アルビレックス新潟0-2鹿島アントラーズ
J1・第4節/2008年4月2日(水)/東北電力ビッグスワンスタジアム/BS1
開幕以来、ここまでかたや3連勝、かたや3連敗と、対照的な成績を残している両チームの対戦。結果はその差をそのまま反映して、鹿島は連勝を4に伸ばしてJ1唯一の全勝チームとして首位をキープ。新潟は反対に、唯一の全敗チームとして最下位に沈んだままに終わった。
調べてみたら、新潟の試合を観るのは、これがじつに3年ぶりだった。そういえば、僕が知っている新潟は、まだ反町さんが監督を務めていた。鈴木淳監督になって今年で3年目だそうだけれど、不思議とこれまで観る機会がなかった。
それだから新潟は知らない選手ばっかり。馴染みがあるのは日本代表の矢野貴章と、元アントラーズの内田潤だけ。そのほかには千代反田や田中亜土夢(途中出場)、マルシオ・リシャルデス(この日は欠場)など、珍しい名前に聞き覚えはあっても、それらの選手は顔さえ知らない。これだったらば、まだJ2から上がってきたばかりのヴェルディの方が知っている選手が多かった。こんなに知らないチームがまだJ1にあったことに、われながらちょっと驚いてしまった。
ということで、そんな知名度の低い選手ばっかりのうえに、現時点では最下位と低迷している新潟が相手だ。こちとら現在、絶好調だし、負ける気がしなかった。
実際、開始早々アントラーズはゲームを支配。前半14分には、ゴールラインぎりぎりから内田篤人があげたクロスに、ファーサイドで田代が頭であわせて、やすやすと先制する(田代はこれが今季初ゴール)。その後、相手にボールを持たれる時間帯もあったけれど、まあいまの鹿島ならばこの一点で安泰という気がした。
後半5分には小笠原が打ったミドルがポストを直撃、跳ね返ったボールが相手GKの背中にあたってゴールインしてしまうというラッキーな形で2点目が入る。これだけ調子がいいうえに、ツキまで味方についているようだと負けようがない。
予想外だったのは、後半も半分を過ぎたあたりで、本山がイエローカードを2枚、立て続けにもらって退場してしまったこと。本山は去年、34試合にフル出場している。つまりそれは、1年を通じてイエローカードを3枚以上もらっていないということでしょう? その本山がこんな余裕のある試合で、わずか5分足らずのあいだに2枚のカードをもらって退場してしまうなんて、だれが思うだろう。どちらも、それはどうなのってカードだったし、レフェリーの奥谷さんの判定には疑問が残った。
とにかくこの退場で数的不利になったことで、試合はがぜんスリリングになった。アントラーズは、ダニーロ、増田誓志、伊野波という選手を投入して逃げ切りに入る。それまでの楽勝ムードが抜けて試合が締まったし、守備的な展開になったことで、ひさしぶりに増田にも出番が回ってきたし、チームにとっては悪くない展開になった(と僕としては思う)。退場の判定には疑問が残ったけれど、その後の内容についてだけみれば、ナイス・ジャッジだったかもしれない。本山の身になってみれば、たまったもんじゃないだろうけれど。
まあ、そんなわけで終盤、数的不利になって、やや劣勢にまわることになったけれど、それでもそんな時間帯においても、ちゃんとアントラーズは攻めていたし(青木のミドルがクロスバーをたたいたりする惜しい場面もあった)、そのままスコアレスで逃げ切ったので、万事オッケー。いや、なかなか楽しい試合だった。
最後に。かつては鹿島でプレーしていた内田が、いまや新潟でキャプテンマークを任されるほどの存在となって、随所で素晴らしいプレーを見せていたのは、とても感慨深かった。
(Apr 03, 2008)