2018年10月のサッカー

Index

  1. 10/03 ○ 鹿島3-2水原三星 (ACL・準決勝)
  2. 10/10 ● 鹿島1-2横浜FM (ルヴァン杯・準決勝)
  3. 10/12 ○ 日本3-0パナマ (親善試合)
  4. 10/14 △ 横浜FM2-2鹿島 (ルヴァン杯・準決勝)
  5. 10/16 ○ 日本4-3ウルグアイ (親善試合)
  6. 10/20 ● 浦和3-1鹿島 (J1・第30節)
  7. 10/24 △ 水原三星3-3鹿島 (ACL・準決勝)
  8. 10/27   湘南1-0横浜FM (ルヴァン杯・決勝)

鹿島アントラーズ3-2水原三星ブルーウィングス

AFCチャンピオンズリーグ・準決勝(第一試合)/2018年10月3日(水)/カシマサッカースタジアム/日テレジータス

 アントラーズ、悲願のアジア制覇へ向けて一歩──いや半歩前進。準決勝はグループリーグでも戦って、1勝1敗と五分の結果を残している水原三星との再対決。
 いやしかし、なんて試合をしてるんだか。
 この日はうちの子の二十歳の誕生日で、夕食の席にはごちそうが並んでいたから、祝いの席でサッカーにうつつを抜かしているのも悪いと思って、生放送は観ないつもりでいたんだけれど、あいにく娘の帰りが遅くなって、キックオフの時間になっても帰ってこない。
 ならばと遠慮なく観始めてみれば、開始わずか10分たらずで2失点というていたらく。それもどちらもミス絡み。
 ホーム&アウェイでの戦いなのに、ホームでの初戦でいきなりアウェイゴールを2つも許すなんて試合、せっかくのお祝い気分がだいなしだ。これ以上観ていられるかと、前半15分でいったん観るのをやめてしまったのですが……。
 食事が終わってネットを開いてみたら、なんと鹿島が3-2で勝ってる!
──ということで、あわててつづきを録画で観ることになった。
 この日のスタメンはGKクォン、DF内田、チョン、犬飼、山本修斗、MF永木、三竿、遠藤、安部裕葵、FWセルジーニョ、優磨という布陣。
 前半わずか2分で許した先制点は、相手がCKからワンタッチで流し込もうとしたシュートを、ウッチーが胸トラップしてゴールに入れてしまったもの。なんでウッチー、ゴールに向かって胸トラップしているんだか。クォンへのパスのつもりだったのかもしれないけれど、クォンはゴールラインより下がっていたので、副審にゴールを宣告されてしまった。
 そもそも、鹿島ボールのキックオフだったのに、最初のロングパスをミスってタッチラインを割ってしまい、相手ボールとなったその流れからわずか1分ちょいで先制されるというのは、考えられるかぎり最悪の立ち上がりだ。
 その4分後の追加点にしたって、左サイドでプレッシャーを受けた修斗が蹴りだそうとしたボールが、相手にあたってダミヤノヴィッチへの絶好のパスになってしまったものだし。ダミヤノヴィッチは角度のないところから、クォンの脇を抜くようなシュートを落ち着いて決めてみせた。
 相手のエースFWへボールが渡ってしまったのは不運だったけれど、あの場面で相手に引っかかるようなボールを蹴った修斗のミスはいただけない。クォンも反応し切れなかったのが残念。ウッチーのオウン・ゴールを含め、どのプレーも不運で致し方ない部分はあるけれど、でも立ち上がりから相手の圧力に押し込められ、おちつきと集中力を欠いた印象があったのが残念だった。
 僕はいったんそこで観るのをやめてしまったけれど、試合の流れとしては前半のうちに1点を返せたのが大きかったと思う。
 貴重な追撃弾は前半21分。右サイドで華麗なボールさばきを見せたセルジーニョのクロスが相手のオウン・ゴールを誘った。最初は優磨のヘディングが決まったのだと思ったのけれど、リプレイを見たらマークについた相手DFの頭だった(あんなにきれいなオウン・ゴールも珍しかろう)。でもまぁ、あそこに優磨がいたからこその得点だ。優磨のゴールといってもいいと思う。
 試合はそのまま後半にはいっても1-2のまま動かず。大岩は裕葵→安西、永木→土居、遠藤→西というカードを切ってゆく。
 ここでおもしろかったのは、安部、遠藤という攻撃的MFにかえて、安西、西というサイドバックの選手を起用していること。ボランチの永木をさげて土居を入れた部分だけは攻撃的だったけれど、あとは攻撃力の高いDFを入れることで、守備を重視しつつも反撃を試みるという趣向だったのだと思う。
 なんにしろ、後半の鹿島のピッチにはDF登録された選手が6人もいたわけだ。負けている状況で、ふつうはそんな采配、あり得ない。
 でも、結果的にはこの大岩采配がずばりとはまる。84分の同点ゴールはピッチに立ったばかりの西がドリブルで攻めあがってセルジーニョにラストパスを通したものだったし、ロスタイムの逆転弾はフル出場したウッチーのゴールだった(CKからのこぼれ球をシュートして止められ、その跳ね返りを二度目のシュートで決めた)。
 ウッチーと西という、元日本代表の右SBふたりが同時にピッチに立っていたからこそ実現した逆転劇。大岩監督、お見事でした。
 あ、でも危ないシーンはけっこうあった。とくにクォン・スンテがレフェリーの目の前で水原の選手に頭突きをかましたシーンには愕然。あれでよくレッドカードが出なかったもんだと思うよ。危ないったらありゃしない。
 そういう意味でもこの日の勝利は薄氷を踏む内容だった。アウェイ・ゴールで2点を許していることもあり、次のアウェイでの第二戦も予断が許さない。安部裕葵もU-19代表に招集されていないみたいだしなぁ。まぁ、そのぶんは安西や土居、永木なんかでバランスを取りながらうまく戦ってくれると信じたい。
 さぁ、決勝まであと一試合。アジアの頂点まで残すところ三試合。
(Oct 04. 2018)

鹿島アントラーズ1-2横浜F・マリノス

ルヴァン杯・準決勝/2018年10月10日(水)/カシマサッカースタジアム/フジテレビNEXT

 だー。なんとも残念な結果に終わったルヴァン杯・準決勝の第一試合。
 この日の先発は曽ヶ端、内田、町田、犬飼、安西、永木、レオ・シルバ、遠藤、充孝、セルジーニョ、土居の11人。
 このスタメンを見て、僕はGKがクォン・スンテじゃないのに驚いた。だって、ひとつ前のJ1の川崎戦ではクォンが小林悠のPKを留めてスコアレス・ドローにしているんだよ? そんな活躍をみせたGKを替えるか、ふつう?
 そしたらやっぱり、この心配が的中してしまう。
 両チーム無得点のまま迎えた後半77分。天野の直接FKが壁のあいだを抜けて鹿島のゴール左隅に突き刺さる。曽ヶ端は壁の反対側に寄っていたので、ボールにまったく反応できず。
 あれは壁を作った選手たちのミスなのかも知れないけれど、ああいう風に壁を作るよう指示したのは曽ヶ端じゃないの?
 そのあと、ロスタイムに永木のCKを犬飼が見事に決めて同点に追いついたときにはよし!と大盛りあがりだったのに、そのすぐあとでふたたびFKから決勝ゴールを決められてしまう。
 こっちは完全に曽ヶ端のミス。山中亮輔の蹴った真正面のシュートをキャッチしきれず、ファンブルしたところをウーゴ・ヴィエイラに決められた。
 べつに曽ヶ端が嫌いなわけじゃないし、ミスを責めたくはないんだけれど、やはりこの試合の敗因は曽ヶ端だ。というか、前の試合でいいプレーをしたGKを使わず、別のGKを使って、その人のミスで敗戦したのだから、結果的には指揮官のミスだと思う。やっぱGKは二人を併用するポジションじゃないだろう。
 まぁ、さかのぼって考えれば、どちらの失点も──天野に山中という素晴らしいプレース・キッカーがいるマリノスに対して──ゴール近くで不用意なファールを与えたのが問題なわけだけれど。
 特に2点目は同点にしたあと、勝ち越しを狙って前がかりになったところで、カウンターからファールを与えたのがいただけない。W杯ベルギー戦の日本代表じゃないんだからさ。残り時間はほとんどなかったんだから、あそこはドローでよかった──というか、追いついた以上は最低でもドローで終わらせなくちゃいけなかった。どうせ負けるならば0-1のほうがよかったよ……。
 ああそう、もうひとつの敗因は前半に中村充孝が得たPKを土居がはずしたこと。
 この試合、大岩はここまで公式戦の全試合に出場しているという鈴木優磨をベンチからはずしてきた。あと、安部裕葵もユース代表に呼ばれて不在。
 ということで、この日は土居がスタメンで出場して、なおかつあの先制のチャンスでキッカーをつとめて、これをはずしたわけだ。あそこで先制していれば、その後の曽ヶ端のミスもなかったかもしれないので、そういう意味ではいちばん痛かったのはあのPK失敗かもしれない。聖真はその前にもポストをたたく惜しいシュートもあったし、せめてどちらか一方だけでも決めていればなぁ……。
 あと、痛いといえば、後半途中で充孝とウッチーが相次いで足を痛めて交替してしまったのも痛い(途中出場は金森と西と修斗)。駒不足のときに故障者ってだけで痛いのに、ウッチーはなんてことない接触プレーのあとだったから、なおさらまずい気がする。大事がなければいいんだけれど……。
 マリノスはつい先日まで残留争いをしていたので、今年は駄目かと思っていたら、予想外に強かった。特に扇原がスタメンでキャプテンマークを巻いていたり、大津もスタメンだったりと、かつて五輪代表で好きだった移籍組の選手たちが主力としてプレーをしていたのにぐっときた。
 ほかにも3トップの右に入った仲川とかもよかったし、一方で中澤、栗原はいないし(CBは知らない外国人コンビ)、中町はベンチスタートだし、知らないうちにずいぶん印象が変わっていた。
 驚いたことに、マリノスの総得点51は現在J1でトップなんだそうだ。いつの間にそんな攻撃的なチームに……。監督のポステコグルー(いつまでたっても名前がおぼえられない)が超攻撃的サッカーを標榜しているって噂は本当だったんだ。いやはや、おみそれしました。
 あぁ、それにしても本当にあの2点目にはがっくりきた。勘弁して欲しかった……。
(Oct. 10, 2018)

日本3-0パナマ

親善試合/2018年10月12日(金)/デンカビッグスワンスタジアム/テレビ朝日

 森保ジャパンの二試合目。
 W杯の主力をほとんど呼ばなかった前回とは違って、今回はわざわざ海外からある程度の人数を呼び寄せているので、新旧メンバーを半々くらい使ってくるかと思っていれば、この試合のスタメンはGK権田、DF室屋、冨安、槙野、佐々木、MF三竿、青山、伊東純也、南野、原口、FW大迫というメンバーだった。
 麻也、長友、酒井、柴崎らのW杯組のみならず、前の試合であんなにいいプレーをした中島翔哉までベンチ。なにそれ? って思った。次の強豪ウルグアイ戦のために温存?
 鹿島サポーターとしては三竿のスタメンは嬉しかったから、このメンツじゃ駄目とまでは思わないんだけれど、サッカーの内容が前回ほどよくなかったので、いまいち盛りあがり切れなかった。まぁ、それでも結果は3-0で、前回と同じスコアで勝っているわけだから、森保一、すごいかもしれない。仮にもパナマはロシアW杯に出場していた国なのだし(まぁ、正直それほど強い相手とは思わなかったけど)。
 得点は1点目が南野の個人技、2点目が伊東純也で、ふたりとも2試合連続ゴール。3点目は怪我のため代表を辞退した小林悠のかわりに追加招集された川又──かと思わせておいて、実はオウン・ゴールだった。
 途中出場は、川又のほかに北川航也(清水での活躍が見初められての初招集)、堂安、柴崎の計4人。最初に川又、北川を入れたのは残り30分を切ってからだし、堂安は足を痛めた伊東純也(無事を祈る)にかわって急遽の出場。柴崎はわずか5分ちょいのプレーだった。森保は交替カードを切るのが遅い印象なのが気になる。
 若干19歳の冨安がA代表デビュー戦で堂々たるプレーを見せていたのがこの試合のいちばんの収穫かもしれない。
(Oct. 12, 2018)

横浜F・マリノス2-2鹿島アントラーズ

YBCルヴァンカップ・準決勝/2018年10月14日(日)/ニッパツ三ツ沢球技場/フジテレビONE@スパカー!

 アントラーズ、あと1点が届かず、ルヴァン杯の準決勝で散るの巻。
 この試合、まずはメンバー表を見て意外だったのが、曽ヶ端がスタメンだったことと、鈴木優磨がまたもやベンチ入りしていなかったこと。
 曽ヶ端に関しては、前の試合でのミスはあったものの、これまでの貢献と彼のプライドを考慮して、汚名返上のチャンスを与えたということなのだと思う。
 一方の優磨に関しては、決勝へのチケットのかかったこの試合でチーム得点王を意図的にはずしてくるとは考えにくいので、公式発表はないけれど、残念ながらコンディション的に使える目処が立たなかったということなんだろう。
 ということでこの日のスタメンは曽ヶ端、西、犬飼、町田、山本、永木、レオ・シルバ、遠藤、安西、聖真、金森という11人だった。
 安西を攻撃的なポジションで使ってきたのは、先制点が大事な試合なので、守備重視で慎重な戦い方をしようとしたってことなのだと思う。ところが意に反して前半だけで2失点を喫するていたらく。
 1点目は相手シュートの跳ね返りがペナルティ・エリア内にいたウーゴ・ヴィエリアに渡ってしまう不運なものだったけれど──しかし、あれをダイレクトでシュートに持ってゆくウーゴ・ヴィエイラの上手いこと──、右サイドを天野に突破され、みごとなクロスから仲川に決められた2点目には、ぐうの音も出なかった。あそこまで仲川をフリーにしていたら、決められて当然でしょう。そういう意味では右サイドの突破を許した上に、ファーのケアを怠ったディフェンスのミスだと思う。
 右サイドは天野だけでなく、遠藤渓太にも再三の突破を許していたし、前半は後手後手ですっかり相手ペースでやられてしまった。前の試合では遠藤はそれほど目立っていなかったから、そういう意味ではウッチーのほうが西よりも守備力が上だったのかなという気がする。ウッチー、やはり全治6週間ですって。あぁ……。
 後半は頭から永木をセルジーニョにかえて、レオ・シルバのワン・ポランチにして攻めて出た(あそこでイエローを一枚もらっているレオ・シルバを残して、永木をさげたのには納得がゆかなかったけど)。さらにもうひとり修斗を山口にかえてから、GK飯倉のパスミスを土居がかっさらっての追撃弾、安西のクロスからセルジーニョのヘディングが決まっての同点弾と、とりあえず引き分けまでは追い立てた。
 これであと1点決めさえすれば、アウェイ・ゴール数で上回って、逆転で決勝進出!――というところまではいったものの、そのあと1点が奪えない。結局そのまま、後半のロスタイム4分を戦っても勝ち越しゴールは決まらず。無念の準決勝敗退とあいなった。
 後半の反撃にはとても見ごたえがあったし、そういう意味ではそれほど悪い内容ではなかったと思うのだけれど、惜しむらくは最後の選手交替が金森→昌子だったこと。
 戦線離脱していた昌子が3ヶ月ぶりに帰ってきた!――ってのはとてもめでたいのだけれど、でもあと1点を狙う状況で、攻撃的な金森をさげてCBの昌子を入れ、高さのある町田を前に出してのパワープレーって選択はどうなんだ?──と思ってしまう。
 いくら町田に高さがあるったって、キャリア通算ゴール数1の21歳だよ? 頼るべきは、彼よりは小笠原じゃん? もしくは同じ21歳のMF田中稔也{としや}でもいい。せっかくオガサや田中をベンチ入りさせているんだから、彼らのどちらかを使ってくれていれば、同じ結果に終わったとしても、もっとすっきりとした気分で負けを受け入れられたのではと思う。
 なぜだか攻撃のためにDFを投入するパターンの多い大岩采配にはどうにも納得がゆかなくて困りものだ。
 しかしまぁ、前の試合をドローで終えておけば、勝ち抜けだったのに。結局あの鹿島らしからぬ最後の失点が高くついたなぁ……。
(Oct. 15, 2018)

日本4-3ウルグアイ

親善試合/2018年10月16日(火)/埼玉スタジアム2002/テレビ朝日

 FIFAランキング5位の強豪、ウルグアイと対戦するにあたって森保が選んだ11人は、GK東口、DF酒井宏樹、三浦弦太、吉田麻也、長友、MF遠藤航、柴崎、堂安、南野、中島、そしてFW大迫というスタメンだった。
 前の試合と一緒なのは大迫、南野のふたりだけで、あとは総入れ替え(フォーメーションは大迫のワントップというより、大迫、南野のツートップっぽかった)。
 このメンバー表を見て、これはとても楽しい試合になるんじゃないかと思ったら、この日の日本代表はその予想を軽く上回ってくれた。よもやウルグアイ相手に4-3なんて試合が観られようとは思わなかった。
 先制点は南野。中島からの鋭いパスを受けて、絶品のトラップとターンで前を向くと、ワンタッチしてボールを右に動かしてからシュート。ボールはGKにあたってコースが変わり、そのままゴールマウスに突き刺さった。南野はこれで3試合連続ゴール。恐れ入りました。
 そのあとウルグアイにセットプレーから同点ゴールを許すも、前半のうちに追加点を奪ってふたたび勝ち越し。
 日本の2点目は大迫。中島のシュートをウルグアイのGKが横っ飛びで止めたそのこぼれ球をしっかり決めた。
 この試合の大迫はポスト・プレーで再三存在感を見せるも、ここぞのチャンスでシュート・ミスを連発していたので、ほんとあのゴールが決まってよかった(ちょっとオフサイドっぽかったけど)。大迫がちゃんと決めていたら8点くらい入っていたんじゃなかろうかってくらいの外しっぷりだった。若手のつきあげがすごいので、いくらポスト・プレーがいいとはいっても、もうちょっとシュートの精度を上げてくれないと、次のW杯までは生き残れないと思うぞ。
 2-1で突入した後半は、三浦のGKへのバックパスをカバーニにかっさらわれてふたたび同点とされてしまう(三浦なにやってんだか)。
 でも、そのわずか2分後に今度は堂安の代表初ゴールが決まる。酒井宏樹からのワンツーを受けて、狭いスペースで鮮やかにシュートまで持っていった。堂安、小さいわりにはやたらとキープ力が高いのが印象的だった。
 4点目はふたたび南野。大迫のゴールと同じような形で、堂安のシュートがはじかれた先につめていて、この日2ゴール目を決めた。そのあとウルグアイにも1点を奪われ、最終的に4-3で試合終了。W杯で3失点しかしなかった堅守のウルグアイ相手に1試合で4点も取ってみせるとは思わなかった。
 注目の中島はゴールこそなかったけれど、2アシストに加えて、誰より積極的にシュートを打っていたのが二重丸。なぜ西野さんがロシアに中島を連れていかなかったのか不思議でしょうがない。
 ウルグアイはスアレスこそ不在だったけれど、カバーニほか、W杯出場選手中心のチーム編成だったという。しかもひとつ前の試合で韓国にも負けているので、この試合では最初から本気モードだった。そんな強豪に打ち勝ってみせたんだから、こと攻撃に関しては文句なしでしょう。いやぁ、おもしろい試合だった。
 まあ、あえて不満を書くとするならば、失点のシーンはどれも守備がゆるすぎたこと、大迫の決定力がなさすぎたこと、スペインで干されている柴崎が──やはり試合勘が足りないのか──いまいちぱっとしなかったこと、など。
 あと、森保が交替カードを柴崎→青山、中島→原口の2枚しか使わなかったことも僕としては不満。4-2となった時点でもう攻めるほうは十分だったので、あとは守備的な選手を効果的に使って、そのまま逃げ切る采配を見せてほしかった。
 ここまでW杯出場国と3連戦して3連勝、10ゴール3失点と素晴らしい結果を残している森保監督だけれど、こと選手交替に関してだけは、いまいち納得のゆかないことが多いのが残念なところだ。
 しかしまぁ、この代表にはもう香川や乾の居場所はないんだろうか? なんかすごいことになってんな、新生日本代表。
(Oct. 16, 2018)

浦和レッズ3-1鹿島アントラーズ

J1・第30節/2018年10月20日(土)/埼玉スタジアム2002/テレビ埼玉

 直前になってレッズのホームゲームがテレ玉で生放送されていることを知り──うちのマンションはケーブルテレビのアンテナが引き込まれているので、ケーブルを契約しなくてもテレ玉が観られる──喜び勇んで観戦したレッズ戦。二ヶ月ぶりのJ1観戦、しかし結果は残念無念な逆転負け。
 スタメンはGKクォン・スンテ、DF西、チョン・スンヒョン、昌子、山本修斗、MF永木、小笠原、遠藤、安西、FWセルジーニョ、土居という顔ぶれ。
 昌子が3ヶ月ぶりにスタメン復帰を果たしたのはめでたいけれど、チョンとのコンビは初めてだというし、試合勘にもまだ不安が残る。なまじこの日のチョンが残念な出来だったので、どうせならば相棒は昌子が一緒にプレーしたことのある犬飼にして欲しかった。
 対するレッズは岩波、槙野、マウリシオの3バックに、両サイドが森脇と宇賀神という布陣。でもってGKが西川とくれば、そりゃさぞや守備は堅いだろうよと思ったら、攻撃もすごくて、興梠、武藤雄樹、長澤、柏木、青木という前線の選手に小気味よくボールをつながれて、序盤から押し込まれまくり。前半30分はほぼ相手ペースだった。
 それでも先制は鹿島。38分に修斗があげたふわりとしたクロスに、ファーで西があわせて先制。修斗、ペナルティ・エリアに三人くらいいたのにファーのスペースに出したからミスパスかと思ったら、そのスペースにすっと西が上がってきて、右足アウトサイドでちょこんとあわせてみせた。あのキックであんな弾丸シュートが決まるんだから、西ってキック力がすごいのかもしれない。
 でもやっぱ、この日のレッズは1点のリードで逃げ切れる相手じゃなかった。後半に入り、左CKから岩波にいともたやすくヘディングを決められて同点。さらには武藤に2ゴールを決められて後半だけで逆転負けをくらってしまった。
 武藤のシュートは2本ともぐうの音も出ない素晴らしさだった。1点目はゴール真正面でボールを持つと、マークについたふたりを左へのターンでくるっとかわして、左足を振りぬいたもの。2点目は後半のロスタイム。右サイドでのカウンターでドリブルで攻め上がり、ひとりでシュートまで持っていった。よもやあんな素晴らしい個人技でやられようとは……。
 1点目はマークについた小笠原(J1では2ヶ月ぶりのスタメンとのこと)、2点目はチョンのプレーが軽かったとは思うけれど、でもそれをおいてもきょうの武藤のプレーはずば抜けていた。武藤、今期ここまで4ゴールなんて成績らしいのに、なぜこの試合であの活躍……。
 この試合でも攻撃のてこ入れにDFを使いたがる大岩の采配はあいかわらず。スタメン安西ってのがまずそうだし、オガサ→優磨(祝復活)で永木のワンボランチとしたのはいいとして、遠藤→小田逸稀で西をひとつ前に上げ、修斗→山口で安西を左SBへと下げた。そりゃ西や安西の攻撃力は買うけれどさ。でもDFの攻撃力に頼りまくり、ポジション変更しまくりの采配には、やはり疑問をおぼえてしまう。
 まぁ、なんにしろ、これで鹿島の優勝の可能性は完全になくなり、順位も4位へと後退。あとを追うレッズとの勝ち点の差もわずか1となった。ACL出場権のかかった3位を争って、東京、鹿島、浦和、札幌、C大阪、清水の6チームが勝ち点3差にひしめく大接戦。うーむ。来年もそう簡単にはACL出場は果たせそうにない。
 すでに優勝争いは川崎、広島の2チームに絞られたので、NHKでの放送も残り4試合はその2チーム中心となるだろうから、すでにその両チームとの対戦を終えているアントラーズの試合が観られるのはこれが最後になりそうだ。
 いや、残り4試合の対戦相手はC大阪、柏、仙台、鳥栖だから、もしも優勝が早めに決まり、鳥栖の降格が最終節まで決まっていなかったら、最終節の対鳥栖戦は観られるかもしれない。フェルナンド・トーレスと夢生がいる鳥栖がJ1残留を賭けて鹿島と対戦するとなれば、話題性はたっぷりだから。
 ――ということで鳥栖さんの健闘を期待します。この期に及んでフィッカデンティを解任したりして、いささか先行きに不安はあるけれど。
(Oct. 20, 2018)

水原三星ブルーウィングス3-3鹿島アントラーズ

AFCチャンピオンズリーグ・準決勝/2018年10月24日(水)/日テレジータス

 あんまり褒められた試合じゃなかったけれど、結果オーライ。逆転をくらって一時は2点差をつけられるという厳しい試合をなんとかドローに持ち込み、鹿島が初のACL決勝へと駒を進めた。
 この日のスタメンはGKクォン、DF西、チョン、昌子、修斗、MF健斗、レオ・シルバ、土居、安西で、FWが優磨とセルジーニョ。なぜか遠藤がいなかった。前の試合で怪我でもしたか、累積警告かは知らない。
 試合はひとつ前のJ1での浦和戦と同じ展開。前半にSBのゴールで1点を先制するも、後半にばたばたと3点を奪われて、一時は絶体絶命かと思った。
 先制点は山本修斗のヘディング。セルジーニョの斜めからのFKに下がりながら身体を折るようにして上手くあわせた。
 後半の3失点は開始からわずか15分の出来事。高さを生かした攻撃を仕掛けてきた相手の圧力を止めきれずに、きわどいヘディング・シュートをクォンが止めたと思ったら、そのこぼれ球を決められて同点。そのわずか1分後に相手の左CKからヘディングを決められて逆転。そして最後はカウンターから、またもやダミヤノヴィッチにゴールを許して、あっという間に3失点のていたらく。
 2点目、3点目で得点者のマークについていたのは昌子だった。やっぱり故障明けで試合勘が足りていないんだろう。浦和戦といい、この試合といい、難敵相手の連戦でのスタメン復帰は難しかったように思う。まぁでも、ここで終わらないですんだので、結果的にこれらの苦戦がいいリハビリになっていればいいのだけれど。
 このまま悲惨な逆転負けを食らってしまうのか……と思われたピンチからチームを救ったのは西とセルジーニョの個人技だった。終盤の水原のディフェンスが比較的緩かったのに助けられた部分はあった気がするけれど、それでもシュート自体はどちらも見事なものだった。西は浦和戦につづいてDFらしからぬトリッキーなボール捌きをみせてくれたし、セルジーニョは一瞬のチャンスを見逃さず、利き足じゃない右足で豪快なシュートをゴールネットに突き刺してみせた。
 セルジーニョはこれでACLでは4試合連続ゴールですって。ジーコ、いい選手を連れてきてくれて本当にありがとう~。
 選手交替は1点差に追い上げたあとで、足を傷めた安西を永木に替え、同点後に土居→犬飼、セルジーニョ→小笠原と替えて守り切った。きょうの選手交替は納得の内容だった。
 ということで2試合合計でスコアが6-5という乱打戦を制して、アントラーズがどうにかこうにか決勝に駒を進めた。決勝戦はイランのペルセポリスという聞いたこともないクラブを相手に11月3日、10日の土曜日にホーム&アウェイでの2連戦とのこと。泣いても笑ってもあと2試合だ。
(Oct. 24, 2018)

湘南ベルマーレ1-0横浜F・マリノス

YBCルヴァンカップ・決勝/2018年10月27日(土)/埼玉スタジアム2002/フジテレビ

 大会史上初という神奈川ダービーとなったルヴァン杯の決勝。
 横浜のスタメンは鹿島戦とほぼ一緒。違いは遠藤渓太が怪我のため不在で、かわりにユン・イルロクという韓国人FWが入っていたところだけだと思う。
 対する湘南はというと、今期はJ2から昇格したばかりで、個人的にこのクラブの試合を観るのが3年ぶりとかなので、さすがに知らない選手ばかり。なじみがあるのはキャプテンマークを巻く梅崎司くらい。あと、GKの秋元はおととし1シーズンだけFC東京でゴールマウスを守っていたので、あ、そういえば……ってくらい。もうひとり、ベンチにはミキッチがいたけれど、この日は出番なし。
 ということで、タレント軍団のマリノスに対して、ほぼ無名(失礼)のベルマーレがどう立ち向かってゆくのかと思っていたら──。
 意外や、序盤から試合を支配したのはベルマーレだった。高めの位置からボールを奪って、ガンガンと攻め立て、積極的にシュートを打ってゆく。Jリーグの公式サイトのデータによると、パスの46%が縦方向だというからあっぱれだ(対するマリノスは35%)。縦に速くという姿勢がチームで一貫している証拠でしょう。
 そんな積極性が結果にコミット──湘南の親会社はライザップらしい──したのが、杉岡大暉による決勝ゴール。U-20の日本代表にも呼ばれている逸材らしいけれど、よもやこの大舞台で20歳のDFがあれほど素晴らしいミドル・シュートを決めようとは思わなかった。MVP文句なしのスーパーゴールでした。
 後半はマリノスも盛り返して、圧倒的に攻め立てたけれど、PKかというシーンを流されたりして、結局この1点に追いつけず。元旦の天皇杯につづき、この一年で二度目の準優勝に終わった。お気の毒さまです。
 湘南のタイトルはこれが24年ぶり(前回は94年の天皇杯)とのこと。湘南の監督になって7年目となるという曺貴裁チョウキジェ(あいかわらず彼が自分より年下という事実がしっくりこない)が自身初のカップ戦のタイトル獲得に、ピッチにつっぷしていたのが印象的だった。J2での優勝経験はあっても、やはりトップ・リーグでのタイトルは格別なんでしょうね。おめでとうございます。
 しかしまぁ、去年のセレッソにつづいて、J2から昇格したばかりのクラブが二年連続でカップ戦のタイトルを取っちゃうんだから、やはり昨今のJリーグって実力伯仲だよね。いいとも悪いともいえないけれど。
(Oct. 28, 2018)