鹿島アントラーズ4-1FC東京
J1・第16節/2008年7月13日(日)/カシマスタジアム/BS1
テレビの画面が真っ白になるような、やたらとすごい霧の中での対戦となったFC東京戦。
中断期間をはさんで、しばらくアントラーズ戦のテレビ放送がなかったから、J1の試合を観るのは、これが実に3ヶ月ぶり。開幕から5連勝と順調なスタートを切ったアントラーズだったけれど、ちょうど僕が観にいった6試合目のレッズ戦に負けてからスランプに陥り、それ以降リーグ戦では勝ち星なしのまま中断期間を迎えるという、思わぬ展開になってしまっていた。
それでも、そこは昨年度王者。中断期間中の調整がとても順調だったらしく、リーグ戦再開後はふたたび連勝を重ねている。前節まで3連勝で、もたつく首位の浦和との差をあっという間に縮め、この日の試合にも勝って、一気に首位に返り咲いてみせた。してやったり。
さて、この日の注目はなんといっても、海外移籍から帰ってきた中田浩二の復帰後、初のベンチ入りだった。スタメン起用もあるんじゃないかという噂もあったけれど、そこは基本に忠実なオリヴェイラさん。「勝ってるときにはチームをいじるな」という定石どおり、いつものメンバーを送り出してきた。ということで、スタメンは曽ヶ端、内田、岩政、大岩、新井場、青木、小笠原、本山、野沢、マルキーニョス、田代の11人、中田浩二はベンチ・スタート。
いやしかし、中田、ダニーロ、増田、中後、興梠、佐々木という選手たちがベンチに顔をそろえているってのは、そうとう贅沢な気がする。中田復帰のあおりを食って、伊野波がベンチ入りさえできないってのもなぁ。これでいいんだろうかと、ちょっぴり思わなくない。
さて、試合内容はといえば、スコアレスで前半を終えた後半に、思いがけない派手な展開が待っていた。カボレのゴールで先制を許したのもつかの間。オリヴェイラ監督は即座に動いて、ダニーロと興梠を投入(アウトは田代と野沢)。するとこの選手交替からわずか1分で、出てきたばかりのダニーロ、興梠とわたったボールをマルキーニョスが決めて、あっという間に同点に追いついてみせる。オリヴェイラすごすぎ。
おもしろかったのは、このあと。同点となったこの場面で、オリヴェイラさんが三枚目の交替カードを切って投入したのが中田だった。なんで同点なのに守備的な中田?──そう不思議に思っていたのだけれど、なんでもオリヴェイラさんのプランは、中田を入れて、小笠原を攻撃的なポジションに上げるというものだったらしい。なるほど。
でも実際には中田を入れるより先に、本山の逆転ゴールが決まってしまった(マルキーニョスからのグラウンダーのクロスにスライディングであわせた。ナイス!)。なもので、中田は予定通りピッチに立ったものの、無理して攻める必要がなくなったために、小笠原を上がらせるのは中止。3ボランチで逃げ切りに入った(交替は本山)。
でもすごいのは、守りに入ったはずが、そのあとさらに興梠とダニーロのゴールが決まってしまうところ。興梠は1点目のマルキーニョスのゴールを、お互いの立場を入れ替えて再現したようなシュートで、ダニーロはオガサの左CKからのヘディング。以上、4ゴールでアントラーズがFC東京を粉砕して、見事首位に立ってみせた。
はっはっはー、それにしても強いこと、強いこと。これくらいすっきりと勝ってくれると、気持ちがよくて仕方ない。この日はわけあって、またもやワインを飲みながらの観戦だったので、ただでさえうまい酒が、なおさらうまかった。暑い日に、冷たく冷やした白ワインを片手に、愛するチームの快勝劇を観るこの喜び……。うーん、こたえられない。
(Jul 14, 2008)