小石川近況
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2023-06-07 | 蹴 | J1 第16節・浦和-鹿島 New! |
2023-06-05 | 音 | ザ・ストリート・スライダーズ@日本武道館 |
2023-06-03 | 音 | ずっと真夜中でいいのに。@Zepp DiverCity (TOKYO) |
2023-05-31 | 映 | 『RRR』 |
2023-05-29 | 蹴 | J1 第15節・鳥栖-鹿島 |
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浦和レッズ0-0鹿島アントラーズ
J1・第16節/2023年6月4日(日)/埼玉スタジアム2002/DAZN
先制したけど追いつかれたFC東京戦、二度の先行を許しながら追いついた鳥栖戦につづき、この日の浦和戦はスコアレス・ドローとなった。これで三試合連続のドローだ。上を目指すならばここはなんとか勝っておきたかったところだけれど、まぁ、この日の内容ならば引き分けは妥当かなって試合だった。
スタメンは早川、広瀬、植田、関川、安西、佐野海舟、ピトゥカ、樋口、名古、垣田、優磨の11人。途中出場は土居、仲間、カイキ、常本、藤井の5人だった。
ひさびさにスタメンのメンツがちょっとだけ変わった。そろそろ佐野が本調子ということなんだろう。仲間をベンチに下げて、佐野がスタメン。
結果としてMFは全員本職がボランチの選手ってことになった。佐野を入れてこのメンバー構成ならば、そうそう失点はしなかろうと思ったら、やはりそのとおり。見事クリーンシートで試合を終えた。
ただしその弊害か、攻撃面でもいまひとつ。いい連係を見せる場面もあったけれど、ゴールは奪えずにスコアレス・ドローに終わってしまった。ひさびさに途中出場で出てきた藤井とか、やっぱり攻撃ではいいアクセントになるので、もっと上手く使っていって欲しいところだ。
レッズは監督がポーランド人のスコルジャ氏になった影響なのか、ショルツ(デンマーク)、ホイブラーテン(ノルウェー)という外国人のCBに、攻撃的MFにはオランダ人のリンセン、途中出場でスウェーデン人の10番モーベルグが出てくるというヨーロッパ仕様だった。ブラジル人は途中出場のホセ・カンテという人だけ。
最終ラインは右にキャプテンの酒井宏樹、そして左が明本という布陣。明本は攻撃が持ち味だろうと思っていたけれど、意外と綻びがなかった。GKはいまも西川。
あとは背番号3の伊藤敦樹(浦和の出身だそうだ)が中盤にいて、高い位置には安居、大久保という馴染みのない若い選手がいて、ワントップが興梠というスタメン。
まぁ、なんにしろお互いに攻守にバランスの取れたチームって感じで、内容的もほぼ互角の拮抗した試合だった。
そういや、この試合のレフェリーはプレミア・リーグから招聘したというアンドリュー・マドレイという人だった。さすがわざわざサッカーの本場から呼んできただけあって、なかなかいい感じだった。
(Jun. 05, 2023)
THE STREET SLIDERS
The Street Sliders Hello!!/2023年5月3日(水)/日本武道館

二十二年ぶりに復活したストリート・スライダーズ、四十周年記念の日本武道館ライヴを観た。
最初の先行抽選でチケットがはずれたときには、なんてこった……とがっかりしたものだけれど、その後に追加で出たバックステージ席の抽選に当選。かろうじてチケットをゲットした――なんてレベルの話ではなかった。それがびっくりするような、とんでもない席だった。
だって二階席の最前列だよ?
もしかしたらアリーナの最前列よりもステージに近くない?
少なくても僕にとってはいままでにないレアなシチュエーションの席だった。白黒のペイズリー柄のステージの床が目の前に遠慮なくどーんと広がっている。ギター交換のための機材や、脇で控えているスタッフとかも丸見えだし。なによりメンバーと同じ目線で満員の武道館の風景を眺められるという点で、この特別な夜を存分に堪能できるスペシャルな席だった。いやはや、開演前からすごい盛り上がりでした。
まぁ、演奏中のメンバーは後ろ姿でしか見えないし、スピーカーは目の前に置かれた小規模なやつひとつだけなので音響的にはいまいちだったけど――ハリーのボーカルはくっきりはっきり聴こえたけれど、ギターの分離とかはさっぱりだった――でもこんなにバンドを身近に感じられる席はまたとない。これでチケット代はふつうの席より安いんだから、もうしわけないくらいだ。俺のチケット運いまだ衰えず。ライヴ前には宮本遭遇事件(後述)もあったし、われながらなんて強運なんだって思った。
さて、そんなこの夜のライヴは当然のごとく、ハリーのひとことで始まった。
「ハロー!」
セットリストは先週のプレビュー・ショーとだいたい同じ流れ。何曲か入れ替わった曲があり、演奏時間が長いぶん、六曲多くなっていた。
一曲目はあの夜と同じ『あんたがいない夜』――かと思ったら違った。この日のオープニング・ナンバーは『チャンドラー』。
――だったというのをですね。情けないことに、あとでセットリストを確認して気がついた。スローでヘビーなナンバーで始まったから、先入観で『あんたがいない夜』だって思い込んで疑わなかった。違うじゃん!
二曲目の『BABY BLUE』とか、ジェームズが歌った『Hello My Friends』とかも、あれ、これってどのアルバムに入っているなんて曲だっけ?――と思ってしまったし。さすがに二十二年のブランクは長かった。あぁ、ファン失格。
まぁ、この日は本当に席が特別だったので、いまいち現実感がなかったというか、なんとなく白昼夢を見ているみたいな気分で、最初から最後までぼうっと惚けてしまって、普段より集中力を欠いていたような感があった。
スライダーズの面々のうち、ハリーと蘭丸は先週とほぼ同じ服装だった。ハリーのスーツは白で、帽子は紺だったから、やはり先週も同じだったのに、ライティングの加減で違う色に見えただけかもしれない。
ジェームズとズズについては、先週はよく見えなかったけれど、今回はばっちり(ほとんどは後ろ姿だったけど)。とくにジェームズは僕らにいちばん近かった。でもって、バックステージの僕らにも愛想よく手を振ってくれたりして、なんか最高にフレンドリーないい人だった。いまさらだけれど、すっかりファンになりました。
それにしても、スライダーズって本当に変わらないなぁって。ハリーは終始ご機嫌だったけれど、でもセットリストがそこはかとなくそっけない。これで最後だからとか、アニバーサリーだからとか、そういう気負いや過度のサービス精神がまったくない。いつも通りにブギを鳴らしてりゃそれが最高だろって。そんな感じ。
一曲目の『チャンドラー』からして、え、それですかって感じだし、ジェームズに歌わせるのだってシングルのカップリング曲の『Hello Old Friends』を持ってくるし。
まぁ、いわれてみればその曲のほうがテーマ的には今回のライヴにはふさわしいとは思うんだけれど、曲の知名度を考えれば、ファースト収録の『酔いどれダンサー』のほうが盛りあがるでしょうに。
そのほかにも『Boys Jump The Midnight』とか、『Blow The Night』とか、当然やるだろうと思っていた曲を平気でセトリからはずしてくるし。プレビューでやった『カメレオン』や『マスターベーション』もなし。最新ベスト&トリビュート盤のタイトルになっている『On The Road Again』も、まさかやんないとは思わなかったよ。
そうやって往年のファンが大喜びするの間違いなしな曲をセトリからはずす一方で、ほとんどの人が予想もしなかっただろう新曲を二曲も披露してみせる(どちらもJOY-POPS名義で発表済みの曲だってあとで知りました)。
俺たちはべつにナツメロを聴かせたくて戻ってきたわけじゃないんだぜって。せっかくまたこのメンツで集まって音を鳴らすんだから、ちゃんといまのスライダーズを聴いてくれって。そんな姿勢には、前月観たボブ・ディランと同様の、自分たちの音楽に対する強いこだわりを感じた。
本編のラストを『風の街に生まれ』で締め(これも相当予想外だった)、アンコールには『のら犬にさえなれない』と『TOKYO JUNK』を聴かせて終了。最後だけはさすがにこの二曲だよねって感じだった。
終演後のBGMにかかっていた『PANORAMA』が終わった途端、ステージの四方を隠す形で白い垂れ幕がばさっと落ちてきた。そこには黒い手書き文字ででかでかと――
「ザ・ストリート・スライダーズ 秋・ツアーやるゼイ!」
まぁ、本編で新曲が披露された時点で、こりゃおそらく今回ぽっきりでは終わらないんだろうなというのは予想できましたけどね。無事渋公のチケットも取れたし、年内にもう一度スライダーズが観られる! ご機嫌だぜぃ。
【SET LIST】
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ということで、スライダーズについては以上です。これ以降は蛇足。
じつ僕らはこの日、席へと向かう武道館北側の狭い通路――「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた一角のすぐ近く――でエレカシの宮本浩次とすれ違った。
宮本くんはスタッフと思しき女性に案内されて、どこぞへ向かう途中だった。向かいからすごくよく知った顔の人が近づいてくるから、あれ、誰だっけ?――とか思って、つい話しかけそうになってしまった。いやー、びっくりでした。
この出会いがどれだけレアなことかというのをぜひ聞いて欲しい。
僕がこの日、武道館の通路で宮本とすれ違うまでには、以下のようなささいな偶然の積み重ねがあった。
①ハリーと蘭丸のメルマガ限定のチケット先行抽選があるのを見落としていた。
→当選確率が高そうなここで当たっていたら、宮本と会った通路を歩いていない。
②チケットの一般先行抽選に落選した。
→ここで普通のチケットが取れていても宮本と会えていない。
③追加で出たバックステージ席に当選した。
→これに当選したからこそ宮本とすれ違った北側の通路を歩くことになった。
④ライヴの一時間前までアントラーズの試合があった。
→試合がなければもっと早く着いていたので、宮本に会えていない。
⑤サッカーのあと駅へと向かう道を急いだら予定より一本前の電車に乗れた。
→予定の電車に乗っていたら五分遅く着いていたので宮本に会えていない。
⑥そもそもこの日エレカシはフェスに出演していた。
→だから僕はこの会場に宮本がいるなんて思ってもみなかったのに、彼らは出演を終えたあとで武道館までやってきていた。
以上。なんかすごくないすか? そうでもない? 個人的にはそこはかとなく運命を感じちゃったりしたんだが。
いやぁ、なんにしろ一生に一度あるかないかの特別な一夜でした。九月のライヴも楽しみだ。
(Jun. 03, 2023)
ずっと真夜中でいいのに
活動5年プレミアム『元素どろ団子TOUR』/2023年5月2日(火)/Zepp DiverCity (TOKYO)

ゴールデンウィーク中に開催されたずとまよのファンクラブ限定ライブ『元素どろ団子TOUR』をZepp DiverCity (TOKYO)で観た。
ずとまよのファンクラブ限定ライブは今回が二度目。去年のBillboard Liveのやつはチケットが取れなかったけれど、今回は(公演数が多かったこともあり?)なんとか取れました。これを観るためだけに、夫婦そろってZUTOMAYO PRREMIUMに入っていたといっても過言ではない。夫婦合わせて百十歳超えのファンクラブ会員ってのも激レアだろう。
同じくアコースティック・ライブとはいっても、ビルボードではバンドセットだったのに対して、今回はピアノの岸田勇気、ギターの菰口雄矢と、あとはACAねだけという、三人だけでのアコースティック・セット。ステージ中央には巨大な鳥かごのようなセットが配されていて、ACAねはその中にいた。
主役よりもちょっと高い位置に配された左手のひな壇に岸田、右手が菰口というステージ構成。このふたりはそれなりに見えたけれど――僕らはMCブース右手の柵際にはりついて観ていた――ACAねはいまいちよく見えず。できることならば主役をもっと目立たせて欲しかった。
当初は全席指定の予定が、応募者多数のためチケット数を増やすためといって、アリーナ後方をスタンディングに変更したので、最初の抽選にはずれた僕らが手に入れたのは追加で出たそのスタンディング席のチケットだった。
前回のライヴで「ずとまよはオールスタンディングで観たい」とか書いた僕としては願ったり叶ったりではあったんだけれど、でも今回はアコースティック・セットということで踊れる曲は少なめだったし、加えてよく見えないとなると、やっぱ前方の指定席が取れた人はラッキーだったかなと思う。
ライブはちりんちりんと氷がグラスにあたるSEとともに『グラスとラムレーズン』でスタート。いきなり一曲目からレア曲だ。
――とか思ったけれど、でも振り返ってみるとレアだなぁと思った楽曲はそれくらい。『優しくLAST SMILE』とかは、アコースティック・セットだからやるかもと思っていたから、それほど意外性はなかったし。『またね幻』も聴くのはは二度目だったけれど、去年のたまアリでもアコースティック・バージョンを聴いていたので、なるほどという感じ。逆に『Dear. Mr「F」』が演奏されなかったほうが意外だった。
あとはあれだ、中盤のカバー・コーナー。日替わりメニューで人の曲をワンコーラスずつ聴かせるという今回のツアーの特別企画。この日の演目は PEOPLE 1 の『113号室』と、EVEの『あの娘シークレット』という曲だった(当然どちらも知らない)。
そうそう、ABEMAのリアリティー番組の主題歌に提供されている新曲『不法侵入』もフルコーラス聴けたのは今回のツアーが初めて。
まぁ、楽曲として目新しかったのはそれくらいだけれど、今回はリズム隊抜きのアコースティック・セットということで、全曲普段とは違うアレンジだったから、音響的な意味では全編この上なくレアだった。音数が少ない分、ACAねのボーカルがいつにも増して映えた。ACAねの歌だけ聴ければあとはどうでもいいという人には至福の一時間だったかもしれない。
個人的なこの日のクライマックスは『秒針を噛む』。
年のたまアリのときと同じくACAねの弾き語りで聴かせた『サターン』からの流れで、最初は弾き語りでスローに始まって、後半からギターとピアノが入って音が厚くなるアレンジが最高に新鮮でいかしていた。
あとは序盤の『お勉強しといてよ』と本編ラストの『残機』。アコースティックでもちゃんと盛り上がれちゃうのすげーって思いました。
もともと予告されていた通り、わずか一時間だけの短いステージだったけれど、ファンクラブ限定イベントってことで、ライヴ後にはステージにあがってセットを見学できるサービス(+缶バッチのプレゼント)もあって、ファンとしてはとても満足感の高いライヴだった。ステージ見学は立ち見客を優先してくれたので、早めに観れてありがたかった。
【SET LIST】
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この夜、唯一残念だったのは、ライヴが始まる前に拍手しそこねたこと。
前回の代々木でアコースティック・セットのときに立ったまま観ていて、うしろの若者に座るよう頼まれたのをいまだにひきずっている僕は、もう年寄りが出しゃばるのはやめようと、今回はまわりのリアクションにあわせて後追いで行動しようと思ったら、ばだ。なんと客電が落ちてライヴがスタートするまで誰も拍手しないの。なにそれ?
『グラスとラムレーズン』のあと間髪入れずに『ハゼ馳せる果てまで』が始まったこともあり、この夜最初の拍手が起こったのは、確かその二曲目が終わったあとだった。そんなのあり? コンサートが始まる前に拍手でアーティストを迎えるのなんて、人として当然の礼儀だと思うんだけれどな。なんでそういうあたりまえのことがあたりまえにできないんだろう。おじさんは不思議でしょうがないよ。
――ってまぁ、拍手しなかったという点では俺も人のことつべこべ言えないんですが。というか、年取ってる分だけたちが悪い。平均的なファンの人たちと年の差が激しすぎて、ずとまよのライブは残念ながらいまいちアウェイ感がぬぐえないんだよねぇ。いまいちばん好きなアーティストなのに。本当にいろいろ残念だ。
まぁ、とりあえず、六月にはいよいよサード・アルバム『沈香学』も出るし、年内に少なくてももう一度ツアーがあるのは間違いないでしょう。いやー、アルバムも次のツアーも本当に楽しみだ。次はちゃんと拍手するぜい。
(May. 27, 2023)
RRR
S・S・ラージャマウリ監督/N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア、ラーム・チャラン/2022年/インド
ゴールデンウィークのイベントってことで、話題のボリウッド映画『RRR』を映画館で観た(何週間前の話だ)。日本語、英語、フランス語以外の映画を劇場で観るのって初めてかもしれない。
この映画に関しては、テレビで紹介されていたふたつのシーン――橋で子供を助けるシーンと、宮殿に猛獣を放って襲撃するシーン――があまりに規格外だったので、これは絶対に観なきゃと思って、せっかくだから映画館へ足を運ぶことにした。
だからといって定価で観るのは嫌だから、映画の日を選んでいったらば、だ。
池袋の小さめのシアターだったこともあるけれど、満席でした。
公開から半年以上たってんだよ?
まぁ、ふだんは映画館に足を運ばない僕が観たいと思ったくらいだから、そういう人がほかにもいたんだろうし、そもそもリピーターが続出しそうな映画でもある。さすがにもう公開終了した映画館がほとんどだから、観られる映画館がもうそこくらいしかなかったってのもあるんだろう。
いや、それにしてもこの期に及んでチケット完売ってのがすごい。満席の映画館で映画を観たのっていつ以来だろう。とんと記憶にない。
まぁでも、これは評判を呼んで当然だと思う。ここまでこてこての娯楽映画はそうそう観られない。
舞台は1920年代のインド。イギリス人の総督に奪われた部族の娘を取り戻すべく指名を受けてデリーに潜伏したビーム(N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア)と、わけあってイギリス軍に仕えているラーマ(ラーム・チャラン)が、ひょんなことから知り合い――それが冒頭の橋の傑作シーン――お互いの身分を知らないまま友情をはぐくむも、美しき友情の日々は長くはつづかない。ついに敵対する日が訪れ……というような話。
で、ふつうだとそんな主人公ふたりの対決シーンがクライマックスになりそうなところを、この映画はそこから二転三転――いや、それどころか四転五転――する。そんな数多くのエピソードを特殊撮影の超絶アクション――あと歌と踊り――をふんだんに盛り込んで、ケレンミたっぷりに描いてゆく。
とにかく、なにもかもがもう過剰でこてっこて。それを三時間を超える長尺でみせるんだから、とにかくその熱量がはんぱない。まるでよくできたアクション・ロールプレイング・ゲームを実写で観ているみたいな気分になった。
ご都合主義?――オッケー、だってそのほうがおもしろいじゃんって。エンタメなんだから観る人を楽しませなくてどうすんのって。
そういうあっけらかんと開き直ったサービス精神が終始一貫していて、とてもすがすがしいかった。インド映画すげー。
(May. 27, 2023)
サガン鳥栖2-2鹿島アントラーズ
J1・第15節/2023年5月27日(土)/駅前不動産スタジアム/DAZN
連勝記録が途切れたあとだから、ここでの踏んばりが大事――と思ったところで、去年川井健太監督体制になってから連続ドローに終わっているサガン鳥栖との対戦。今回も苦戦を強いられてドローに終わった。でもまぁ、負けなかったのはヨシ。
スタメンは今節も変わらず。知念が肉離れで離脱してしまったので、ほかに怪我人がでないかぎり、当分リーグ戦はこのメンツで固定なんだろう。
途中出場は佐野海舟、土居、カイキ、染野、常本の5人。故障明けで戻ってきた染野がひさびさに出てきた。知念がいないうちにちょっとくらい爪痕を残して欲しい。
試合は序盤からホームの鳥栖が攻勢。スタメンは全員日本人で、ベンチにもファン・ソッコしか外国人がいないという純国産チームだけれど、ここ3試合はクリーンシートで勝っているそうで、なるほど、攻守ともに強度が高くて手強かった。先制されたときも、あぁやっぱりかぁって感じだった。
鳥栖の先制点は左サイドからのクロスをファーで折り返され、ゴール前に詰めていた森谷賢太郎という選手にダイレクト・ボレーで豪快に決められたもの。ファーのボールをパンチングでクリアにいった早川が触れずに倒れ込んでいて、ゴール前が空っぽになってしまっていたので、あれはもうどうしようもなかった。飛び出した早川のミスかもしれないけれど、まずは決めた相手の連携をほめるべき。
それでもこちらも負けてはいない。前半のうちに優磨のアシストから名古がヘディングを決めて同点に追いつく。名古はこれが鹿島での初ゴールだそうだ。まじか? それはおめでとー。垣田につづいて、今年はめでたいゴールが多いな。
ということで、一度はイーブンにして突入した後半も、またもやゴールを奪われて劣勢に立たされてしまう。決めたのは小野裕二。関川のフィードが相手に引っかかってしまい、そこからゴール真正面でパスを受けた小野が放ったミドルが一度はポストをたたくも、止めにいった早川の後頭部にあたってゴールラインを割ってしまった。アンラッキー。
1点目も2点目も連勝中にはなかったささやかな守備の綻びからの失点なので、そこはちょっと気になる。去年はそういうのが折り重なって失速してしまった印象なので。そろそろリーグ戦も折り返しだから、ここで一回気を引き締めなおして欲しい。
まぁでも、これでひさびさに負けかーと思ったところからアディショナル・タイムで同点にして終わったのはよかった。同点ゴールは安西のクロスを優磨が豪快なダイビング・ヘッドで決めたもの。ゴール前にすっと入り込んで力強く首を振って決めた強烈な一撃だった。この日も優磨は1ゴール1アシスト。さすがエース、ほんとに頼りになる。
試合終了間際にはあわや逆転という時間帯もあったし、勝てはしなかったけれど、この勝ち点1は大きい。今年は川崎が低迷していることもあって大激戦必至なので、こういう試合で勝ち点を拾ってゆくのはとても大事だと思う。
(May. 28, 2023)