スリーパー
ウディ・アレン監督/ウディ・アレン、ダイアン・キートン/1973年/アメリカ/DVD
ウディ・アレン演じる主人公が200年後の未来に冷蔵睡眠から覚めて、さまがわりした世界で大騒ぎを巻き起こすというドタバタSFコメディ。
このごろはウディ・アレン作品のうち、観たことのない作品を新旧かわりばんこに観ることにしているのだけれど、こういう初期の作品って、コメディ・タッチがあからさますぎて、いまとなってはいささかつらいものがある。ウディ・アレンがロボットに変装したり、空を飛んだり、風船スーツで水上を爆走したり、巨大バナナを食べたり。なんやかやといちいちB級すぎて、苦笑せざるを得ないってタイプの作品。
でもまぁ、ダイアン・キートンがウディ・アレン監督作品で初めてヒロインをつとめているという点では、それなりに大事な作品なのかもしれません。
それにウディ・アレンって音楽(ジャズ)の使い方が上手いので、どんなに馬鹿バカしい内容でも、観ているうちになんとなくこれはこれでありかなと思わせられてしまうところがある。これまでにも何度も思ったことだけれど、これなんかとくにそう。どれだけ音楽に救われているかわからない。
しかもこの映画の音楽はウディ・アレン自身のクレジットで、演奏しているのはニューオーリンズの伝統工芸的な名物バンド、プリザベーション・ホール・ジャズ・バンド。たまたまこの映画を観た直後に彼らの来日公演があることがわかったので、これもなにかの縁だろうってことで、ビルボードライヴ東京まで観に行ってきた。なかなかいいライヴでした。
(Aug 21, 2017)