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2026-10-14本『シャイニング』 New!
2026-10-12蹴J1 第9節・鹿島-G大阪
2026-10-09本『サリンジャー初期短篇全集』
2026-10-04映『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』
2026-09-30映『チェンソーマン レゼ篇』
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シャイニング

スティーヴン・キング/深町眞理子・訳/文春文庫(全二巻)

シャイニング 上 (文春文庫) シャイニング 下 (文春文庫)

 映画を観て、これは原作も読んだほうがよかろうと思ってから早十数年。ようやく読みました、スティーヴン・キングの原作。これがデビュー第三作目とのこと。

 映画を観たのが昔のこと過ぎて、すでにきちんとした比較はできないけれど、それでも物語としての印象だけでいえば、そんなに違わなかった。冬のあいだ雪に閉ざされる豪華ホテルの管理を任された一家の親子三人が、正気を失った父親の暴走により悲劇を迎えるという話。

 ただ、この小説ではその日に至るまでに彼らを襲う不気味な出来事の数々が、三人ぞれぞれの立場から綿密な筆致で描かれてゆく。映画ではとても印象的だった双子の少女とかは出てこない。かわりにそのホテルに人知を超えたなんらかが潜んでいるらしいことが、いくつもの事件を積み重ねて強調されてゆく。そして訪れるXデイ……。

 映画ではいわくありげなホテルに閉じ込められたことが原因でジャック・ニコルソンが勝手に発狂してしまった、みたいなイメージを持っていたのだけれど、じつはそうじゃなかったのかもしれないって、この原作を読んで思った。

 だって、この小説での彼は、なにかに干渉されまくったあげく、最後は憑依されるような形で正気を逸している。

 とにかく人ではないなにかの存在が、この小説ではつねに物語の背後に潜んでいる。少年も特別な力を持っているからこそ苦しめられている。そうした人知を超えたものの存在感の大きさが、映画とこの原作のいちばんの違いだと思った。

 それをぼやかしたことで、映画は文学的ともいえる狂気を感じさせる作品に仕上がっていた気がするけれど、でもこの小説で描かれる不条理で圧倒的な悪意みたいなものこそ、スティーヴン・キングが生涯をかけて描いてきているもののように思われるので、そこをごまかされれば、作者としてもおもしろくないだろうなと思った。重要キャラの運命も勝手に変えてしまっているわけだしねぇ……。

 とはいえ、どちらがいいかと問われると困る。どちらにも違った魅力がある。作品。

 ただ、この小説に関しては、タイトルの『シャイニング』が、翻訳では“かがやき”と訳されているのには、申し訳ないけれど笑ってしまった。最初にその言葉が出てくるときのセリフが、「なあ坊や、おまえさん、かがやいてるな」ですからね(上巻P.156)。そこだけはちょっとくすりとしてしまった。

 いまなら「シャイニング」ってルビを振るなり、「かがやき」をルビにするなりって手法がとられそうなところだけれど、さすがにいまから四十年前の翻訳だけあって、そういうところはさすがに古びている感がある。これって誤植ではないの? って辞書を引いた個所もいくつかあった。

 まぁ、それでも内容的には問題なし。スティーヴン・キングという作家の筆圧の高い文章で描き出される雪に閉ざされた異形の世界はとても読みごたえがあった。

 これ一冊で、僕の中でひそかなスティーヴン・キング・ブームが巻き起こっている。

(Oct. 12, 2026)

鹿島アントラーズ2-0ガンバ大阪

J1・第9節/2026年10月9日(金)19:00/メルカリスタジアム/DAZN

 あいだに代表戦を4試合もはさんだので、およそ3週間ぶりとなったJリーグ。

 ガンバ大阪をホームに迎えてのこの一戦。なんといっても最大のトピックは鈴木優磨の今季初ゴール! それもレオ・セアラとの両エースによるアベック・ゴール!

 守っても5試合ぶりのクリーンシートだったし、最高の形でリーグの再開を迎えることができてなによりだった。

 スタメンは、GK早川、DF広瀬、植田、キム・テヒョン、小川、MF三竿、柴崎、松村、吉田湊海、FW優磨、レオ・セアラの11人。

 4戦連続勝ち星なしという状況での大事なこの一戦に吉田湊海がスタメン出場!――というのでまず、おーっと思った。

 でもってこの吉田の出来がいい。これまでのスタメン出場とは段違いによかった。きょうに限っては、だてにチャヴリッチ、エウベル、徳田という先輩たちにベンチを温めさせてるわけじゃないなって思わせるプレーを見せてくれていた。

 そんな好プレーが結果に結実したのが、前半36分の先制ゴール!――と思ったら。

 VARが介入してオンフィールドレビューが行われた結果、御厨主審がファールの判定を下してノーゴール……。

 確かに吉田が左腕でGK一森を押していたけれどさ。あれくらいの接触は今年のジャッジ基準からすればOKじゃん? フィールド・プレーヤーどうしのファールには甘いのに、相手がGKになったとたんに判定が厳しくなるのは納得がゆかない。

 なんにしろ、この判定により吉田のJ初ゴールはおあずけとなった。

 鹿島に先制点が生まれたのは、そのジャッジのため、6分もあった前半のアディショナル・タイムがそろそろ終わろうというころ。右サイドの広瀬があげたクロスがレオ・セアラの頭にどんぴしゃ! 見事なクロスと圧巻のヘディング。あの位置で広瀬にどフリーでクロスをあげさせたガンバの自業自得という気もした。

 後半に生まれた優磨のゴールはキックオフから15分後。後半は左MFへとポジションを変えていた優磨が、セットプレーの流れから、三竿の落としたショートパスにダイレクトであわせて、ボールをゴールへと流し込んだ。

 あれだけゴールに嫌われていた優磨のシュートが、このときばかりはシュートコースにDF二枚とGKがいたのに、全員をすり抜けて決まるんだから、やっぱ決まるときは決まるもんだよなぁって思った。

 まあなんにしろ、遅ればせながらでもエースの初得点はめでたい。試合後のヒーローインタビューではレオ・セアラに10点差をつけられているから早く追いつかないと、みたいな頼もしいコメントも聞かせてくれていた。そのユーモアのセンスもあっぱれ。有言実行に期待している。

 鹿島の途中出場は、津久井&チャヴリッチ、マテウス・ブエノ&林、徳田の5人。そういや、マテウス・ブエノがスタメンを外れたのは開幕以来初だったので、その点でもおっと思った。まぁ、次節のACLに向けて温存したのかもしれない。

 対するガンバは今期から明神が監督となって、ここまでわずか1勝で降格圏内の18位という苦しい状況にあえいでいる。

 でも、ひさしぶりに観た宇佐美はあいかわらずうまいし――前半のロスタイムにバーをたたいたシュートが決まっていたら、試合はまた違った展開になっていたかも――チームとしての守備意識も高くて、決して出来が悪い感じでもなかった。

 とはいえ、この世界は結果がすべてだからなぁ。先週はヴェルディの城福監督が成績不振の責任を問われて解任されてしまったし、明神がそのあとを追わないで済むといいなと思っている。

 そのほか、ファン・アラーノは去年いっぱいで退団していて、スタメンの外国人はウェルトンというブラジル人ひとりきりだった。ワントップは宮崎から加入したばかりの土信田(としだ)という27歳の選手。この日は特にめだってなkったけれど、ジェバリやヒュメットにベンチを温めさせているのだから、きっといい選手なんだろう。

 あと、宇佐美のプレーを観ていて、なんかヤットっぽくない?――とか思ったら、ガンバのベンチにはその遠藤保仁がいた。すでに2024年には戻ってきていて、この夏からヘッドコーチを務めてんのね(まぁ、だから宇佐美がヤットに似たってことはないんだろうけど)。明神がだめだったら、次はヤットって可能性もあるんだろうな。それはそれで楽しそうだけれど、当面は明神にがんばってもらいたい。

 なんにせよ5試合ぶりの勝利の味は格別だった。ここからの一ヶ月は毎週2試合ずつの過密日程がつづくので、この勢いを大事にして欲しい。

(Oct. 11, 2026)

サリンジャー初期短篇全集

J・D・サリンジャー/柴田元幸・訳/河出書房新社

サリンジャー初期短篇全集

 夏休みにこの本を読み始めてすぐ読書欲がいちじるしく衰えてしまい、なかなか回復しなかった。最初の一ヶ月は週に一、二話しか読んでない。半月くらい一ページも読まずに放置してあったりもした。

 このままじゃいかんと毎日読む生活に戻ってからも、なかなか調子が上がなかった。最初のうちは一日一話か二話読んでおしまい。そんな調子で大苦戦しながら、結局一ヶ月半以上かけてなんとか読み終きったサリンジャーの短編集。トランスレイテッド・バイ・柴田元幸。

 『ナイン・ストーリーズ』以前の「全作品」をまとめたものとのことで、さすがに習作っぽい作品もあって、その辺も読書がはかどらなかった要因のひとつ。やっぱ読書力が下がっている時期には、作者の試行錯誤が透けて見える短編集は向かない。

 でもまぁ、その後に『ライ麦畑でつかまえて』にまんま組み込まれた短編があったり、ホールデンの兄が戦地で行方不明になった弟(つまり『ライ麦畑』のあとのホールデン)について思いをはせる短編があったり、その後のサリンジャーを語る上では見逃せない短編もちらほら。戦争にまつわる物語が多いのも意外だった。

 サリンジャーが生きた時代――第二次世界大戦がはじまった年のはじめに二十になっている――を考えれば、意外でもなんでもないのかもしれないけれど、僕のなかではサリンジャーと戦争って、これまでまったく結びついていなかった。あまり戦争ものが好きじゃないのも、手こずった一因だった気がする。

 なかでは収録作のなかでダントツのボリュームを誇る中編『転倒した森』がいちばん好きだった。それがもっとも正統的なスタイルで書かれた、この本に収められているうちで唯一の恋愛小説だからだと思う(少なくても僕のイメージではそう)。へー、サリンジャーってこんな小説も書いていたんだって思った。

 まぁ、なんにせよ、読書欲が衰えている時期には不向きな一冊だった。次にサリンジャーを読むのは心に余裕があるときにしよう。

(Oct. 09, 2026)

ナイブズ・アウト: ウェイク・アップ・デッドマン

ライアン・ジョンソン監督/ダニエル・クレイグ、ジョシュ・オコナー/2025年/アメリカ/Netflix

 ダニエル・クレイグ演じる名探偵ブノワ・ブラン・シリーズの第三弾。

 最初の二本では、その名探偵らしからぬイメージでミスキャストなんじゃないかと思わせたダニエル・クレイグだけれど、ちょっと年をとって髪を長めにした本作では、これまでよりも重厚な印象になって、なんかけっこうはまり役って感じになっていた。いまさらだけれど、この人って、うちの奥さんのひとつ下なんすね。ちょっと驚いた。

 今回の舞台は教会。カリスマ性あふれる破戒僧が、ミサの途中で殺される。

 物語の語り部となる若い神父がジョシュ・オコナーという人で、殺される老神父がジョシュ・ブローリン(この人もダニエル・クレイグと同い年だった)。そんなジョシュふたりに加え、グレン・クロース、ジェレミー・レナー、ミラ・クニス、ケリー・ワシントンなど、名前には聞き覚えがあるけれど、あまり馴染みがない俳優さんたちが脇をかためている。ジェレミー・レナーはマーベルのホークアイ役のときとは打って変わった冴えない中年男っぷりで、その人とわからなかった。

 ミステリとしては、公衆の面前での密室殺人という不可能犯罪に加えて、キリスト教の秘跡に絡めて、死んだ神父が蘇るというオカルト趣味が加わっているところが味噌。今回もなかなかの出来栄えだと思う。

 惜しむらくはジョシュ・ブローリンによる下世話な告解が余計。いかにも現代的ではあるけれど、せっかく教会を舞台に神秘的な謎を用意したのだから、下手な下ネタはないほうがよかった。

(Oct. 03, 2026)

チェンソーマン レゼ篇

吉原達矢・監督/声優・戸谷菊之介、上田麗奈/2025年/日本/Amazon Prime

劇場版『チェンソーマン レゼ篇』

 尾田栄一郎が『ONE PIECE』の連載があと五年で完結すると宣言したのは2019年のことだった(七年たったいまでも終わる気配がないけど)。

 ならば、せっかくだから最後くらいリアタイしようと、その年の暮れに、十何年ぶりに週刊少年ジャンプを購読し始めたときに連載中だったのが、この『チェンソーマン』のレゼ篇だった。それもクライマックスで、チェンソーマンがレゼにこっぱみじんにされる回。

 いまから振り返ると、そのときのジャンプがすごくて、『鬼滅の刃』は鬼舞辻無惨との戦いが佳境だったし、『呪術廻戦』では渋谷事変が始まったばかりで、五条悟が無双をかましていた。ヒロアカではデク・バクゴー・ショートがトリオで轟兄を救出しようとしていた。

 どの作品もそのときが僕にとってはファースト・コンタクトだった。

 まぁ、正直なところ、鬼滅も呪術もチェンソーマンも、個人的にはフェイバリットと呼べるほどではないんだけれど。それでもいま現代の日本のマンガ界を象徴するような作品ばかりだ。知らないよりも知っていたほうが人生は楽しい。

 僕は基本マンガ好きで、アニメは「ながら観」がほとんどなせいで、アニメ本編はもとより、『無限列車篇』も『呪術廻戦0』も、観てはいるのに感想を書いてこなかったから、この『レゼ篇』もスルーしようかと思ったんだけれど、前述の通り、そんなわけでこれはちょっとした思い出の作品だったので、少しだけ足跡を残しておくことにした。米津玄師が提供した主題歌二曲が大ヒットして、音楽ファン的にも無視できない作品だったというのもある。

 『チェンソーマン』はその独自の世界観ゆえに、好き嫌いがはっきりとわかれる作品だと思う。僕はどちらかというと好き寄りではあるけれど、でも大好きとまではいえない。この映画にしてもデンジとサメ、うるせーとか思いながら観ていた。

 でもその破天荒な展開ゆえ、途中から読み始めたら、どうしてこうなっちゃったんだろう?――と気になって、最初から読み始めないではいられない。そんな作品でもある。決して傑作とまでは思わないけれど(第二部のせいでなおさらそう思う)、少なくても唯一無二の個性をもった作品なのは間違いなし。

 そんなマンガの一エピソードを切り取ってそのまま一編の映画にまとめたこの作品は、その過度に華美なアクションとシリーズ切ってのエロティシズムのため、とてもいい感じに仕上がっていると思う。ただ、『呪術廻戦0』なんかとは違い、ここまでの話を知らない人が観たら、なんだこりゃって話のような気もする。

(Sep. 30, 2026)



【相棒】
しろくろや

【Shortcuts】
音楽 作品 / ライブ / 会場 / 購入 / エレカシ
本 作品 / 作家 / 翻訳家 / 出版社 / 読了 / 積読
映画 作品 / 監督 / 俳優 / 年 / シリーズ / ドラマ
蹴球 鹿島 / Jリーグ / 日本代表 / W杯

【新譜】
10/16No Bad Memories / The Avalanches
10/21最後に熱い日々を狂わしき想いで / aiko
10/21あたえてこ / ユニコーン
11/04DEKAI / キタニタツヤ
11/04PURE / キタニタツヤ
11/06Worst Christmas Ever! / Sufjan Stevens
11/13Carnaval De Luz / U2
11/25kettle / スピッツ
12/09XX / 木村カエラ

【ライブ】
10/28BUMP OF CHICKEN@有明アリーナ
02/06BUMP OF CHICKEN@東京ドーム
02/11宮本浩次@代々木第一体育館

【サッカー】
10/17[J1 第10節] 鹿島-長崎
10/21[J1 第11節] 京都-鹿島
10/24[J1 第12節] 鹿島-柏
10/28[ACLE 第3節] 鹿島-浦項
10/31[J1 第32節] 鹿島-C大阪

【準備中】
10/--[蹴] ハノイ-鹿島
10/--[映] ランニング・マン
10/--[本] 夢で会いましょう
10/--[本] 使いみちのない風景

【過去のコンテンツ】
Coishikawa Scraps Bootleg 2.0