シング・ストリート 未来へのうた
ジョン・カーニー監督/フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、ルーシー・ボイントン/2016年/アイルランド、イギリス、アメリカ/WOWOW録画
観たのは一ヶ月以上前なんだけれど、なぜだか感想を書くのを忘れていました。80年代の高校生が年上の女の子の気を惹きたくてロック・バンドを始めるという思春期フェロモンあふれまくりの青春映画。監督は『はじまりのうた』のジョン・カーニー。
これはそのまま観てもふつうに楽しめる青春映画だと思う。でもおそらくこの映画をもっとも笑って楽しめるのは、僕らと同世代のロック・ファンでしょう。特にUKのロックが好きな人。でもって80年代に青春期を過ごした人。
この映画の笑いどころは、主人公がその時々にヒットしている──もしくはちまたで評判となっている──アーティストに影響を受けて、次々とその音楽性とファッションを変えてゆくところ。最初はデュラン・デュランからスタートしたのに──違いましたっけ? 一ヶ月近くたってんで記憶があいまい──、途中でキュアーを知っていきなりロバート・スミスっぽくなったのに僕は大笑いした。そのあと、ホール&オーツへ行っちゃったりするし。主人公、節操なさすぎ。でも、それゆえに笑える。
僕らの恥ずかしき青春時代(二度と繰り返したくない)が臆面もなくノスタルジックにフィクション化されているのがこの映画のいいところ。ベタで赤面ものだけれど、それゆえに憎めない良作。
(Nov 12, 2017)