グリーンブック
ピーター・ファレリー監督/ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ/2018年/アメリカ/WOWOW録画
去年のアカデミー賞受賞作。
黒人ミュージシャンの運転手を務める白人の話だというので、『ドライビング Miss デイジー』のネガポジ逆転バージョンみたいな?――と思っていたら、あたらずとも遠からず。主人公がマッチョなイタリア系の白人で、乗っける相手が博士号を持つエリート黒人音楽家だから、通常の白人・黒人の関係が逆転しているところがミソな、あまりべたべたしていないところが魅力の人情話だった。
この映画はキャスティングとスタッフに意外性があった。
主演のトニーを演じるのはヴィゴ・モーテンセン。僕が知っているところでは『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役の人。えっ、あのヒーローがここでは腹の出た中年親父かいっ!――って驚いた(いい人だけど)。
あと、監督のピーター・ファレリーが以前はファレリー兄弟として知られていた兄のほうと聞いてびっくり。だってあれだ、ファレリー兄弟といえば、『メリーに首ったけ』とかのお下劣なコメディで有名だった人たちだよね?
その兄がいまやオスカー受賞者――しかも最優秀作品賞の――とは……。
世の中わかんないもんですねぇって思わされた良作。
とにかく主人公のさばさばした性格もあって、観ていてとても気持ちのいい作品だった。感触的には『ドライビング Miss デイジー』よりも、去年観た『最強のふたり』に近いと思った。そういや、実話をベースにした白人と黒人の友情の物語ってところがもろ同じだ。あの映画が好きな人は必見。
(Feb. 25, 2020)