ/Apple TV+
モンスター・ヴァース・シリーズ初の連続テレビ・ドラマ。
劇場版最新作の『ゴジラ×コング 新たなる帝国』はまったく観る気になれないので(なんでゴジラとコングが駆けっこしているんだよぉ)、モンスター・ヴァースもそろそろ観るのをやめようと思っているのだけれど、これは主要キャラに日本人がいたり、日本が舞台の一部になっているようだし、なにより連続ドラマでゴジラをいかに描いてみせるのかに興味を惹かれたので、観ておくことにした。
舞台となるのはサンフランシスコほか世界中の大都市をゴジラが襲ったあとの世界。
ゴジラの襲撃を受けた日は「Gデイ」と呼ばれ、ここでは日常的に怪獣の襲撃を想定した避難訓練が行われている。見慣れた東京の街中に「ゴジラ注意」みたいな交通標識が掲げられているビジュアルがおもしろい。
物語はお互いの存在を知らずに育ったケイト(話題作『SHOGUN 将軍』にも出演中のアンナ・サワイ)とケンタロウ(演じる渡部蓮はなんと渡部篤郎とRICAKOの息子さんだそうだ)という腹違いの姉弟が、ケンタロウのガールフレンドのメイ(キアシー・クレモンズ)とともに、失踪した父親が残した謎を探ってゆくうちに、ゴジラをめぐる陰謀に巻き込まれてゆくというもの。
このメイン・ストーリーと並行して、タイトルでもあるゴジラ対策本部的な秘密組織『モナーク』発足の歴史が、1950~60年代を舞台に描かれるのが、本作のより重要なポイントだ。
でもって、そちらのシーケンスの主要人物のひとり、リー・ショウを演じているのが、カート・ラッセルの息子さんのワイアット・ラッセルで、生き延びて年をとった彼の老後を演じているのが、父親のカート・ラッセルという。
この画期的な親子共演が見事。さすがに親子だけあって、よく似ているから、役者の引継ぎにまったく違和感なし。このキャスティングの妙が本作の魅力のひとつ。
彼とともにモナークの発足にかかわる女性生物学者の役を、山本真理という日本生まれの女優さんが演じているのも日本人としては見逃せないところだ。
もちろん、ゴジラやそのほかのモンスターも一話に一回くらいの感じで出てくる。テレビドラマとは思えない完成度で描かれるゴジラの雄姿こそが、やはり本作のいちばんの見どころでしょう。
というころで、いろいろと見どころは多いし、物語もおもしろいと思うのだけれど、残りあと二話というところで『ゴジラvsコング』で描かれた異世界への扉が開かれてしまい、「あぁ、またそっちのほうへいっちゃうのか……」とがっかりした。
でも、そのあとの最終話で驚きの大どんでん返しがあって、ちゃんと盛り返してくれてよかった。最終的には満足のゆく出来でした。
まぁ、とはいえ、当然のように続編ありきの終わり方をしているにもかかわらず、ここで終わってつづきを観れなくても後悔はしないかなと思う。
(Apr. 14, 2024)
鹿島アントラーズ1-0京都サンガFC
J1・第6節/2024年4月13日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN
前節で2連敗を喫して、下位に低迷する京都との試合となれば、優勝を目指すクラブとしては勝ち点3は必須。
――とはいっても、どのクラブもそう簡単には勝たせてくれないのがJリーグだよなぁ……と、スコアレスで終わった前半を観ていて思った。
京都は今年も
でもそのわずかな選手が3トップの豊川、山崎凌吾、原大智というのが侮れない。
豊川、原はなにげに元・海外組だし、山崎にも2年前にゴールを許している。
果たして、豊川、原にボールが収まると、ひやひやさせられる場面がなきにしもあらずだった。豊川が打ったジャンピングボレーを植田が空中で止めたシーンが前半いちのファイン・プレー。
この日の鹿島のスタメンは、前節の11人から仲間を外して藤井を入れた形。でもってチャヴリッチは前節につづき右サイドでプレーしていた。
彼は前の所属クラブではそちらが主戦場だったそうなので、本来はそちらのほうが得意なのかもしれない。
でも鹿島では――少なくても現時点では――左でプレーしているときのほうが機能している気がする。
この日は後半からは左にポジションを変えてきたこともあり、そこからの鹿島の猛攻がすごかった。前半はまぁ互角といってもいいかなって内容だったけれど、後半はもうずっと押せ押せ。これでなぜゴールが決まらなんだって不思議になってしまうほどの攻めっぷりだった。
なのに濃野のシュートがクロスバーをたたき、チャヴリッチのシュートはポストに弾かれる。
これだけ攻めててノーゴールで終わっちゃったらダメージでかいだろう?――という心配を杞憂に終わらせる決勝ゴールがようやく決まったのは、後半の40分だった。
セットプレーの流れから、右サイドにいた関川がヘディングで折り返したボールをゴール正面に詰めていた濃野が頭で押し込んだ。絶対勝つというチーム全体の意思統一のもと、ようやくもぎとった渾身の1点だった。
濃野は学生時代には背番号10をつけていたこともあるそうで、このところ実況が何度もその話を繰り返していたのだけれど、この日はゴールの場面以外にシュートを打つシーンが二度もあり、昔エースナンバーを背負っていたころに培った得点感覚が存分に発揮された感じだった。おめでとう、J初ゴール!
この日の途中出場は松村、師岡、パレジの3人だけ。決勝点の起点になった関川へのクロスは師岡が入れたものだから、とりあえず師岡の投入が功を奏した形だった。
まぁ、ということで、攻めまくったわりには1点しか取れなかったけれど、それでも後半はいい形のフィニッシュが何度も見られて、なかなか楽しい試合だった。
裏では首位に立っていた昨年J2王者・町田が、昨年J1王者・神戸に負けて首位陥落。ここまで無敗のC大阪が首位に立った。
同じく無敗の広島が勝ち点2の差で2位。川崎はこの日までですでに5敗もしていて、降格圏内の一歩手前まで沈んでしまっているし、今年のJ1は例年にも増して先が読めない。
(Apr. 14, 2024)