新しい季節へキミと
エレファントカシマシ / 2008 / CD+DVD
前作につづいて亀田誠治をプロデューサーに迎えてのエレカシの最新シングル。
亀田師匠がエレカシを手がけると、不思議と音がきらびやかな方向へ向かうようで、今回もイントロのキラキラとしたギターとストリングスが印象的な、ハードさよりも軽快さや華やかさがめだつ楽曲となっている。僕としては亀田師匠には、ときおり椎名林檎でやってみせるように、もっとグランジ系のアプローチでもって、とんがったエレカシを演出してみせてくれやしないかと期待しているので、こういう方向の仕事ばかりがつづくのは、やや残念なところだ。
まあ、宮本の伸びやかなボーカルは今回も気持ちがいいし、楽曲自体も疾走感があってなかなかだとは思う。けれど、やみくもにポジティブな歌詞は 『桜の花~』 同様、あいかわらず付け焼刃な印象を否めなくて、僕はほとんど共感できない。僕個人はこういうエレカシには、どうしても入れ込めないのだった。だから盛りあがりはいまひとつ。
まあ、ただその分、バランスをとったかのように、カップリングの 『It's my life』 では、昔ながらの武骨な宮本節が炸裂しているし、ボーナスDVDでは今年の野音のステージが45分間も見られるのが、ファンとしては嬉しいところ。DVDの選曲が、この夏の各種イベントを思い出させるセットリストになっているのも一興だった。
(Oct 25, 2008)