ファンタスティック・フォー
ジョシュ・トランク監督/マイルズ・テラー、マイケル・B・ジョーダン、ケイト・マーラ/2015年/アメリカ/WOWOW録画
新年一発目に観た映画がこれってのはちょっとどうかと思う。後悔先に立たず。
そもそもこの映画、僕は前回の映画化がいまいちだったことに対して、マーベルが「オレたちが作ればこんなにおもしろくなるんだぜっ」って作った作品だと思い込んでいたんだけれど、これが間違い。製作はふたたび20世紀フォックスだった。それでいて出来映えは前回より劣るという。
なぜにフォックスがリメイクしてまでこんな作品を作ろうと思ったのか、さっぱりわからない。CGこそ前作よりグレードアップしているんだろうけれど──とはいっても、前作も映像的にはけっこうすごかった記憶がある──、それ以外の点ではよくなったといえるところがこれといって見当たらないんだから。
キャスティングもこれといって魅力的とは思えなかったし、物語的にも平凡すぎる。前作はかなり能天気なイメージだったのに対して、今回は笑えるところほとんどがない分、なおさら救われない気がする。
手足が伸びたり、全身火だるまだったり、透明になったり、岩男だったりって。いい大人がそんな話をしかつめらしくやっちゃいかんでしょう。
僕はキャスティングいまいちとか思ったけれど、調べてみれば、主役のマイルズ・テラーは『セッション』の主役の彼だし(なんと。まったく気づかず)、ヒューマン・トーチ役は『クリード』でロッキーの後継者を演じたという黒人青年、紅一点のケイト・マーラはこの翌日に観た『ザ・シューター/極大射程』のヒロインだった。
要するに僕が知らなかっただけで、キャスティング自体は決して悪くないわけだ。それでいてこの出来ってのはもうなにをいわんや。
ふだんあまり映画を悪くいわないうちの奥さんが、観終わるなり「これって評判悪くない?」と聞いたくらいの残念な出来映え。調べてみたら、IMDbでの評価は4.3だった。そんな低い数字、最近ほかで見た記憶ないよ?
まぁ、史上最低というほどにひどいとは思わないけれど、それでもワースト・グループ入りは確実という一本だった。
(Jan 21, 2017)