3121
Prince / 2006 / CD
ここへ来てプリンスは第二の黄金期を迎えたらしく、このアルバムは『Batman』以来というビルボードの第一位を獲得したという。しかも初登場第一位とのことで、そんなのはプリンス自身にとっても初だとか。まさに絶好調。考えてみれば80年代に最先端だった彼の音楽スタイルは、いまやブリットニー・スピアーズあたりにまで影響を与え、チャートのメインストリームを席巻している。その本家の彼がいまなおこれくらい質の高い音楽を作れれば、売れるのもあたり前だ。こういう人がいい仕事をして、ちゃんと世間から認められてるシーンは健全なのだろう。いいことだと思う。
これに負けずに世間的には好評だった印象がある前作『Musicology』は、僕個人としてはいまひとつだったのだけれど、今回のこのアルバムはとても好きだ。基本的なコンセプトは変わっていないと思うのに、どうしてこうも印象が違うのかと不思議なくらい。とにかく今度のやつは文句なしに気持ちいい。先行シングルの『Te Amo Corazon』が、僕としては苦手なタイプのマイナー調のしっとりとしたバラードだったのでちょっと心配していたのだけれど、そんな心配は余計だった。ここにある音楽は本当に豊かだ。プリンス健在。これをくりかえし聴きつつ、4年ぶりの来日公演の実現を楽しみに待ちたい。
(Apr 16, 2006)