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2026年7月の本

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  1. 『小説の読み方、書き方、訳し方』柴田元幸・高橋源一郎

小説の読み方、書き方、訳し方

柴田元幸・高橋源一郎/河出文庫

小説の読み方、書き方、訳し方 (河出文庫)

 翻訳家の柴田元幸と小説家の高橋源一郎が「小説とはなんぞや」について語り合った対談集。

 かたや日本におけるアメリカ文学の第一人者、かたや日本現代文学の魁的存在。そんなふたりがそれぞれの立場から、小説を訳すとはどういうことか、書くとはどういうことか、そしてどんな風に読むべきなのかということについて、それぞれの立場から語りあっている。

 柴田さんの専門は米文学だけれど、語られている海外文学は英米に限ったものではないし、日本文学はほとんどを知らない僕にとっては、高橋さんが語る作品のほとんどが未知の世界。それなりの量の本を読んできたつもりでいたけれど、僕くらいの読書量ではまったく本好きを名乗れないなぁと思わされた一冊だった。

 おもしろかったのは序章で柴田さんが語っている、自分は「適性とやりたいことがまったく合わない」という話(p.32)。

 適性試験の結果を見ると、事務能力が抜群だから、事務の仕事に就くべし、みたいな結果が出てくるのに、芸術にかかわる仕事がしたかった。結果として、文学作品を事務的に処理してゆく翻訳家という天職を得られて万々歳、みたいな話(意訳してます)。

 僕自身も音楽や文学に憧れながら、想像力が低すぎてまったくそちらの方面へ向かえず、適性にあったIT関係の仕事で糊口をしのいできた人間なので、すごく共感するものがあった。まぁ、比較するのもおこがましいけれど。

 いずれにせよ、自分の不勉強さを痛感させられた一冊。

 この頃は洋楽よりも邦楽のほうがおもしろいし、もしかして日本文学もいま読めば心に響く作品があるのかもしれないから、いずれこの本で紹介されている日本の作品をぼつぼつ読んでみようかなと思っている。

(Jul. 4, 2026)