日本5-1フィンランド
2009年2月4日/国立競技場/TBS
先週のアウェイのバーレーン戦は放送がなかった。時差の関係上、深夜放送になって高視聴率が望めないところへきて、バーレーンから放送権を買い取った代理店がべらぼうな金額をふっかけてきたとかで、日本のテレビ局がこぞって放送を見送ってしまったらしい。
まあ、もとより代表人気が
インターネットではリアルタイム配信があったものの、経験則からしてそういうやつはトラブルがつきものだと思って見送ってしまったし──案の定、まともに観られなかった人がたくさんいたらしい――、結局、先週の試合はこの11年間で初めて観られないで終わった代表戦となった。もしかしたら今後どこぞで録画放送があるかもしれないけれど、0-1とノーゴールで負けた試合をいまさら録画で観ろって言われてもなあ……。試合内容は最低だったというし、ちょっと考えてしまう(でも、きっと観るんだろうけれど)。
ま、そういうわけで今回の試合は、先週の試合をひとつ飛ばして観ることになった、フィンランドとの親善試合。会場は国立競技場。
なんでもこの試合、やたらとチケットが売れ残っているというので、こういう機会に日本代表を生で観ておくべきかとも思ったのだけれど、やはりこの寒い時期にわざわざ親善試合に足を運ぶ気にはなれなかった。入場者数は3万5千人だとか。けっこう入ったけれど、それでも満員にはほど遠い。やはりこんな時期の試合は、それなりの好カードか、よほどのサッカー好きじゃないと観にゆかないだろう。Jリーグでは秋春制への移行を検討しているというけれど、いともたやすく寒さに負ける根性なしな僕としては、この時期にふつうに試合がある秋春制の実施は、やはり日本ではまだ無理がある気がしてしまう。
なんだか前振りが長くなってしまったけれど、さて、本題はここから。
この日のスタメンは、都築、内田、中澤、闘莉王、長友、橋本、遠藤、憲剛、香川、岡崎、玉田という顔ぶれだった。途中出場は高木和道、駒野、今野、安田、巻の5人。
スタメンで先週のバーレーン戦から入れ替わったのは、都築、闘莉王、橋本、遠藤、香川の5人。楢崎につづいて川口までけがをしたということで、バーレーン戦では川島がGKだったけれど、2試合連続でセットプレーから失点していたりして、どうにも安定感を欠く印象のせいか、今回はスタメンを外された。けがで合流が遅れた闘莉王と遠藤は、この試合が本年初出場。あと前回は稲本、本田、田中達也の3人がいた。海外組のふたりはヨーロッパに近いアウェイ戦ということで前回のみの起用。達也は腰痛だとかで、今回は香川にスタメンをゆずった。
試合のほうは5-1と快勝(フィンランド弱すぎ)。岡崎2ゴールで、香川、中澤、安田が1ゴールずつ。たくさんゴールが決まって、寒いなか集まったサポーターにはいい結果だった。
しかし、こうしてみると5点のうち、じつに4点が北京五輪組の得点だ。中澤のヘディングをアシストしたのもウッチーだし(彼は岡崎の1点目もアシストしている)、つまりすべての得点に五輪代表世代が絡んでいることになる。こうやって結果が出ているのだから、若手を積極的に登用する岡田さんの方針は成功しているとみるべきなんだろう。
ただ、それではいまの日本代表が世代交代をへて順調に進歩しているのかというと、どうにもそんな印象は受けない。たとえこの試合で岡崎が2得点を決めているにせよ――しかもどちらもとてもいいゴールだったというのに――、来年、南アフリカで彼が日本代表のスタメンに名を連ねているイメージは、僕にはとんと抱けない。香川にしてもしかり。それなりに活躍していることは認めるけれど、まだまだ彼らに日本代表を任せても大丈夫というほどの信頼感はない。逆にこういう楽な試合で活躍すればするほど、いざというときに本当に役に立ってくれるのかと、半信半疑になってしまうようなところがある。
ということで、そんな彼らの活躍で勝ったせいか、快勝したわりには、なんとなく盛りあがりに欠けた気分の今宵だった。まあ、アントラーズ・ファンとしての興梠びいきのせいで、単に同世代の彼らの活躍をやっかんでいるだけかもしれない。
そうそう、この試合でフィンランドの指揮をとっていたのは、かつて神戸で監督を務めていたバクスターさんだった。さらにスタンドには、来週対戦するオーストラリアの現監督で、かつては京都を率いていたピム氏が視察に訪れていた。どちらもよくは知らないけれど、顔には見覚えがある。元Jリーグ監督と代表戦で再会するというのも、これまた一興。
(Feb 04, 2009)