アルビレックス新潟1-2鹿島アントラーズ
J1・第27節/2025年8月23日(土)/デンカビッグスワンスタジアム/DAZN
9月に始まるACLの関係で、神戸、広島、町田の3チームは、水曜日に前倒しで第30節を戦った。その結果、破竹の勢いでリーグ戦8連勝を飾った町田が暫定首位という、なにそれな状況に……。
まぁ、その後にフライデーナイトJリーグを戦った柏が勝って暫定首位に返り咲いたので、町田が首位だったのはわずか2日間だけだったけれど、それにしてもここへきて町田がここまで調子をあげてこようとは……。なんって天皇杯も含めれば、公式戦11連勝。その間の失点がわずか5という、鉄壁の守備力を誇っている。
鹿島はそんな町田と、次の水曜に、天皇杯・準々決勝で対戦する。
たぶんその試合を見据えてだろう。鬼木はこの試合のスタメンからレオ・セアラとチャヴリッチを外してきた。
ということで、この日のスタメンは早川、濃野、植田、キム・テヒョン、小川、知念、船橋、樋口、エウベル、優磨、田川という組み合わせ。チーム得点王のレオ・セアラを温存した作戦が吉と出るか、凶と出るか、注目の一戦だった。
まぁ、対戦する新潟は現在最下位で、失点数もリーグ一多いので、レオ・セアラ抜きでも勝ち切れるという目論見だったんだろう。
実際に開始早々に、相手GK田代から舞行龍ジェームズへのパスがずれた隙を見逃さず、エウベルがボールを奪って、優磨へのアシストを決めて先制点をゲット。移籍後初スタメンのエウベルがいきなり結果を出して、幸先のいい滑り出しをみせる。エウベルには自らシュートを打つ選択肢もあったと思うのだけれど、あえて優磨へのパスを選択したフォア・ザ・チームな姿勢が素晴らしかった。
ただ、早々と先制を決めて楽な展開になったと思ったのに、そのまますっきりと勝ちきれないのが今年の鹿島。それから15分もしないうちに相手と同じようなミスから同点ゴールを許してしまう。
濃野からの植田へのバックパスが逸れたところをスウェーデン人FWのブーダに奪われ、シュートを打たれる。これは早川が止めるも、そのこぼれ球をブラジル人のマテウス・モラレスに決められた。
あの場面、植田はあと一歩足を伸ばせば、濃野からのパスを止められたように見えた。ミスなのか、あえてそのまま流して早川に処理させようとしたのか知らないけれど、その隙があだになった形。キャプテンらしからぬ軽率なプレーだった。
新潟はブーダもモラレスも、この夏に緊急補強した選手。移籍してきたばかりの選手たちがきっちりと結果を残しているのは、今後の残留に向けて好材料だろう。まぁ、6月に樹森監督を解任して、入江徹という人を後任にすえてからは、それまでよりも成績が悪くなっているので、監督交替は悪手だったんじゃないかって気がしてしまうけれど。今年みたいな難しいシーズンに、あせって動いたのは失敗じゃなかろうか。下位に低迷しているのに松橋監督を更迭しないFC東京は正しい気がしてくる。
なんにしろ、その同点ゴール後は試合は動かず、イーブンのまま前半は終了。
後半の頭から鬼木は船橋をチャヴリッチに替えて、樋口をボランチに移した。たぶん船橋も天皇杯での起用を踏まえて、早めに下げたんだろう。
後半24分には田川、エウベルをレオ・セアラ、松村に替えて、勝ちに出る。さらに残り時間が10分を切ってから知念→三竿と替え、待望の勝ち越しゴールが生まれたのは、後半42分。小川が右サイドから思い切りよく蹴り込んだクロスにレオ・セアラがダイレクトで合わせた。
シュートは相手選手にあたってコースが変わった、ややラッキーなものではあったけれど、途中出場でもきっちりと結果を出すところは、さすがエース。試合後にヒーローインタビューを終えてスタンドに挨拶に向かう際に足を引きずっていたように見えたので、もしかしたらスタメンを外れたのはコンディションの問題だったのかもしれない。水曜の天皇杯は万全であってくださいと祈るしかない。
試合はその後、濃野を津久井に替えて守備固めをした鹿島がそのまま逃げ切り。ということで、勝ち点を51に伸ばした鹿島が、ふたたび暫定首位にたった。
――と喜んでいられたのはわずか一日。試合がその翌日だった京都が勝ったので、一日天下に終わってしまった。さらには前述の町田(引き分けで連勝記録が止まった)をはじめ、柏、神戸の3チームが勝ち点50で並んで、その差1で3位以降につけているというね。なにそれ? 今年の優勝争いは本当に過酷すぎる。
残留争いに目を向けると、最下位の新潟と今節ようやく降格圏内を抜け出したF・マリノスとの勝ち点の差もいまだ5だから、新潟にもまだまだ残留の目がある。現在J1最北のクラブである新潟には、来年以降の秋春制の是非を占う意味でも、ぜひ残留してもらいたい。
いずれにせよ、今年は優勝争いも残留争いも、最後まで予断を許しそうにない。
(Aug. 26, 2025)