大地のシンフォニー/約束
エレファントカシマシ / CD / 2012
『大地のシンフォニー』というタイトルを聞いた瞬間に、あ、こりゃおそらく好きになれないなと、聴く前から引いてしまっていて――うちの娘(中二)からも「カッコつけた感じ」と一刀両断されていた――、いざ初めてラジオかなんかで聴いたときにも、やはりこういう路線か~、こりゃ関係ないなと思ってしまったんだったが。
いざCDを入手して、じっくりと聴いてみたら、これが思ったほど悪くなかった。少なくてもその音作りの方向性には好感が持てた。
楽曲自体はユニバーサル移籍後の大衆路線そのままだけれど、このシングルではそれをフォー・ピース・バンドとしての自然体で鳴らしている。蔦谷くんや亀田師匠の助けを借りて、ストリングスをフィーチャーしたりすれば、もっと感動的でドラマチックな曲になるだろうところを、あえてそうせず、四人だけで鳴らしてみせる。それも、けっこうクラシックっぽいテイストのあるバンド・アレンジで。
いまのエレカシは四人だけでもこういう曲がこんな風に堂々と鳴らせるんだぜって。そのことが僕をけっこう感動させた。2曲とも歌詞という点ではいまひとつ心に引っかかり切らないものがあるんだけれど、それでもトータルでは、これはこれでありだと思った。
(May 20, 2012)