Foreign Tongues
The Rolling Stones / 2026
キースが次のアルバムも出すと言っていたのを信じずに、前作『Hackney Diamonds』がストーンズのラスト・アルバムになるんだろうと思った僕が馬鹿でした。公約通りに登場した、ローリング・ストーンズ、三年ぶりのニューアルバム。
それにしてもなんなんだろう、
今作のさらなる驚きは、思いもしないゲストミュージシャンの参加。
だって、ロバート・スミスですよ?
最初にその名前を聞いたときには耳を疑った。えーマジ? ストーンズとキュアーのどこに接点が?
プロデューサーのアンドリュー・ワッツがこのアルムのレコーディング中に、ロバート・スミスを別件でスタジオに招いたのがきっかけだったらしいけれど、それにしたって、まさかこの両者の交わる日がくるとは思ってもみなかった。
去年RADWIMPSのトリビュート盤に宮本浩次とずとまよが参加したのにもびっくりしたけれど、今回のこの共演にも同様の嬉しい驚きがあった。自分にとっての最重要アーティストどうしの予想だにしなかったコラボはファン冥利に尽きる。こんなもの聴かせてくれるなんて、音楽の神様って、本当に俺に優しいよねぇ……。
ロバート・スミスは五曲目の『Divine Intervention』と七曲目『Never Wanna Lose You』の二曲に参加していて、前者ではエレクトリック・ギターを、後者ではバッキング・ボーカルを務め、シンセサイザーを弾いているらしい。どちらも特に目立っているわけではないので、いわれてもわからないレベルだけれど、じっくりと聴くと、あ、なるほどこの辺のストーンズっぽくないギターがロバート・スミスかもとか、あー、確かにこのサビのコーラスの声は! とか思えてくる。
ロバート・スミスが参加しているその二曲では、スティーヴ・ウィンウッドがピアノを弾いていたりもする(一緒に演奏したわけではないんだろうけど)。後者にはブルーノ・マーズも参加しているらしい(なぜかカウベルで)。
ウィンウッドさんはそのほかも含めて計九曲に参加して、今作では大車輪の活躍をみせている。あと、前作につづいてチャーリー・ワッツのクレジットがあったり、ポール・マッカートニーがベースを弾いている曲があったりもする。
エイミー・ワインハウスのカバーが収録されているのもなぜ?って感じだけれど、この曲はイントロにブルースハープをあしらったアレンジもあいまって、見事なストーンズ印に仕上がっていて、聴いてみてなるほどと思った。
最後の曲が前作の『Rolling Stone Blues』と同じように、ミニマムな編成でのチャック・ベリーのカバーだったから、きっとこれは最後をストーンズのオリジナル・メンバーだけの演奏で締めようとしているんだろうと思ったら、とくにそんな意図はないらしく。クレジットを確認したら、「チャド・スミス:ベース・ドラム」という記載があった。
誰かと思ったら、レッチリのドラムの人じゃん! これまた意外な。
キュアーやレッチリといった、これまでストーンズとの縁をほとんど感じさせたことのないバンドのメンバーをサポートに加えておきながら、出てきた音楽はまったくぶれることのないストーンズ・サウンドに仕上がっている。誰とやったって、俺たちの音楽は変わらないぜって。そんな矜持を感じる。
老いてなお衰えを知らぬストーンズのロックンロールの強靭さを改めて世間に知らしめた会心の一枚。
(Sep. 20, 2026)
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