小石川近況
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2024-10-07 | 蹴 | J1 第33節・新潟-鹿島 New! |
2024-10-05 | 本 | 『三体Ⅲ 死神永生』 |
2024-09-30 | 蹴 | J1 第32節・湘南-鹿島 |
2024-09-28 | 音 | 『Iris』 |
2024-09-26 | 蹴 | J1 第31節・鹿島-柏 |
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アルビレックス新潟0-4鹿島アントラーズ
J1・第33節/2024年10月4日(土)/デンカビッグスワンスタジアム/DAZN
ひさびさに勝ちました~。およそ2ヵ月ぶりの勝利。いやぁ、長かった。
新潟はこのところ3連敗中とのことで、14位に低迷しているクラブがそんな状態ならば、優勝を狙うクラブたるもの、勝ってあたり前――なんだけれども。
今年の鹿島は何連敗中とかいう相手との対戦をかなりの確率で取りこぼしてきているので、もしやしたらまたもや勝てないのでは?――という不安を感じないではいられなかった。
でも、そんな不安もこの日ばかりは杞憂で終わる。いやぁ、ほんと勝ててよかった。
前節濃野が途中交替したのは足をつったせいだと思っていたら、そうではなく半月板を損傷していたとのことで、この試合は欠場。せっかくルーキーイヤーに二桁得点まであと1点としていたのに、今期はもう出番なしかもしれない。だとしたら残念だ。
濃野の離脱により今季の定番だった4バックが組めなくなったことで、ポポヴィッチは三竿を最終ラインに入れた3バックを起用してきた。
ということで、この日のスタメンはGK早川、DF三竿、植田、関川、両ウィングが樋口と安西、ダブルボランチは柴崎と知念、二列目が名古と師岡で、優磨のワントップという布陣。途中出場はミロサヴリェヴィッチ、須貝、ターレス・ブレーネル、徳田の4人だった。ベンチには船橋と須藤という珍しい顔ぶれもいたのに、残念ながら彼らは出番なしで終わった。
試合が動いたのは前半12分。それまでは新潟のパスワークに押し込まれていた鹿島が、カウンターからぶ厚い攻撃をしかけ、最後は師岡のシュートがポストをたたいて跳ね返ったこぼれ球を優磨が体ごと押し込んだ。
優磨ひさびさに流れからのゴール!――と喜んだのもつかの間。リプレイを見たら、優磨をブロックしようとした新潟DFの足にあたってボールがゴールに転がりこんでいたので、記録はオウンゴールとなってしまった。でもまぁ、エースが絡んで早い時間帯に先制できたのは幸いだった。
そのわずか3分後には右サイドからのクロスをファーで受けた樋口がフリーのチャンスをしっかりと決めて追加点。
とはいえ、前節だって2-0から逆転されているので、まだまだ安心はできないよなぁ……と思っていたら、前半終了間際に右CKからのサインプレーで、樋口が芸術的なミドルシュートを決めて3-0! さすがにこれで勝利を確認した。
樋口は先制ゴールにつながる師岡のシュートのお膳立てもしているし、前半の3得点すべてに絡む大活躍で、彼を右サイドウィングに起用してきたポポヴィッチの期待に見事応えてみせた。
後半は8分に優磨が追加点。これも相手DFにあたってコースが変わったので、もしやまたもやオウンゴールかと思ったけれど、幸いそのまま優磨のゴールということで認められた。
さすがにこれで勝負あり。その後も無失点で試合を締めて、4-0という文句なしのスコアで鹿島が勝利をおさめた。ボール支配率は新潟が67%という試合にしてこの結果。サッカーでやっぱりわからない。
新潟はオーストラリア代表に選出されたというトーマス・デンがなぜかベンチスタートだった。後半途中に出てきてからはかなりの存在感だったので、なぜに彼をスタメンから外したのか謎。あとJ2からステップアップしてきたという24歳の長倉というFWがなかなか勢いのあるプレーを見せていた。
鹿島にとってはひさびさの勝利で喜ばしいことだけれど、濃野の不在とこの日の快勝により、この先も3バックが定着しちゃうそうなのはちょっと嫌だ。
とはいえ、いま現在のメンバー構成だと、これがいちばんいい形のような気はする。
【追記】いやしかし、まさかこの翌日にポポヴィッチの解任が発表されようとは……。
(Oct. 07, 2024)
三体Ⅲ 死神永生
劉慈欣/大森望・光吉さくら・ワンチャイ・泊功・訳/早川書房/全二巻
『三体』三部作の完結編。
このシリーズはどれも始まり方が振るっている。
第一作が文化大革命から始まるのにも意表を突かれたけれど、二作目も蟻の描写から始まって、なんだこりゃと思った。
そしてこの第三作の冒頭を飾るのはコンスタンティノープルの陥落にまつわるエピソードだ。なにそれ?
だって、前作で二百年とか未来まで話が進んだんだから、誰だって続編は当然そのつづきからだと思うじゃん。まさか時を過去に遡ろうとは……。
しかもそのエピソードが本編にどうつながるのかよくわからない。
まぁ、今作の鍵となるのが四次元への侵入みたいな展開なので、その一例だったんだろうと思うけれど、SFにうとい僕のような人間にとっては、それはなにって話だった。
そんなところにも劉慈欣という人のSF作家ならではのセンス・オブ・ワンダーを感じる。とにかく一筋縄じゃいかない。
この完結編の主役となるのは程心(チェン・シン)という女性で、三体世界との共存への道を歩んでいたはずの地球は、この人の優しさゆえにふたたび滅亡の危機に瀕することになる。その辺はおそらく第一作で葉文潔(イエ・ウェンジェ)の人類に対する絶望と憎悪が地球を危機に陥れたのと対になっているんだろう。
愛も憎しみも世界は救えない。ただ滅ぼすのみ――。
そんな救いようもなくシビアな現状認識がこのシリーズの芯になっているように思う。
クライマックスで怒涛のカタストロフをもららす三次元の崩潰という出来事が、僕にはビジュアルとしてまったくイメージできなかったこともあり、今回もいまひとつ乗り切れない感がありはしたけれど、まぁ、これが稀有なSFシリーズだというのはよくわかった。
とりあえず、三次元の崩壊というのが映像としてどんな風に表現されるのか興味があるので、ドラマ版を観てみようかと思ったら、どうもネトフリ版はそこまでたどり着いていないっぽい。残念。
(Oct. 05, 2024)
湘南ベルマーレ3-2鹿島アントラーズ
J1・第32節/2024年9月27日(土)/レモンガススタジアム平塚/DAZN
シーズン終了のお知らせ。
水曜日の天皇杯・準々決勝、神戸はローテーションで全選手を入れ替えてきたのに対し、こちらはリーグ戦と同じベストメンバーで戦って、0-3で負けたと聞いて、今年もタイトル奪取はもう無理だろうと思っていたけれど、この黒星でそれが決定的になった。この大事な局面で、前半途中まで2-0で勝っていた試合に負けるクラブが優勝できるわけがない。
首位・広島との勝ち点の差は12まで開いてしまったから、広島が残り6節で4敗してくれない限り、鹿島はタイトルには届かない。ここまでの32試合で4敗しかしていない広島が、ここからそれと同じだけ負けるのを望むのは、さすがにミッション・インポッシブルすぎる。
広島だけでも無理筋なのに、今節2位に浮上した神戸と、3位に後退した町田(とはいえ鹿島に勝ち点9の差をつけている)にもそれ相当の負けを期待しないといけないわけで。無理をいうにもほどがある。鹿島が今シーズンも無冠に終わることがこれにて実質的に確定したといっていい。あーぁ……。
この試合に関しては、敗因はただひとつ。ポポヴィッチの消極性。これにつきる。
試合前のメンバー表に、サブとはいえチャヴリッチとミロサヴリェヴィッチの名前があったから、これはここからの追撃には追い風なのでは?――と思ったのに、なぜに彼らの出番が後半25分過ぎなんだ。おかしいでしょう?
天皇杯の試合から中2日なんだよ。しかもスタメンはその試合とほぼ一緒。出ていないのはその試合で怪我をしたという知念だけだ(前節のスタメンから知念を外して仲間を入れた形)。疲れがたまっているのは考えるまでもないでしょう?
となれば、積極的な選手交替でチームを活性化しなくてどうする。
前半のうちに濃野の2ゴールで2-0として、さすがにきょうは勝っただろうと思ったのに――濃野ほんと孝行息子――前半の終了間際に優磨のボールロストからカウンターを食らい、鈴木章斗という若い選手に豪快なシュートを決められて2-1で前半を終えたのは確かに痛かった。ポポヴィッチはあの1点が敗因だと語っている。
まぁ、2点差のまま後半を迎えていたら、もっと余裕をもった試合運びができていたのは確かなんだろうから、あの1点を悔やむのはわかる。なまじ優磨のボールロストがファール気味のチャージからだったから、なおさら悔しい。この日も清水主審の判定はいろいろ難ありだった。
でもそれにしたって、その後のリアクションが消極的すぎた。チームのコンディションを考えれば、後半の頭からチャヴリッチを入れるような積極的な采配を切ってくれたっていいじゃん。
でもこの日もポポヴィッチは動かない。ようやく選手を変えたのは、後半20分に畑大雅、その2分後に福田翔生という若者たちにゴールを決められ、逆転を許してからだ。
お・そ・す・ぎ・だろっ!
1点のビハインドを追ってから、仲間&名古をチャヴリッチと藤井に替え、さらには柴崎&師岡をさげて、樋口とターレス・ブレーネルを入れ、最後は足をつった濃野をミロサヴリェヴィッチに替えたけれど、もうその時点ではチーム全体がガス欠気味で、同点ゴールが生まれる気配は感じられなかった。
最後のミロサヴリェヴィッチは、最初は足を引きずっていた優磨と替えようとしていたのに、先に濃野が足をつってピッチ外に出てしまったので、応急処置的に濃野との交替になった。そんなところにもポポヴィッチのリスク管理の甘さが見て取れる。
なぜそんなに選手が消耗するまで待たずに、後半の頭から積極的に選手を替えて、追加点を取りに行ってくれないかな。
対応が後手後手すぎる。
ほんとポポヴィッチの監督としての現時点での限界を感じさせた一戦だったと思う。
湘南ではキム・ミンテがキャプテンマークをつけていて、ゴールマウスは川崎からシーズン途中で移籍してきた上福元が守っていた。
あと、興味深いのは、この試合でゴールを決めたのが、鈴木(21才)、畑(22才)、福田(23才)、そしてわれらが濃野(22才)と、全員五輪世代だったこと。
湘南がそういう若い選手たちを積極活用して勝利を手繰り寄せたのに対して、鹿島のスタメンにはその世代の選手が濃野しかいないという現実が、いまの鹿島のチーム作りの欠点を物語っている気がする。まぁ、あちらさんは予算の関係上、若手を積極的に起用せざるを得ないという理由があるのかもしれないけれども。
理由はともあれ、鹿島にだって荒木、松村、染野といった若くて優秀な選手たちがいたのに、彼らの成長をうながしてスタメンに定着させることができず、みすみす移籍させることになってしまった。そんなことしていたら、将来をみすえて継続的に強いチームを作るのなんてどだい無理なのでは?
いまは長いことタイトルから遠ざかってしまっているせいで、タイトル奪取という目先の目的にとらわれすぎていて、育成という部分がおろそかになっている気がする。
まぁ、これはポポヴィッチだけが悪いわけではなく、フロントの問題だと思うのだけれど。土居聖真が移籍することになってしまったのだって、クラブの伝統的な価値観が揺らいできている証拠のように思える。
本気で鹿島が往年の強さを取り戻そうと思うならば、もっと長期的な視点にたって、若手を積極的に起用して、新旧世代を融合させてゆくような方針を強く打ち出して必要があるんじゃないか。――そんなことを思わされた一戦だった。
いやしかし、若い世代には才能ある選手がどんどん育ってきている気がする。日本サッカーの未来は明るいのかもしれない。
(Sep. 29, 2024)
Iris
BUMP OF CHICKEN / 2024
BUMP OF CHICKEN、5年ぶりの新譜にして、インディーズから数えれば通算十枚目となる記念すべき一枚。
――とはいえ、今回もまっさらな新曲はわずか二曲だけ。あとはこの五年間にこつこつとリリースしてきた配信シングルをコンパイルしたものだから、新鮮味はいまいちだ。
同時期のリリースでいえば、同じくらい配信シングルを出していながら、それに負けないくらい新曲を入れてみせた米津玄師や、いまだにシングルの収録は三曲のみで、あとは全部新曲という昔ながらの良心的なアルバムづくりを貫いているaikoと比べてしまうと、さすがにちょっと残念な気分が否めない。
どうせならばリリースのインターバルを半分にして、収録曲は少なくてもいいから、そのぶん新曲たっぷりのアルバムを二枚作ってくれないものかと思うけれど、まぁ、BUMPももうデビュー二十周年を超えているわけだしねぇ……。
そもそも十年近く先輩のレディオヘッドよりもすでにアルバム数は多いわけだし。この五年間、休みなくコンスタントに新曲をリリースしてきたからこそ、こういうアルバムが出来上がったわけだ。まずはその事実に感謝しよう。いつも楽しませてくれてありがとう!
いやしかし。この時期の曲をアルバム一枚分まとめて聴いて驚くこと――。
タイトルがわかる曲が少ない……。
よく知っているのに「あれ、これってなんて曲名だっけ?」という曲だらけ。
まえからけっこうそういう傾向は強かったけれど、今作はその極めつけ。
理由は単純だ。タイトルが歌詞に使われている曲が極端に少ないから。
歌詞を聴いて「あ、これはあれだ」と思うのって、『なないろ』くらいじゃないだろうか。『窓の中から』もタイトルが歌詞に出てくるけれど、Aメロでさりげない使われ方をし過ぎているので、僕のようなへぼリスナーは気がつかない。『SOUVENIR』には「お土産」って単語が出てくるけれど、翻訳しないとタイトルとつながらない。
たぶん全十三曲中、タイトルが歌詞に出てくる曲って、それくらいじゃないだろうか。
ここまで歌詞の内容がタイトルとリンクしない曲ばかり書いている人って珍しいのではないかと思う。僕はほかにはaikoくらいしか知らない。
でも、そういうのって、逆にすごいと思うわけです。要するに「タイトル{ひとこと}」では言い表せないような歌を書いているということだから。
メロディーに思いついたフレーズを乗せて、それをそのままタイトルにしてしまうのって、ある意味、曲作りの王道なわけで。
藤原基央やaikoはあえてそういう王道から外れた脇道をこつこつと歩んでいる。それはそれでカッコいいことだと僕は思う。
(Sep. 28, 2024)
鹿島アントラーズ0-0柏レイソル
J1・第31節/2024年9月21日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN
ここから柏、湘南、新潟、福岡と、下位に低迷しているクラブとの対戦がつづく。優勝争いに絡んでいくには、ここからの四連勝が必須!――との期待もむなしく。柏レイソル相手にスコアレス・ドローに終わった一戦。
まぁでも、柏のスタメンを見て、あぁ、これはきっと楽な試合にはなんないんだろうなと思った。前線には細谷とマテウス・サヴィオという怖い選手がいるし、最終ラインが古賀太陽と犬飼という僕のお気に入りコンビなのもポイント高い。ボランチの戸嶋もあいかわらず目立っている。なにより全体的にプレスが厳しくて、好きなようにボールを運ばせてもらえない。
公式データだと、シュート数わずか7本だ。柏も6本だから、スコアレス・ドローは順当な結果なんだろうなと思う。
この日の鹿島のスタメンは、GK早川、DF濃野、植田、関川、安西、MF三竿、知念、樋口、仲間、FW名古、優磨という顔ぶれ。途中出場は師岡、ターレス・ブレーネル、徳田の3人だけだった。
なぜか柴崎がスタメンを外れて、出番なしで終わってしまったのが謎だ。ベンチには入っていたのだから怪我ってことはなんだろうし。中3日で天皇杯の準決勝があるから、その試合に向けて温存したのかもしれないけれど、本気で優勝を狙ってるならば、無得点の試合で貴重な攻撃のオプションを使わずに引き分けで終わるなんて駄目だろう。それがこの試合のいちばんの不満点。
これで5試合連続白星なしで、今節ふたたび首位に返り咲いた広島との勝ち点の差は9まで開いてしまった。鹿島のほうが1試合少ないとはいえ、これ以上離されたら本当に終わりでしょう。マジ気合を入れ直してほしい。
そういや、柏では後半途中から垣田が出てきた。柏に移籍してもそう簡単にレギュラーは取れないらしい。勝負の世界はきびしい。
きびしいといえば、ギリェルメ・パレジは練習で怪我をして治療のためブラジルへ帰国したとのこと。もしかしたら鹿島で彼のプレーを観ることはもうないかも。
新外国人が次々と怪我で離脱するの、なんなんだかな。
(Sep. 26, 2024)