バンブルビー
トラヴィス・ナイト監督/ヘイリー・スタインフェルド/2018年/アメリカ/Amazon Prime
ヘイリー・スタインフェルド主演で描くトランスフォーマー・シリーズの前日譚。今回はこれが観たくてここまでの作品を一気観したのだけれども。
いやはや、残念ながら出来がいまいち過ぎた。もとはスピンオフとして製作されたのちに、シリーズ本編のひとつに組み込まれた、みたいな話のようだけれど、いや、これはスピンオフのままのほうがよかったんじゃ。主人公が女子高生ってことで、フォーマットはまったくの青春映画だし。しかもかなりB級テイストの。
舞台となるのは第一作の二十年ほど前の八十年代。オプティマス・プライムよりも一足先に地球を訪れたバンブルビーが、ヘイリー・スタインフェルド演じる悩める女の子チャーリーと出逢い、いかにしてしゃべれなくなったかとか、なぜにバンブルビーと呼ばれるようになったかとかを、ずいぶんと安直な説明で描いてゆく。
アメリカ映画にありがちなパターンで、いじめっ子への仕返しに悪趣味ないたずらをしたり、バンブルビーが好奇心から家の中をめちゃくちゃにしたり、主役たちがなんでそんなことするんだよって無責任な行動を取るのがこの映画の欠点。そういうのは観ていてちっとも楽しくない。
なぜキャラの魅力をそぐだけのあんなシーンを描くんだろう? 笑わそうとしてるんだろうけど笑えない。ああいうのをアメリカ人は楽しいと思うんだろうか。だとしたら僕らのあいだにはかなり深い溝がある気がする。
チャーリーがザ・スミスのファンって設定で、その時代の音楽がたっぷりとかかるのもこの映画の特徴で、そこはまさに僕のツボ――といえればよかったのだけれど、残念ながら僕はスミスのファンではないし、そのほかの音楽についても、いまいち趣味がかぶらず。
逆に個人的にもっとも苦手な八十年代の空気感たっぷり。物語は薄っぺらだし、キャラの行動原理はいい加減だし、同じくヘイリーさん主演の『スウィート17モンスター』のアクション・コメディ版と呼んでもよさそうな、B級感あふれる青春映画に仕上がっている。
とりあえずバンブルビーの変形シーンがガチャガチャと機械っぽい点だけはよかった。それ以外は残念ながら期待はずれの凡作。
いまさらこんなことをいっても仕方ないけれど、ヘイリー・スタインフェルドはもうちょっと出る映画を選んだ方がいいと思う。
(Jul. 13, 2026)




