Heads Up
Warpaint / CD / 2016
いま現在、僕がいちばん好きな女の子バンド、ウォーペイントのサード・アルバム。
先行シングルの『New Song』を聴いたときには、なんだかイントロでシンセが鳴っている風のダンサブルなそのナンバーに、あれ、彼女たちも変わっちゃったかなと不安を覚えたりしたのだけれど、いやいや、なんのなんの。
アルバムを通して聴いてみたら、そのクールなバンド・サウンドは健在。確かに以前よりもダンサブルにはなったけれど、それで魅力が損なわれるどころか、かえってカッコよくなっている。
最初に疑問をおぼえた『New Song』も、ちゃんと聴けばそのイントロで鳴っているのはシンセではなく、どうやらエフェクトの強くかかったコーラスみたいだし(つまり人の声)。いや、シンセも鳴っているのかもしれないけど、そこにコーラスがかぶさることで、ひと味違った感触が生まれている。ちゃんと聴けば、これはこれでとてもカッコいい。まったく俺はなにを聴いていたんだろう。
たぶんベーシストのジェニーリーのソロ活動(残念ながら僕はちゃんとフォローできていません)がいいほうに機能したんだろう。彼女のベースがぐいぐいバンドを引っぱっている感じで、前よりだんぜんグルーヴが豊か。ギター・オリエンテッドな4ピース・バンドとしての個性はそのままに、(ちょっぴり)キャッチーでダンサブルになった、とてもいい作品だと思う。
いまや時代はすっかりラップやヒップホップ中心って感じになってしまったけれど、それでもやっぱり俺はこういうロックが──暗めのギター・サウンドが──好きなんだよなぁって。そんな自分の趣味を再確認させてくれた、とても気持ちのいい一枚。
(Oct 15, 2016)