日本2-0バーレーン
アジアカップ予選/2010年3月3日(水)/豊田スタジアム/BS1
ワールドカップ本番まであと5試合。
なのに、なんだろう、この盛りあがらなさは。代表戦だというのに、まるでワクワクしない。
ただでさえ、このところの代表のサッカーに失望しているところへきて、この日の試合はすでにアジア杯への出場の決まった国どうしの消化試合なものだから、なおさら盛りあがらない。マリノスへの復帰が決まったばかりの俊輔はともかく、本田、松井、長谷部、森本といった海外組をわざわざ招集したのがまた、国内組だけではまともに戦えない岡田さんの力量不足に思えてしまって、なおさらテンションが下がる。
それでも、もしもスタメンで森本と平山がツートップを組んだりすれば、その新鮮さにおおっと思って一気に盛り返したかもしれない。けれど岡田さんが選んだフォーメーションは岡崎のワントップだ。なんでこの人は、こうもつまらないんだろう? もうちょっと観ているこちらを、おーっそうきたかと驚かせるような采配をふるってくれないもんだろうか。もうがっかりし飽きた。
この試合のスタメンはGKが楢崎、4バックが右から内田篤人、中澤、闘莉王、長友、ダブル・ボランチが長谷部に遠藤。ここまでのメンバーは、怪我人さえ出なければ、本番もこの組み合わせでほぼ確定だろう。
今日はその前に俊輔、本田、松井を並べて、岡崎のワントップという形だった。考えてみれば、俊輔、本田、松井の三人がスタメンで一緒にプレーするというのは、けっこう珍しいのだけれど、俊輔のスペイン移籍がわずか半年で挫折した失望感も手伝って、それほど新鮮な気がしない。そもそもこの形だって、憲剛がACLで顎の骨を骨折して欠場したからじゃないかという気もするし。もしも憲剛がいたらどうなっていたかわからない。
そういえば、選手交替もつまらなかった。後半になってから森本を入れたのはいいけれど、その代わりに松井を下げたのはどうかと思ったし、さらにそのあとの交替が残り5分を切ってからの俊輔→玉田だけってのはどうだ。玉田の実力はすでに十分わかってんだろうに、いまさら彼に5分足らずでなにをさせたいんだかわからない。
もひとつおまけに、交替カードを残したまま終わってしまうってのがわからない。残り少ない貴重な実戦の場だというのに、試しておきたい選手がほかにいないんだろうか? そんなわきゃないだろう。少なくても僕ならば、中澤と闘莉王のどちらかを下げて、センターバックの選手をテストする。
岡田さんはベスト4を目指すというけれど、つまり目的を達成するには世界の強豪相手に7試合を戦わなきゃならないわけだ。当然きわどいプレーも増えて、怪我をしないまでも、カードをもらう可能性は高くなる。守備的な選手が累積警告で出場停止になるケースは十分に考えられる。万が一グループリーグを突破した場合、センターバックのふたりが揃って全試合に出場できるとは、とても思えない。
岡田さんはそういう事態へのケアをまったくしていない。危機管理の意識がまるで感じられない。そこんところもやたらと気に入らない。口ではベスト4とか言っているくせして、じつは本人がまるで信じちゃいないんじゃないだろうかと思ってしまう。
なんにせよ、W杯出場を逃したバーレーンとの消化試合で、レギュラーDFを最後まで引っぱんなくたっていいじゃん。どうせ消化試合なんだし、リスクを冒して新しい可能性を探ろうよぉ。もう、つまらないこと、この上ない。あまりに不満が多いせいで、初めからマイナスのバイアスがかかってしまっているから、勝ちはしたものの、ぜんぜん楽しめなかった。
この日の得点は岡崎と本田が1点ずつで、どちらもサイドからのクロスにヘディングであわせたもの。岡崎へのクロスは俊輔が起点となって、左サイドの松井から折り返されたもので、どんぴしゃのきれいなヘディングだった。
本田のはロスタイムで、こちらは右サイドの篤人から。森本がニアであわせそこなった先に本田が待っていた。すでに相手DFの足は止まっていたけれど、とりあえずフル出場の本田が最後にあそこまで詰めていたのは評価できるかなと思う。なにより岡田さんにとってもあの2点目はでかかった。1-0で終わっていたら、試合後はきっとまたブーイングだったろう。
まあ、とりあえず、バーレーンには去年のアウェイでの一戦で負けているので──思えば、わがサッカー人生で初めてのテレビ放送がない代表戦だった──、きちんと雪辱を果たして終われたのはよかった。僕にとってはそれだけが救いという一戦だった。
(Mar 03, 2010)