セレッソ大阪6-2ジュビロ磐田
J1・第34節/2010年12月4日(土)/キンチョウスタジアム/BS-TBS
Jリーグ2010年シーズンの最終節。
例年だと優勝が決まるこのタイミングで、優勝争いとまったく関係ない試合を観なくちゃならないってのはさびしいものがある。というか、そもそもアントラーズの試合は放送がないんだから、本来ならば、最終戦だからとわざわざ観なくてもいいのだけれど、なんかこう毎年、開幕戦と最終戦はどこの試合であろうと観るのが当然のことになっていたし──まあ、それは例年だと優勝が決まるのがこの試合だったからだけれど──、これで1年が終わり、向こう3ヶ月はJリーグが観られないと思うと、それはそれでさびしくて、やはり観ておかないとすまない気分になる(まあ、まだ天皇杯があるけれど)。
ということでBSで放送された2カードのうち、このセレッソ-ジュビロ戦を観ることにした。もう一試合のレッズ-ヴィッセル戦にも興味はあったのだけれど──レッズのフィンケ監督は今季限り、ポンテも退団だというし、ヴィッセルはJ2降格がかかった試合だったので──、やはりアントラーズとACLの出場権をかけた3位争いをしているセレッソを観ておくべきだろうと思った。なんたってセレッソのサッカーはおもしろいと評判なのに、今季は一試合も観たことがなかったので。
そしたら、その噂にたがわず。セレッソが、つえーのなんの。
いや、キックオフから5分もしないうちに、FWのアドリアーノのプレーを観て、おいおい、この人、やべーんじゃないの?と思ったんだった。やたらと速くて切れがある。こんなFWに、家長──この日はボランチの位置でプレーしていた──と乾という、若手屈指のテクニシャンが中盤からボールを供給するんだから、そりゃまずいでしょう。願わくばセレッソには負けていただきたいのだけれど、どうにも観たところ、そうは問屋が卸しそうにない。
そしたら案の定。この日はこのアドリアーノが大爆発。前後半でそれぞれ2点ずつ、計4点をひとりでたたき出してみせた。それも単なる個人技からではなく、どれも見事な連係によってのゴール。家長、乾だけでなく、清武という、これまた21歳のMFがいいアシストをみせる。うわー、つええや。ここまで4位は伊達じゃなかった。
対する磐田も、アジア大会優勝に大きく貢献したという山崎亮平などの活躍で、2点は返したのだけれど(決めたのは成岡と前田)、どちらもその得点の直後にさらなる追加点を奪われ、追い上げムードに水を差される形に。
この日のジュビロは最終ラインがゆるゆるで、セレッソの強力な攻撃陣の前になすすべがない感じだった(そういえばGKもなぜか川口ではなかった)。唯一の救いは、前田が1ゴールを決めて、(名古屋のケネディと同点首位ながら)得点王に輝いたことくらい。
なんにしろ、この日はそんな風に華麗なるセレッソ劇場を見せられているうちに、次々と気になる途中経過が入ってきた。それも悪い知らせばかり。おかげで目の前の試合そっちのけで、裏で行われているその他の試合の途中経過を気にすることになった。
「清水0-1G大阪」 あぁ、ガンバが早々と先制してる。
「山形1-0鹿島」 うわーっ、なにやってんだ~、先制されんなよ~。
「浦和0-1神戸」 おいおい、神戸が先制しちゃっちゃったよ。FCまずいじゃん。
「京都1-0東京」 げっ、なんで京都に点取られてんの、FC。
「浦和0-2神戸」 うわ、レッズよわっ。FC、まず過ぎ……。
「山形1-1鹿島」 よし同点っ。あと1点!
「浦和0-3神戸」 こりゃ……。
……。
残念ながら、ここから先、山形-鹿島戦のスコアは動かなかった。
そしてFC東京が京都に追いつくこともなかった。
結局、アントラーズはモンテディオと引き分けに終わり、ガンバとセレッソに抜かれて4位に転落。最後の最後でACL出場権を確保しそこなった。
そして最終的に京都サンガに0-2で負けたFC東京も、0-4とレッズに大勝したヴィッセルに追い越されて、湘南、京都につづく最後のJ2降格が決定してしまった。
まあ、アントラーズの4位は仕方ない。この日の試合を観たかぎり、セレッソはベスト3に入るにふさわしいサッカーをしていた。それに比べて、アントラーズは勝てる試合をこぼしすぎた。まあ、それでもまだ天皇杯だってあるし、ACL出場の可能性は残っている。4連覇を達成できなかったのは残念だけれど、悲観するほどひどいシーズンではなかったと思う。そもそもFC東京の悲惨さと比べたら……。
いやぁ、FC東京のJ2降格はほんとにショック。あぁ、来年は味スタでのアントラーズ戦は観られないのかぁ……。
(Dec 05, 2010)