川崎フロンターレ1-1鹿島アントラーズ
J1・第16節/2009年7月5日(日)/等々力陸上競技場/BS-TBS
8連勝で首位独走中のアントラーズと6連勝で2位まで順位を上げてきたフロンターレとの頂上決戦。こちらのスタメンはいつもどおり。川崎は中村憲剛を攻撃的なポジションで起用して、ジュニーニョとチョン・テセのツートップ。
先制したのはフロンターレ。ウッチーが、ゴール前での混戦のなかでシュートを手で止めたという判定を受けて、一発レッドで退場。そのPKをジュニーニョが決めて、川崎が先制する。
決定機の意図的な阻止がレッドカードに相当するのは知っているけれど、リプレイで見た限りでは、内田は肩で止めにいっているように見えたし──もしかして肩も腕の一部?――、手にあたったにしろ偶然で、ぜったい故意ではないと思うので、あれでレッドはないだろうと思った。その辺、はっきりさせたいのに、日本のテレビ局はあいかわらずこういうときにリプレイをきちんと見せてくれなくて嫌になる。
これでひとり少なくなったアントラーズは、本山を右サイドバックにコンバートして急場をしのぐ。本山のサイドバックは去年もあったし、前半は残り10分程度だったので、それをしのぎきって、後半からは新井場の投入かと思ったら、後半も同じフォーメーションで入ったのには、意表を突かれた。まあ、それも本山の体力がつづくあいだで、途中からは本山アウト、新井場インだろうと思っていたら、予想通りに新井場が投入されはしたものの、交替は本山ではなくパク・チュホなんだから、なおさらびっくりだ。オリヴェイラさん、スタメンはまるでいじらないわりには、劣勢時の采配がふるっている。
なんにしろ、もとより苦手の川崎のような強敵相手に先制を許して、なおかつ数的不利な状況に陥ったのだから、敗色濃厚。さすがの連勝記録もここでおしまいかと思ったら、後半のなかばになって、思わぬ形で同点ゴールが生まれる。
この日はボランチとしてプレーしていた寺田周平――ひさしぶりに見たら、髪が短くなっていた――が出したイージーなバックパスをマルキーニョスがかっさらい、興梠にGKとの1対1のチャンスをプレゼント。興梠はドリブルでGKをかわして、角度のないところから貴重な同点ゴールをたたき込んでみせた。正直なところ、GKをかわして外に開いたところでチャンスを逃したかと思った。よくぞ決めてくれた。さすが日本代表。
結局、この日のゴールはこれまで。両チームが勝ち点1ずつを分けあい、アントラーズが2位に勝ち点8の差をつけたまま、首位を維持した。連勝記録こそストップしてしまったけれど、こんな風に負けゲームをドローに持ち込めてしまうんだから、いまの鹿島は本当に強い。人数が少なくなってからも内容は拮抗していたし、敵にしたら相当いやなチームなんだろうなと思う。
(Jul 05, 2009)