FC東京4-2鹿島アントラーズ
J1・ファーストステージ第1節/2002年3月2日(土)/東京スタジアム/TBS
なんともはや、これまでに見た中で最悪の開幕戦だった。確かに先週の超過密スケジュールの疲労はあるだろう。中田浩二が累積警告で欠場というのも痛い。アウェイというのも影響したかもしれない。それにしても前半だけで3失点、後半の途中まで0-4というスコアは去年のチャンピオン・チームにあるまじき失態だろう。いやはやまいった。
始まってからの5分間くらいは結構期待していいんじゃないかと思った。中盤でワンタッチ・パスがダイレクトに決まって、おもしろいくらい見事にボールを回せていたからだ。こりゃあ今日の試合は楽勝だと思った。先週4試合をこなした分、チームも形ができてきたんじゃないかと。
ところがあいにく相手に先制されてからは、もう一方的にやられっ放し。その一点目の失点の場面がチームが本調子じゃないことを如実に物語っていた。ゴール前で秋田と曽ヶ端が互いに譲り合うような形ですきを見せた瞬間、東京の小林成光という若手選手がすっと割って入ってボールをゴールへ叩き込んだもの。もちろん、その一瞬のすきを見逃さなかった相手のプレーも見事だったんだけれど、やはりそれ以前にあそこでベテランの秋田が自分でクリアできるボールを見送ってしまったのが問題だ。まあそれだけ疲労が蓄積しているんだろう。なんたってゼロックス杯のあと、日本代表合宿もあったわけだし。柳沢や鈴木より年配の秋田の方が疲労は激しいのは間違いない。それでも彼のキャリアを考えると、あのプレーはちょっと残念だった。
それにしても原監督──おお、ジャイアンツと一緒だ──となって攻撃サッカーを表明しているFC東京の戦いぶりには驚かされた。いくらアントラーズの状態が悪いとは言え、あそこまで圧倒されてしまうとは思ってもみなかった。しかも大黒柱のアマラオは本調子じゃないという。ケリーや佐藤由紀彦がいい選手だというのはわかっていたものの、さらに小林やら宮沢正史やらという若手が芽を伸ばしてきている。バックラインではベテラン下平がきちんとした仕事をしていた。GKの土肥もファインセーブを連発して、鹿島の猛攻をしのいだ。いやあ完敗だった。
でもまあ、鹿島も終わり頃になって2点を返せたのはよかった。中盤が間延びしてスペースができた終盤は一方的な鹿島のペースだった。途中出場した平瀬、野沢、青木たちはすごくやる気のあるプレーを見せてくれた。ほんと、先制点を上げたからいうわけじゃないけれど、昨日の平瀬はひさしぶりにとてもよかったと思う。あとの二人がいまいちなので、次の試合ではスタメンを狙えるんじゃないだろうか。2点目の秋田のヘッドは文句なしだったし、それら2点の両方をアシストしたのが本山だというのも明るい材料だ。あと全般的に名良橋の攻撃参加がとても目立っていた。だから守備が安定しなかったのかな? でもいいセンタリングをガンガンあげて見せてくれていたので、僕には結構好印象だった。
なんにしろ今週はきちんと休んで、次のエスパルス戦では言い訳のいらないゲームを見せて欲しい。
(Mar 03, 2002)