横浜F・マリノス1-1鹿島アントラーズ
J1・第9節/2013年5月3日(金)/日産スタジアム/NHK
開幕6連勝中にちょっとだけ観たマリノスはとても強かった。俊輔を中心にピッチをワイドに使って、とてもいいサッカーをしていた。今年の俊輔は楽しそうだなと思った。連勝記録が途切れてからは、やや調子を落として、現在はアルディージャ(なんと連続無敗記録を20と更新中)に首位を受け渡してしまったけれど、それでもそんなマリノスとの対戦は試合前からとても楽しみだった。
この日のアントラーズのスタメンは曽ヶ端、西、岩政、青木、中田、柴崎、小笠原、野沢、ジュニーニョ、ダヴィ、大迫の11人。大迫がリーグ戦のスタメンに復帰してから、はや3試合目になるけれど、やっぱ鹿島は2トップのほうが落ち着く。
試合はがっぷり四つ、互角って内容。ともに守備が堅く、セットプレーが強いクラブ同士なので、前半が終わった時点で、こりゃスコアレス・ドローか、セットプレーからの得点で1-0って試合だなぁと思った。
そしたらやはり。先に均衡を破ったのはこちらで、予想通りセットプレーからの得点だった。小笠原のFKから、ファーに流れたボールを野沢が豪快に蹴り込んだ。
この場面、小笠原ひとりがキッカーに立ったのを見たときには、「あれ、なぜ野沢じゃない?」と思ったんだった。考えられるとすれば、セカンド・ボールへの対応で、野沢の精度の高いキックを生かそうという狙いかと思ったら、まさにこの場面はそういう展開に。シュートの瞬間に軸足を滑らせながらも、しっかりと押さえて豪快に決めて見せた野沢はあっぱれだった。
よしこれで勝った!──と思ったらば、甘かった。なぜか5分もあったロスタイム──そんなに中断していた印象はないんだけれど──の最後の最後に、マリノスに同点ゴールを許してしまう。
こちらも、やはりセットプレーから。ゴール前でのヘディングでのクリアがペナルティ・エリアの外へと飛ばず、2本、3本とつづいて、おいおい危なっかしいなと思っていたら、それを最後は、途中出場したばかりのマリノスの外国人、ファビオにダイレクトで蹴り込まれてしまった。シュートの直前に本山が横っ飛びで止めに入ったんだけれど、残念ながら彼の足をすり抜けるような形になった。うー、惜しい。
あの場面は無理につなごうとせず、さっさとゴールラインの外へとボールを切っていれば、大事に至らなかったと思うんだけれど、そこは相手がマリノス。俊輔のキックの精度を考えれば、最後の最後にCKを与えたくないって心理になるのも仕方ないかなぁと思う。
というわけで、試合はドローに終わった。まぁ、上位チーム相手に負けなかったのだから、まずまずの結果。というか、現時点で4位という成績は、去年を考えれば上出来だ。やはりトニーニョ・セレーゾはいい監督なんだなと思いはじめた。
マリノスは俊輔のほかにも、マルキーニョス、中沢、栗原、ドゥトラなど、馴染みの選手も多いクラブだけれど、この日、彼らに負けずに活躍していたのが、ボランチの中町(タイミングのいい攻め上がりから、ポスト直撃のヘディング・シュートを放ったりしていた)。この人、若いのかと思ったら、すでに27才と、けっこういい年だった。
大宮の快進撃を陰で支えているのはボランチの金澤慎だという噂もある(鹿島戦では激しいチャージを連発して、トニーニョ・セレーゾの怒りを買っていたみたいだ)。調べてみたら彼も今年で30になる選手だし、今年のJ1序盤戦は、そんなふうに20代後半になって、いまさら頭角を現してきた選手たちの活躍で盛り上がっているところがおもしろいと思う。
(May 04, 2013)