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JOMO CUP 2008 ALLSTAR SOCCER/2008年8月2日(土)/国立競技場/テレビ朝日
例年のJリーグのみのオールスター戦から、Jリーグ選抜と韓国のKリーグ選抜との対戦へとフォーマット変更された今年のJOMO杯オールスターサッカー。
結果としてJリーグ選抜が負けたこともあって、とてもダウナーな雰囲気で終わってしまったけれど、それでもいままでにない形で韓国と対戦することができたのは、やはりいい刺激になった。試合後のJリーグの選手たちの──たかがエキシビジョン・マッチに負けただけとは思えない──悔しそうな表情が、この試合の意味をよく物語っている。カズとゴンが競演した去年のJOMO杯のように、ファン選出のオールスター戦ならではの楽しさを味わえないのが残念な部分もあるけれど、それでもライバル韓国との対戦の機会が増えることは、どんな形であれ、日本サッカーの発展にプラスになるだろうと思う。なので今回の企画変更については、現状はとりあえず肯定気分でいる。何年かしたら、また普通のオールスター戦が見たくなっちゃうような気もするけれど。
今回のJリーグ選抜のスタメンは、GKが楢崎、DFが4バックで駒野、中澤、闘莉王、新井場、ダブルボランチが小笠原とキム・ナミル(金南一)、攻撃的MFにポジションに中村憲剛と山瀬を配し、2トップがヨンセンとチョン・テセ(鄭大世)という布陣。中盤にひとり、知らない顔の選手がいると思ったら、神戸のキム・ナミルだった。本来は韓国代表の選手がJリーグ選抜のメンバーとしてプレーするというのも、こういう企画ならではのサプライズだ(残念ながらあまり存在感はなかったけれど)。そうそう、監督はわれらがアントラーズのオリヴェイラさんだった。岩政も後半途中から出場した。
試合は序盤、Jリーグ優勢だった。即席チームにしては小気味いいパス回しでゲームを支配し、積極的にシュートで終わる。ただ、いかんせんシュートの精度が低い。惜しかったのは憲剛が打ったミドルくらいじゃないだろうか(これはイ・ウンジェがナイス・セーブ)。みんな打つのはいいけれど、ちゃんと枠に飛ばせよなと、僕はひとりごちていた。ハイボールのクロスにチョン・テセとヨンセンがかぶるシーンも何度かあったし、そのへんはやはり急増チームだよなあという感じだった。
そうこうするうちに、前半も残り10分を切った頃になって、Kリーグ選抜に先制ゴールを許してしまう。ブラジル人FWドゥドゥ──ちなみにFWは両軍とも外国人オンリーなのがさびしい──の直接FKを、一度は楢崎が弾いて止めたものの、ポストにあたって跳ね返ったそのこぼれ球を、チェ・ソングッにきれいに決められた。これはあそこに詰めていたチェ・ソングッの勝ち(なんで名前の最後に小さい「ッ」がつくのか不思議)。あそこをフォローできなかったといって守備陣を責めるのは、エキシビジョン・マッチではちょっと気の毒だ。
なんにしろ、この先制点を許したことで、それまでにあったお祭り気分はすっかり消し飛んで、まずいなこれは、というムードが漂い始めた気がする。
致命的だったのは、後半早々に山瀬が獲得したPKを止められたことと、その後、反対に中澤が相手のユニフォームをひっぱってPKをとられて、こちらはきちんと決められたこと。現時点でのA代表の得点王がPKに失敗して、守備の要がおそまつなファールでPKをとられているようでは、勝てるはずがない。さらにはPKを決められてまもなく、カウンターから3点目を献上してしまう。暑い中の試合だったし、さすがに疲れが出たのか、この場面ではボランチが守備に戻りきれていなかったから、失点も当然だった。
Jリーグ選抜唯一の得点は、小笠原のCKからのグラウンダーのボールを、闘莉王がどかんと決めたもの。これはなかなか鮮やかな得点だった。闘莉王はその後もあわやという見事なボレーシュートを打ったりして、終盤は攻撃参加しまくりだった。ただ、レッズでもそうだけれど、こういう困ったときの闘莉王頼りという近頃の傾向は、どうかと思う。いかに攻撃力があろうとも、いざというときにDFに頼らなくてはならないようなサッカーをしていたんでは仕方ない。
その点では、後半途中から出場した
というようなことで、金崎が今後に期待は持たせてくれたものの──あと小笠原や新井場もけっこうよかったとは思うものの──、今年のJOMO杯はお祭り気分からはほど遠い、苦い味を残して終わることになった。なんでも来年は韓国で開催されることがすでに決まっているらしいので、一年後にはぜひとも雪辱をお願いしたい。
(Aug 03, 2008)