FC東京2-0川崎フロンターレ
ナビスコカップ・決勝/2009年11月3日(火)/国立競技場/フジテレビ
今年のナビスコ杯・決勝は、もしも僕がアントラーズ・サポーターでなければ、このどちらかを応援していたんじゃないかと思う両チームの対戦となった。
かたや、アントラーズのコーチ出身の関塚監督のもと、現在僕が日本代表でもっとも気に入っている中村憲剛を中心に、ジュニーニョ、チョン・テセらの強力なFW陣で破壊力抜群の攻撃力を見せる川崎フロンターレ。かたや、わが故郷、東京をホームタウンとして、今野や長友、石川直、徳永、平山といった日本代表や五輪代表でおなじみの(でも若干地味めな)選手たちを擁するFC東京。
普段だと、どちらが勝ってもいいやって感じの両チームなのだけれど、このごろは身近に熱心なFC東京サポーターがいるし──優勝おめでとう!――、なおかつチーム得点王の石川直が怪我をしてしまって出られないやら、長友までが脱臼してベンチ・スタートだやらと、FC東京に不利な情報ばかりが流れてくるので、判官ひいきな気分も手伝って、この日は終始FC東京を応援しながら観ていた。
いやしかし、この日のFC東京の戦いっぷりはとても見事だった。序盤はやや押されながらも、ルーキーの18歳ボランチ、米本の無回転のミドル・シュートで先制すると、川崎の脅威的な攻撃力をねばり強いディフェンスで封じ込め──20歳のGK権田もナイスセーヴを連発していた──、ついにはカウンターから平山のヘディングで2点目を奪って、完封のまま逃げ切ってみせた。終盤、パワープレーをしかける川崎の攻撃──ひとつ前のJ1の試合では広島を7-0とコテンパンに叩きのめしている──に耐えまくっているところも、非常に見ごたえがあった。まあ、サポーターにしてみれば、しんどい展開だったかもしれないけれど。
この試合に関していえば、僕は特別に詳しくもないFC東京のスタメンの選手全員の名前を、なにも見ずにあげることができる(権田、椋原、ブルーノ・クアドロス、今野、徳永、米本、梶山、羽生、赤嶺、平山……あれ、ひとり足りない。ああ、そうそう2点目のアシストをした鈴木達也を忘れちゃいけない)。それだけ全員がきちんとハードワークしていたということだと思う。
対する川崎は、前半20分くらいの絶好機にジュニーニョがまさかというようなシュート・ミスをしたり、2点差を追いかける後半にはチョン・テセのヘディングがバーをたたいたりと、ツキにも見放されていた。もしもジュニーニョのシュートが決まっていたら、試合はぜんぜん違う結果になっていただろう。あのシュート・ミスが勝敗の行方を分けた気がしている。
いやしかし、関塚さんも本当に勝ち運に恵まれない。フロンターレはこの黒星で、なおさらJ1優勝に向けて貪欲になりそうで困りものだ。願わくばJ1でも同じような感じで1、2試合、取りこぼしてくれないもんでしょうか。
(Nov 03, 2009)