川崎フロンターレ4-1鹿島アントラーズ
J1・第13節/2014年5月10日(土)/等々力陸上競技場/スカパー!
またもやTBSチャンネルで放送してくれたので、アントラーズ戦が観れたはいいけれど。
やはりゴールデンウィークからつづく過密日程を首位で乗り切るのは無理だった。それどころか、清水戦のあと、柏に負けてそうそうに首位陥落。その後も名古屋、そしてこの日の川崎とつづけて負けて、ついに3連敗で、順位はあっという間に7位まで落ちてしまった。マジ、今年のJ1は難しい。
この日のスタメンは曽ヶ端、伊東、植田、昌子、山本、柴崎、小笠原、遠藤、カイオ、土居、ダヴィの11人(途中出場は青木、豊川、本山)。
この数節、すっかり植田、昌子のフレッシュなCBコンビが定着してしまった。それはそれで新鮮でいいと思う部分もあるのだけれど、でもあの若い二人でこの連戦を乗り切るのは、ちょっと無理があったんじゃないだろうか。いいプレーがある一方で、おいおいという軽率なプレーも少なくないし、今日みたいに4失点もしてしまうと、二人だけに最終ラインを託すのは、やはりまだちょっと早いんではないかと思ってしまう。
トニーニョ・セレーゾもそう思ったのか──はたまた山本がどこか痛めたのか──、この日は前半のうちに山本に替えて青木を投入、昌子を左SBにスライドして残り時間を戦った。──とはいえ、そのフォーメーションで戦った後半に3失点しているのだから、ベテラン青木投入の効果があったかは、やや疑問。
まぁ、そうはいっても、この日のゴールはどれもシュートを打った側が偉かったってゴールばかりだった。
開始わずか3分の川崎の先制ゴールは、流れるようなパスワークから、最後は代表候補として期待される小林悠がループ気味のシュートを決めたもの。曽ヶ端が一歩も動けない、素晴らしいシュートだった。
そのシーンでは、とにかく直前の川崎のパスワークが素晴らしかったので、うわー、今日は惨敗を喫するかもと思ってしまった。
ただ、その悪い予感は少なくても前半のうちに同点に追いついたことで、いったんは消滅する。
鹿島の同点ゴールは柴崎で、遠藤が意表をつくヒールパスで右サイドのディフェンス・ラインの裏へと出したパスを、浮き球でファーサイドに流し込んだもの。まるで小林のゴールにお返しをするような、似たようなシュートだった。才能だったら、柴崎だって負けてないぜって感じ。
その同点ゴールでひと心地ついたし、その後もいい感じでボールを回す時間がつづいたので、おっ、これはいけかもと思ったのだけれど、油断大敵というかなんというか。後半、ふたたび小林にゴールを決められてしまう。
このゴールも見事だった。ゴール前で中村憲剛からのパスをもらった小林は、ワンタッチ・トラップからくるっとターンして、ためらわずに右足を振りぬいた。これがゴール左隅にぐさり。またもやソガ一歩も動けずで、勝ち越しゴールを許すことになった。おいおい、マジで上手いな、小林悠。さすが代表候補の呼び声は伊達じゃない。
その後の2得点はどちらも大久保のカウンター。1本目は、植田の短いクリアボールを中村憲剛がインターセプトして、ワンタッチで大久保のフリーのチャンスを作ったもの。最後のゴールもカウンターから、GKと1対1のチャンスを作られた。大久保、これらをきちっと決めるところはさすが去年の得点王。
以上、両チームあわせて5ゴール、どれをとってもGKにとっては、なすすべがないってゴールばかりの試合だった。それにしても、大久保、小林悠、レナト、中村憲剛らが並んだ川崎の攻撃陣は迫力満点だわ。風間サッカー、侮れない。まいった。
そうそう、この試合で残念だったのは、スコアが1-2のときにダヴィが決めたゴールがハンドの判定で認められなかったこと。
これは、左からのクロスに飛び込んだダヴィのヘディングが、頭にあたったあとで自分の腕にあたってしまい、そのこぼれ球をGKと競り合いながら、足でシュートしたというもの。あきらかに腕にはあたっているし、ファールと判定されるのは仕方ないと思うのだけれど、でもあのハンドはどう考えたって故意じゃないでしょう? 自分のシュートをわざと手で止めるやつはいないって。それなのにレフェリーの村上伸次という人は、この場プレーでダヴィにイエローカードを出した。
じつはそれより前に、こちらの左サイドからのクロスがペナルティ・エリア内にいた相手DFの腕にあたった場面があったのに、村上さんはその場面ではハンドを取らずに流している。結果、ボールが腕でクリアされた形になって、こちらのチャンスが潰えてしまったにもかかわらず、だ。
相手の腕にあたったハンドはノーファールで流しておきながら、逆にこっちの腕にあたったハンドはファールにしたうえで、なおかつイエローカードって。そりゃないんじゃないかって、強く思ったのでした。
あそこで同点になっていたら、また違った展開になっていたかもしれないと思うだけに、あのイエローカードだけは納得がいかなかった。まぁ、ハンドのあともプレーを続けた態度が非紳士的ってことなのかもしれないし、こちらもファールはファールと認めている以上、負け惜しみでしかないんだけれど。
なんにしろ、そういうわけで、3連敗してあっという間に7位まで順位を下げたアントラーズだけれど、それでもサッカーの内容自体は悪くないので、まだそう悲観したものでもないと思う。次節は断トツ最下位の徳島相手だから、勝ち点3濃厚でしょう。そのあとはW杯のための中断期間に入る。W杯後の巻き返しに期待しよう。
(May 10, 2014)