バーレーン2-3日本
ワールドカップ・アジア最終予選/2008年9月6日(土)/マナマ(バーレーン)/BS1
いよいよワールドカップの最終予選に突入。この試合については、翌日の朝いちで録画放送があったけれど、やはりこういうのは生で観ないといけないと思って、がんばって午前3時半キックオフの生放送を観た。でもやっぱダメ。眠すぎ。前半で2点をリードするという理想的な展開だったこともあり、後半は不覚にもうつらうつらしてしまい、なんとか目を開けているのが精一杯という状態だった。
それでも不思議なもので、どんなに眠くても、ゴールが決まるとその瞬間だけは目がさめる。日本の後半唯一の得点となった中村憲剛のミドルシュートは、まさに「目がさめるような」という形容にふさわしい、素晴らしいゴールだったけれども、そんな味方のファインゴールだけではなく、失点でもやはり目がさめる。しかもそれがわずか1分ちょっとのあいだでの2失点だったりすれば、なおさらだ。
ということで、やたらと眠かった後半なのに、残り時間5分を切ってから3ゴールが決まったせいもあって──しかもそのうちの2点が失点だったことで──、試合終了の時点では変な感じで目が冴えてしまっていた。おかげで、終わったらベッドに横になるなり、1秒で熟睡だとか思っていたのに、思いのほか寝つきが悪い。すっきりと勝ってくれれば、気持ちよく眠れただろうものを……。まったくお騒がせな日本代表だった。
この試合の日本のスタメンは、GKが楢崎、4バックが内田、中澤、闘莉王、阿部、中盤が長谷部と遠藤のダブル・ボランチに、俊輔と松井、そしてFWが田中達也と玉田のふたり。ただしフォーメーションは──テレビ放送のいうことには──達也をトップ下に配してのワントップだったらしい。その辺は前半からすでに眠気と戦っていた僕にはよくわからなかった。
相手のバーレーンは長期の合宿と海外遠征をへて、万全の体制でのぞんできているという噂もあったし、しかもこちらは直前の大学生相手とのミニゲームで1-0で負けたと聞いていたので、かなりの不安を感じつつ迎えた一戦だったけれども、始まってみれば、海外組に遠藤を加えた中盤の構成力ではこちらが断然上。やはり海外組が加わると、中盤でのボール・キープ率が上がって、中盤での安定感が一段ばかり増す感じがした。バーレーンも攻撃に転じた場面では、しっかりと人数をそろえてカウンターを仕掛けてきていたので、下手をするとあぶないかもと思うことはあったけれど、基本的には日本がゲームを支配して、相手にチャンスを作らせない試合運びができていた。
そうこうするうちに前半18分に、俊輔が壁のあいだを縫うグラウンダーのFKを決めて日本が先制する。いやー、さすが日本のエース、頼りになる。前半終了間際の2点目も、彼が遠藤のショートコーナーを受けて、ゴール真っ正面から打ったシュートが相手の手にあたってPKとなったものだったし(PKを決めたのは遠藤)、試合前に僕が抱いていた不安は、俊輔がひとりで解消してくれてしまった形となった。
ということで2-0で折り返した前半は文句のつけようのない出来。これで負けはないだろうと安心した後半は、眠くて試合どころじゃなくなった。かなりの暑さだったようだし、さらには終盤になって相手に退場者が出たことで、日本代表にも、もう大丈夫だという安心感があったのだろう。それで残り5分で中村憲剛の3点目が決まって、ほぼ勝利が確定的になったことで気の緩みが生まれて、その直後にどたばたと2失点を許すことになったんだと思う(2点目は闘莉王のみごとなオウンゴール)。ちなみに憲剛以外の途中出場は寿人と今野で、アウトは松井、玉田、長谷部の三人。
それにしても1点差になったことで、それまではすでに勝負を投げていた印象だったバーレーンが息を吹き返し、猛攻に出たのには、ほんとひやひやさせられた(おかげで終わったあとに寝つきが悪くなった)。サッカーは心理ゲームなんだということを再確認させられるような試合展開だった。
まあ、最後の最後においおいって展開になってしまったけれど、それでもアウェイで勝ち点3をあげてスタートを切れたのはでかい。あいかわらず得点はセットプレー頼りで、決定力不足は解消できていないし、この試合ではサイド攻撃もほとんど機能していなかったりして、課題は山積みであるにもかかわらず、この1勝のおかげで、いきなり今後の展開に対して楽観的な気分になってしまった。われながら単純な。
(Sep 07, 2008)