2008年10月のサッカー

Index

  1. 10/01 ○ 鹿島2-0大宮 (J1・第26節)
  2. 10/09 △ 日本1-1UAE
  3. 10/15 △ 日本1-1ウズベキスタン (W杯・最終予選)
  4. 10/18 ○ 鹿島2-1京都 (J1・第29節)
  5. 10/26 ● FC東京3-2鹿島 (J1・第30節)

鹿島アントラーズ2-0大宮アルディージャ

J1・第26節/2008年10月1日(水)/カシマスタジアム/BS-i

 ACLに負けて、ナビスコも終わっているいま、アントラーズに残っている当面のタイトルは(天皇杯をのぞけば)Jリーグのみ──となればもうあとは、二連覇めざしてまっしぐらだっ──ということで、ACLで敗退したあと、清水、大宮の2チームを連破して、J1首位に立ってみせたアントラーズだった。ACLの日程上、ほかのチームよりも一試合少ないのを忘れていたので、このタイミングで首位に返り咲くというのは、思ってもみない展開だった(ちなみにこの日に試合があったのはACLに参加した3チームとその対戦相手のみ)。
 この日のスタメンは曽ヶ端、内田、岩政、伊野波、新井場、青木、中後、本山、ダニーロ、興梠、マルキーニョス。新井場が戻ってきたのと、センターバックに伊野波が入った点以外は、アデレード戦といっしょ。前の清水戦も同じメンツだったらしいし、伊野波はこれでリーグ戦は三戦連続のスタメンだ。大岩と中田浩二にベンチを温めさせているわけだから、なにげにオリヴェイラの信頼を得ているのかもしれない。
 対戦相手の大宮は現在14位のチームで、このところ3連敗中。対するこちらは暫定3位だし、こういう試合を落としていたんでは、優勝なんて狙えない。それだから、順当に勝ち点3を積みあげてくれたのには、嬉しいというよりまず、ほっとした。この調子ならば、最後まで優勝争いに絡んでいけるだろう。
 まあただ、試合展開をみると、アデレード戦と同じように、相手の左サイドからフリーのクロスを上げられて、間一髪のヘディングを打たれるシーンもあったし(懲りない……)、相手のミスに助けられるシーンもいくつかあったので、磐石というほどではなかった。これで相手がレッズやガンバのような強豪だったら……と思うと、あまり安心はできない。時節の対戦相手がそのガンバだし……。まあ、現時点ではトップにいるんだから、よしとしよう。
 この日の得点は2点ともマルキーニョス。一点目は中後のみごとなFKがポストにあたって跳ねかえったところへきちんと詰めていたもの。右足ボレーであわせるだけだった。2点目はセットプレーからのヘディングで、こちらもFKを蹴ったのは中後。この試合での中後のキックの精度はかなりのものだった。そうそう、彼はとても正確なキックを持っていたんだっけと、ひさしぶりにそのことを思い出させてもらった。青木とのバランスもよかったし、こういうプレーが持続できれば、じゅうぶん小笠原が抜けた穴を補えるんじゃないだろうか。大いに期待したい。
 なんにしろマルキーニョスはきょうのゴールでついに20点の大台に乗った。あっぱれ。バレーがガンバを退団してしまったりで、彼のあとにつづく選手はまだ12点だというから、このままならば、アントラーズから初めての得点王が誕生する可能性は高そうだ。こちらも大いに期待しよう。
(Oct 01, 2008)

日本1-1アラブ首長国連邦

2008年10月9日(木)/東北電力ビッグスワンスタジアム/日本テレビ

 興梠、岡崎、森島、森重と、北京五輪世代が一気に4人も初招集されて、しかもそのうち3人がFWだということで話題となったこの試合。アントラーズ・ファンとしての一番の注目は、当然そのなかのひとり、興梠慎三のA代表デビューだった。
 残念ながらいきなり初スタメンとはいかなかったものの──そのおいしい役割は岡崎に持っていかれた──、それでも後半途中に出場機会をもらった興梠は、かなりの存在感を見せてくれた。ドリブル突破で倒されて、あわやPKかというシーンがあったり、ヘディングがポストをたたいたり、先制点の場面では相手DFを引きつけてスペースを作り、香川のゴールのお膳立てをしたり(19歳での代表初ゴールは歴代3位の記録だとのこと)。その後も香川のヘディング・シュートへとつながる絶好のラストパスを放った場面があったし(これは香川が惜しくも外す)、ペナルティ・エリア内で仕事をしていた量では、この日出場した6人のFWのなかでもダントツだったと思う。
 まあ、ボールを持った際に判断が遅れて(それとも初代表ということで遠慮があったのか)、みすみすシュート・チャンスを逃していた場面もいくつかあったから、その点はやや残念だったけれども、それでも約30分強の出場で、思う存分その持ち味を発揮していたのは、あっぱれだった。今日の出来ならば、来週のウズベキスタン戦のベンチ入りはまちがいないだろう。えらいぞ、シンゾー。
 この日の試合については、前日にACLでレッズとガンバの対戦があったため、その両チームの選手はベンチ入りしていなかった。ということでスタメンは、楢崎、内田篤人、中澤、寺田、長友、長谷部、稲本、俊輔、岡崎、大久保、玉田の11人。途中出場は高木和道、興梠、中村憲剛、香川、佐藤寿人、巻の6人だった。
 A代表初キャップの岡崎、出場停止明けの大久保を含めて、スタメンにFWが3人もいるけれど、フォーメーションは玉田のワントップだったらしい(その辺がいまだによくわからない)。国内でのテストマッチだというのに、俊輔を含めた海外組が3人も入っているし、稲本も岡田さんが監督になってからは初めての出場だしで、五輪代表からの昇格組以外にも、いろいろと話題の多い試合だった。
 この試合のテーマのひとつは、高い位置から積極的にボールを奪取して、サイドからの速くて低いクロスでフィニッシュにつなげる──というものだった(のだろう)。そういう形はそれなりにできていた。ただ、まだまだ精度が低くて、一度もFWにあわなかった。それでも岡田ジャパン初スタメンの岡崎や稲本はいいプレーを見せてくれていたし、終盤は興梠を中心に攻めまくっていて、なぜ得点できないのかが不思議になるくらいだったので、ホームでアジアのチーム相手にドローで終わった割には、意外と印象は悪くなかった。
 まあ、先制点の直後に同点ゴールを許したり(中澤と高木のあいだを個人技で打ち抜かれた)、大久保や香川がフリーのチャンスでシュートを外していたのは、おいおいって感じだったし、森重がA代表でどれくらいできるのか見られなかったのは残念だった。稲本に使えるめどが立ってしまった分、青木(せっかくベンチ入りしたのに出番がなかった)の代表定着がますます難しくなりそうなことにも複雑な心境ではある。それでも全体的にはまずまず納得のゆく一戦だったし、この調子ならば来週のウズベキスタン戦はけっこういい試合を見せてもらえるんじゃないかと思っている。
 さて、W杯最終予選、第二戦はいよいよ次週。この試合の結果を踏まえて、岡田さんがどんなメンバーを選ぶかが、まずは楽しみだ。
(Oct 10, 2008)

日本1-1ウズベキスタン

ワールドカップ・アジア最終予選/2008年10月15日(水)/埼玉スタジアム2002/テレビ朝日+BS1

 ワールドカップ最終予選の2戦目にして、ホームでの緒戦。
 岡田さんはこの試合で、UAE戦から4人のメンバーを入れ替えてきた。
 ACLのために出場できなかった遠藤、闘莉王、阿部のスタメンは、まあ当然のこととして理解できる。阿部の左サイドバックは、僕としては納得がいかないけれど──これだけ得点力不足が叫ばれているのに、サイド攻撃のできない選手をサイドバックで起用するのを納得しろっていわれても無理──、それでもこれは以前に試してきているわけだし、なおかつ長友が怪我のため離脱したということなので、まあ仕方ない。
 ただし、香川の起用は疑問だった。前の試合での彼は、個人的にはそれほどよかったとは思わなかったからだ。ゴールこそ決めたものの、それはいわゆるごっつぁんゴールだったし、出番は後半、相手のプレッシャーがゆるくなってからだったから、本番でどれだけできるか計算できない。そもそも五輪代表で結果を出せずに終わってからまだ半年にもならない選手に、A代表でそれ以上の活躍が期待できるとは、僕には思えない。将来性は買うけれど、彼はまだまだA代表定着は時期尚早じゃないかと思っている。
 でも岡田さんはそんな香川をスタメンの左サイドに起用してきた。フォーメーションはUAE戦と同じく玉田のワントップで、大久保をトップ下で起用して、岡崎をベンチに下げ、遠藤がボランチで、稲本はベンチと。あとは4バックの左がレッズのふたりに入れ替わった以外は前回どおりというのが、この試合のスタメンだった。
 僕はUAE戦での稲本と長谷部のコンビはけっこうよかったと思っているので、このイナのベンチスタートにも納得がいかなかった。もとより遠藤がレギュラー当確なのを考えれば、要するに稲本の代わりに香川をスタメンに抜擢したことになる。当然、イナとしてもおもしろくないだろう。わざわざ海外から呼び寄せたわけだし、この機会にきちんとチャンスを与えなくてどうすると云いたい。あんな風に同点の場面で、後半途中から中途半端な出場機会を与えるくらいならば、ぜひとも最初から試してみて欲しかった。前回同様、中盤の底はイナとハセベのブンデスリーガ・コンビに任せて、遠藤は左サイドの攻撃的な位置でいいじゃん。そもそも稲本を使わないならば、まずは中村憲剛を使って欲しい。イナやケンゴをベンチに置いておいて、香川のスタメンはないだろうよと思う。
 さらにいうならば、大久保のトップ下というのも不満。ああいう負けん気のあるキャラは、ちゃんと一番前で仕事をしろというメッセージをこめて、ふつうにFWとして起用したほうがいい。ジーコ・ジャパンのときのように、優秀なMFがあふれているからという理由でワントップを選択するのならばともかく、本来FWの選手を起用しておいて、フォーメーションはワントップっていうのは、はんぱでよろしくなかろうと、僕は思う。大久保を使いたいならば、素直に4-4-2で行けばいいじゃん。この日、唯一の得点シーンなどを見ると、なおさらそう思う。
 というようなことで、岡田さんの起用法に納得がゆかず、なんだかもやもやとした気分で観始めた試合は、案の定、ぱっとしない内容のままで終わってしまった。ウズベキスタンの思いのほかハードなプレスに苦しめられたあげく、闘莉王のクリアミス──跳ね返そうとしたボールが真上に上がってしまって、そのこぼれ球をつながれた──から先制を許し、なんとか前半のうちに同点には追いついたのはよかったけれど、後半は追加点を奪えないまま、結局ドロー。
 そもそも絶対に勝つといっておきながら、どうしても得点が欲しい後半残り15分になぜ稲本を入れるのかわからない(ちなみに選手交替は大久保→岡崎、香川→稲本、玉田→興梠)。いい加減、疲れているだろう遠藤を、いまさら攻撃的なポジションに移したからって、得点の可能性が高くなるとは思えないのに。期待の興梠も残り10分を切って、闘莉王を中心としたパワープレーに走り始めてからの出場だったこともあって、まるでチャンスには絡めなかったし。
 そうそう、前にも書いた気がするけれど、困ったときの闘莉王頼りって傾向も考えものだと思う。代表にしろレッズにしろ、下手に闘莉王の攻撃力に依存してしまうことで、かえって攻撃のバランスを崩している気がして仕方ない。いまみたいに中途半端な形で彼の攻撃力をあてにするくらいならば、いっそのこと最初からFWとして起用してしまうくらいの思い切りのよさがあってもいい気がする。
 ということで、この試合に関しては、なにもかもがちぐはぐな感じで、どうにか勝ち点1を収められたのがなによりという内容だった。
 得点の場面は、左サイドに流れた俊輔からのクロスを大久保がファーポストぎりぎりで折り返して、最後は玉田がボレーで押し込んだもの。この場面では香川もペナルティ・エリアに駆け込んできていたし、この試合でゴールを奪おうという必死さがもっともはっきり現れた、とてもいい得点だった。あのゴールが見られたのが、この試合の唯一の救い。
 俊輔はこのアシスト以外にも見事なラストパスをいくつか通していて、前半はほんと素晴らしかった(後半はマークがきつくなったのか、消えちゃっていたけれど)。そういえば、ウッチーがそのうちのひとつを受けて得た絶好のシュートチャンスで、パスを選択してせっかくの好機をふいにしていたんだった。あそこでシュートを打っていれば、この試合のヒーローだったかもしれないのにねぇ……。うむむ、残念。
(Oct 16, 2008)

鹿島アントラーズ2-1京都サンガF.C.

J1・第29節/2008年10月18日(土)/カシマスタジアム/BS-i(録画)

 J1も残り6節。対戦カードを見てもそれほど難しい相手は残っていないし、現時点で首位なのだから、去年に比べればアントラーズの優勝の可能性は断然、高そうに思える。とはいっても、さすがに9連勝してみせた去年のように調子よくゆくとも思えない。まだひと山ふた山はあるだろう。この日の対戦相手、京都サンガには前半戦にアウェイで負けている(しかも柳沢にゴールを決められて)。もしや柳沢効果で落とし穴になったりしないだろうなと──そんな一抹の不安を抱きつつ観ることになった一戦。
 いやしかし、そんなのはまったくの取り越し苦労でした。アントラーズ、強し。小笠原が戦線離脱したときには、今年はもしかしてもうだめかと弱気になったものだけれども、この日のプレーを見るかぎり、大黒柱の穴をまるで感じさせない、力強い試合運びができていた。この調子ならば、本当に二連覇を期待してもいいんじゃないかという気がしてきた。
 この日のスタメンは曽ヶ端、内田、岩政、伊野波、新井場、青木、中後、本山、ダニーロ、興梠、マルキーニョスの11人。伊野波をのぞけば、このメンツが現時点でのベストだろう。
 伊野波は……うーん、なんともいいがたい。単純にプレーの質だけみれば、まだまだ大岩のほうが上のような気がするけれど、それでもまあ、彼が出場していても、このところチームは勝ち続けているわけだし、それならばまだまだ伸びしろのある彼にチャンスを与えて当然なのかなとは思う。
 それよりもこの試合ではなぜだかベンチ入りさえしていなかった中田浩二が、これから先どのように使われてゆくのかのほうが気にかかる。その点はこの日、途中出場だった野沢、増田、田代といったあたりも同じく。でもやっぱり一番心配なのは、もっとも実績のある中田。なまじ選手層が厚いだけに、こういうレギュラークラスの選手にベンチを温めさせざるを得ない状況が、チームに悪いムードを招かないことを祈るばかりだ。
 この日の得点は興梠とマルキーニョス。興梠は水本と競りあって、水本をすってんころりと転ばせ、GKとの一対一を作って、これをきちんと決めたもの。背番号13番をつけた柳沢との新旧エース対決に答えを出してみせるかのような、ナイスなゴールだった。そういえば、柳沢が白いユニフォームを着て敵のチームにいるというのは、なんだか妙な感じだった。
 マルキーニョスのゴールは、ペナルティ・エリア内での混戦から、落ち着いたボールキープでもって、相手GKとDFを振り切ってみせたもの。冷静さが光る、FWとはかくあるべしというゴールだった。日本代表のFWたちに見習わせたい。興梠にはいいお手本だ。いいところを吸収して、しっかりと日本代表に定着して欲しい。
 対するサンガの1点はFWの田原豊がアーリークロスに身体を投げ出して、ボレーであわせたもの。曽ヶ端がファンブルしなければ防げていた気もするけれど、それでもあれは、敵ながらあっぱれだった。田原というFWは身体もでかいし、もうひと皮ふた皮むければ、代表レベルでも使えそうな気がする。柳沢もまだまだ健在だし、このふたりのツートップはなかなか好印象だった。
 京都はパウリーニョが怪我で登録抹消、シーズン途中で獲得したフェルナンジーニョも故障とのことで、台所事情は苦しいのだろうけれど、それでも攻守ともにしっかりしていて、結構いいチームだと思った。なるほど、ここまで残留争いに加わらずに済んでいるだけのことはある。開幕戦で観たときにあなどって失礼しました。
 なにはともあれ、勝ち点で並んでいたグランパスが今日の試合で引き分けたので、現時点ではアントラーズが単独首位だ。これは残り5節、目が離せない状況になってきた。
 ということで次節は味スタにてFC東京戦を生観戦の予定。
(Oct 19, 2008)

FC東京3-2鹿島アントラーズ

J1・第30節/2008年10月26日(日)/味の素スタジアム

味スタ(試合前の練習風景)

 FC東京サポーターには失礼ながら、僕はこの試合に負けるなんて、これっぽっちも思っていなかった。前節の内容が非常によかったし、これは残り5試合、もしかして全勝で行けるんじゃないかという甘い期待さえも抱いていた。
 前日に2位の名古屋が引き分け、3位の大分も負けたため、この日の時点で鹿島は1試合少ないにもかかわらず、2位以下に勝ち点1の差をつけて首位にいた。この試合に勝てば、勝ち点の差はいっきに4に広がる。残り4節でこれはでかい。もう優勝の二文字は目の前だと、浮かれ気分で味スタに足を運んだのだった。
 ところが結果は3失点という思わぬスコアでの敗北……。優勝をぐいと引き寄せるはずが、逆に5位の浦和レッズまでが勝ち点3の差のあいだにひしめきあうという、予断を許さない展開になってしまった。こりゃまいった。
 敗因がなんだったのか、ビール片手にほろ酔い気分で観ていたせいもあって、僕にはよくわからない。簡単に考えると、アントラーズのウィークポイントである篤人が攻めあがった裏のスペースを、東京がみごとなサイド攻撃でついてきた、ということなんだろう。2点目、3点目はどちらも左サイドに開いたカボレが基点になってのものだったし。
 1点目はCKからの失点で──ヘディングを決めたのはこれまたカボレ──、これはまあ、セットプレーだから仕方ない。2点目はゴール前の混戦から、こぼれ球を長友に押し込まれたもので、これも見ようによっては不運だった。
 余計だったのは途中出場の大竹に決められた3点目。これはゴール前の接触プレーで前のめりに倒れた大竹が、倒れながら蹴ったボールがそのままサクっとゴールインしてしまうという、あっけにとられるようなゴールだった。まあ、中後がペナルティエリア内でうしろから大竹を倒しているので、ゴールが決まらなかったとしてもPKを取られていた可能性はあるけれど、それにしても、観ている側としては、そんなのあり?って感じの失点で、これはとても悔やまれた。あんなところで敵に前を向かせてボールを持たせてはいけません。
 それにしてもこの試合での鹿島の攻撃は、あまりうまく機能していなかった。前半など、ほとんどチャンスらしいチャンスを作れていなかった気がする。本山もまるで存在感がないと思っていたら、腰を痛めたとのことで、前半だけで交代してしまったし。スタメンは前節とまったく同じなのに、不思議なくらいに精彩を欠いた。
 まあ、それでもとりあえず2得点しているんだから、あまり文句をいうのも酷かもしれない。
 1点目は最初の失点から5分もせずに奪ってみせた同点弾で、本山に代わって後半あたまから出場していたマルシーニョが、ゴール前でねばって上げたラストパスを、興梠がダイビング・ヘッドで決めたもの。2点目は相手に3点目を奪われたあとで、途中出場の田代が決めたもの(彼のゴールはじつに半年ぶりらしい)。興梠、田代ともに、とてもきれいなゴールだったし、若いふたりが得点を決めてくれたのは、不幸中の幸いだった。
 なんにしろ、この田代のゴールで1点差となってからのスタンドの興奮はかなりのものだった。なんたって勝っているのはホームの東京なわけで、逃げ切ろうとする東京と追いすがる鹿島の構図で、場内はヒートアップ(興奮のあまり、伊野波がボールを持つだけで大ブーイングが起こっていたのがおかしかった)。終盤のせめぎあいには非常に見ごたえがあった。負けはしたけれど、かなりいい試合だったと思う。
 対戦相手のFC東京は、GK塩田、DF徳永、佐原、茂庭、長友、MF梶山、今野、石川直宏、羽生、FWカボレ、平山というスタメンで、フィールドプレーヤーのほとんどがA代表や五輪代表でおなじみの選手たちなものだから──まあ、この頃はあまり代表でお目にかかっていない選手ばかりだけれど──、あまり敵だという気がしなくて、思わず声援を送ってしまうことが何度もあった。日本代表を応援しているかぎり、僕にとってはJリーグのチームは、どれも完全な敵にはなり得ないのだと思う。ましてや僕の住む東京のホームチームとなれば、なおさらだ。
 その点、僕には純然たる鹿島サポーターの気持ちがよくわからない。
 この試合が始まる前にFC東京サポーターが恒例の 『ユール・ネバー・ウォーク・アローン』 を歌っているあいだ、鹿島サポーターはそれを妨害してやろうと、耳ざわりな応援を繰りひろげていた。やたらと礼儀知らずで、度量の狭さを感じさせる、いやな態度だった。先日の柏戦でのトラブルといい、春先の浦和戦で四文字ワードの人文字を用意していたという件といい、なんだか今年の鹿島のサポーターは、やたらと品性下劣な印象がある。ああいう人たちと同じチームを応援しているのかと思うと、あまり気分がよくない。せっかくのスタジアム観戦に水を差されたようで残念だった。
(Oct 27, 2008)