You're Driving Me Crazy
Van Morrison & Joey DeFrancesco / CD / 2018
またもや前作から半年たらずという短いインターバルで届けられたヴァン・モリソンの新譜。
今回はジョーイ・デフランチェスコという人との共作なので、さてどんなだろうと思ったら、この人がオルガン奏者にしてトランぺッターというジャズマンで、それゆえバンドの音はオルガンを中心としたジャズ系のもの。でもって選曲はカバーとモリソン氏の旧作のリメイクが半々といったところ。
ということで、要する前二作とほとんど同じ路線の、温故知新シリーズ第三弾って感じのアルバムだった。
サウンドがオルガン主体なので、全体的な印象はジョージ・フェイムとの共演作に近い。でもそれよりもっとジャズ寄り──というか、もろにジャズ(なんたってビルボードのジャズ・アルバム部門1位)。わざわざクレジットが共作になっているくらいだから、バンドの主導権を握っているのはジョーイさんなんでしょう(なんと僕より年下)。そのナチュラルな響きはとても心に優しい。ジョージ・フェイムとの相性もよかったし、ヴァン・モリソンの歌ってオルガンにとてもよくあう気がする。
なかでも個人的にもっとも好きなのは、かの名曲『Have I Told You Lately?』の新録バージョン。オリジナルではしっとりとしたバラードだったこの曲が、このアルバムではシャッフル・ビートのポップな仕上がりになっていて、オリジナルとはまた違った旨みがある。娘のシャナ・モリソン嬢とのデュエットってところも沁みます。
(May 27, 2018)