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2026年6月の映画

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  1. 国宝

国宝

李相日・監督/吉沢亮、横浜流星/2025年/日本/Amazon Prime

国宝

 実写の日本映画で興行成績ナンバーワン!――とかいうので、どんなにおもしろいのか観てみた。

 物語のスタートは1964年(僕の生まれる二年前)。そこから五十年をかけて、吉沢亮演じるヤクザの息子・立花喜久雄が、いかにして歌舞伎役者となり、人間国宝まで昇りつめるかを描いてゆく。

 はじまりはヤクザの新年会のシーンから。余興で歌舞伎を演じた喜久雄は、たまたま来訪していた歌舞伎役者の花井半二郎(渡辺謙)にその才能を見出される。

 ところが同じその夜、宴の最中に対抗組織の襲撃をうけて父親が殺されてしまう。喜久雄は刺青を入れて復讐を誓うも果たせず。身寄りを失って行き場を失った彼は、花井に引き取られて、歌舞伎の道を歩むことになる。

 花井には喜久雄と同い年の俊介(横浜流星)という息子がいた。ともに歌舞伎の道を極めんとするふたりは実の兄弟のような唯一無二の存在となってゆく。けれど血筋と才能の対立が二人の関係を引き裂き、やがてそれぞれの人生に様々な浮き沈みをもたらすことに……。

 吉沢亮と横浜流星という、当世きってのイケメンふたりが歌舞伎の女形を務めていてビジュアル最強なところへきて、たっぷりと尺を取って描かれる歌舞伎の名場面の数々に魅せられた人が多いのか。喜久雄の少年時代を演じた黒川想矢という男の子も、若き日の宮本浩次みたいなやんちゃな色気があって、きっと人気が出るんだろうなぁって思った。高畑充希と森七菜がアダルトな演技を見せているのも意外性があった。

 まぁ、歌舞伎を見たことのない人間にとっては勉強になる一方で、いささか歌舞伎シーンが長すぎる嫌いあり。説明不足なところもけっこうある。それでも全体的に奇をてらったところがない分、映画自体は好感がもてた。テーマ的にも演出的にも、これぞ邦画の王道なんじゃないかって気がした。

 監督の李相日(リ・サンイルと読むのは無理筋)は在日朝鮮人三世とのことで、そういう人が日本の伝統芸能にリスペクトを込めて、ここまで正統的な日本映画を撮ってみせたという事実に意外性があった。

(Jun. 12, 2026)