2013年8月のサッカー

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  1. 08/07 ○ 鹿島3-2サンパウロ (スルガ銀行チャンピオンシップ)
  2. 08/14 ● 日本2-4ウルグアイ (親善試合)
  3. 08/24 ○ 鹿島2-1横浜M (J1・第22節)

鹿島アントラーズ3-2サンパウロFC

スルガ銀行チャンピオンシップ/2013年8月7日(水)/カシマサッカースタジアム/スカパー!

 ナビスコカップ優勝者への特典――なのか、この暑いさなかに試合をしなきゃならないことを考えると、やや疑問だけれど――、スルガ銀行チャンピオンシップに今年もアントラーズが出場。南米の名門サンパウロFCと対戦した。
 今年も大会の放送権を握っているのがフジテレビだったので、去年につづきスカパーで観れました。ラッキー。でもアントラーズは今年のナビスコ杯ではすでに敗退が決まっているので、もう来年は出られない。それはアンラッキー。
 この日のスタメンは曽ヶ端、西、青木、山村、前野、柴崎、小笠原、遠藤、土居、ジュニーニョ、大迫。ダヴィが故障中で、大迫のワントップ。いつのまにか岩政、野沢のレギュラー落ちが確定的になっているのが、軽くショックだ。でもまぁ、この日はふたりとも途中から出場していたし、暑い真夏のことだから、あえてベテランを休ませているのかもしれない。
 とにかくこの試合のポイントは暑さだったと思う。去年も思ったことだけれど、南半球のブラジルはいまごろ涼しいんだろうし、そんなところから日本にきて、この暑さの中で格下のJリーグのクラブと試合をしろって、そりゃ対戦相手にかわいそうだろう。
 サンパウロの監督はかのアウトゥオリ(お~!)だったから、日本の暑さはある程度、計算に入れていたんだと思う。もう前半は完ぺきに流していた。とにかく運動量が少ない。とてもかつてトヨタ杯で優勝して世界王者となったクラブとは思えない低調ぶり。
 対するこちらは勝手知ったるホームでの試合だ。終始優勢に試合を進め、大迫が2ゴールを決めて、2-0で前半を折り返す。おぉ、大迫すげー。
 1点目は柴崎の積極的な攻め上がりからのクロスが起点。大迫と相手GK、DFの3人がこのボールを競りあって交錯。転倒した相手をよそに、ゴールに向かって態勢を残した大迫の頭上から、そのこぼれ球が落ちてきた。大迫がこれをフリーで決めて、鹿島先制。
 2点目は左サイドからのジュニーニョのクロスに、猛ダッシュでディフェンス・ラインの裏をとって、ピンポイントであわせたダイレクト・ボレー。これは惚れ惚れするような見事さだった。この日いちばんのファイン・ゴール。
 ということで、2点を勝ち越して後半に突入したアントラーズだったけれど、そこは南米の雄。そう簡単に勝たせてはくれない。後半に入ったとたん、はっきりとギアを入れ替えてきた。
 後半開始から10分もしないうちに、ブラジル代表だという8番のガンソにミドルを決められて、1点差。さらに押されまくったあげくに、完璧に崩されて、同点ゴールまで奪われてしまう。このゴールの瞬間には、無人となったゴール前で、鹿島の選手たちは誰ひとり身動きひとつできないでいた。 こりゃ逆転を許すのも時間の問題か……と思った。
 いや、じつはこの同点ゴールのしばらく前、2-1となった直後に、鹿島は大迫がPKを獲得してたんだった。1点差に追いつかれた直後のPK獲得だ。ふたたび点差を広げて、相手の殺ぐにはもってこいのシチュエーション。
 ところがこのPKを大迫が止められてしまう。しかも、レフェリーから謎の蹴り直しのチャンスをもらいながら、2回目も枠を外すというおまけつき。おいおい、なにやってんだ~。2度もつづけてPKはずすなんて、エースとして、あり得ないでしょう? ある意味、この2度つづけてのPK失敗が、この試合のクライマックスだった気がする。
 後半に入って、野沢、中村充孝、中田浩二、岩政、梅鉢らフレッシュな選手を投入したことで、試合はある程度落ち着き、結局そのままドローで終わりそうな雰囲気になった。この大会は延長なしだから、このままPK戦に入ったら、大迫にPK蹴らせるのかな? と妙な関心が生まれた、後半のアディショナル・タイム――。
 やってくれました~、孝行息子、柴崎。ふたたび果敢な攻撃参加を見せた彼が、積極的に打って出たミドル・シュートが、最終ラインに並んでいた大迫の胸にあたって、GKの逆だまとなり、ころころとゴールネットの中へ……。値千金の決勝ゴ~ル!
 放送では柴崎のゴールと言っていたけれど、公式記録では大迫のゴールになったらしい(だとすると、かなりオフサイドっぽくはないでしょうか)。つまり大迫は、この試合ハットトリック。PK2本をはずしてなお、ハットトリック。しかも南米の名門相手に。これは偉業といえるでしょう。本人は恥ずかしがっていたそうだけれど(そりゃそうだ)。
 ということで、この大会は2年連続でアントラーズの優勝とあいなった。試合後に野沢や曽ヶ端がアウトゥオリとエールを交換しているのが微笑ましかった。
(Aug 08, 2013)

日本2-4ウルグアイ

2013年8月14日(水)/宮城スタジアム/TBS

 きた、新時代! 海外組そろい踏みのベスト・メンバーに柿谷のワントップ!
 ──という序盤の盛りあがりに水を差す、さんざんな4失点での敗戦。あぁ、ウルグアイは強かった……。そして、日本代表のディフェンスは、あいかわらず駄目ダメだった。
 この日のスタメンは、川島、内田、吉田麻也、今野、酒井高徳、長谷部、遠藤、岡崎、本田、香川、そして柿谷のワントップという布陣。
 故障明けの長友が出場しなかったのを除けば、ほぼベスト・メンバーに柿谷のワントップという形。もしや、いちばん前にいる選手がいちばん上手い選手なんじゃないかって、日本代表を見て思うのって、初めてな気がする。
 そしてその注目の柿谷が、随所で、うぉっと思うようなプレーを見せてくれる。なんだ、そのトラップ、とか、うわっ、そこでワンタッチでそのパスか、とか。やっぱこの子はただ者じゃない。柿谷ってFWとしてのイメージが強くないのだけれど、彼がワントップに入ったこの形は、おそらく期待度の高さではベストだと思う。
 ただし、それも攻撃面だけを見れば──の話。守備に関しては、あいかわらず駄目ダメだ。
 なんたって、この試合の相手は前回W杯ベスト4のウルグアイ。しかも、フォルラン、スアレスという躍進の立役者がちゃんと顔を揃えている(サンキュー来日!)。序盤、あちらのエンジンがかかる前は、これならばけっこういい試合になるんじゃないかと思ったのだけれど、いざ攻撃のスイッチが入ったウルグアイは、現在の日本代表のディフェンス陣には手に余った。まったく、止められない。
 スアレスのカウンターからフォルランに決められ先制を許すと、そのすぐあとに、またもやフォルランにFKを直接決められて、あっという間に2-0。さらに後半の早いうちに、吉田麻也の不用意なクリア・ボールがスアレスへのパスになってしまって、3点目を献上というボロボロさ。
 その直後に遠藤→本田→岡崎のみごとな連係から、最後は岡崎が相手GKと競り合ったこぼれ球を香川が決めて1点を奪って見せたものの、不調の麻也にかえて伊野波を入れた途端にまた1失点。本田の直接FKでもう1点返して、2点差とするのが精一杯という結果に終わった。
 まぁ、GKのファインセーヴなども含めて、相手の守備がよくて、なぜそれが決まらない! と思ってしまうようなシーンがいくつかあったから、もう少し運があれば、もうちょっと拮抗した試合になったかもしれない。とはいえ、いずれにせよ4失点もしていたのでは、勝つのは難しい。攻撃陣にはまったく問題がないので、あとはどうやって失点を防いでゆくかが、これからの課題だろう。
 そうそう、豊田、山口蛍という東アジア杯の功労者ふたりが、なにげに清武にベンチを温めさせたままで、途中出場したのも、この試合のポイント(あとひとりの交替は内田→駒野)。細貝やハーフナーなども今回は呼ばれていないし、海外組でもこの先、生き残れるかもわからないってのがすごい。
 ほんと、真ん中から前は楽しみな選手であふれかえっているんだけれどなぁ。最終ライン──というか、センターバック──はこの先、どうなるのやら。皆目見当がつきません。ディフェンスを安定させるなば、最終ラインはそのままで、長谷部をもっとディフェンシヴな選手に替えるってのもありかと思うけれど。ザッケローニ、そんな手は打たないんだろうなぁ……。
(Aug 14, 2013)

鹿島アントラーズ2-1横浜F・マリノス

J1・第22節/2013年8月24日(土)/カシマサッカースタジアム/BS1

 およそ1ヶ月ぶりに観るJ1のアントラーズ戦。この日の対戦相手は、なんと現在首位の横浜F・マリノス。
 東アジア杯の中断期間を含めたこの1ヶ月ちょいのあいだに、J1ではいろいろあった。開幕から絶好調で21試合連続無敗の新記録を樹立した大宮アルディージャが、そのあとの5連敗でいきなり失速、その責任をとらせてベルデニック監督を解任したり(あり得ん!)、その大宮と入れ替わりに、ACLに敗退してリーグ戦一本になった広島が首位に浮上したり(許せん!)、鹿島では本田拓也が古巣の清水へ帰っていったり(残念!)。
 マリノスはこのところ好調で、前節で広島を抜いて首位に返り咲いたばかり。アントラーズとしては、自分たちよりも上位にいるのみならず、ナビスコ杯で負けて、三連覇を阻まれた相手だ。ここで負けると、首位との勝ち点の差は12に広がってしまうし、今シーズン、本気で優勝を狙うならば、絶対に負けられない試合だった。
 この日のスタメンは、曽ヶ端、西、山村、青木、前田、小笠原、柴崎、遠藤、中村充孝、土居、大迫。
 気がつけば、30代がソガ、オガサ、青木の3人しかいない。いまだ実力では、スタメンの面々よりも、ベンチを温めている本山、中田、野沢、ジュニーニョ、岩政らのほうが上だと思うのだけれど、トニーニョ・セレーゾはあえて彼らにベンチを温めさせて、果敢にチームの若返りを推し進めようとしている。
 去年もジョルジーニョが同じことをしようとして、結局は結果がともなわずに降格争いに巻き込まれてしまったわけだけれど、今年はそれなりの成績を残しながら、こういう布陣で戦ってみせているあたりが、セレーゾの年の功だなぁと思う。
 まぁ、ただスタメンの若者たちの出来は、いまだ鹿島のレギュラーを脅かすほどではないと思う。中村充孝とか、ずいぶんとフィットしてきた感じはあるけれど、本山や野沢と比べると、まだまだだし。遠藤も土居もそれはしかり。結局、試合を決めたのは、後半途中から出場した本山からのスルーパス2本なのだから。せっかくチャンスをもらっているんだから、もっとフレッシュなプレーを見せて欲しい。
 この日の先制点はマリノス。中盤で俊輔からボールを奪い取った小笠原が、いざ攻撃という矢先に、すぐに相手にボールを奪い返され(この日の両チームのボールの奪い合いにはとても見応えがあった)、そこからの素早いカウンターで俊輔からマルキーニョスにボールが渡って、あっという間にゴールネットを揺らされた(山村、もうちょっと粘りづよくディフェンスしてくれ)。
 マルキーニョスはこれが今季15ゴール目で、現在得点王ランキング3位(1位はなんと17ゴールの大久保)。37歳になっても、いまだその得点感覚は衰えない。
 彼の活躍を見ていると、鹿島は彼を見限るのが3年ばかり早すぎたよなぁと思う。もとよりクラブがマルキを手放したのは、大迫、興梠のツートップの成長を促すためだったと思うのだけれど、マルキが抜けたあとも興梠が伸び悩んで、レギュラーを確保し切れず、結局レッズへと移籍してしまったのを考えると、マルキが敵方にいる現状は、なんとも残念だ。
 なにはともあれ、今シーズンのマリノスは先制した試合では負けなしというので、こりゃまずいなぁと思ったんだったが、そこはこちらも同様だった。なんと今季ホームでは、いまだ負け知らず。そのデータに偽りなしで、後半にきっちりと試合をひっくり返して見せたから、あっぱれだった。
 1点のビハインドを跳ね返すため、トニーニョ・セレーゾは後半の頭から動き、中村充孝をジュニーニョに替えてきた。さらにそれから7分後には、土居にかえて本山(もうひとりの交替は遠藤→梅鉢)。若者をさっさと引っ込めて、技術的により優れたベテランを後半から投入するってのは、この暑い時期だと、とても有効な作戦な気がする。
 この日の逆転劇でこたえられなかったのは、どちらのゴールも小笠原→本山→大迫というホットラインから生まれたこと。とくに1点目は、小笠原が中盤の底から出したボールを本山がワンタッチで大迫へとつないだカウンターで、その縦のラインの鮮やかな連係にぐっときた。
 大迫のシュートも2本ともよかった。外へ開くとみせておいて、反対へと切れ込み、中澤のマークを見事に引っ剥がしてみせた1点目。対面のDF(これも中澤?)の隙をつくタイミングでボールをゴールへと流し込んでみせた2点目。どちらも派手さはないけれど、きっちりと仕事をしてみせる大迫ならではのゴールだった。
 大迫もこれで11ゴール。自身初の二桁得点を達成するとともに、得点王ランキングのベスト10入りを果たした(やった!)。こうなったら、このまま順調に得点を伸ばして、最後には得点王争いをしてくれるくらいまで行ってくれると、とても嬉しい。
 J1全体では、この日の結果でふたたび首位が入れ替わり、得失点差で広島が首位に返り咲いた。僕としてはACLで1勝もできなかったサンフレッチェに2連覇をされるよりは、マリノスにがんばって欲しいところなんだけれど、それ以前に鹿島にだって、まだまだ優勝の可能性が残っているのだから、となれば応援すべきは、とうぜん鹿島。今季の最終節はサンフレッチェとの対戦なので、なんとしてもそこまでしぶとく上位に食らいついて、逆転優勝するくらいの戦いぶりを見せて欲しい。
(Aug 25, 2013)