Coishikawa Scraps / Movies

Menu

最近の五本

  1. トランスフォーマー/ロストエイジ
  2. トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
  3. 国宝
  4. 罪人たち
  5. 超かぐや姫!
    and more...

トランスフォーマー/ロストエイジ

マイケル・ベイ監督/マーク・ウォールバーグ、ニコラ・ペルツ/2014年/アメリカ/Amazon Prime

トランスフォーマー/ ロストエイジ (字幕版)

 前作とはキャストを一新したシリーズ第四弾。

 最初の三部作の主人公がまったく好きになれなかった身としては、ここでの主役の交替は大歓迎。マーク・ウォールバーグが特に好きってことはないけれど、彼のほうがまだ好感が持てる。

 物語としても、前作までが最初からドタバタ騒がしかったので、トランスフォーマーとの新たな出会いを描く序盤のゆっくりとしたペースがいいと思った。まぁ、主人公の友人は可哀そうすぎだし、その後は他と同じ感じになっちゃうけれど。

 おもしろかったのは、ウォールバーグ演じるケイドの娘役の二コラ・ペルツという女優さんが、第一作でのミーガン・フォックスからの流れを踏襲するセクシー美女なこと。役どころ的にはとくにお色気を振りまいたりしていないんだけれど、ぱっと見がギャル。なんだろう、シリーズとして必ずひとりは必ずセクシーな女の子を入れるのがお約束なのか。まぁ、だとしたら『バンブルビー』の主演はなぜにヘイリー・スタインフェルドなんだって話だ。

 物語は前作のあと、オートボットが人類の敵みたいな扱いになっていて、人目を忍んで潜伏していたオプティマスが主人公に見いだされる、というところから始まる。

 恐竜に変形するトランスフォーマー(ダイナボットというらしい)の登場が目玉のようだけれど、印象的にそれほど恐竜が目立っていた印象がない――というか、観たばかりなのに、どういう話だったか、ほとんど記憶に残っていない。

 とにかく主役が大人になったことで、過去作の青春恋愛ドラマ的な部分が抜け落ちているのが今作のいいところ。この手の話に余計な恋愛要素はいらない。

 傾いた倒壊気味のビルでのアクションとか、なにそれってナンセンスさだったりするし(9.11のあとでよくもあんなシーンを描くよなって思った)、細かいところでは突っ込みどころ満載だけれど、まぁ、全体としての印象は前作よりはよかった――ような気がしないでもない。

 ただしトランスフォーマーのフォルムが以前よりスマートになり、変型もCGっぽく流動的で、玩具的なガチャガチャした印象が薄れてしまったのは、いささか残念。

(Jul. 8, 2026)

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

マイケル・ベイ監督/シャイア・ラブーフ、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー/2011年/アメリカ/Amazon Prime

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン (字幕版)

 最初の二作品を観たまま、放置してあったこのシリーズ。

 シリーズ六本目の『バンブルビー』の主演がヘイリー・スタインフェルドだというのをいまさら知って、そりゃ観なきゃと思ったので、この機に一作目からその作品までをいっき観した。

 ということで、まずは前作から八年ぶりに観ることになったシリーズ第三弾。

 アポロ計画による人類初の月面探索の裏には、月の裏側に墜落したまま眠っている伝説のトランスフォーマーの存在がありました、という導入部から、その戦士センチネル・プライムの復活によって始まる大規模バトルの顛末を描いてゆく。

 申し訳ないけれど、このシリーズは主演のシャイア・ラブーフがどうにも好きになれない。どこがいいのかわからない。

 今回はそんな彼が、前作までのヒロインだったミーガン・フォックスと別れて、同じようなセクシータイプの美女(ロージー・ハンティントン=ホワイトリー)とつきあっているという設定になっている。

 第一作では冴えないオタクだった無職の青年が、どうしたらそう次々とセクシー女優とつきあえるんだって話だ。説得力がないにもほどがある。

 過去二作でたまたまトランスフォーマーと知りあって大事件に巻き込まれただけって印象の彼が、まるで世界のヒーローみたいな扱いになっていて、茶番感はんぱなし。おまけに小型のトランスフォーマー二体と一緒に暮らしていたりするし。なんなのあれ? 前作に出てきたやつだと思うんだけれど、なかよくなったんでしたっけ? シリーズなのに、ぜんぜん話の流れがつかめない。

 とにかく主役にまったく共感できないのがここまでの三部作の最大の欠点。

 キャストではフランシス・マクドーマンドが政府だか軍だかのお偉いさんの役で出ていてびっくりした。そのほかにもジョン・マルコヴィッチ(サムの就職先の癖のある副社長の役。不覚にも気づかなかった)やパトリック・デンプシーも出ている。もちろんジョン・タトゥーロも。みんなほんと、なぜこんな映画に……。

 つまらなかったとまではいわないけれど、派手なばかりで物語は平凡だし、それでいて上映時間は二時間半もあるし、キャストは無駄に豪華だし。いろいろ無駄遣いが激しい娯楽大作だった。

(Jul. 6, 2026)

国宝

李相日・監督/吉沢亮、横浜流星/2025年/日本/Amazon Prime

国宝

 実写の日本映画で興行成績ナンバーワン!――とかいうので、どんなにおもしろいのか観てみた。

 物語のスタートは1964年(僕の生まれる二年前)。そこから五十年をかけて、吉沢亮演じるヤクザの息子・立花喜久雄が、いかにして歌舞伎役者となり、人間国宝まで昇りつめるかを描いてゆく。

 はじまりはヤクザの新年会のシーンから。余興で歌舞伎を演じた喜久雄は、たまたま来訪していた歌舞伎役者の花井半二郎(渡辺謙)にその才能を見出される。

 ところが同じその夜、宴の最中に対抗組織の襲撃をうけて父親が殺されてしまう。喜久雄は刺青を入れて復讐を誓うも果たせず。身寄りを失って行き場を失った彼は、花井に引き取られて、歌舞伎の道を歩むことになる。

 花井には喜久雄と同い年の俊介(横浜流星)という息子がいた。ともに歌舞伎の道を極めんとするふたりは実の兄弟のような唯一無二の存在となってゆく。けれど血筋と才能の対立が二人の関係を引き裂き、やがてそれぞれの人生に様々な浮き沈みをもたらすことに……。

 吉沢亮と横浜流星という、当世きってのイケメンふたりが歌舞伎の女形を務めていてビジュアル最強なところへきて、たっぷりと尺を取って描かれる歌舞伎の名場面の数々に魅せられた人が多いのか。喜久雄の少年時代を演じた黒川想矢という男の子も、若き日の宮本浩次みたいなやんちゃな色気があって、きっと人気が出るんだろうなぁって思った。高畑充希と森七菜がアダルトな演技を見せているのも意外性があった。

 まぁ、歌舞伎を見たことのない人間にとっては勉強になる一方で、いささか歌舞伎シーンが長すぎる嫌いあり。説明不足なところもけっこうある。それでも全体的に奇をてらったところがない分、映画自体は好感がもてた。テーマ的にも演出的にも、これぞ邦画の王道なんじゃないかって気がした。

 監督の李相日(リ・サンイルと読むのは無理筋)は在日朝鮮人三世とのことで、そういう人が日本の伝統芸能にリスペクトを込めて、ここまで正統的な日本映画を撮ってみせたという事実に意外性があった。

(Jun. 12, 2026)

罪人たち

ライアン・クーグラー監督/マイケル・B・ジョーダン、ヘイリー・スタインフェルド/2025年/アメリカ/WOWOW録画

罪人たち

 アカデミー賞で『ワン・バトル・アフター・アナザー』と賞を争っていたし、『罪人たち』なんて意味ありなタイトルなので、それなりに文芸色のある作品なのかと思っていたら見当違いもいいところだった。

 アカデミー賞・授賞式の放送で、コメンテイターが黒人の音楽ビジネスがどうとか、ゾンビがなにやら、みたいな話をしていたと思ったら、なるほど、まるで黒人版の『フロム・ダスク・ティル・ドーン』みたいな映画だった。

 舞台は二十世紀前半のミシシッピ。マイケル・B・ジョーダン演じる双子の黒人兄弟が故郷に帰ってきて、黒人専用のクラブを開いて一旗揚げようとしたところ、オープンしたその夜の喧騒のなかで、思わぬ事件が持ち上がる。

 双子がとても似ていて、いったいどちらがマイケル・B・ジョーダンかわからんと思っていたら、なんとこれも彼のひとり二役だった。双子が一緒の画面に登場するシーンがとても自然なので、ひとり二役とは思わなかった。最近の映像技術ってすごい。

 彼らのいとこで、プリーチャー・ボーイという通り名のブルースシンガーを演じているマイルズ・ケイトンという二十歳そこそこの青年が歌うブルースが全編を彩っている。彼の少年っぽさの残る見た目と、それを裏切る深みのある低音ボイスのギャップが印象的だ。

 彼の歌だけではなく、クラブでの演奏シーンもフィーチャーされているし、ある種のミュージカルとしての側面もある。

 でもって、途中まではそんな黒人の奴隷解放期を舞台にした異色のミュージカルっぽかった映画――ヘイリー・スタインフェルドやデルロイ・リンドーといった俳優が脇を固めていてキャスティングも魅力的――が、途中から思わぬ脱線を見せて、後半はなにやら血みどろな様相に……。

 前半と後半でまるで世界観が変わってしまう点でも、やはりこれは少なからず『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を意識した作品のような気がする。

 まぁ、あちらの唐突さと比べると、こちらはとりあえず事件に至る伏線が少しずつ描かれているので、あ、ついに来たかという感じで、それほど大きな驚きはないところは違うかもしれない。ほんとあの映画にはびっくりした。

(May. 27, 2026)

超かぐや姫!

山下清悟・監督/声:夏吉ゆうこ、永瀬アンナ、早見沙織/2026年/日本/Netflix

 一部で熱狂的な絶賛を受けていて、BUMP OF CHICKENの『ray』が作中で使われているというので観てみたくなった長編アニメ。

 タイトル通り『かぐや姫』をモチーフにしつつも、女子高生を主人公に、YouTubeやら仮想世界を中心に物語が展開する、いかにもいまどき!って感じのアニメだった。

 全体的な印象は、『サマーウォーズ』の仮想空間部分や、【推しの子】の2.5次元舞台のパートに近い印象で、とくに斬新さとかは感じなかったけれど、でもまぁ、基本的には最近のアニメだけあって絵はきれいだから、最後まで飽きることなく観られた。ただし、かぐやが結局なにものだったのかはよくわからない。

 ヒロイン三人のうち、一番のキーパーソンである彼女のキャラ――と彼女を中心にしたアニメの語りの口調みたいなもの?――がマンガっぽ過ぎるのが僕にとってはマイナスだった。

 何度か書いているように、僕はキャラを三頭身にするマンガのデフォルメ表現をアニメでそのまま再現する手法には批判的な人間なので、このアニメでのかぐやちゃんのマンガ的なキャラの軽さがいまいちしっくりこなかった。三頭身にこそならないけれど、過剰にきゃぴきゃぴしていて現実味が乏しい(まぁ、月から来ているわけだが)。アニメにはできればマンガよりも実写に寄せて欲しいんだよねぇ。

 『ray』が使われているというので、音楽は懐メロカバー大会みたいなものを想像していたら、それも間違い。その一曲だけが例外で(エンド・クレジットで使われていた)、あとの劇中の曲はすべてこの映画のオリジナル(たぶん)。でもって、それらの楽曲のアピールもいまひとつ。

 ということで、アニメ界隈の人たちが気に入るのはわからないでもないけれど、でもこれは僕にはちょっと違うかなって作品だった。

(May. 20, 2026)