日本0-2ウルグアイ
親善試合/2014年9月5日(金)/札幌ドーム/日本テレビ
ブラジルW杯での惨敗から、かれこれ2ヶ月半。注目のハビエル・アギーレ日本代表監督の初陣の相手は強豪ウルグアイ。ただし残念ながらスアレスは(おそらくW杯の噛みつき事件のせいで)出場停止、フォルランは代表落ちとのこと。
まずはスタメンの名前を見てとまどった。GK川島はいいとして、DFが長友、森重、坂井達弥、酒井宏樹、吉田麻也と5人もいる。MFは田中順也と細貝の2人だけで、FWが本田、岡崎、皆川佑介という顔ぶれ。
まぁ、開けてみれば、フォーメーションは公言していた通り4-3-3で、森重をワン・ボランチに起用したところが意表をついていただけだったから、ははぁ、なるほどって感じではあったけれど、それにしてもいきなりDF5人ってのはなぁ。結局それって森重を高めの位置においた3バックじゃないの?──って思ってしまった。
なにはともあれ、鳥栖の坂井、広島の皆川は初めて見る顔だし、田中順也もひさしぶりに見たら、髪が短くなっていたせいで、最初だれだかわからず。つまり国歌斉唱のときに名前がわからない選手が3人もいるという。ある意味新鮮きわまりない新生日本代表ではあった。
新鮮といえば、田中順也が背番号8、途中出場のヴィッセル森岡亮太が背番号10ってのも新鮮だった(まぁ、マンUからドルトムントへの復帰が決まったばかりで招集が見送られた香川が戻ってくれば、森岡の10番はないと思うけど。あと、出番はなかったけれど、われらが柴崎は7!)。
本田が右サイドに貼りついてプレーしていたのも新鮮だったし、岡崎がCKを任されていたのに至っては、新鮮を通り越して違和感たっぷりで、なんだそりゃって感じだった。背は高くないとはいえ、ヘディング得意で得点感覚の鋭い岡崎になぜキッカー任すかな、アギーレ氏? よくわからない。
まぁ、そのほかでもFC東京の武藤嘉紀が途中出場の一番手として代表デビューを飾っているし──あと柿谷と酒井高徳も出てきた──、これまでにない感じはたっぷりとあったと思う。
ただ、試合自体は0-2で負けて、マスコミ各所で酷評を受けている。
失点はどちらもアギーレに大抜擢されたCB坂井のミスが原因。中途半端なプレーからボールを奪われたり、クリアが短かったり。長身で左利きってことを買われて大抜擢されたという噂だけれど、トラップやパスに安定感がなくて、まだまだDFとしては課題が多そうだった。左足が使えるったって、ロング・フィードが満足に通らないんじゃなぁ。
この試合の出来だけで判断するならば、坂井はもう二度と代表に呼ばれなくてもおかしくない気がするんだけれど、逆にそんな彼をその長所──左利きの大型DFは日本では珍しいそうだ──を買って起用しつづけるようならば、そこにアギーレの個性が見えてきそうな気もする。現時点でのアギーレ・ジャパンのキーパーソンは彼かも。
それにしても、すでに酒井が2人いるところへ、さらにCBの坂井が加わって、4バックのうち3人までがサカイなんて状況もあり得る状況は、かなり実況や外国人泣かせなのではないでしょうか。紛らわしいったらありゃしない。
まぁ、なんにしろ、試合内容は低調だった。皆川──高さがあってポストプレーもできて、なかなか好印象だった──が岡崎のつくった絶好機でフリーのヘディングをはずした場面と(岡崎うまいじゃないか)、終了間際に武藤が打ったミドルがバーをたたいた場面が印象に残っている程度で、あとはあまり惜しいチャンスを生み出せなていなかった。本田もFK、壁にあてまくりだし。
でもまぁ、失点が個人のミスからだったのを差し引けば、守備はそこそこ安定していたと思うし(フィールドにDFが5人もいればあたり前か)、W杯でああいう負け方をしたあとだけに、強豪国相手に初戦でこれくらいならばOKだって僕は思った。
とはいえ、アギーレ氏には次の試合で柴崎と大迫を使ってくれることを願ってやまない。
(Sep 06, 2014)