パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
ロブ・マーシャル監督/ジョニー・デップ、ペネロペ・クルス/2011年/アメリカ/WOWOW録画
気がつけば、去年は最後の3ヶ月、一本の映画も観ずに終わってしまったので、心機一転、今年はせめて週一くらいで意識的に観ることにしたいとの決意も新たに、正月休みに一本目として選んだのがこれ──ってのが、われながらどうかと思う。うーむ。
僕は別にこのシリーズのファンってほどではないんだけれど、惰性でなんとなくこれまでの三部作はDVDを持っていたりする。でも、自分でもなんで持ってんだろうと思ってしまうくらい、ホントに惰性で買ったものだから(いまの懐具合だったらば、絶対に買ってない)、仕切り直しての再出発となるこの四作目にはあまり興味が持てないでいた。
でも、前作につづきキース・リチャーズが出ているというし、ヒロインはペネロペ・クルスだしなぁ、観ないで済ますのもなんだから、まぁ、機会があったらば観ておこう……くらいのつもりでいたので、あまりヘビーな映画を観る気にもなれない正月休みのだらだら気分にはちょうどいいんじゃないかと思ったんだったが。
これがどうにもつまらない。どっかで観たようなエピソードのオンパレードで、物語としての新鮮味がまったくない。冒頭の投網にひっかかった死体がしゃべったシーンとか、結局ふり返ってみても意味がまるでわからないし、そのあとのジャック・スパロウの初登場シーンとなる裁判での茶番もなんだそりゃって感じだし。ジョニー・デップの珍妙な演技にも飽きがきている。キースも前回と違って、ギターを弾いたりしていないので、言われなかったら、誰だかわからないような役回りで、いまいちおもしろくない(まぁ、キースが普通に演技しているのが見所って見方はあるのかもしれない)。
ジャックが昔の情事をほのめかしてペネロペ・クルスと繰り広げる会話のきわどさとか、凶暴な人魚というコンセプトとか、悪くない部分もあるんだけれど──そういや、あの人魚と牧師の話はどう決着したんだか──、全体としては金にものを言わせて飾り立てただけの、平凡な出来の娯楽作という感じ。キースとペネロペ・クルスが出てこなかったら、この次はもう、よほどひまじゃないと観ないでいいと思う。というか、できればふたりとも、もう出ないで欲しい。
(Jan 06, 2013)