横浜FC0-1鹿島アントラーズ
J1・第6節/2007年4月14日(土)/日産スタジアム
ようやくアントラーズが今季リーグ戦初勝利をおさめた一戦。故障明けの野沢が途中出場ながら今季初出場を果たしたという点でも注目すべき試合だったし、CM入りとはいえ、テレビ放送をしてくれたTBSに感謝したい。この試合は珍しく当日になるまでテレビ放送があることを知らなかったから、朝刊の番組表で放送があることを知ったときは、思わぬ拾いものをした気分だった。最下位争いをしているチーム同士の対戦を──カズのJ1通算300試合出場達成という話題性があったにはせよ──わざわざ放送してくれたTBSさん、ありがとう~。
アントラーズのスタメンはこの試合も開幕戦と同じ。水曜日のナビスコ杯では出場停止の本山に代わり増田がスタメンだったようだけれど、そういった理由がないかぎり、オリヴェイラ監督は極力スタメンを固定する方針の監督らしい。ブラジル人にはそういう人が多いんだろうか。まあ僕もどっちかというとそういう方が好きだから、それはそれでいい。
ただ、延々とスタメンで起用されて続けているにしては、あいかわらずダニーロの出来はよくない。解説の金田さんからもひどすぎると言われていたし、そう思っているのは僕だけじゃないだろう。たまには、おっと思わせるようなプレーがなくはないのだけれど──実際この日の決勝点は彼が起点になったものだった──、それもごく
まあ、ただダニーロが駄目な分、今年は本山がとてもよさそうだ。この試合でも、柳沢の決勝ゴールへのアシストを始めとして、素晴らしいラストパスを何本も通していた。ボールタッチ数も多いし、僕はいまの彼のプレーにはとても満足している。いきなり頭を五分刈りにしてみせたのも、自らが低迷するチームを引っぱってゆかないといけないという決意の表れだろう。今年の彼には期待してもいい気がする。
ちなみにこの試合では大卒ルーキーの船山が、青木に代わって途中出場でJ1デビューを果たした。プレーはわずかで、どういう選手だかぜんぜんわからなかったけれど、開幕から1ヶ月たらずでチャンスをもらえるくらいだから、将来性はあるんだろう。基本的にアントラーズの場合、そのほかのメンバーにしたって、(国内でならば)どこに出しても恥かしくないような選手がそろっていると僕は思う。いっくらトップ下の新外国人の出来が悪いからって、やはりいまみたいに低迷しているのがどうかしている。
まあ、低迷しているとはいっても、リーグ戦での黒星は最初の2試合、川崎とG大阪だけで、あとはずっと引き分けだから、実はそれほど悲観しなくてもいいのかなと、今日の試合を観てちょっと思った。野沢も帰ってきたことだし、これからはもっともっと上向くだろう。次の試合の相手が、今季好調な上に、昔から苦手とする清水なのは気になるけれど、逆にいえば、ここで勝てるようならば、まだまだ巻き返しは可能だ。さいわいテレビ放送もあるので、素晴らしい試合を期待したい。
この日の唯一の得点は柳沢の左足。よくぞ決めてくれた。いいゴールだった。その場面に限らず、前半にはカウンターから本山の決定的なラストパスが通って、マルキーニョスがGKと1対1となるチャンスが何度もあったので、得点がその1点だけというのは、ややさびしい結果だけれど、とりあえず何度もチャンスを作り出せていたことのほうを好意的に受け止めておきたい。ほんと、これで野沢がスタメンに戻ってくれば、かなり戦えるようになるだろう。まあ、ダニーロが現状のままスタメンに居座って、かわりに青木あたりがベンチに下がるようだと、まだまだ安心はできないけれど。
対する横浜FCは、この日の話題の中心だった40歳のカズを始めとして、山口素弘38歳、小村37歳、そしていまやベテランの久保と奥という、元日本代表でおなじみの選手たちがチームの半数を占める、ヴィンテージなおもしろみのあるチームだった。最近ちょっぴり評判の菅野も、なるほど闘志あふれるいいGKだと思った。
この日はカズのみならず、ジュビロのゴン中山もおよそ半年ぶりのスタメン出場を果たしたというし、同世代の彼らがいまだに現役でプレーし続けている姿には、とても励まされるものがある。これからもできる限り長いこと、がんばってもらいたいと思う。とりあえずアントラーズ戦以外で。
(Apr 14, 2007)