FC東京1-4鹿島アントラーズ
J1・第28節/2013年10月5日(土)/国立競技場

毎年恒例、僕にとっては年に一度のスタジアム観戦、FC東京対鹿島アントラーズ戦に行って参りました。
今年の会場はいつもの味スタではなく、国立競技場。味スタは国体開催中で使えないとかなんとかいう話みたいだけれど、このタイミングで来年には解体されてしまう現在の国立競技場での試合が観られるってんだから、ラッキーだと思う。
とはいえ、この日の天候は朝からあいにくの雨。おまけにスカパーの無料放送デイで、この試合もテレビで観られたから、ひとりきりだったら、たぶん観に行っていない。しかもスタジアムには雨にも負けず3万人の観衆が集まっていて、自由席はなんと満席。そんな試合を、自由席のそれなりにいい位置からじっくりと観られたのも、熱心なFC東京サポーターのPが先乗りして席を確保してくれていたからだった。Pさん、いつもどうもありがとう。恐縮です。この場を借りて、改めて御礼申し上げる。
恐縮といえば、席を確保してくれているのがFC東京サポーターだから、基本まわりはすべてFC東京サポーター。例年の味スタでの観戦でもそれは変わらないのだけど、この日は自由席が満員だったので、いつになくアウェイ度が高かった。そんな中、試合は序盤から鹿島が順調に得点を重ねてゆく、僕には嬉しくも、まわりは非常に嬉しくない展開。ゴールが決まるたびに、FC東京サポーターの失望が波のように押し寄せてきて、なんとも恐縮至極だった。いやはや、すいませんでした。
この日の鹿島のスタメンは曽ヶ端、伊東幸敏、青木、山村、中田浩二、柴崎、小笠原、遠藤、ジュニーニョ、大迫、ダヴィ。途中出場は土居、前野、本山。
対するFC東京は、権田、徳永、森重、加賀、大田、高橋秀人、米本、長谷川アーリア・ジャスール、東慶悟、ルーカス、渡邉千真という布陣。
こちらは西が出場停止で、右サイドに高卒2年目の伊東(これがJデビュー戦)が入り、あちらもCBのチャン・ヒョンスが故障で欠場と、ともにレギュラーをひとり欠く布陣。まぁでも、メンツ的には実力伯仲の両チームだし、順位だって4位と5位で、勝ち点の差はわずか3。勝ったほうが優勝戦線に食いとどまるって大事な一戦だ。簡単な試合にはならないだろうと思った。ところが──。
試合はあっけなく動いて、開始わずか10分で、鹿島が2-0とリードしてしまう。
1点目は遠藤のミドルで(帰宅後に録画を見たらループ気味だった)、2点目は相手DFのミスからボールを奪い取ったダヴィのゴール。どちらもバックスタンドにいた僕らからは遠い側のゴールで、決めたふたりのシュートコースが対角線上にはっきりと見て取れた。ぽっかりと空いたシュートコースを、遠藤、ダヴィとも逃さずに決めたって感じ。FC東京、ディフェンスゆるすぎ。やはりチャン・ヒョンスの欠場が響いたんでしょうか。
後半に入ると、FC東京はDFの加賀に替えて平山を投入、高橋秀人を最終ラインに下げて、攻撃に厚みを増してきた。ここから先は、鹿島陣内(僕らがいた席からは遠いほう)での展開ばかりになる。
それでも次の得点を決めたのは、やはり鹿島。中盤でボールを持った小笠原がドリブルでするするっと攻め上がり、遠目から思い切りよく打ったミドル・シュートがきれいにファーサイドにゴールネットに突き刺さった。サイドが逆だし、距離もちがうので一概には言えないけれど、印象的には1点目の遠藤のゴールのリプレイを見るようだった(リプレイで見たら、オガサのほうが豪快だった)。
これで勝負あり。そのあとカウンターから大迫のゴールまで決まり、残り10分を切って4-0となった時点で、まわりには帰り支度を始めるFC東京サポーターの姿がちらほらり。そのあとFC東京が平山のゴールで一矢報いるものの、最終スコア4-1で幕。苦戦必至と思っていた一戦は、思わぬ快勝に終わった。前半の2点だけでも十分だったのに、さらにオガサと大迫のゴールまでご祝儀につけてもらっちゃったって感じ。マジ恐縮。
いやでも、いまさらながら、スタジアムでサッカー観るのっていいっすね。テレビでは絶対に味わえない臨場感がある(当然だけど)。あいにくの雨――さいわい後半にちょっと霧雨に降られたってくらいで済んだ――にもかかわらず、3万人もの人が集まるのは、この刺激があってこそだろう。果たすべきは、2ステージ制への逆行などではなく、この空間の気持ちよさをもっと高め、もっともっと多くの人々に伝えてゆくことだろうと僕は思うのだけれど……。
まぁ、なんにしろこのスタジアムでサッカーを観るのも、おそらくこれが最後。ここのスタンドから見上げる空の広さは、東京では随一だと思っていたので、それがこれきりもう見れなくなると思うとさびしい。
(Oct 07, 2013)