アニメ 『シティーハンター』 の主題歌だった 『ゴーゴーヘブン』 は、僕のもっとも大好きな歌のひとつだ。僕はこの曲のアナログ盤のシングルをいまでも持っている。ただ、アニメ自体は一度も見たことがないし(見たいとも思わない)、B面のバラードも1度しか聴いた記憶がない。とにかく 『ゴーゴーヘブン』 、この曲だけが付加価値不要で、ただひたすら好きだった。
この曲に限ったことではなく、昔から大沢誉志幸の一部の曲には強烈な愛着を感じる。本人にとってはおそらく唯一のヒット曲である 『そして僕は途方に暮れる』 はもとより、沢田研二に提供した 『おまえにチェック・イン』 やビートたけしの 『哀しい気分でジョーク』 、吉川晃司の 『ラ・ヴィアン・ローズ』 、鈴木雅之の 『ガラス越しに消えた夏』 など。彼の書く曲は僕にとって日本のポップ・ソングの最高峰だと言っても言い過ぎではないと思っている。
それほどまでに思っていながら、僕はこれまでこの人の作品をまともに聴いたことがなかった。かつて 『そして僕は途方に暮れる』 がヒットした頃に、その曲が入ったアルバム──たしか 『Confusion』 だったと思う──をともだちにダビングしてもらって聴いただけ。これではいけない、いずれはアルバムをちゃんと聴かないとと、ずっと思っていた。で、今回ようやくベスト盤ながら2枚組のアルバムを手に入れて聴いてみたわけだけれど……。
やっぱり80年代の音は駄目だ。しかも日本の音楽ともなるとなおさら……。1枚目の始めの方の音響で、あららと思って、それっきりになってしまった。大好きな 『ゴーゴーヘブン』 は導入部に 『Go Go "trouble" Heaven~』 がくっついて、それとあわせて一曲扱いで収録されてしまっているし、 『そして僕は途方に暮れる』 はシングルとは別バージョンで、肝心要のサビの節回しがちがっていて、気持ちよくない。なんだか小さなところで、それはないだろうという不満が多くて、どうにも楽しめないでいる。残念無念。
(Mar 10, 2006)