アメイジング・スパイダーマン2
マーク・ウェブ監督/アンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーン、ジェイミー・フォックス/アメリカ/2014年/WOWOW録画
マーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演の新スパイダーマン・シリーズの第二弾──にして、なんだかよくわからないけれど、契約の都合上、このシリーズはこれにて打ち切りになったという噂の一編。
まぁ、最後のほうに第三作への伏線らしきシーンがあったりはするものの、その一方でシリーズ中もっとも重要なエピソードが、おいおいマジかぁ?──と思ってしまうような意表をついた(そして残念無念な)展開で終わりを遂げているので──ウィキを見たら原作がそういう話のようなので、原作を知っている人にとっては意外でもなんでもなかったのかもしれないけど──、ある意味、ここで終わっても問題ないよなと思ってしまう。これはそういう不幸中の幸い的な作品。
シリーズが完結したという前提でサム・ライミ版と比較するならば、やはり僕はどちらかというとこちらのほうが好きな気がする(旧シリーズの印象が薄くなっているせいもあると思うけれど)。アンドリュー・ガーフィールドとエマ・ストーンの主演カップルがとてもお似合いで、恋ありアクションありの青春映画として、少年マンガ的な感覚でとても楽しめた。演出もマーク・ウェブのほうがテンポがよくて、しっくりくる感じ。
ただ、対決する敵役の魅力という点ではちょっと分が悪いかなと思う。前作のトカゲ男にしろ、今回の電気男にしろ、僕にはちょっと設定が強引で、ありきたりすぎるように思えた。ヒーローものでは悪者も重要なので、その点は旧作のほうが魅力があった気がする(2作目のタコみたいなやつがすごく印象に残っている)。
今回ジェイミー・フォックスが演じるエレクトロは、造形的な面白さが少ない上に、ちょっと能力が破格すぎるのが難点。消えたり出たり、空を飛んだりって、もう無敵じゃん。あんな力の持ち主が相手では、誰であれ、そう簡単に勝てるとは思えない(とうぜん勝っちゃうんだが)。そのせいであまり戦闘シーンに説得力がなくて、いまいち盛りあがりきれなかった(スパイダーマンのスーツがゴムだから電気を通さないんだって説明には笑ったけど。ワンピースのルフィとエネルかい)。
観終わったあとでキャスティングを見て、おぉっと思ったのが、ライノ(サイのロボットみたいなやつ)に乗り込んだ悪党役がポール・ジアマッティだったこと。不覚にもぜんぜん気がつきませんでした。最近どうしてるのかなと思ったら、こんなところにチョイ役で出演していたとは。とりあえず、お元気そうでなにより。
(Jun 07, 2015)