ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!
ニック・パーク、スティーヴ・ボックス監督/2005年/イギリス/レンタルDVD(吹替)
この映画、アカデミー賞をとった当時から、うちの妻子には「ウサギが可愛い~」と評判で──僕としては「そうかぁ?」って感じだけれど──、長いこと、わが家の観たい映画ベスト10に入っていた。でも、なかなかテレビでは放送されず。いや、もしかしたら民放や有料放送では放送されたのかもしれないけれど、あいにく僕は知らず。今回レンタルでようやく観てみれば、すでに公開から5年も過ぎていた。あらら。まさかそんなにたってしまっていたとは思わなかった。なんか、こういう思わぬ時間の流れの速さにも、自分の年齢を感じる今日このごろだったりする。
なんにしろ、この映画はうちの妻子──というか、正確にはうちの奥さん?──にとっての待望の一作。物語としてはたわいのない話なので、僕自身は特別に気に入ったってこともなかったけれど、でも冷静に考えてみると、1時間半ものクレイ・アニメーションって、それだけでもうすごいことだよなと思う。
そういや、僕は観ているあいだ、これがクレイ・アニメーションだってことをあまり意識していなかった気がする。ウサギが吸引機のなかでぷかぷか浮いているシーンとか、よく考えてみるとすごいよな。風景とかも隅々まできっちり作りこまれているし、あんなに高品質でこの長さのクレイ・アニメーションを作るのにどれくらい労力を要するものか、想像してみてもちょっと見当がつかない。おそらく並大抵の時間じゃ済まないだろう。
それほどまでの労力をつぎ込み、なおかつこれほどまでにたわいのない映画を作ってみせたその情熱には敬意を表したい。ニック・パークに幸あれ。
(Sep 21, 2010)