日本3-0ラトビア
親善試合/2013年2月6日(水)/ホームズスタジアム神戸/フジテレビ
2013年、最初の代表戦にして、個人的には天皇杯決勝以来、およそ一ヶ月ぶりのサッカーってのが、なにやら新鮮だった一戦。
来月予定されているW杯最終予選では、あと一勝(それとも一分け?)で本大会出場が決定する。そのため、石橋をたたいて渡る指揮官、ザッケローニ――歴代日本代表監督の中でもいちばんの慎重派?――は、この日の試合を選手選考やテストのために使うのではなく、その試合の調整にあててきた。
といういことで、スタメンは、川島、内田、吉田、今野、長友、細貝、長谷部、清武、本田、香川、岡崎という顔ぶれ。驚いたことに、今野をのぞいて、あとはすべて海外組。ここまできちゃうと、いっそ全員海外組で揃えてみせて欲しくなってくる。
まぁ、ここまで海外組が揃うってのは、遠藤がスタメンをはずれたせいもある。なんでも、今回はJリーグがオフ中ということで、あえて海外組を優先的に起用したらしい(だから憲剛は呼ばれていない)。遠藤とともに前田もベンチ・スタートだったのはそのためらしく、召集をかけたハーフナーが故障で合流できなかったりもしたので、この日もワントップ役のFWが不足。よって試合前の報道ではまたもや本田のワントップという予想だったのだけれど、この日ザックがいちまん前に持ってきたのは岡崎だった。おぉ。
というわけで、顔ぶれ自体はおなじみだけれど、遠藤がベンチ、岡崎ワントップという、いままでにないパターンを試したこの試合。結果からいえば、遠藤のかけがえのなさを痛感させられた前半だった。
やっぱ、なんか違うんだよなぁ、遠藤がいると、いないとでは。
前半はボールは回せれど、ゴール前のディフェンス・ラインをこじ開けられない、というじれったい展開がつづいた。まぁ、およそ3ヵ月ぶりに集まったわけだし、こういうことがあるからこそ、あえて海外組をこぞって召集したのだろうから、ある意味、この辺の出来は想定内だったのかもしれないけれど。
でも、このところの代表のつねで、そんな中でもちゃんと点を取って前半を終わるから立派。その1点は内田篤人の打った、見当違いな方向へのシュートに、岡崎が足を伸ばして触って、コースを変えたもの(ウッチー苦笑い)。きれいな形ではなかったけれど、ゴール前で必至にボールを追う岡崎らしいシュートだった。
で、1点をとって余裕のできた後半からは、清武、細貝に替わって、前田、遠藤が出てくる。要するにこっからはもう現代表のスタンダード・モード。この顔ぶれで相手に疲れて出てきた後半から戦えば、そりゃ楽勝でしょう。本田が香川からのパスをワンタッチでゴールネットに突き刺すと、岡崎も香川のパスを受けて最終ラインの裏へと抜け出し、2点目を決めて見せた。
岡崎はこれで代表通算31ゴールとのこと。このまま順調にゆけば、歴代3位の原さん(37点)を抜くのはほぼ確実な状況だ。その上にいるのはカズ(55点)と釜本さん(75点)だけというから、おそるべし。まさかここまで見事に代表史上に名を残すFWになるとは思ってもみなかった。おみそれしました。
香川はゴールこそなかったけれど、2アシストだし、本田との連携もかなりよくなってきた気がする。清武はいまひとつだったけれど、その分、途中出場の乾がシュートを打ちまくって、今後に期待を持たせてくれたし、今回がA代表初召集だった大津も、まさかの初出場を勝ち取って、懸命なプレーを見せてくれた。
相手のラトビアが高さ以外には特徴のないチームで、ややものたりない部分もあったけれど、それでも日本の新旧戦力がいい感じで持ち味を発揮してみせてくれた点では、なかなかおもしろい試合だったと思う。
(Feb 07, 2013)