ジュビロ磐田5-3サンフレッチェ広島(延長3-1)
ナビスコカップ・決勝/2010年11月3日(水)/国立競技場/フジテレビ
この日の国立はみごとな日本晴れ。満員のスタンドの上に広がる真っ青な空。こんな気持ちのいい日に好きなチームがタイトルをかけて戦うの観るのって、たまんなく楽しいだろうなぁと思う。そんな今年のナビスコカップ決勝戦。あぁ、羨ましい。
ま、僕んちでもこれがテレビを買い替えて以来、初のサッカーのフル観戦だった。いやー、ハイビジョンってきれい。もっと早く買い替えておきゃぁよかったと──さらにいうならば、サッカーを観るならばもっと大きいほうがいいなぁとも──思ったけれど(うちのテレビは32インチ)、まあいいや。サラウンド放送だったので、ついついAVアンプで鳴らしたりしてしまった。とにかくハイビジョンで観るサッカーはとても楽しかった。(でも当然、生観戦にはかなわない)。
いやぁ、それにしてもこの試合はホントおもしろかった。まあ、前半を1-1で折り返し、後半早々にサンフレッチェが山岸のゴールで勝ち越して、そのままスコアが動かずに試合が終わりそうになったときには、これで終わっちゃったらつまんないなぁ……と、広島のサポーターに怒られそうなことを思っていたんだけれど。
そんな試合を最高のものにしてくれたのは、後半44分に同点ゴールを決めた前田だった。先制点も前田のクロスからだし、延長最後のゴールも見事だったし、もうホント、前田さまサマ。いやぁ、この試合の彼はほんとよかった。誰もが納得のMVP。あぁ、こういうプレーが代表でも見たい。
広島は前半に鮮やかなドリブルからのクロスで李の同点ゴールをアシストしたミキッチを後半なかばに下げ──そういえばあのドリブルもすごかった──、代わりにDFを入れて守備固めに入ったのがあだになってしまった気がする。守りに入って逃げ切れなかった時点で、もう反撃の力が残っているようには見えなかった。同点になった時点で、あぁ、こりゃ磐田だわって感じになってしまった。
まあ、広島の選手たちもがんばっていたけれど、印象がよかったのは、やはり勝者の磐田。前田は別格として、そのほかだと積極的な攻撃参加が光ったボランチの那須と、延長で勝ち越しゴールをあげた途中出場の菅沼がとても好印象だった。先制ゴールの船谷とか、4点目の山崎亮平とか、誰それって選手が活躍していたし、一方でGKの川口もまだまだ元気だし、ジウシーニョもなにげに憎めないし、なんだ、磐田いいチームじゃないかと思った。
そうそう、広島の槙野も忘れちゃいけない。彼もこの試合の主役のひとり。延長戦では直接FKを決めて1点差として追い上げムードを高め、最後の最後にはPKを獲得するも、それを川口に止められ、その跳ね返りでフリーのチャンスを得ておきながら、枠をはずす痛恨のシュート・ミス。その直後に試合終了ってのは、締めくくりとして最高だった。あれを決めて1点で終わっていれば、それはそれですごかったけれど、外すあたりにもまた味があるという。いやぁ、笑わせてもらいました(失礼)。
なんにしろ、リーグ戦から中2、3日での試合で、しかも延長戦あり。磐田は駒野とパク・チュホの両サイドバックを怪我で欠き、一方の広島もキャプテンの佐藤寿人が故障明けで、ベンチには入っていたけれど出番なしで終わってしまうなど、両チームとも台所事情は苦しかったはずだけれど、そんなことを感じさせない、最高の決勝戦だった。楽しませてくれた両チームに感謝。
(Nov 04, 2010)