ヴィッセル神戸5-0鹿島アントラーズ
J1百年構想リーグ・プレーオフ第1戦/2026年5月30日(土)14:00/ノエビアスタジアム神戸/DAZN
史上空前の、大・惨・敗……。
まさかリーグ戦では9失点しかしなかった鹿島が1試合5失点って……。
終盤15分での失点が1点もなかったはずが、この日は2失点……。
スコアレスで終わった試合もなかったのに、この試合は無得点……。
そんな風に、この試合の鹿島はリーグ戦では無双状態だった最強イメージを見事に裏切った。リーグ戦での勝負強さはどこへいったんだって大敗で、プレーオフ初戦にしてすでに優勝は99.9%無理ってスコアになってしまおうとは……。
いやぁ、神戸だって万全じゃなかったんだよ?
キャプテンの山川はベンチ外だし、かわりにDFの要を担うマテウス・トゥーレルも開始わずか5分で怪我をして交替になってしまった。扇原も怪我で離脱している。
でもそうしたハンデが問題にならないだけの的確な補強をしてきているのが神戸の強みなんだろうなって、この試合を観て思った。
トゥーレルが抜けたあとは、降格した横浜FCから獲得したンドカ・ボニフェイスがしっかりと埋めていたし、扇原のいない中盤の底では、3年前に長崎から移籍してきた鍬先という選手がしっかりと存在感のあるプレーをみせていた。その一列前には井手口もいるし。左SBは柏から獲得したジエゴだし、ベンチには乾が控えている。GKは前川じゃなくて権田だった。
なぜに生え抜きの前川がいるのに、37歳の権田を取るんだと不思議に思ったものだけれど、なんのバイアスのかかっていないはずのスキッベ――そうそう、今年からはこの人が監督を務めている――が選ぶんだから、やっぱ前回のW杯で日本のゴールマウスを守った権田には、いまだ元日本代表という肩書にふさわしいものがあるんだろう。
いずれにせよ、そうした積極的な補強の結果として強くなった一方で、この日の神戸には生え抜きの選手がほとんどいなかった。神戸でプロデビューを飾った先発の選手は郷家だけ。その郷家にしたって出戻りだ。
でも育成にこだわらない、楽天の金にものをいわせたそうした積極的な補強により、神戸がここ数年好成績を残してきているのは間違いのない事実。この試合を観ると、やっぱり日本代表級の選手をそろえたチームは強いんだなぁって改めて思った。
とくに大迫。代表に呼ばれなくなってひさしいし、そろそろ年齢的にも衰えが見え始めそうなものなのに、なにきょうの活躍は? 鹿島だから戦いやすいとかあるんじゃなかろうか。大迫と対決だとか喜んでる場合じゃなかったよ。とほほ……。
この試合の先制点は大迫の直接FKだった。大迫がFK決めるのなんて初めて見た気がするんだけど?
後半すぐの2点目も大迫。左サイドで武藤との競り合いで倒れた安西がファールをアピールしている隙に、武藤が素早く入れたスローインのボールをダイレクトボレーでゴールへと流し込んだ。なにそのクレバーな連係は?
3点目は左SBのジエゴ。柏にいるときにもいい選手だと思っていたけれど、なにその見事なシュートは?
4点目はハンドによるPK(決めたのは途中出場の小松蓮という選手)。PKを取られたのは三竿だったけれど、VARを観る限り、ハンドじゃなくない? 池内レフェリーってもしかして性格悪い?
5点目は後半ロスタイム。途中出場のパトリッキの右からのクロスに、大迫が下がりながらジャンピングヘッドで合わせた。大迫、衝撃のハットトリック。
あの場面、大迫のマークについていた関川が足をすべらせて転んでいたのが、この試合の鹿島を象徴してきた気がする。
大迫のFKに反応しながらも止めきれなかった梶川しかり。彼らを戦犯あつかいするつもりはないんだけれど、やっぱ試合勘の不十分なこの二人がスタメンという時点で、神戸の相手は厳しかったってことなんだろう。
鹿島のスタメンは梶川、濃野、植田、関川、三竿、柴崎、チャヴリッチ、荒木、優磨、レオ・セアラという先週と同じ11人だった。途中出場は松村、知念&師岡、小池、林の5人。
先制点のきっかけとなったのは、優磨がペナルティエリアのぎりぎりで与えた不用意なファールだった。そんなところでファールしちゃ駄目だろうって思ったんだよなぁ……。あのファールは悔やまれた。
鬼木の采配にしても、樋口を温存したまま、林を使ったのは疑問だった。林がお気に入りなのはわかったけど、負け試合で1点でも返したかったら、使うべきはここまでノーゴールのルーキーではなく、セットプレーで何度もアシストを決めている樋口じゃないの? 守備の強度を考えると、三竿は下げたくなかったんだろうけれど、結局その三竿が不運なハンドの判定を受けて、PK取られちゃったわけだしなぁ……。
攻めてもあと一歩というシュートが決まらない。反対に相手のシュートはジエゴも大迫の3点目もポストにあたって決まっちゃうというね。
もう鹿島にとってはすべてが悪いほうへ、悪いほうへと向かってしまった一戦だった。たまにはそんな試合もあるもんだろうけれど、それがよりによって優勝のかかったプレーオフの初戦とは……。本当にとほほだよ。
鹿島が5-0なんてスコアで負けるの観るの初めてじゃん?――と思って過去の記録を調べてみたら、さすがに長いことサッカーを観ているだけあって、そんなことなかった。21年前にバルセロナとの親善試合で同じスコアで負けてました。わはは。
とはいえ、それは親善試合の話。今回は一億円超えの賞金のかかった公式戦だからなぁ……。ダメージがでかいぜ。
まぁ、神戸には3年前にも5-1で負けているし、もしかしたら基本的に相性が悪いのかもしれない。それもすべて大迫のせいって気がしちゃうけど……。
このまま終わったんでは寝覚めが悪いので、次のホームでの試合はせめて勝って終わっていただきたい。よろしく。
おまけ。2点目のシーンで武藤にスローインのボールを渡したボールボーイが「よくぞ瞬時にボールを出してくれた」と試合後に二人の祝福を受けていたのがおもしろかった。確かにあのシーンはボールボーイも敵ながらあっぱれだったわ。
(Jun. 3, 2026)




















