鹿島アントラーズ2-1横浜FC
J1・第36節/2025年11月8日(土)14:00/メルカリスタジアム/DAZN
さぁ、Jリーグの優勝争いもいよいよ佳境。
残り3節のアントラーズの対戦相手は、横浜FC、ヴェルディ、F・マリノスの3チームで、最高位はヴェルディの14位。横浜FCとマリノスは降格争いの真っ最中だし、要するに首位の鹿島にとっては、勝って当然って組み合わせしか残ってないことになる。
でもこれを単純に追い風とは思えないのが今年のJリーグ。
失点数をみると、3チームでいちばん多いマリノスでも44で、50失点以上している川崎、G大阪、C大阪なんかの上位クラブよりも少ない。
要するにどのチームもディフェンスはそれなりに安定していて、大崩れしたことがないってことだ。ヴェルディなんて、クリーンシートの数が鹿島より多くて、柏につぐリーグ2位だという。なにその守備力?
対する鹿島も守備には定評があるけれど、このところ3試合連続ドローと勝ちきれないのは、攻撃が湿りがちのせい。この状況でそこそこ守れる3バックのチームとの対戦がつづくのは不安でしかない。
横浜FCもこの試合に負けると降格の可能性が濃厚になるので、死にもの狂いで戦ってくるだろう。このところ鹿島は前半がよくない試合ばかりだしなぁ……とか思っていたら、果たしてこの試合も前半はいいところがないまま終わってしまう。あぁ、本当になんでこうも前半の出来が悪いんだか……。
この日のスタメンは早川、小池、植田、キム・テヒョン、小川、知念、三竿、松村、優磨、田川、レオ・セアラという11人だった。
右SBに濃野ではなく小池を起用して、左には小川がひさびさのスタメン出場。そして松村、田川が先発。松村のスタメンはじつに4ヵ月ぶり。田川はメンバー表ではMF登録だったけれど、レオ・セアラとのツートップでの起用だった。で、優磨が二列目の左という布陣。
前半の出来がさんざんだったので、このスタメン変更が悪手だったのかと思ったら、結果的には真逆。後半の得点に絡んだのがひさびさにスタメン起用された注目の3人だった。鬼木マジック、すげー。
待望の先制点は、松村が持ち込み、田川がワンタッチしてつないで、レオ・セアラが決めたもの(今季19点目!)。追加点は小川の右CKから知念のヘディング。
さすがにこの2点で勝負ありかと思ったら、そのあとロングスローから1点を失い、結局最後まではらはらさせられることになった。
失点の場面では、最初の山田康太(移籍しまくっているな)のシュートは早川が止めたものの(さすがっ!)、ポストにあたって跳ね返ったそのこぼれ球をルキアンに折り返され、ゴール前に詰めていたンドカ・ボニフェイスに決められた。まぁ、あれは相手の執念が上だった。
ということで、その後は1点差での攻防がつづき、最後まで落ち着かない気分ではあったけれど、なんとかそのまま試合を締めて、4試合ぶりの勝ち点3をゲットした。
途中出場は後半の頭から、小池にかえて濃野。途中からチャヴリッチと津久井、最後に船橋と徳田が出てきた。エウベルは移籍以来初の出番なし。
そういや、試合終了間際には、腹の立つ判定があった。優磨との連携から徳田が見事なゴールを決めたのに、判定はオフサイド。そこにVARが入った結果、オンフィールドレビューになって、ひとつ前のプレーでGKのスウォビィク(今年の途中に加入した)に対してチャヴリッチがファールをしたという理由で、結局ゴールは認められなかった。
でもなにそれ? オフサイドじゃなかったなら、ゴールでよくない? その前のプレーで見過ごされたファールをあとから取るとかあり? もう時間帯的には勝負は決していたんだし、誰も喜ばないそんなファールを進言したVARにも、それを見て判定を下した福島主審にもがっかりだよ。
横浜は7月に四方田監督を解任して、いまは三浦文丈が監督を務めていた。でもJ1でこれといった実績を残せていない彼にチームを託さざるを得ない時点で、降格まったなしだった気がする。結局翌日の試合でマリノスが勝ったので、一日遅れで正式に降格が決まってしまった。お気の毒さま。マリノスは残留おめでとう!
優勝争いに関しては、レイソルも勝ったので、2位との勝ち点の差は1のまま変わらず。翌日、京都と神戸がともに勝ち点3を奪えず、優勝争いから脱落したので、優勝の可能性は鹿島と柏の2チームに絞られた(神戸3連覇ならず)。
柏は次節の対戦相手が最下位の新潟なので、取りこぼす可能性は極めて低そうだから、もしも鹿島がヴェルディの堅守を崩せないと、首位陥落の可能性がある。それとも監督交替以来いまだ1勝もできていない新潟が、最後にホームのサポーターのために奮起して、一矢報いてくれるとか? いや、絶対に無理だよなぁ。今年のレイソルは強いもんなぁ……。
まぁ、いずれにせよ正念場。次の試合は代表ウィークと天皇杯・決勝を挟んで3週間後だっ!
――って、なんでこんな佳境にそんなに時間が空くんだよぉ。
来年の秋春制への移行にあわせて、こういう変なスケジュールは是正されてくれるよう願ってやまない。
(Nov. 12, 2025)