コンフェッション
ジョージ・クルーニー監督/サム・ロックウェル、ドリュー・バリモア/2002年/アメリカ/CS録画
ジョージ・クルーニーの初監督作品だってんで観ることにしたこの作品。それ以外の情報は、録画する際に仕入れたサム・ロックウェルとドリュー・バリモアが出ているってことだけしか知らなかったので、いざ観てみれば、ジュリア・ロバーツは出てるは、マギー・ギレンホールは出てるは、ブラッド・ピットやマット・デイモンがちょい役で出てるはと、やたらと豪華な出演陣にびっくり。
でも、なによりもびっくりしたのは、観終わったあとでウィキペディアやらなにやらで調べてみて、この映画の主人公チャック・バリスが実在の人物で、これがその人の自伝をもとにして撮られているとわかったとき。ええ~、これって実話なんですか? マジ?
なんたってこれは大ヒットしたバラエティ番組のプロデューサー(兼司会者)が、裏ではCIAの殺し屋をやっていたという話なわけだ。日本でたとえれば、みのもんたやタモリがじつは政府の暗殺者でした、ってようなもんで。あり得ないだろー、そんな話。
──ということで、さすがにその自伝というのはかなり眉唾もので、CIAはチャック・バリス氏の告白を全面的に否定しているらしい。まあ、そうだよなぁ。仮に真実だとしても、真実だとはいえなかろう。
なんにしろ、この映画はそういういかがわしい自伝をもとにした、いかがわしい映画なわけだ(エロなセリフもやたらと多い)。原作がノンフィクションだってんで、関係者のインタビュー映像をインサートしたりして、それっぽさを出してはいるけれど、そういう映像にかぎってエフェクトがかかっていたりするし。つまりわざとホントか嘘かわからなくなるような演出がほどこしてある。
映像や演出もこの手の映画にしては妙に凝っているし、虚実ないまぜの玉虫色な物語だけに、玉虫色の映画に仕上げてみました、という感じ。ジョージ・クルーニー、初監督作品にして堂々たる仕事ぶりだと思う。まあ、ちょっとやりすぎって感がなくもないけれど。
(Jul 23, 2010)
(追記)この映画の脚本はなんと、チャーリー・カウフマンじゃないですか! 言われてみればまさにって内容で、そういや観ているあいだにも「なんかカウフマンっぽい映画だなぁ」と思ったような、思わなかったような……。なんにしろ、そうとも知らずに観ていたとは、不覚もいいところだった。