J-EAST4-1J-WEST
JOMOオールスターサッカー/2006年7月15日(土)/カシマスタジアム/テレビ朝日(録画)
ワールドカップが終わり、Jリーグの再開を目前に開かれた恒例のオールスター戦。
とりあえずJリーグのファンとしては──家庭の事情で録画に頼ることになってしまったけれど──ひさしぶりに国内のトップ選手たちのプレーがいっぺんに見られて嬉しい。
今年はイーストがGK野澤(新潟)、坪井、中澤、茂庭の3バック、左右が内田篤人(初選出!)、鈴木慎吾(新潟)、ボランチ阿部、トップ下が小野と小笠原(もしくは小野はボランチ?)、柳沢、久保の2トップという布陣。対するウエストは川口、駒野、宮本、青山(清水)、兵藤(清水)、遠藤保仁、菊地、根本、パウリーニョ(京都)、佐藤寿人、玉田というメンツ。西のフォーメーションは3-4-3だろうか。知らない選手が多くて、ポジショニングがよくわからなかった。指揮を取るのは東がわれらがアウトゥオリ、西が大分のシャムスカ。
ぱっとメンバー表を見ただけでも東が日本代表、西が準代表という印象。試合内容の方もモロそのとおりの結果となった感じだった。やっぱり急造とはいえ、坪井、中澤、茂庭の3バックは、代表である程度一緒にやっているだけに、安定感が違う。加えて、中盤の底には阿部勇樹がいて、小野と小笠原が攻撃を組み立てるってんだから、東が強いのは当然だという感じだった。
でも前半はそんな豪華な布陣もあまり機能しない。なんたってヤナギと久保の2トップに全然ボールが納まらない。代表で結果を出せなかった柳沢と、無念の落選となった久保。二人とももうこの先、代表はないぞという出来だった。
その点、アピール度が高かったのが、後半からの出場となった巻。後半開始と同時に彼がピッチに立ってから、イーストの攻撃が突如として威力を増した。やっぱり運動量があってポストがこなせるFWがいると違うんだなと思わされた。代表入りを争った佐藤寿人と後半キックオフの前に握手していたのも、なかなかじーんとくるシーンだった。
巻と一緒に後半から出場した我那覇はいまひとつ遠慮がちな印象。もっと威勢のいいプレーを見せてくれるかと思っていたから、おとなしめなプレーに終始していて、ちょっと残念だった。
まあ残念といえば、この日はFWで存在感があったのは、巻とパウリーニョ、そして後半途中からの30分間の出場で2得点を奪って見せた甲府のバレーくらい。あとは最年長のゴン中山を含め、みんなあまり存在感がなかった。やはりオールスターでもFWの決定力不足が課題として浮かび上がっている感じだった。
しかしこの試合、お祭りゲームだとはいえ、例年にくらべて変にうわついたプレーが多かった気がした。中澤が自らが得たFKを蹴って先制点をあげたのはいいとしても(2度目はやりすぎ)、GK土肥のFKとか、茂庭の一人ボールまたぎとか、小笠原のリフティングとか。真剣勝負じゃないからということで、いつもは見られないような、良く言えば遊び心のある、悪く言えばふざけたプレーが目立った。次期代表監督が観戦していることを知らないでもなかろうに……。どれもオシムさんが嫌がりそうなプレーばかりで、彼らは自ら代表への道を閉ざしてしまっている気がした。
個人的には中澤と土肥のFKはなしだと思う。オールスターだからこそ、その道のスペシャリストである阿部や小林大悟のキックを見せることこそがサポーターへの真のサービスというものじゃないだろうか。その意味では、後半終了間際に小林大悟がファールでFKを得たシーンで、小笠原がそれを蹴っちゃったのも残念だった。オガサには若者に花を持たせてあげる余裕を見せて欲しかった。彼がすぐれたキッカーであることは日本中が知っているのだから、あそこはやはり今季リーグで6得点を稼ぎ出している小林大悟に、その技を披露させてあげるべきだったと思う。
まあとはいってもこの試合、カシマスタジアムでの試合だったし、史上最多票で出場を決め、試合中も精力的に動き回っていた小笠原に文句を言う人は少ないのかもしれない。内田篤人もその「逸材」(@テレビ解説)ぶりを世間に知らしめたし、アントラーズ・サポーターとしては、まあ満足のゆく内容だった。柳沢が不発に終わったのをのぞけば。
試合は前半に中澤が(生涯最初で最後の?)FKを決めてイーストが先制。後半になって、巻のヘディングとバレーの2得点で4-0と試合を決定づける。ウエストは最後の最後に途中出場の古橋のゴールで1点を返すのが精一杯だった。ワールドカップのあとだから、パススピードがやけに遅く感じられるという難点はあったけれど、それでも即席チーム同士が蒸し暑いなかで戦っているわりには、中盤からきっちりとプレスも効いていたし、まあ悪くない試合だったと思う。
それにしても、去年アラウージョが選出されなかったのと同じように、今年も現在得点王ランキング・トップのマグノアウベスが選出されていない。彼は去年のオールスターでMVPを取った選手だ。それが去年以上の活躍を見せている今年は選ばれていない。それじゃ、オールスターの名が泣くだろうと思っていたらば、マグノアウベスも得点王ランキング2位のワシントンも、そろって故障中だったそうで。それは残念でした。
(Jul 17, 2006)