ジュビロ磐田0-0鹿島アントラーズ
J1・第34節/2017年12月2日(土)/ヤマハスタジアム/NHK総合
あぁ、やはり恐れていた事態に……。アントラーズ、ジュビロ磐田とスコアレス・ドローに終わり、J1優勝を逃すの巻。
鹿島のこの日のスタメンは前節と一緒。ただ、計算外だったのは前半10分ちょいに西が接触プレーで足を痛めて途中交替を余儀なくされてしまったこと。
単にこの試合の先行きに不安を感じさせたというに留まらず、東アジア選手権に向けての日本代表に鹿島の4バックが全員そろって選出されるという快挙の直後だっただけに、ここでの西の負傷退場は二重の意味で痛かった。どれくらいの怪我かわからないけれど、変な角度で膝をねじっていたので、おそらく代表も辞退せざるを得ないんじゃないだろうか。あぁ、そうなったら本当に残念……。
試合自体も前半からこりゃちょっとまずいんじゃないかという流れだった。川崎がキックオフからわずか1分で先制したという速報が入る一方、こっちはジュビロの堅い守備に阻まれて、いっこうに得点を奪えそうな気配がなかったから。
ひさしぶりに観るジュビロだったけれど、なるほど今年の好成績はこういうことかと納得。さすがにリーグ最少失点だという守備力はだてじゃない。どこもかしこも枚数かけてきっちりと守ってくる。
でもって、今年はそこに俊輔がいる。これだけ守備がしっかりしているチームに、俊輔みたいな素晴らしいプレースキッカーがいたら、そりゃ手堅く勝ち点稼げるよなぁと思った。ほんともう前半だけでどれだけCKやFKを与えたことか。俊輔がいるのにまずいだろーってそのたびに思った(まぁ、幸い一本も決まらなかったけれど)。攻撃面ではセットプレーのみならず、アダイウトンとか、
でもまぁ、失点数の少なさではリーグ1位と2位の対戦だ(鹿島が2位)。こちらも守備は堅いので、そう簡単にはやられはしない。なんとかしのいで迎えた前半の終わりごろ。ようやく得たCKで、遠藤のキックから植田がヘディングをどんぴしゃで決めて、やった先制!――と思ったらば、だ。これがファールの判定を受けて取り消されてしまう。
昌子がレフェリーの村上氏に確認したら「植田か昌子のファール」と言われたというけどさ。なにそれ? どっちがやったかわからない時点で、すでにファールじゃないんじゃないの? 疑わしきは罰せずって言葉を知らないのか。
あとでリプレーをコマ送りで見なおしてみたけれど、やはり僕にはあのプレーがファールだとは思えなかった。裏をとられて体勢を崩した磐田の選手が昌子に背中からのしかかったようにしか見えない。なぜあれがファール? 文句なしに素晴らしいプレーじゃないのさ。まったくなんてポンコツな判定してくれるだよ、ムラカミ……。
でもまぁ、あのシーン以外にも得点のチャンスはあった。前半はともかく、後半はけっこう押し込んで、あと一歩というシーンは作れていた。とくに伊東からのクロスで2回はフリーのチャンスを作った。でも決められない。夢生がヒットしそこない、修斗がヘディングをふかす。伊東やレアンドロがゴール前までフリーで駆け上がるシーンもあったのに、シュートを打てずに終わったり……。
そう、数こそ少ないけれどチャンスはあった。でも決めて当然っていう、ああいうチャンスをきちんとものにできなかったら、やはり勝利の女神は微笑まない。そういう意味では最終節に5-0と大勝したことが川崎に幸運を呼び込んだのかなぁって気がする。
まぁ、とにかく2試合連続で無得点ではねぇ……。とはいっても、その2試合の相手がリーグでもっとも失点の少ない磐田と4番目に少ない柏っだってんだからまいる。
ちなみに前述のとおり失点の少なさでは2位が鹿島、そして3位が川崎ですからね。要するに鹿島は最後の最後に、今季のJ1でもっとも守備力の高い2チームと対戦する羽目になってしまったわけだ。終盤戦の川崎の異常な勝負強さ──なんたって最後の15試合はひとつも負けていないそうだ──とあわせて、そういう巡り合わせになったことが、川崎の奇跡的な逆転優勝を可能にしたわけだ。うーん、まさにミラクル。もうぐうの音も出ません。
対戦成績を見ると、鹿島の23勝8敗3分に対して、川崎は21勝4敗9分と、白星は鹿島のほうが2つ多い。ただし負けは4つも多い。この差が最後の最後に響いた。今年は引き分けが少ないなぁとは思っていたんだよなぁ。8敗のうち1点差ゲームは5つ。そのうちのひとつでいいからドローにできていたら……。てか、なにもこんなにドローの少ない1年の最後を2試合つづけてドローで終わらなくたっていいじゃん……。
って、そういや味スタで観たFC東京戦もドローだったから、つまり僕は今季の鹿島のドロー・ゲームをすべて観ているわけだ。大岩監督になってから僕個人が観た試合は結局勝率5割ジャストだしなぁ……。それじゃ優勝できなくて当然。もしかしたら俺が観ていなかったら、アントラーズは優勝していたのかも……とか思いたくなる。
まぁ、なんにしろ川崎フロンターレはお見事でした。今年の鹿島は川崎相手に2連敗している。せめて片方でドローに終わっていれば、勝ち点で並ばれることはなく、こんな逆転優勝を食らう羽目にはならなかったわけで。得失点差にしても川崎の38に対して、鹿島は22、その差は実に16。要するにリーグ戦のほぼ半分の試合で、川崎は鹿島より1点多くとっている計算になる。いやはや、どっちがチャンピオンにふさわしいかっていったら、そりゃ川崎じゃんって気がしてきました……。
この日の試合で小林悠がハットトリックを達成して、得点王ランキングでも大逆転で得点王に輝いているし、なんか川崎にとっては終わりよければすべてよしな最終節だった。憲剛の号泣にはさすがにほろりとさせられた。
降格レースでは清水エスパルスが増田誓志(お~!)の決勝ゴールで勝って残留を決めた。ということで、降格チームは新潟、大宮、甲府に決定。
天皇杯も敗退が決まっているので、今年のアントラーズの試合を観るのもこれが最後だ。あぁ、最後に勝っておいしい酒が飲みたかった……。
(Dec 03, 2017)