2003年3月のサッカー

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  1. 03/21   磐田2-4横浜M (J1・1stステージ第1節)
  2. 03/22 ○ 鹿島3-1浦和 (J1・1stステージ第1節)
  3. 03/28 △ 日本2-2ウルグアイ

ジュビロ磐田2-4横浜F・マリノス

J1・ファーストステージ第1節/ 2003年3月21日(金)/静岡スタジアム・エコバ/BS2

 待ちに待ったJ1の開幕カードは、昨年度完全王者ジュビロ対、今年はなにかと話題豊富なFマリノスの対戦。これが思いがけない派手な点取り合戦となった。
 ジュビロは高原が抜けたことを除くとほぼ去年と同じチーム構成。鈴木監督にあとを任された柳下監督の、西をトップに上げようという構想はどうやら頓挫したらしく、この試合では昨年同様、二列目での起用となっていた。あと中山が肉離れとかで欠場。代わりにグラウとともにツートップを任されたのは前田だった。この前田が(少なくても前半は)見事なプレーでチームに貢献して見せる。
 対するマリノスは岡田監督のもと、久保、佐藤由紀彦、マルキーニョスらという豪華な新戦力を擁して初優勝を目指す。岡田さんはチームの柱の一人である上野をスタメンから外し、代わりに那須という選手をボランチに起用して来た。正ゴールキーパー榎本達也が故障のため、代わりにゴールマウスを守るのは同姓でユース出身の榎本哲也(弟?)。
 試合は最初から派手に動く。まずは遠藤が見事なミドル・シュートを放ってわずか7分にマリノスが先制。そのわずか2分後には左サイドに切り込んだ久保からのクロスから、こぼれ球に詰めていた佐藤由紀彦が2点目を叩き込む。
 前年度王者もいきなり2点のビハインドでようやく目を覚ましたらしく、その後すぐに西が持ち込んだボールを前田が決めて追い上げる。このあたりから流れは一方的にジュビロへ。前半なかばに今度は前田が基点になって藤田が同点ゴールを決めてしまう。結局前半は2-2のまま終了。これはジュビロのペースだと思った。
 ところが後半になってF・マリノスが息を吹き返す。こういう展開だと後半開始早々にどちらかに点が入りそうだと思っていたら案の定だった。ゴール前、右サイドで粘ってボールを奪ったマルキーニョスからのクロスを、遠藤が技ありのヒールパスで流す。ここへ詰めていたキャプテン(!)奥がフリーでゴールを決めてマリノスが再度勝ち越し。69分には佐藤が左足であげたクロスに、するりとゴール前に入り込んだマルキーニョスが頭で合わせて技ありの4点目。これでさすがのジュビロもギブアップという感じだった。
 新生マリノスのアグレッシブさも印象的だったけれど、それ以上にジュビロのディフェンスの乱れが気にかかる。A3杯の時からどうにも失点が多過ぎる。日本を代表するチームが開幕早々こうも調子を落としていたんではしらけてしまう。4失点はひど過ぎる。きちんと調整しなおして、前年度王者の貫禄を見せて欲しい。
(Mar 22, 2003)

鹿島アントラーズ3-1浦和レッズ

J1・ファーストステージ第1節/2003年3月22日(土)/カシマスタジアム/TBS

 アントラーズの2003年リーグ初戦。相手はエジムンドを獲得して、エメルソンとのコンビに脅威を感じさせる浦和レッズ。なのだけれど、この試合はそのエジムンドが故障のため残念ながら欠場。おかげで鹿島にとっては楽な試合となった(追記:エジムンドはその後一度も公式戦に出場することなく浦和を退団)。
 トニーニョ・セレーゾは、A3杯の時には攻撃的なんだか守備的なんだか、いまいちはっきりしない位置で起用していた新外国人フェルナンドを、3ボランチの底に置いてこの開幕戦に{のぞ}んだ。彼と中田浩二、青木との3ボランチに小笠原がトップ下。そしてエウレル、平瀬のツートップ、平均年齢オーバー30歳カルテットの4バック。GKには守護神・曽ヶ端が復帰した。高嵜には悪いけれど、彼の復活は非常に大きい。ディフェンスの安定感が違う気がする。
 フェルナンドに関しては、ボランチの真ん中での起用が正解だったと思う。彼の動きはあきらかにA3杯の時より全然よかった。ただその分、他の選手への影響はどうだったんだろうと疑問符がつく。特に小笠原は十分な仕事ができなくなっていたように感じた。彼のところへボールが集まらない。結果、攻撃は青木の果敢なオーバーラップや、左サイドに張ったエウレルがボールを持った時にしか形にならなかった。
 まあ、それでも今年の鹿島は、最初から期待を感じさせてくれるチームに仕上がっている。この試合でも前半のうちに2点を先制して見せてくれた。
 相手DF3人の間に転がったこぼれ球に素早く反応したエウレルの1点目は、その前の中田浩二のチェックが効いていた。もちろんその後の一瞬のチャンスを見逃さなかったエウレルのFWらしい思い切りのよいシュートも素晴らしかった。
 2点目は小笠原のCKから名良橋のミドル。よくやる形ではあるし、最後は山田のオウン・ゴール気味ではあったけれど、まさに練習どおりという感じの見事なゴールだった。
 この2点で俄然有利になったものの、ただ前日ジュビロがああいう惨敗を喫しているだけに予断は許さない。後半、追い上げを図る浦和の猛攻が始まり、鹿島は凌ぐのみという時間が続く。特に前半は一人舞台という感のあったエメルソンが足を痛めて抜けてからは、頼るべき人がいなくなったのだからみんなで頑張らないとという意識が高まったのか、さらに前への圧力が増した印象があった。そんな中、鈴木啓太からのスルーパスをフリーで受けた山田がノートラップで強烈なミドルシュートを放って一点差に追い上げる。これは曽ヶ端が一歩も動けないほど見事なシュートだった。
 今年から延長戦が廃止され、90分での引き分けが導入されたJ1。ここからは是が非でも同点に追いつきたい浦和と、耐えて勝ち点3をもぎ取ろうという鹿島の息の詰る攻防が展開される。なかでもゴール前で(精度は低いながら)果敢にシュートを打ち続ける永井の姿が印象的だった。試合後のさばさばとした笑顔といい、彼はこのところ好印象だ。
 結局試合はその後、残り時間が少なくなってから鹿島が一点を追加して浦和の息の根を止める。カウンターで攻め上がったエウレルが、右サイドからグラウンダーのクロスを放ち、ゴール前で途中出場の新人FW深井が相手DFと競り合う中、逆サイドにフリーで駆け込んだフェルナンドが決めたもの。この得点で安全圏内に逃げ込んだ鹿島が幸先のよい勝ち点3をゲットした。
 今年はファースト・ステージからいけそうだ。
(Mar 23, 2003)

日本2-2ウルグアイ

2003年3月28日(金)/国立競技場/TBS

 2003年、日本代表の初戦。試合前から、日本がボールを支配してウルグアイがカウンターでチャンスを狙う展開になると言われていたけれど、なるほどそういう試合。でもって日本がディフェンスのミスから2失点。それでもPKと、W杯以降シュートの精度が非常に高くなった稲本のミドルでタイに持ち込んだ。でもなあ。ホームなんだし、いくらW杯初代優勝国が相手とはいえ、今日くらいの出来の相手には勝たないと。
 スタメンは高原、鈴木の2トップに、海外移籍組4人、4バックは体調不良の松田に代わって森岡が入った。GKはジーコがプレーぶりを見てみたいからと起用した川口だった。ところがこの川口のミスで2点目を失ってしまう。ゴール前でイージーボールをファンブルしたのだけれど、あんなプレーは普通ならしないだろう。やはり公式戦から遠ざかっているがゆえの試合勘の鈍さを痛感させられた。ああ。
 後半から俊輔、小野に代わってアレックス、中田浩二が出場した。クラブでの疲労や負傷の影響があるのはわかるけれど、二人ともおもしろいプレーを見せてくれていたので、この交替は残念だった。
 結果、後半はこれといったシーンもなく終わってしまう。アレックスを基点にして、それなりのチャンスは作っていたものの、逆に彼のところ以外からはほとんど形らしい形を作れなかった印象だった。いやあ、まだまだジーコ・ジャパンの苦難の道は続きそうだ。
 そうそう、後半残り15分で黒部が初出場した。でも一つ二つおもしろいプレーを見せてくれた以外には、あまりボールに絡む場面もなく終わってしまった。あれでは本人も不完全燃焼だろう。もう少し時間をあげたい気がする。
 噂のウルグアイのスーパースター、レコバは、ひやっとさせれられるFKが一本あっただけという印象だった。
(Mar 28, 2003)