2009年4月のサッカー

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  1. 04/07 ○ シンガポールAF1-4鹿島 (AFCチャンピオンズリーグ)
  2. 04/12 ○ F東京1-2鹿島 (J1・第5節)
  3. 04/18 △ 鹿島0-0横浜M (J1・第6節)
  4. 04/22 ○ 鹿島5-0シンガポールAF (AFCチャンピオンズリーグ)
  5. 04/29 ○ 鹿島1-0神戸 (J1・第8節)

シンガポール・アームド・フォーシズFC1-4鹿島アントラーズ

AFCチャンピオンズリーグ/2009年4月7日(火)/シンガポール/BS朝日

 なか2日での異国での試合というだけでも厳しいのに、そこに気温29度、湿度84%という暑さが加わり、さらには人工芝という慣れない環境が追い打ちをかける。なんとも過酷な状況下での対戦となったACLグループリーグ第3戦。
 相手はシンガポール・アームド・フォーシズFCという長い名前のチーム。「アームド・フォーシズ」という言葉は、エルヴィス・コステロのサード・アルバムのタイトルとしておなじみだけれど、直訳すれば「武装勢力」で、どうやら軍隊のことを指すらしい。つまり今回の相手は、シンガポール軍サッカー・クラブということになる。
 どうして軍隊のサッカーチームがこんなところに出てくるんだかよくわからないけれど、なんでも、もとは国軍のサッカー部だったチームが、プロリーグの発足にあわせて独立したとかどうとかいう話らしい。英語の情報しかなくて、詳しいことはよくわからない(英語を読むパワーがないやつ)。ちなみにこのチームのロゴにはサイがあしらわれていて(Wikipedia参照)、その点でもコステロのアルバム(ジャケットがゾウのイラスト)と似通っている。
 なんにせよ、名前とマスコットはやたらと強そうだけれど、サッカー自体はべったり引いてカウンター狙いの、シンガポールのナショナル・チームから想像できるレベルのもの。要するにこのグループでは抜きん出て弱い。いくら条件が厳しいといっても、このチームを相手に取りこぼすようだと、グループリーグ突破は難しいだろう。いやあ、ちゃんと勝ちきれてなによりだった。
 この日のスタメンは曽ヶ端、篤人、岩政、伊野波、パク・チュホ、青木、小笠原、野沢、本山、マルキーニョス、大迫という顔ぶれ。ここのところリーグ戦も含めると3試合連続で大迫とパクが先発に起用されている。ふたりともいいプレーを見せているので(ほんとに)、どうやら当分はこの形が定着してしまいそうだ。選手層が厚いのは頼もしいけれど、新井場や興梠らの心情を思うと、やや複雑なところでもある(ふたりともこの試合では途中出場)。
 先制点は右サイドから野沢が上げたクロスに、本山が反対サイドでフリーであわせたもの。右足のインサイド・キックでのダイレクト・ボレーで、ジーコ直伝という感じの、落ち着き払った素晴らしいシュートだった。
 その直後にセットプレーから同点ゴールを許したのはいただけなかったけれど、それでも前半のうちに追加点を奪ったので結果オーライ。
 2点目は絵に描いたようなカウンターから。相手のセットプレーからの跳ね返りを、野沢が長距離ドリブルで持ち込み、攻め上がってきた内田篤人にラストパス。GKと1対1になったウッチーは、FKばりに狙いすましたシュートで、相手ゴールの右隅にボールを流し込んでみせた。ナイス。彼のうしろからは伊野波も詰めていたし、あそこでDFふたりが攻撃参加しているところが素晴らしかった。
 3点目は後半早々の大迫のヘディング(アシストはマルキーニョス)。大迫くん、背が高いわりにはヘディングが苦手そうだと思っていたら、このところ特訓しているらしい。早くもその成果が出た──といいたいところだけれど、このゴールはマルキのアシストが抜群だった。まあ、もちろん、あそこでゴール前でフリーになっていた大迫も偉かった。
 ちなみに大迫はこれがACL2点目。Jリーグではまだノーゴールだけれど、僕は次のFC東京戦をスタジアム観戦する予定なので、つまり彼のJ初ゴールを生で観られる可能性があるってことだ。これは楽しみ。
 最後の4点目は後半終了間際に青木が右サイドから蹴りこんだクロスが、相手DFにあたって、ゴール左上の絶妙のところに飛び込んだもの。テレビではオウンゴールだと言っていたし、僕もそう思ったのだけれど、AFCの公式記録では青木のゴールになっていた。
 ということで、以上4ゴールでアントラーズが快勝。上海がスウォンを破ったので、3チームが勝ち点6で並び、上海と得失点差で並び、総得点で1上回るアントラーズが2位に浮上した。次の2試合はつづけてホームなので、しっかり連勝して1位抜けを決めて欲しい。
(Apr 08, 2009)

FC東京1-2鹿島アントラーズ

J1・第5節/2009年4月12日(日)/味の素スタジアム

 大迫の記念すべきJリーグ初ゴールを生で観た!
 これがじつに素晴らしいゴールだった。ペナルティエリア内で相手ふたりのあいだを縫って、倒れそうになりながらもボールをキープ。そのまましぶとく持ちこたえて、自らGKと1対1のチャンスを作り、これをしっかりと決めてみせた。どーん。
 あまりに堂々たるゴールだったので、僕は「もしやいまのは大迫じゃなかったのかも」と、半信半疑になってしまったくらいだった。なので、しばらくして場内放送で大迫のゴールだと正式アナウンスがあったのを受けて、あらためて祝福の拍手。いやあ、いいもの見せてもらった。倒れてPKをもらおうとか思わず、まっすぐゴールを目指した姿勢がすがすがしくて最高だった。
 まあただ、大迫自身も試合後のインタビューで言っていたけれど、まだまだ課題は多いと思う。得点こそ決めたけれど、それ以外で目を引くプレーをしてみせたシーンはほんのひとつ、ふたつという印象だった。なまじツートップでコンビを組むマルキーニョスがピッチを縦横無尽に動き回るタイプなだけに、対照的なそのタッチ数の少なさが気にかかった。
 ただしその辺は大迫個人の問題だけではなく、チーム全体が過密日程のためにパフォーマンスが落ちている影響もあるのかもしれない。なんにせよ、18歳のルーキーにあまり多くを望むのも酷な話だ。きっちりゴールという形で結果を残していることだけでじゅうぶん賞賛に値する。よくやってくれました。あらためて拍手。
 試合のほうは、前半のなかばまではほぼ完璧って内容だった。なんたって開始1分でマルキーニョスのゴールが決まり、15分には大迫のゴールで追加点。うす曇のぽかぽかと暖かい午後に、好きなチームが小気味よくボールを回しているのを見ていられるのは最高だった。きょうはこれで勝ったも同然だと思った。
 ところが前半の終わりごろになって、ああ、いい気分だなぁ……と、ビール(当然飲んでいる)の軽い酔いも手伝って、ちょっとぼうっとして目を離したすきに、赤嶺にゴールを許してしまう。あれれ、どうした。
 さらに後半に入るとそんな楽観ムードは一転、いきなり試合は防戦一方になる。ほんと後半が始まってからの5分くらいのあいだに、何度FC東京にゴールを脅かされたかしれない。相手が敵ながら、なぜそれが決まらないんだと突っこみたくなってしまうくらい決定力を欠いていてくれたから助かったけれど、もしもこのチームに決定力のあるFWがひとりいたら、後半早々に試合をひっくり返されていたんじゃないかってくらいの勢いだった。
 この劣勢にオリヴェイラ監督がすぐに手を打つ。後半開始から10分もせずに、本山をさげて新井場をイン(ちなみにこの日のスタメンは先週のシンガポール戦と一緒)。パク・チュホをボランチにあげて、小笠原をトップ下へコンバートするのかと思ったら、小笠原はそのままで、ボランチ3枚の守備的陣容へと切り替えてきた。残り時間が30分以上あるのに、いきなりこのフォーメーション・チェンジは意外もいいところだった。
 ただ、考えてみると、鹿島は高温多湿のシンガポールから帰ってきて中4日での試合なわけで、スタミナという点ではかなり不安があったんだろう。とりあえず現時点で1点差で勝っているのだから、ここはそのまま逃げ切れればよしと。その後はまさしくそういう試合運びで、そのまま試合終了の笛を聞くことになった。
 ということで、後半の試合内容については、あまりおもしろいものではなかった。ただ、この日に試合があったJ1、4試合のうち、ACL出場チームで勝ち点をあげたのはアントラーズだけだ。あとの3チームはすべて負けている。G大阪も川崎も名古屋もみんな負けている。そんな中、きっちり勝ち点3を積みあげてみせたのだから上出来でしょう。なんたってこれで首位だ、首位。3連覇へ向けての進路はいたって順調。文句をいったらば、ばちがあたる。
 対するFC東京では、羽生、石川直宏、徳永といったあたりが好印象だった。とくに羽生は、ボランチのポジションに入っていたにもかかわらず(梶山がトップ下)、赤嶺のヘディング・シュートをアシストしたり、自らポストをたたく惜しいシュートを放ったり、守備に奔走したりと大活躍(ゴール前で大迫に抜かれたのも彼だったみたいだけれど)。オシム・ジャパンで代表に名を連ねたのがオシム氏の贔屓目なんかじゃなかったことを証明するような素晴らしい出来だった。敵ながらあっぱれ。
 あと、変な意味でおもしろかったのが平山。この試合では途中出場だったけれど、出てきてから、そのプレーごとに──みえみえのオフサイドにかかったり、トラップミスをしたり──スタンドのあちらこちらで苦笑を誘っていた。そんな変なプレーをしているわけでもないと思うんだけれど、彼の場合「大いなる才能を無駄にした困ったやつ」「でも憎めないやつ」というイメージがすっかり定着してしまっていて、ささいなミスがすべて笑いを誘わずにはいられないという印象。そんなふうに笑いのとれるサッカー選手って、とても珍しいと思う。大迫らの台頭もあって、いまやすっかり過去の人という印象の平山だけれど、ある意味、彼は彼でいまだに貴重な存在なのかなという気がした。
(Apr 13, 2009)

鹿島アントラーズ0-0横浜M・マリノス

J1・第6節/2009年4月18日(土)/カシマスタジアム/BS-TBS

 アントラーズ、今季初となるスコアレス・ドロー・ゲーム。
 スタメンはここ何試合かずっと一緒だし、得点は入らないしで、今回はとくに書くこともないなあ……と思ったのだけれど、そうそう、そういえば、このところのオリヴェイラさんの新井場の使い方がおもしろいなあと思っていたんだった。
 この試合でも新井場は後半の途中から出場して、内田篤人に代わって右サイドでプレーしていた。スタメンこそパク・チュホに奪われてしまっているけれど、ここ数試合はずっとこんな感じで、毎回それなりに出場機会をもらっている。「いまはパクをスタメンで使っているけれど、ずっとこのままいくと決めたわけじゃないぞ。いざというときに必ず新井場の力が必要になるんだから、それまで腐らずにいてくれよ」という、オリヴェイラさんから新井場に対するメッセージなんだろうと思う。
 この試合にしても、普通ならばFWを投入してしかるべき0-0の局面で、最後のカードを切って新井場を投入しているわけだから、そうした起用法が単なる社交辞令であるわけがない。新井場もそうした起用にこたえて、毎回短い時間ながらも、存在感を感じさせるプレーを見せてくれている。この日は右サイドでのプレーだったけれど、これが思いのほか、好印象だった。そういえば、この前のACLのシンガポールAF戦でも同じように右サイドで途中出場して、かなり気合の入ったプレーを見せてくれていたんだった。なんだ新井場、右サイドでもけっこういけるじゃないか。新井場が両サイドで使えるというのは、これからの過密日程のことを考えるとなかなか心強い。
 試合のほうは、オリヴェイラの指示で前半はサイド攻撃を控えたとかなんとかで、そのためか攻め手を欠いていまいちの出来。後半早々に大迫を興梠に代えて、そのあたりからは盛り返してそれなりにチャンスは作っていたけれど――前からの積極的なインターセプトがビシバシ決まって、見ていて気持ちがよかった──、あと一歩のところで決め切れないシーンがつづき、結局スコアレス・ドローに終わった。残念だけれど、まあ、とりあえず負けたわけではないし、首位はキープしたのでよしとしよう。ときにはこんな試合もあるだろう。
 相手のF・マリノスは、榎本、中澤、松田、山瀬ら、おなじみの顔触れに加えて、すでに今季4ゴールをあげている大卒ルーキーの渡邉千真{わたなべかずま}や、驚いたことにデビュー2年目でキャプテンマークを託されている兵藤をはじめ、狩野{かのう}、小椋、田中裕介といった二十代前半の選手がそれぞれに目覚ましい活躍をみせていて、思いのほか手ごわかった。現時点では成績的にあまりぱっとしないけれど、将来的にはけっこう楽しみなチームなんじゃないだろうか。古豪、{あなど}れじ。
(Apr 19, 2009)

鹿島アントラーズ5-0シンガポール・アームド・フォーシズFC

AFCチャンピオンズリーグ/2009年4月22日(水)/カシマスタジアム/BS朝日

 アントラーズ、ホームでシンガポール軍FCを5-0で撃退。
 前回の対戦では、自分たちのホーム・ゲームであるにもかかわらず、べったりと引いてきた相手だ。アウェイとなれば、なおさら守備重視になるだろう。そんな相手に守備の人数を割くのはもったいない、ということで、オリヴェイラ監督はこの試合でフォーメーションを3トップに変更、マルキーニョス、興梠、大迫のFW3人を同時にピッチに送り出した。代わりにスタメンをはずれたのは本山。あと、青木が累積警告で出場停止なので、パク・チュホがボランチに入り、左サイドには新井場がひさしぶりにスタメン出場を果たした。あと、伊野波もこの試合はお休みで、大岩が今季初出場。
 ということでスタメンは、GK曽ヶ端、DF内田、岩政、大岩、新井場、MF小笠原、パク・チュホ、野沢、FWマルキーニョス、興梠、大迫という顔ぶれだった。最終ラインは去年の定番といっていい組み合わせだし、冷静に考えてみるとそれほど大幅に変わったわけではないけれど、このところずっと同じスタメンだったので、この程度の変化でもけっこう新鮮だった。
 ただ、いざ試合となると、いつもと違う布陣だけに、いきなりは機能しない。相手が弱いこともあって、なんだか最初のうちはふわふわした印象で、いまいち締まらない感じだった。前半30分くらいまで無得点がつづいたので――まあ、負けるとまでは思わなかったけれど──、こりゃもしかしてホームで辛勝なんてことにならないだろうなと、いらぬ心配をしてしまった。
 そんな不安を吹き飛ばしてくれたのが、野沢の先制ゴール。ダイビング・ヘッドで新井場からのクロスにフリーであわせた、文句なしの一発だった。やはりサイド攻撃という点では、パクよりも新井場のほうが一枚上手だと思う。まあ、パクはこの試合でもボランチとしてかなりの存在感を見せていたので――どうやらこちらが本職らしい――、使いたくなるオリヴェイラの気持ちもわかるんだけれど……。今年はこの人の加入が、けっこうでかいかもしれない。
 その後の得点は前半に興梠が1点、後半に入って小笠原、大迫、そして最後がまた興梠で、それぞれ1点ずつ。どのゴールもそれぞれの持ち味が出た、いいシュートばかりだった。
 興梠の1点目は、小笠原が思いきって打ったコースのずれたミドルシュートが自分めがけて飛んできたのに瞬時に反応して、左足で壁を作るようにして、ダイレクトでゴールへ流し込んだもの。2点目はドリブルで仕掛けて、左サイドの角度のないところからファーに蹴りこんでみせたもの。1点目は反応のよさ、2点目は積極的な姿勢が素晴らしかった。この日はマルキーニョスにミスが目立ったので、もしかしたらそのうちに大迫とのツートップもあり得るかもしれない(でもマルキの場合、少しくらいミスがあっても運動量の多さでその分をカバーしてみせるので、おいそれとスタメンを外されることはなさそうだけれど)。
 その大迫はといえば、野沢からの絶妙のスルーパスを受けてDFラインの裏へと抜け出し、GKとの1対1をあっさりと決めてみせた。落ち着き払ったシュートがあっぱれだった。この子は若いのになんであんなに落ち着いているんだろう。マジで大器かもしれない。大迫はこれでACLでは3試合連続ゴールでチームの得点王だ。
 彼はその前に小笠原のゴールにも絡んでみせた。これは誰だったかの惜しいシュートから始まったゴール前の混戦で、2、3本シュートがはじかれたあとの最後のこぼれ球をオガサが決めたもの。最後のところで相手DFを背負ってワンタッチして、小笠原のためのチャンス・メイクをしてみせたのが大迫だった。ナイス。
 小笠原はこれが復帰後初ゴール。でも彼の場合、べつにこのシュートがなくても十分素晴らしかった。完璧に攻守の{かなめ}、チームの柱。格下相手に手を抜くことなく、試合終了間際になってなお、積極的に前線からプレスに行っているんだから、その貢献度には頭が下がる。2ゴールの興梠には悪いけれど、僕が選ぶんならば、この日のMVPは小笠原。
 まあ、オガサに限らず、後半はチーム全体で高い位置から積極的に相手のボールを奪いにゆく姿勢が徹底されていて、非常にいい内容だった。こういうサッカーが90分間できれば無敵のような気がするけれど、きっとそれこそが一番むずかしいんだろう。
 さて、この試合に快勝したことで、アントラーズはスウォンと勝ち点で並び、得失点差でグループ首位に立った。ただ、この大会では勝ち点が並んだ場合は、得失点差よりも直接対決の結果が優先されるとのことなので、スウォンに負けているアントラーズは実際には2位ということになる。ということはつまり、次のホームでの直接対決でスウォンと引き分けに終わってしまったら、アントラーズの1位抜けはなくなるということ? つまり再来週の試合は勝利が絶対条件ということだ。2位になってしまうと、決勝トーナメントの初戦はアウェイでの一発勝負なんだとか。うーん、そりゃ厳しい。ぜひ勝ってもらわないと。
(Apr 23, 2009)

鹿島アントラーズ1-0ヴィッセル神戸

J1・第8節/2009年4月29日(水)/カシマスタジアム/BS1

 開始早々に野沢の右CKから岩政が得意のヘディングで先制点。こりゃ今日は圧勝かと思ったのに、そのあとがつづかない。結局その1点を守りきっての辛勝となったホームでのヴィッセル神戸戦。
 前節の山形戦は小笠原が出場停止で、FWにも興梠が起用された、ややイレギュラーな陣容だったようだけれど、今回は大迫、パクの入った、このところの定番のスタメン。ただし、前半残り5分でマルキーニョスが足の付け根の痛みを訴えて、途中退場してしまった。
 ということで、そこからは興梠と大迫のツートップになったのだけれど……。
 いやぁ、やっぱマルキーニョスがいるといないとでは大きく違う。前線でボールが収まらないから、後半は終始劣勢な印象だった。
 もしかしてマルキの不在だけではなく、押し込まれたのには別に理由があったのかもしれないけれど、なんにせよ後半は確実に相手ペース。追加点を奪えそうな雰囲気があまりなく、逆にこの日は前半からイージーなミスで相手にチャンスを与える場面がやたらと多かったから、もしやこのままで終われずに追いつかれたりしないだろうなと、ひやひやしてしまった。
 ちなみに今年から神戸の指揮をとっているカイオ・ジュニオールという人──ブラジル人同士ということで、試合終了後にオリヴェイラとハグしあっていた――は、前節のガンバ戦で、徹底したマンマークで遠藤を封じて勝ち点3をあげたことで話題となっていたけれど、この試合でも3バックで入っておきながら、前半途中でさっさと4バックに変えたり、後半あたまから3トップに変えたりと、状況をみて臨機応変に戦術を変えてきた。もしかして、こちらの後半の劣勢がその辺のさじ加減によるものだとしたら、もしかしてこの人ってけっこうすごいのかもしれないと思った。まあ、よくわかんないですけどね。
 ああ、そうそう。ひさしぶりにJリーグに復帰して、今年から神戸でキャプテンマークをつけている宮本恒靖も、かなりいいプレーをみせていた。なんだ、さすが元日本代表のキャプテン、まだまだあなどれないじゃんと思いました。
 なんにしろ、こちらも無事に守りきれてひと安心という試合だった。来週はスウォンとの大一番が控えているだけに、マルキーニョスの怪我の具合が心配だ。
(Apr 29, 2009)