鹿島アントラーズ0-0サガン鳥栖
J1・第34節/2018年12月1日(土)/カシマサッカースタジアム/NHK総合
第34節、今年最後のNHKのJ1放送はアントラーズ戦だった。
第32節に川崎の優勝が決まり──川崎、広島が両方とも負けての優勝決定ということで、なんとも締まらない優勝決定シーンになった──前節までに長崎と柏の自動降格も決まって、残すところはACL出場権を賭けた3位争いと、J1昇格プレーオフにまわる16位のチームがどこになるかという残留争いのみ。ということで、僕が期待したとおりに3位のアントラーズと15位の鳥栖との一戦が地上波で放送されました。ラッキー。
裏では鹿島とACL出場権を争う2位の広島と4位の札幌(なんと)の直接対決があったので、もしかしたらそっちに持ってかれちゃうかと思ったんだけれど、やはり3位争いよりも残留争いのほうがネームバリューが高いらしい。BSでの放送もその試合ではなく、残留争いをする湘南と名古屋の直接対決だった。
ということで、今年最後のリーグ戦で鹿島の先発メンバーは、GKクォン・スンテ、DF西、チョン・スンヒョン、昌子、山本、MF小笠原、永木、遠藤、安西、FWセルジーニョ、優磨という顔ぶれだった。途中出場は土居、レアンドロ、安部の3人。
中3日で翌週に行われる天皇杯・準決勝での浦和戦を見据えて、三竿、レオ・シルバ、安部裕葵といったレギュラー組を温存してきた。この試合、ACL出場権がかかっているとはいっても、J1の2位、3位のチームはプレーオフからの参加となるとのことで(あまりに日本が優勝から遠ざかっていたせいで出場枠を削られたらしい)、それだったら無条件にグループリーグ出場が認められる天皇杯優勝のほうが大事なのは当然だから、そこんところは致し方なし。
でもさすがに出場機会の少ない小笠原、永木、安西らで構成した中盤では、いまいち攻撃が活性化しない。相手はフィッカデンティ仕込みの堅守を誇る鳥栖だから、ツートップにほとんどボールが入らなかった(フィッカデンティのあとを引き継いだキン・ミョンヒという人は在日韓国人らしく、日本語がぺらぺらで驚いた)。
3位争いのライバルである広島と札幌がつぶしあっている関係で、鹿島はドローでも3位以内が決まりだったし、鳥栖にしても同じく湘南と名古屋の直接対決があるので、引き分ければ残留が決まるって状況だった。失点の少なさではリーグトップクラスの2チームがそんな状況で戦えば、無理はしなくなるのも道理。ということで、試合は最後まで膠着したまま、スコアレス・ドローに終わるという見所の少ない一戦になった。
でもまぁ、一年の最後に好きなクラブのサッカーが観られたってだけでも、十分に楽しかったです。
裏では広島と札幌が引き分けたので、結局最終順位は広島が2位、鹿島は3位で終了。鹿島が勝てば2位だったので、できれば勝ちたかったところだけれどねぇ。でもまぁ、首位・広島と勝ち点14も離されていたところから考えれば、よくぞまぁ、その広島と肩を並べるところまで追い上げたとも思う。まぁ、実際には広島が勝手に転げ落ちてきたんだけれども。首位・川崎とは勝ち点13も離されているわけで。終わってみれば、得点も失点もリーグ1という川崎の圧勝というシーズンだった。
鳥栖はフェルナンド・トーレスと金崎夢生のツートップを楽しみにしていたら、残念ながら夢生は怪我で欠場。それでも高橋秀人がいたり、小野裕二がいたりで、でもって守備はとても堅いし、なかなかいいチームだった。これくらいのチームでも残留争いに巻き込まれちゃうんだから、いまのJリーグってけっこうすごいよなと思う。
トーレスは結局今年は通算3ゴールしか決めてはいないけれど、攻守にわたってアグレッシヴにプレーしていて、とても存在感があった。彼が来てからは平均入場者数が5千人も増えているそうだし、クラブへの貢献度はそうとう高いんじゃないだろうか。中盤にいいパスが出せる優れた司令塔がいれば、もっと活躍できるんじゃないかと思う。来年は鳥栖がそこんところに手を入れるか注目だ。
鳥栖が自力で残留を決めて、湘南と名古屋が引き分けたので、J1昇格プレーオフは名古屋──かと思ったら。川崎に逆転負けを食らった磐田がその両チームに追い抜かれ、16位となってしまった(12位のマリノスから16位のジュビロまで5チームが横並びで勝ち点41ってのがすごい)。決勝点は後半ロスタイムのオウン・ゴールだって。そりゃまぁ、気の毒にもほどがある……。
得点王は名古屋のジョー。僕はまったく見る機会がなかったけれど、元ブラジル代表の肩書きは伊達じゃなかったらしい。でも得点王を擁していながら、残留争いをしちゃう名古屋ってのもどうなんだか。
ということで2018年のJ1はこれにて全日程終了。今年は年内(来週)に天皇杯の決勝があるし、そのあとクラブW杯にアントラーズが出場するので、まだまだ観るべき試合はあるけれど、それでもリーグ戦が終わっちゃうと一抹のさびしさが否めない。
あぁ、すでに来年の春が待ち遠しい……。
(Dec. 02, 2018)