日本3-2トルクメニスタン
アジアカップ・グループF/2019年1月9日(水)/アール・ナヒヤーン・スタジアム(アラブ首長国連邦・アブダビ)/BS1
さぁ、アジア最強の座をかけた四年に一度の大会、アジアカップが始まった。
でも中島翔哉がいない(泣)。
クラブで怪我をしたんだそうだ。かわりに乾が招集されたけれども、森保ジャパンは中島がいるのといないのでは、まったく違うチームになりそうで嫌だなぁ……と思っていれば、やはり緒戦の出来はいまいち。正直、前半を0-1で終わったときには負けるかと思ったよ。いやぁ、アジア杯っていつもこんなだよなぁ……。
今回は非常に故障者が多く、中島以外にも浅野、守田が離脱して、武藤よっちと塩谷が追加招集されている(塩谷、ひさしぶりだな~)。さらには遠藤航、青山らも体調不良でこの日は出られないという話だった。
ということでスタメンはGK権田、DF酒井(高徳が代表引退を宣言したから今回からは酒井といえば宏樹)、麻也、槙野、長友、MF柴崎、冨安、堂安、南野、原口、FW大迫というメンバー。
なんと冨安がボランチでの出場ときた。でもこの子はすごいなー。二十歳とは思えない堂々たるプレーぶり(ちょっとミスもあったけれど)。守備の子かと思っていたら、シュートもいいもの持っているし。とても自分の子と同い年とは思えない(見た目も)。五輪代表をすっとばして、あっという間にA代表に定着してしまいそう……というか、すでにはずしようがない印象あり。
試合は前半、5バックでしっかりと守ってきたトルクメニスタンに手を焼いて、ほとんどいいところがなかった。でもって相手の7番に豪快なミドル・シュートをくらって先制を許してしまう。
この失点は形が悪かった。こちらの攻めでなんかちょっとだけいい感じでボールがつながるようになったかな?――と思った瞬間に、堂安からの鋭いパスを柴崎が受けそこない、相手ボールにしてしまう。そこからの相手のカウンター、右サイドでのパス交換に様子見って体勢でいたら、ちょっと油断したすきに、どかーんと一発。すごいのをくらってしまった。
このシーンが顕著だったけれど、柴崎がやはり今回もいまいち。果敢に縦パスを通そうとするのはいいけれど、引っ掛けてばかり。ワンタッチの無難なバックパスが多かったし、守備でのミスも目立った。まぁ、何度か素晴らしいパスを通したシーンもあったから、大会期間中に試合勘を取り戻して、本来のプレーを見せてくれるといいなと思う。でもいまの調子だと、青山や遠藤が戻ってきたら、この先スタメンでどれだけチャンスがもらえるか、怪しい気がする。
さて、そんなわけで前半はあまりに不出来でどうなることかと思ったけれど、後半に入るとわずか15分で逆転してみせたのは立派。だてに優勝候補といわれちゃいないところを見せてくれた。
同点弾、逆転弾はどちらも大迫。1点目は原口が左サイドから入れたボールをゴール正面で受けて切り替えし、見事なタッチでシュートへと持っていった。2点目は長友がゴール近くで相手の連携ミスをついて、ちょこんと蹴り出した先にフリーで詰めていた。
前半は中盤まで下がってボールを受けるシーンが目について、ほんとにFWかって感じだったけれど、後半はしっかりFWらしい仕事をしてみせてくれた。いまだに大迫が日本代表のエースだといわれてもぴんとこないんだけれど、大事な緒戦で2ゴールの活躍はお見事でした。
そのあと堂安にもゴールが生まれて、これで楽勝~かと思ったら、終盤にまたもやミスで招いたピンチからPKを与えてしまい、1点差に追い上げられて、最後の10分くらいはひやひやの展開。なんとかそのまま逃げ切れてよかった。
柴崎もいまいちだったけれど、南野にまったく存在感がなかったのも気がかり。中島がいない大会だからこそ、南野には俺がエースだって活躍を期待しているんだけどな。まぁ、まだ最低でもあと3試合はあるはずだから、徐々に調子を上げれくれればと思う。
トルクメニスタンはまったくなじみのない国ながら、イラン、アフガン、ウズベキスタンやカザフスタンと隣接した国とのことで、出来は意外と悪くなかった(少なくても前半は)。数こそ多くなかったけれど、シュート・シーンの迫力では日本を上回っていた気がする。このグループでいちばん弱いのがこの国だとしたら、この先も楽観はできなさそうだなぁ……。前回王者のオーストラリアも黒星発進だそうだし、やっぱアジアも年々、実力差が狭まってきているのを実感する。
そういや、大会とは関係ないけれど、試合の前日に楢崎と中澤があいついで引退を発表した。小笠原や川口につづいて日本代表のレジェンドたちが次々と去ってゆく一方で、堂安や富安ら、若い選手たちが台頭してくる状況には、否応なく時代の変化を感じる。
(Jan. 09, 2019)