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最近の五試合

  1. 11/01   柏1-3広島 (ルヴァン杯・決勝)
  2. 10/25 △ 京都1-1鹿島 (J1・第35節)
  3. 10/17 △ 神戸0-0鹿島 (J1・第34節)
  4. 10/05 △ 鹿島0-0G大阪 (J1・第33節)
  5. 09/27 ○ 名古屋0-4鹿島 (J1・第32節)
    and more...

柏レイソル1-3サンフレッチェ広島

YBCルヴァンカップ・決勝/2025年11月1日(土)13:00/国立競技場

 今年のルヴァン杯決勝は、今季絶好調で首位・鹿島を追って2位につける柏と、僕が個人的に優勝候補の筆頭だと思っていた広島の対戦。

 この両チームはイメージが似ている。どちらも日本にきてしっかりと実力を示してきた外国人監督が指揮をとる3バックのチームで、チームとしての熟練度が高い。ことチームとしての完成度だけでみたら、鹿島よりもこの両チームのほうが上に思える。

 そんなクラブどうしの対決だから、好ゲームになるのは必至――かと思っていたら、試合は意外な展開をみせた。広島が前半だけで3ゴールを奪っての優勝。

 まぁ、スコアほど内容が一方的だったわけではなくて、広島のゴールはどれも「えっ?」って思ってしまうようなあっけなさだった。

 1点目はロングスローからの荒木のヘディング。2点目は東峻希の直接FK(素晴らしかった)。3点目がふたたびロングスローから。ニアでの競り合いからファーに流れたボールをジャーメイン良がジャンピング・ボレーでぶちこんだ。

 ロングスローはどちらも右ウィングバックの中野就斗によるもの。広島ではもっとも馴染みのない選手だったけれど、この試合で否応なく覚えました。

 正直ロングスローが多用される最近の風潮はあまり好きではない。ロングスロー自体は否定しないけれど、そのたびにいちいちボールをタオルで拭いて時間を無駄にしている感じが嫌だ。足でボールを蹴るスポーツなんだから、ボールは濡れててあたりまえ。いっそタオルの使用は禁止にしちゃってくれませんかね。

 まぁ、なんにしろ柏にとっては守備が崩されたでもないまま失った3失点だ。憮然とするしかなかったろう。お気の毒さまでした。

 そんなわけで前半で大勢が決してしまったので、後半は退屈になるかと思ったら、意外とそうでもなかった。なんたって柏は準決勝では3点差を跳ね返して川崎に勝ったわけだし。わずかな可能性を信じて攻撃を仕掛ける展開が意外と熱かった。途中出場の細谷がマークについた荒木を振り払ってゴールを決めたシーンには舌を巻いた。細谷すげぇ。スタメンの垣田も悪くなかったけれど、やっぱ柏のエースは細谷でしょう。

 ということで、細谷のゴールこそ生まれたものの、後半の得点は両チームあわせてそれだけ。さすがにリーグ最少失点の守備は堅かった。前半のセイフティリードを守り切った広島が5つめのタイトルを獲得した。

 そういや、この試合、スタメンは両チームの全員が日本人だった。カタカナ表記はジャーメイン良だけ(後半からはジエゴ、ジェルマン、アルスランらが出てきたけど)。カップ戦の決勝戦に日本人だけが名を連ねるという状況に、日本サッカーの確実な変化を感じもした一戦だった。

(Nov. 02, 2025)

京都サンガF.C.1-1鹿島アントラーズ

J1・第35節/2025年10月25日(土)14:00/サンガスタジアム by KYOCERA/DAZN

 またまた勝てなかった。でも負けもしなかった。ラストのワンプレーで鈴木優磨の劇的な同点ゴールが生まれて追いついた。おかげで内容の割にはあと味がよかった3位・京都サンガとの上位対決・第二ラウンド。

 鹿島のスタメンはボランチに三竿・船橋を起用して、あとはいつもの形。三竿をボランチの軸にして、コンビの相手を知念にするか、船橋にするかってところが変わるだけで、あとは固定ってのがすっかり定番となった感がある。

 対する京都サンガは一時はレオ・セアラを抜いて得点王になったラファエル・エリアスが故障のためベンチ外。

 これは鹿島に追い風か?――と思ったのに、もうひとりのブラジル人、マルコ・トゥーリオに前半のうちにゴールを奪われ、先制を許してしまう。DFにあたってコースが変わったのかと思ったのに、実際には誰にもあたっていないという、意外性のある技ありのシュートだった。ちくしょう、この人も上手かったか……。

 最近の鹿島は前半がいまいちなことが多いけれど、この試合もしかり。先制を許したのみならず、反撃の糸口が見えてこない不甲斐ない戦いっぷりだった。

 まぁ、サンガも強かった。伊達に3位につけちゃいない。平戸にフリーでシュートを打たれるシーンが二度もあったし。元鹿島の彼に決められて負けたら、本当にやってらんないから、外してくれて助かった。須貝も見違えるような存在感だったし、鹿島で活躍しきれなかった彼らを活かして優勝争いをしてみせる曺貴裁チョウキジェは、やっぱいい監督なんだなと思った。

 とにかく前半に関してはどっちが首位だかわからない展開だった。

 でもそんな劣勢も、船橋をさげて知念を入れた後半からは一転する。なかなかゴールこそ生まれなかったけれど、後半はほぼ一方的に試合を支配していた。なぜ前半のうちにこういう戦い方ができないかな?

 その後、レオ・セアラ、エウベルの両ブラジル人をさげて、松村・田川を投入。さらには三竿・チャヴリッチをさげて、荒木・徳田を入れ、交替カードを使い切った。

 この試合で意外性があったのは、敵サイドでのスローインで植田にロングスローをさせていたこと。津久井ならばともかく、ターゲットとして得点力がある植田にスローインさせるのはどうなんだ?――と思った。

 後半ロスタイムの最後の最後に生まれた同点ゴールをアシストしたのは松村。荒木も随所で存在感を発揮していたし、印象的にはエウベルよりもこのふたりのほうがよかった。次節はどちらかをスタメンで起用してくれないだろうか。

 まあ、いずれにせよ優磨の同点ゴールには痺れました。さすがエース。今年優勝できたらMVPは彼以外にはいない。

 裏では柏が勝って、ついに鹿島との勝ち点の差が1に……。

 でもまぁ、まだ単独首位だ。神戸も引き分けたので、勝ち点5の範囲にいるのは柏、京都、神戸の3チーム。5位の広島にもまだ優勝の可能性はあるけれど、残り3試合で勝ち点8の差を跳ね返すのは無理があるので、優勝争いは4位の神戸までに絞り込まれたと考えていいだろう。鹿島の優勝まであと3勝!

 裏では今節で湘南、新潟の降格が正式に決定。17位のF・マリノスがここへきてようやく調子を上げてきて、横浜FCに5ポイント差をつけたので、降格レースはほぼ趨勢を決した感じだ。春秋制最後のシーズンもようやく終わりが見えてきた。

(Oct. 28, 2025)

ヴィッセル神戸0-0鹿島アントラーズ

J1・第34節/2025年10月17日(金)19:00/ノエビアスタジアム神戸/DAZN

 今年最後の平日夜の試合にして、優勝の行方を占う大一番。前年度王者として3連覇を狙うヴィッセル神戸との上位決戦。

 この試合で鬼木がスタメンに選んだのは、早川、濃野、植田、キム・テヒョン、小池、知念、三竿、チャヴリッチ、エウベル、レオ・セアラ、優磨の11人だった。

 要するに、前節から船橋を知念と入れ替えただけの形。

 でもって、この知念の起用がこの試合のポイントだった。

 途中出場は松村、津久井、小川、荒木、田川の5人だから、つまり知念・三竿のダブル・ボランチはフル出場を果たしている。おそらく鬼木体制に入ってから、リーグ戦で両ボランチが最後まで交替なしだったのは初だろう。

 絶対に負けられない試合だから、守備強度を重視して、知念・三竿のダブル・ボランチを採用したのだろうし、最後まで替えなかったのも、その辺が理由だろう。もしかしたら船橋のコンディションが万全ではなくて、試合展開的に替えられなかったのかもしれない。柴崎もベンチ外だったし(来期に向けての動向が心配になってきた)。

 後半途中にレオ・セアラを津久井に替えて、濃野をひとつ上のポジションにあげたのも守備重視の表れだったと思うし、いずれにせよ、この日はとにかく1点もやらないぜって試合だったと思う。

 結果無失点で終わっているのだから、その意味ではミッションは見事コンプリートしたものの、そのぶん攻撃もいまいちだったので、結局1点も取れずにスコアレス・ドローに終わってしまったという。そういう試合。僕としては、後半から船橋を投入して、攻撃を一段アップした戦いが見たかった。

 まぁでも、神戸は強かった。さすが前年度王者。ロングボールを大迫、武藤、エリキからなる前線にあてて、そこに宮代ら二列目以降にいる選手がフィニッシュに絡んでくるという形が整備されていて、何度も危ないシーンを作られた。やっていることはシンプルなんだけれど、プレーの強度と精度が高い感じがした。

 守備ではマテウス・トゥーレルがやたらと厄介だった。ボランチが扇原一枚というのも、それだけ後ろに控える山川とトゥーレルのCBコンビが堅いってことなんだろう。山川はゲームキャプテンを務めていた。

 あと、神戸は今季途中でF・マリノスから移籍してきた永戸が左SBに入っていて、CKはたぶん全部彼が蹴っていた。酒井高徳は欠場で、右SBには終盤になって広瀬が出てきた。その後すぐに永戸が下がってしまったけれど、つかの間ながら神戸の両SBを元鹿島の選手がつとめる時間帯があったわけだ。大迫もいるから元鹿島が三人。なんか嬉しいような悔しいような。

 ということで、神戸との6ポイントマッチは痛み分けに終わり、勝ち点5の差は変わらないまま。翌日土曜の試合でガンバ大阪を5-0で粉砕したレイソルが2位に浮上した。2試合連続ドローで足踏み状態の鹿島と2位との差は3ポイントに縮まってしまった。この分だと最終節まで優勝は決まりそうにない。

 それにしても、前節鹿島が1点も取れなかったガンバ相手に5得点って……。ルヴァン杯でも信じられないような大逆転で川崎を下して決勝に進出しているし、今年の柏はマジやばいかもしれない。

 降格レースでは、監督を変更してから1勝もできずに最下位に沈んだままだった新潟が、今節で17位のF・マリノスに12ポイント差をつけられて、ついに降格が内定してしまった。ほんと残念だよ……。

(Oct. 20, 2025)

鹿島アントラーズ0-0ガンバ大阪

J1・第33節/2025年10月5日(日)15:00/メルカリスタジアム/DAZN

 この日の試合は15時キックオフ。試合が昼間にあると、あぁ、夏も終わったんだなぁと思う。

 さて、今回のJ1第33節、日曜日に試合があったのは、この鹿島-ガンバ戦のみだった。あとの対戦はすでに前日の土曜日に終了している。

 結果は2位の神戸が負けて4位に後退。京都、柏、神戸の3チームが2位以降に勝ち点60で並ぶという大混戦になっている。

 つまり鹿島はこの試合に負けても、勝ち点4差をつけたまま、首位は変わらず。それどころか勝てば2位以下に7ポイント差をつけて、優勝に大きく前進ということになったわけだ。

 しかも対するガンバは木曜にACL2の試合があったので(なぜガンバが?と思ったら、去年4位だったんでしたっけ。すっかり忘れていた)、この試合は中2日。そのため、宇佐美ら主力の一部がベンチスタートだった。

 これは優勝に向けて、鹿島に追い風吹いてんじゃん?――と思ったのに。

 そこはJ1、そうは問屋が卸さない。去年の4位のクラブはそう簡単に勝たせてくれない。試合はスコアレス・ドローに終わって、勝ち点1を加えるに留まった。

 この日の鹿島のスタメンは、出場停止明けのキム・テヒョンが戻ってきて、津久井が抜けた以外は前節と一緒。まぁ、これが鬼木の考える現時点でのベストメンバーなんだろう。

 一方のガンバのポヤトス監督は、いつもは4バックで戦っているのに、この試合では3バックを採用してきた。守るときには両ウィングバックも下がるので、実質5バック。過密日程を乗り切るため、まずは守備という姿勢が明確だった。

 で結局、この戦略にはまってしまったということなんだろう。鹿島にとってはリーグ戦ではおよそ半年ぶりとなるスコアレス・ゲームとなった。まぁ、それそれですごい。

 とりあえず、ガンバは強かった。過半数の選手を入れ替えて戦っているにしては、とてもバランスよく組織的に守れていたし、倉田秋(2ヵ月ぶりのスタメンだったそうだ)がDFラインの裏へ抜け出して、触ればゴールという危ないシーンを二度も作られた。後半途中から出てきた宇佐美も、あいかわらず上手かった。序盤戦のつまずきが響いて、ガンバが一度も優勝争いに加わわらずにいてくれて助かった。

 鹿島の途中出場は、松村、津久井、徳田、知念、荒木の5人。

 でもって、この試合でもっとも注目を浴びたのが、後半ロスタイムのPKのチャンスにキッカーを任されて失敗に終わった徳田誉だった。

 徳田は試合後に責任を感じて涙していたけれど、やはりあれは彼をキッカーに選んだ鬼木のミスでしょう。いくら将来のエースと期待をかけるルーキーとはいえ、あの場面では彼ではなく、今季ノーゴールの荒木にチャンスをあげるべきだったと思う。

 これでももしも優勝を逃したら、徳田がさらに責任を感じて病んでしまいそうなので、諸先輩方にはかわいい後輩のためにも、是が非でも優勝杯をもぎ取っていただきたい。よろしく。

(Oct. 08, 2025)

名古屋グランパス0-4鹿島アントラーズ

J1・第32節/2025年9月27日(土)17:00/豊田スタジアム/DAZN

 今節は家庭の事情で会食をしながらの観戦だったので、あまり詳しくは書けない。

 とりあえず、前節イエローをもらった知念、キム・テヒョンのふたりが累積警告で出場停止になったのが、この試合のポイントだった。

 知念のポジションであるボランチは選手層が厚いからともかく、キム・テヒョンの代役は? 千田? 津久井?

 ――という疑問への鬼木の答えは「津久井」だった。この分だと千田はリーグ戦出場の機会がないまま終わりそうだ。一度くらい観てみたいんだけれど、でもまぁ、津久井が成長著しいからなぁ……。

 とはいえ、今季初めて本職のCBとしてプレーした津久井は、ところどころで不安定さを感じさせもした。PKを取られてもおかしくない接触プレーとかあったし(前の試合のレフェリーだったらPKだったんじゃなかろうか)。個人的にはこのままスタメン起用しつづけて、将来の守備のかなめとしての成長を促して欲しいところだけれど、次節はきっとキム・テヒョンが戻ってくるんだろう。

 ということでこの日のスタメンは早川、濃野、植田、津久井、小川、三竿、船橋、チャヴリッチ、エウベル、優磨、レオ・セアラ。途中出場は松村、小池、溝口、徳田、荒木の5人だった。

 まずは直近の3試合先発を外れていた小川が戻ってきて、小池がベンチスタートだったのが注目点。この辺は中3日を考慮してのことだろう。

 あと、このところベンチ外だった荒木、そして故障明けでひさしぶりにベンチ入りした徳田がひさびさの出場。で、徳田がわずか10分たらずの出場でまさかの2ゴール! やっぱこの子はすごいや。

 試合自体も4-0と快勝だった。

 前半10分で船橋からの見事なスルーパスに抜け出したエウベルがGKとの一対一を冷静に決めて移籍後初ゴールで先制。

 その9分後には右サイドでの優磨→チャヴリッチ→レオ・セアラという連携から追加点。チャッキーがグラウンダーのクロスをゴール真正面にいたレオ・セアラにピンポイントで通すと、レオ・セアラはそれをワントラップしてから落ち着いて決めた。

 ただ、レオ・セアラはその後すぐに足の痛みを訴えて交替してしまい、さらには後半途中で優磨も自己申告で交替してしまう。えー、ツートップが両方とも怪我?――と一時は心配したけれど、どうやら大丈夫そうだという噂だった。よかった。

 その後に生まれた徳田の2ゴールは、1点目が松村の右サイドからクロスに、ニアに入り込んで合せたもの。2点目は優磨らベンチから見ていた選手たちが苦笑するほど豪快なミドルシュートだった。徳田とんでもねー。

 名古屋はここ4試合負けなしだったらしいけれど、今年は下位に低迷しているだけあって、予想外に楽な展開になった。永井にマテウス・カストロ、両ウィングバックの中山克広と和泉、3バックの右でプレーしていた原輝綺らは存在感があったけれど、マテウスと原は故障明けらしいし、やはり満足にスタメンを固定できない不本意なシーズンだったんだろう。健太さん、お気の毒。

 今節は2位の神戸も勝ったので、勝ち点の差は4のまま。次は5連勝中の好調ガンバで、その次が神戸との直接対決。でもってその次が3位の京都とくる。10月のその三連戦で、いよいよ優勝争いも山場って感じになってきた。

 いざゆかん。9年ぶりのリーグ優勝まであと5勝!

(Sep. 29, 2025)